Windows10のPCが突然動作が重くなった際にタスクマネージャーを確認すると、Intel Management Engine Components関連のプロセスのCPU使用率が異常に高いケースがあります。
この問題は、特に「LMS.exe」もしくは「UNS.exe」のいずれかのプロセスで発生することが多いです。
本記事では、Intel Management Engine Componentsの概要とプロセスのCPU使用率が高い時の対処方法について詳しく紹介します。
Intel Management Engine Componentsとは
Intel Management Engine Componentsとは、Intel製のチップセット、ストレージ、その他のコンポーネント等のハードウェアを監視して管理するドライバーおよびソフトウェアのことです。
Intel Management Engine Componentsはシステムのバックグラウンドで実行され、Intelのドライバー、コンポーネントの更新や問題に関する情報を通知します。
ソフトウェアをインストールすると、Intel Management Engine Interfaceドライバーがインストールされ、以下のサービスがバックグラウンドで実行されます。
- LMS.exe: Intel(R)Management and Security Application Local Management Service
- UNS.exe: Intel(R)Management and Security Application User Notification Service
- jhi_service.exe: Intel(R)Dynamic Application Loader Host Interface Service
- IntelMeFWService.exe: Intel(R)ManageabilityEngine Service
このソフトウェアは、通常Intelのチップセットを搭載したPCの出荷時にメーカーによってプリインストールされています。
Windows10を使用する上で必須のソフトウェアではないため、PCの動作に支障が出ている場合は停止やアンインストールしても問題ありません。
Intel Management Engine Componentsが重い時の対処法
Intel Management Engine Componentsに含まれる「LMS.exe」もしくは「UNS.exe」は、プロセスのCPU使用率が一時的に高くなることがあります。
これらのプロセスの負担は一時的に高くなっても、通常であれば時間が経過すると自然に落ち着きます。
しかし、LMS.exe/UNS.exeのCPU使用率が異常に高い状態が続く場合は、ソフトウェアに問題が起きているケースが考えられます。そのため、次の対処方法を試して負担が改善しないか確認してください。
対処1: タスクマネージャーで手動で強制終了する
Intel Management Engine ComponentsのLMS.exe/UNS.exeのプロセスに一時的な問題が起きていることが原因で、CPU使用率が高くなるケースがあります。
そのため、タスクマネージャーで負担の高いプロセスを手動で強制終了してみてください。タスクマネージャーからプロセス強制終了する手順は、次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択して起動します。
- 「詳細」タブをクリックします。
- 簡易表示になっている場合は左下の「詳細」をクリックして切り替えます。
- 「LMS.exe/UNS.exe」を右クリックして「タスクの終了」を選択します。
- 警告ポップアップが表示されたら再度「タスクの終了」をクリックします。
- タスクの終了で終了できない場合は、右クリックして「プロセスツリーの終了」を選択してください。
プロセスが完全に終了したことを確認できたら、「パフォーマンス」タブをクリックしてCPU使用率が改善したか確認してください。
対処2: PCを再起動する
LMS.exe/UNS.exeのプロセスの負担が高い場合は、PCを再起動するだけで改善する可能性があります。
そのため、PCを一旦再起動してIntel Management Engine Componentsのプロセスの負担が改善しないか確認してみてください。
PCを再起動してもプロセスのCPU使用率が改善しない場合は、次の対処方法を試してください。
対処3: チップセットドライバーとBIOSを最新にアップデートする
IME(Intel Management Engine Interface)ドライバー、Intel AMT ドライバー、もしくはBIOS(UEFI)が古く不具合があることが原因で、LMS.exeのプロセスの負担が高くなるケースがあります。
そのため、コンポーネントドライバーとBIOSを最新バージョンにアップデートすることで問題が解決する可能性があります。
PCのメーカーの製品ページで、新しいバージョンのIME/AMTドライバーとBIOSが提供されていないか確認してください。新しいバージョンが提供されている場合は、最新のインストーラーをダウンロードしてインストールを行なってください。
アップデート方法は、PCの機種によって異なるため、メーカーのマニュアルページを参考にしてください。
対処4: Intel Management Engine Componentsのスタートアップを無効化する
Intel Management Engine Componentsに含まれるサービスは、インストールするとPC起動時に自動で開始するように設定されています。
そのため、ここまでの対処方法で問題が解決しない場合は、Intel Management Engine Componentsのスタートアップを停止することを検討してください。
