PCの動作が不安定になったり、MEMORY_MANAGEMENTなどのブルースクリーン(BSOD)が突然表示され再起動した場合などにPCのメモリの故障を疑うケースがあります。
メモリの故障が疑われる場合は、Windows10/11に標準搭載されているメモリ診断ツールを利用するのがおすすめです。
この記事ではWindows10/11で「Windowsメモリ診断」を利用してメモリの問題をチェックする方法を紹介します。
また、メモリ診断が正常に終わらない・できない場合の対処法も併せて紹介します。
この記事の内容
「Windowsメモリ診断」で故障を診断する方法
Windowsでは、「Windowsメモリ診断」を起動することで、メモリの破損や異常をチェックすることができます。
Windowsメモリ診断が起動して、メモリをチェックするには次の手順で操作して下さい。
- 「Windowsマーク」をクリックします。
- ソフトウェア一覧から「Windows管理ツール」を探してクリックします。
- 「Windowsメモリ診断」をクリックして起動します。
- または、「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択し、「mdsched.exe」と入力して「OK」をクリックして起動することもできます。
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」をクリックします。
- もしPCが作業の途中の場合は、「次回のコンピュータ起動時に問題の有無を確認する」をクリックして下さい。その後、ファイルの保存などを行って準備が完了したらPCを再起動しましょう。
- メモリ診断が開始します。診断が完了するまで数分待ちます。
- メモリ診断が完了すると、自動でPCが再起動します。
- タスクバーにWindowsメモリ診断の結果が表示されます。
上記の手順でWindowsメモリ診断を実行すると、自動でメモリエラーの有無がチェックされます。
「Windowsメモリ診断」が終わらない時の原因
メモリ診断の時間は、通常であれば数分で完了しますが、メモリの容量によっては数時間掛かるケースもあります。
そのため、特にエラーの表示もない場合は、まずは半日待ってメモリ診断が完了しないか確認して下さい。
半日以上待ってもメモリ診断のチェックが終わらない場合は、主に次のような原因が考えられます。
- メモリ診断の一時的なエラー
- Windowsやソフトウェアの処理の干渉
- メモリの接触不良
- マザーボードのメモリスロットの故障
- メモリの故障
システム側に問題がある場合やメモリに問題がある場合、さらにはマザーボードに問題がある場合など、さまざまな原因が考えられます。
「Windowsメモリ診断」が終わらない時の対処法
Windowsメモリ診断がうまく動かない場合や、診断が始まっても正常に完了しない場合は、次に紹介する対処法を試してみて下さい。
メモリの故障も考えられますが、その他の方法で正常に診断できる可能性があります。
対処1: メモリ診断を一旦終了する
メモリ診断が長時間経っても完了しない場合は、診断中にエラーが発生して処理が止まってしまっているケースがあります。
メモリ診断は、「ESC」キーを入力することで途中で終了することができます。
あきらかに止まっているように見える場合は、一度メモリ診断を終了して、再度メモリ診断を実行してみて下さい。
対処2: セーフモードで起動してメモリ診断を実行する
PCのソフトウェアやOSのバックグラウンド処理によって、Windowsメモリ診断が正常に実行できないケースがあります。
上記の問題を解消するためにも、PCをセーフモードで起動してメモリ診断を実行してみることをおすすめします。
Windows10をセーフモードで起動する方法については、次のページを参考にして下さい。
起動後、ディスプレイの右下に「セーフモード」と書かれている状態になれば起動成功です。
セーフモードで起動できたら、メモリ診断を実行してください。この状態でメモリ診断を実行できれば、ソフトウェアの処理などが原因であると判断できます。
対処3: Memtest86+でメモリを診断する
メモリの診断は、Windowsに搭載されているメモリ診断だけでなく、Memtest86+というツールを使用して行うこともできます。
Memtest86+は、有名なメモリテストツールなので、Windowsメモリ診断が使えない場合は試してみてください。
Memtest86+を使ってメモリ診断を実行するには、次の手順で操作して下さい。
1.Memtest86+をインストールする
- PCにUSBメモリを挿します。
- 『Memtest86+公式サイト』にアクセスします。
- 「Download (Pre-built & ISOs)」の項目にある「Auto-installer for USB Key (Win 9x/2k/xp/7)」をクリックしてインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードしたファイルを全て展開します。
- 展開したフォルダにある「(Memtest86+ USB Installer.exe」を実行します。
- 案内に従ってインストールを進めて下さい。
- インストール先に「接続したUSBメモリ」を選択して下さい。
- インストールを完了します。
2.メモリテストを実行する
インストールが完了したらメモリテストを実行します。
- Memtest86+をインストールしたUSBメモリをPCに挿します。
- USBメモリを正常に挿していることを確認したら、PCを再起動してUSBブートを行います。
- USBブートの方法については、利用しているPCによって異なるため、PCやマザーボードのマニュアルを参考にしてください。
- USBブートに成功するとMemtest86+が自動で実行されるので、しばらく待ちます。
- Memtest86+は起動しておくとエンドレスでメモリテストを実行するので、3~5周程度行うことをおすすめします。
- エラーが表示されず、Passのカウントが順調に上がっていく場合はメモリが正常であると判断できます。
- テスト時にエラーが発生した場合、赤いバーが表示されます。
- エラーが発生した場合は、メモリに問題があるため交換を検討して下さい。
対処4: メモリを挿し直す
メモリの接触不良が原因でメモリ診断ができなかったり、メモリの問題が発生する場合があります。
そのため、マザーボード上のメモリスロットからメモリを一度取り外して、再度しっかり挿し直してみて下さい。
メモリスロットの位置がわからない場合は、PCやマザーボードのマニュアルをチェックしましょう。
メモリを挿し直した後で、メモリ診断が正常に実行できるか確認して下さい。もし、正常に起動しない場合はメモリの故障が疑われるため、次の対処に進みます。
対処5: メモリを個別に診断する
PCに複数のメモリを搭載している場合、一部のメモリに問題があり、正常にメモリ診断ができないケースが考えられます。
メモリの故障は見た目だけでは判別できないため、メモリを1枚だけ挿した状態で順にメモリ診断を実行する必要があります。
- マザーボード上のメモリスロットからメモリモジュールを全て取り外し、1枚だけ取り付けます。
- PCを起動して「Windowsメモリ診断」を実行します。
- 正常にメモリ診断が実行できれば、そのメモリに問題はないと判断できます。
- 次のメモリを取り付けて同様の手順で診断して、問題があるメモリを特定してください。
特定のメモリを挿した場合にPCが起動しなくなったり、メモリ診断が止まる場合は、そのメモリに問題があると判断できます。
もし、全てのメモリで正常にメモリ診断が行えた場合はメモリスロット側の故障も考えられます。この場合は、マザーボードの交換を検討して下さい。
対処6: メモリを交換する
ここまでの対処方法でメモリの故障が考えられる場合は、メモリの交換を行って下さい。
メモリを購入する際は、事前に使用しているPC、マザーボードのメモリの規格とセット枚数(トリプルチャネルやクアッドチャネル等)を確認しておきましょう。
メモリの規格とセット枚数を間違えると、最大限のパフォーマンスを発揮できないケースがあります。
適切な規格のメモリに交換できたら、再度メモリ診断を実行し問題がないことを確認します。