Excelに入力したデータを美しく見やすく印刷するには印刷範囲と改ページを正しく設定する必要があります。
どちらも通常であれば直感的に調整できるため難しい操作ではありませんが、一部の設定を変えてしまうと範囲の調整機能が無効になってしまうことがあります。
本記事ではExcel2016/2019で印刷範囲が変更できない・改ページの点線ができないトラブルの対処法を解説します。
この記事の内容
印刷範囲が変更できない時の対処法
まずは印刷範囲の手順に問題がないか確認しておきましょう。
Excel2016で印刷範囲を変更するには以下の操作で調整します。
- 印刷したいセルの範囲をドラッグし、範囲選択状態にします。
- 上部タブにある「ページレイアウト」をクリックします。
- 上部メニューにある「印刷範囲」をクリックし、表示されるメニューから「印刷範囲の設定」をクリックします。
- これで印刷範囲が設定されました。
印刷範囲は標準の表示では、表中に点線として表示されます。
印刷範囲をクリアするには?
選択した印刷範囲は、「ページレイアウト」タブ→「印刷範囲」→「印刷範囲のクリア」をクリックすると解除できます。
ただし、印刷範囲を設定してからクリアをしても用紙サイズの印刷範囲の点線が消えなくなります。
再度変更したい場合は、印刷範囲を同じ手順で設定してください。
印刷範囲を変更するに便利な「改ページプレビュー」
印刷範囲をマウスのドラッグ操作で変更するには改ページプレビューがおすすめです。
改ページプレビューで印刷範囲を変更するには次の手順で行います。
- まず上部タブにある「表示」をクリックします。
- 上部メニューにある「改ページプレビュー」をクリックします。
- 印刷される範囲が青色のラインでわかりやすく表示されます。
- 青色のラインにカーソルを重ねてドラッグすると印刷範囲を変更できます。
選択範囲の青色のラインをドラッグして変更できない場合は、「セルのドラッグアンドドロップ」設定を確認します。
「セルのドラッグアンドドロップ」の設定を確認
- 上部タブにある「ファイル」をクリックします。
- 左のメニューリスト最下部にある「オプション」をクリックします。
- Excelのオプションウィンドウが開きます。左のメニューにある「詳細設定」をクリックします。
- 「編集設定」のグループの中にある「フィルハンドルおよびセルのドラッグアンドドロップを使用する」にチェックを入れます。
設定を変更したら印刷範囲の変更ができるようになったかどうか確認します。
改ページの点線が変更できない時の対処法
改ページプレビュー上で点線を変更することで、印刷される時の1ページの範囲を変更することができます。
改ページの点線を調整するには以下の手順で操作します。
- 上部タブにある「表示」をクリックします。
- 上部メニューにある「改ページプレビュー」をクリックします。
- 印刷した時にどの位置でページが切り替わるかが点線で表示されます。改ページの位置を調整するには点線にカーソルを合わせ、ドラッグで上下左右に線を動かします。
もし点線が表示されない場合は上部タブにある「ページレイアウト」をクリックし、上部メニューにある「改ページ」メニューから「改ページの挿入」を選びます。すると現在選択しているセルの位置を基準にページが分割されます。
この手順で点線が動かせない場合は、選択範囲を変更できない時と同様に、『セルのドラッグアンドドロップの設定を確認』してください。
それでも解決しない場合は以下の項目を確認します。
シートを複数選択していないか
複数のシートを選択していると改ページプレビューでの改ページ位置が変更できなくなります。一旦選択を解除してからもう1度位置調整を行ってください。
ページ数を指定していないか
印刷する枚数を指定していると改ページ位置の指定や変更ができなくなります。以下の手順で設定を確認します。
- 上部タブから「ページレイアウト」をクリックします。
- 上部メニューの「ページ設定」の右下にある小さな四角アイコンをクリックします。
- ページ設定ウィンドウが開きます。「拡大縮小印刷」の項目を確認し、「拡大縮小」を選択します。「次のページ数に合わせて印刷」を選択しているときには改ページの指定はできません。
非表示のセルがないか
非表示にしているセルがあると改ページの位置が変更できなくなることがあります。以下の手順ですべてのセルを表示してからもう1度調整を行ってみてください。
- シート左上の三角アイコンをクリックするか、キーボードでCtrl+Aと入力してすべてのセルを選択します。
- 上部のタブから「ホーム」をクリックします。
- 上部メニューにある「書式」をクリックします。
- 表示されるメニューの中から「表示設定」をポイントし、続いて新たに表示されるメニューの中から「行の再表示」をクリックします。
- セルを選択したままもう1度上部メニューから「書式」→「表示設定」と開き、今度は「列の再表示」をクリックします。
- 非表示になっていたセルがすべて表示されます。この状態でもう1度改ページの調整を行ってみてください。
Excelの設定を初期化する
ここまでの手順を確認しても印刷範囲や改ページの点線が変更ができない場合は、Excelに不具合が起きていることが考えられます。
Excelを一旦再起動して、同じ症状ができるか確認してください。
再起動後も同じ症状が出る場合は、次の手順でExcelの設定の初期化をお試しください。
Excel2016の初期化手順
Excelの初期化は、ファイルが消えるわけではなくExcel自体の環境設定がすべてリセットされます。そのため、設定を変更している場合は、再設定が必要になるのであらかじめご了承下さい。
- Excelを終了させます。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「ファイル名を選択して実行」をクリックします。
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが表示されたら、「%appdata%」と入力してOKをクリックします。
- 「Roaming」という名前のフォルダが開きます。開かれたフォルダの中から「Microsoft」フォルダを探して開きます。
- その中にある「Excel」フォルダを削除します。
- Excelを再度起動すると設定が初期の状態に戻ります。
「Excel」フォルダが見つからない時は?
フォルダが表示されない場合は隠しフォルダを表示するよう設定を変更してから再度操作を行います。
- エクスプローラを開きます。
- 上部のタブから「表示」を選択します。
- 「表示/非表示」の項目にある「隠しファイル」にチェックを入れます。
フォルダの表示設定を変更したらもう1度Excelの設定ファイルの削除を行ってください。
設定ファイルが削除できたら再度Excelを開き、症状が改善していないか確認します。
印刷範囲の設定アイコンがグレイアウトしているときはどうしたらよいのでしょうか?
複数のシートを選択した状態になっていることが考えられます。印刷範囲の設定を変更するシートのセルのみ選択した状態で、印刷範囲の設定ができないか試して下さい。