スタートアップを無効化する具体的な手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択して起動します。
- 詳細表示になっていることを確認して「スタートアップ」タブを開きます。
- 簡易表示になっている場合は左下の「詳細」をクリックして切り替えます。
- リストから「Intel Management Engine Components」を探して右クリックして「無効化」を選択します。
- 状態が「無効」になったことを確認したらPCを再起動します。
PCを再起動できたら、タスクマネージャーでIntel Management Engine Componentsのプロセスが動作しなくなったか確認してください。
対処5: BIOSからIntel AMTを無効にする
LMS.exeのみのプロセスが重い場合は、Intel AMT(Active Management Technology)の機能を無効化することで問題が解決する可能性があります。
Intel AMTは、IntelCore vProプロセッサーを搭載しているPCで使用できるリモート管理機能ですが、通常家庭用のPCでは有効にする必要はありません。
Intel AMTを無効化するには、次の手順で操作します。
- PCを再起動します。
- 起動直後の画面でBIOS(UEFI)の起動キーを連打します。
- PCの機種によってBIOS起動キーは異なるため、起動時の画面で確認するかマニュアルを参考にしてください。
- BIOSが起動できたら、「Intel AMT」の設定項目を探します。
- Intel AMTの項目の位置はマザーボードによって異なります。
- 「Intel AMT」を「無効(Disable)」に変更します。
- BIOSの設定を保存して再起動します。
Intel AMTの機能が無効化してPCを起動できたら、LMS.exeの負担が改善したか確認してください。
対処6: Intel Management Engine Componentsをアンインストールする
ここまでの対処方法でIntel Management Engine Componentsの負担が解決しない場合は、アプリケーションのアンインストールを検討してください、
Intel Management Engine Componentsは、通常のアプリケーションと同様の手順でアンインストールすることができます。アンインストールを行うには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で「Intel Management Engine Components」を選択します。
- 「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- アンインストールウィザードにしたがってアンインストールを完了します。
- アンインストールが完了したらPCを再起動してます。
PCが再起動できたら、タスクマネージャーでCPUの負担が解決したことを確認してください。
対処7: LMS.exeを削除する
Intel Management Engine ComponentsをアンインストールせずにLMS.exeのみを削除することもできます。
LMS.exeを削除するには、サービスを停止してからコマンドで削除します。具体的な手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「services.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- サービス一覧から「LMS(もしくはIntel(R)Management and Security Application Local Management Service)」をダブルクリックします。
- スタートアップの種類を「無効」に変更します。
- 「停止」をクリックしてから「OK」をクリックします。
- 「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と入力します。
- 検索結果の一覧で「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- 次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
SC delete LMS
- コマンドが実行できたらPCを再起動します。
以上の手順で、LMS.exeを削除することができます。PCが再起動したらCPU使用率の問題が解決したか確認してください。
対処8: ウィルススキャンを実行する
ここまでの対処方法を試しても、タスクマネージャー上でLMS.exeやUNS.exeが高いCPU使用率で動作している場合は、同名のウイルスがインストールされている恐れがあります。
過去にもLMS.exeと同名のウイルスが存在していたことがネット上に報告されています。
ウイルスの恐れがある場合は、次の手順でIntelの正規のプログラムであるか確認してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択して起動します。
- 「詳細」タブをクリックします。
- 「LMS.exe/UNS.exe」を右クリックして「ファイルの場所を開く」を選択します。
- ファイルパスが以下の正規のパスであるか確認します。
C:\Program Files (x86)\Intel\Intel(R) Management Engine Components\ C:\Program Files\Intel\Intel(R) Management Engine Components\
上記のパス以外にプログラムがあった場合は、ウイルスの危険性があるためウイルススキャンを実行してください。ウイルススキャンは、、『Malwarebytes』などの検出率が高いセキュリティソフトウェアを使用することをおすすめします。