通常、スマホの充電をする際は充電器とスマホの充電端子を有線で接続します。しかし、これを無線で行う「ワイヤレス充電」というものが徐々に広まってきています。
それに伴って「ワイヤレス充電の仕組みはどうなっているのだろうか」、「ワイヤレス充電に危険性やデメリットはないのだろうか」と思っている人も多いようです。
そこで、本記事ではスマホのワイヤレス充電の仕組みとメリット、デメリットについて紹介していきます。スマホのワイヤレス充電が気になっている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
そもそもワイヤレス充電とは?
最初にワイヤレス充電とはどんなものかをチェックしておきましょう。
スマホで利用するワイヤレス充電の規格を「Qi(チー)」といい、以下のような特徴があります。
スマホを充電器の上に置くだけで充電できる
ワイヤレス充電の最大のメリットはスマホを置くだけで充電できるというものです。
そのため、ケーブルを接続するという煩わしい作業は必要ありません。また、充電コネクタの劣化を防ぐこともできるでしょう。
ワイヤレス充電の仕組み
続いてワイヤレス充電の仕組みについて詳しく見ていきましょう。ワイヤレス充電は主に次のような技術を利用しています。
電磁誘導
電磁誘導とは、コイルの周囲の磁界が変化すると電流が発生する現象です。
ワイヤレス充電は、電磁誘導によって発生する電流(誘導電流)を利用してスマホに給電しています。その原理は以下のようなものです。
充電器側に搭載されたコイルに電流を流して磁界を発生させる
充電器にはUSBや交流電源(家庭用コンセントなど)から給電します。
充電器側には送電用のコイルが搭載されており、ここに給電されることによって磁界が発生する仕組みです。
スマホ側に搭載されているコイルが電力を発生させる
ワイヤレス充電に対応したスマホ側には受電用のコイルが搭載されています。
このコイルは、充電器側のコイルが発生させた磁界によって電流を生み出すことができ、これを利用してバッテリーを充電します。
このように、スマホのワイヤレス充電は充電器側とスマホ側それぞれに搭載されたコイルの間で電磁誘導を使い、充電を行うものです。
ワイヤレス充電のメリット
ワイヤレス充電の主なメリットは次の通りです。
ケーブルが不要
ワイヤレス充電を利用すると充電ケーブルが必要なくなるので、充電ケーブルを紛失したり断線によって充電できなくなったりする心配がありません。
そのため、スマホの充電ケーブルの取り回しに煩わされることがないでしょう。
また、ケーブルを抜き差ししなくて済むのでスマホ側の充電端子(USB-C)などが破損しにくくなります。耐久性という面でも大きなメリットがあるといえます。
手軽に充電できる
充電器の上に置くだけで簡単に充電できるので、とても手軽だといえるでしょう。
そのため、ケーブルを利用した充電に比べて「充電が面倒なのでついつい忘れてしまった」ということを防げます。充電を忘れがちな人にとっては、この手軽さが大きなメリットになるでしょう。
ワイヤレス充電のデメリット
一見すると便利そうに見えるワイヤレス充電にもデメリットがあります。
実際に使う前に覚えておきたいデメリットは次の通りです。
スマホがQiに対応している必要がある
ワイヤレス充電を行うためには、充電器を用意するだけでなくスマホ側もQiに対応している必要があります。
したがって、手持ちのスマホがQiに対応しているかどうかを確認するのを忘れないようにしてください。
対応していないスマホではワイヤレス充電を利用することはできません。
充電速度が遅い
ワイヤレス充電はケーブルを利用した充電とは異なり、電力を磁界に変換させ、再び電力に変換する必要があります。
これによってエネルギーロスが発生するため給電能力が同じでもケーブル充電に比べて速度が遅くなるというデメリットがあります。
特に60~70%から100%にするまでの時間が大幅に長くなる傾向があるので、ワイヤレス充電でフル充電したい人で速度を重視する人は注意してください。
金属製スマホケースは利用不可
充電器とスマホの間に金属製のケースやアクセサリが存在している場合、発生した磁界が熱エネルギーに変換されてしまうため充電することができません。
また、発熱すると危険なので金属製のカバーやアクセサリは充電前に外しておきましょう。
ワイヤレス充電に危険性はある?
ワイヤレス充電には危険性があるのかどうかを気にする人もいるかもしれません。
ワイヤレス充電そのものには危険なポイントはありませんが、使い方を間違えると火災に繋がるリスクがあるので注意してください。
発熱による火災リスク
先程紹介した通り、充電器とスマホの間に金属製のケースやアクセサリがあったり、異物が挟まっていたりすると発熱するリスクがあります。
充電器側にも安全装置があるため、通常は充電が作動しないはずですが、充電器の不具合で安全装置が働かないケースが考えられます。
また、ディスプレイ面を充電器に触れさせると、安全装置が働かなかった場合に内蔵されている金属パーツが発熱する恐れがあります。
ワイヤレス充電を利用する場合は背面が充電器に触れるように設置しましょう。