パソコンに時間の掛かる処理をさせている場合など、一定時間経過したらタイマーで自動シャットダウンしたい場面があると思います。
特定の時間になったらパソコンを自動でシャットダウンする操作は、Windowsの標準の機能のみで設定できます。
本記事では、Windows10のPCで自動シャットダウンを設定する方法について解説します。
Windowsの標準機能を使った方法だけでなく、無料で使用できるシャットダウンアプリも併せて紹介するので参考にしてください。
この記事の内容
方法1: タスクスケジューラを使用する
Windowsに標準で備わっているタスクスケジューラの機能を使って、自動シャットダウンを設定することができます。
タスクやスケジューラを使うことで、毎日・毎週決まった時刻に繰り返し実行する設定ができます。また、時刻や曜日など細かい自動シャットダウンの設定をすることができます。
自動シャットダウンを設定する手順
タスクやスケジューラで自動シャットダウンを設定するには次の手順で行います。
- 「スタート」ボタンをクリックし、アプリ一覧から「Windows管理ツール」フォルダ→「タスクスケジューラ」を探して起動します。
- タスクスケジューラが起動したら、ウィンドウ右枠にある「基本タスクの作成」をクリックします。
- 「名前」欄にスケジュールの名前を入力して右下の「次へ」をクリックします。
- 「自動シャットダウン」等、わかりやすい名前を自由に設定してください。
- 「説明」欄は空白のままで問題ありません。
- 「いつタスクを開始しますか?」画面が表示されます。自動シャットダウンを設定する日を選択します。
- 「1回限り」: 一度だけ設定したい場合
- 「毎日」: 毎日設定したい場合
- 「毎週」: 曜日を指定して設定したい場合
- 「開始」に「シャットダウンを実行する日付と時刻」を設定して「次へ」をクリックします。
- 「タイムゾーン間で同期」にはチェックを入れないでください。
- 「毎日」を選択した場合は、「間隔」を指定できます。
- 「毎週」を選択した場合は、「間隔」と「曜日」を指定できます。
- 「タスクでどの操作を実行しますか?」画面が表示されます。「プログラムの開始」を選択します。
- 実行するプログラムを次のように設定して「次へ」をクリックします。
- 「プログラム/スクリプト」: 「shutdown」と入力します。
- 「引数の追加」: 「/s /f」と入力します。
- 入力はすべて半角で行い、また2つ目の「/s /f」を入力する時は”s”と2つ目のスラッシュの前に半角スペースを挿入してください。
- 「開始」: 空欄のままにしておきます。
- トリガーの日付・時刻をもう1度確認してから「完了」をクリックします。
以上でタスクスケジューラを使った自動シャットダウンの設定は完了です。
指定した時刻になると設定したタスクが実行され、自動でシャットダウンが行われます。
自動シャットダウンを取り消す手順
タスクスケジューラに設定した自動シャットダウンを取り消すには、次の手順で操作してください。
- タスクスケジューラを起動し、左枠の階層ツリーにある「タスクスケジューラライブラリ」をクリックします。
- 中央上部のリストから、作成した自動シャットダウンのタスク名を探します。
- タスク名を右クリックし、「無効化」を選択します。
- 「削除」を選択すると作成したタスク自体を完全に消去できます。
シャットダウンの設定を変更する手順
タスクスケジューラに設定したシャットダウン設定を変更したり、無効化した自動シャットダウンを再度利用したい場合は次の手順で設定してください。
- 左枠の「タスクスケジューラライブラリ」を選択した後、中央上部のリストから作成した自動シャットダウンのタスク名を探します。
- タスク名を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「トリガー」タブを開きます。
- 「編集」ボタンをクリックします。
- 「開始」の日付と時刻を再設定し、「OK」をクリックします。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
- 自動シャットダウンタスクの「状態」が「無効」になっている場合は、タスク名を右クリックして「有効」を選択します。
方法2: shutdownコマンドを実行する
タスクスケジューラを使わずに、shutdownコマンドを使用して自動シャットダウンを設定することもできます。
ただし、shutdownコマンドによる自動シャットダウンの設定は、一度だけしか実行することができません。
また、shutdownコマンドによる設定は、時刻指定ではなく、カウントダウン方式(○秒後にシャットダウンする)でシャットダウンを設定します。
自動シャットダウンを設定する手順
shutdownコマンドによる設定手順は次のとおりです。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「名前」欄に、次のコマンドを入力します。
shutdown /s /f /t (シャットダウンまでの秒数)
- 最後の(シャットダウンまでの秒数)部分には、「あと何秒後にシャットダウンするか」を表す秒数を入力してください。分や時間は使用できないという点にご注意ください。
- 秒数に「0」を指定した場合は、そのままシャットダウンします。指定できる秒数の最大値は315360000(10年)です。
- 例: 「shutdown /s /f /t 600」と入力すれば600秒後、つまり10分後に自動シャットダウンが行われます。
- コマンドを入力して「OK」をクリックすれば設定完了です。指定した秒数が経過すると自動でシャットダウンが実行されます。
上記のコマンドは、PowerShellやコマンドプロンプト上でも同様に設定することができます。
自動シャットダウンを取り消す手順
shutdownコマンドによって設定した自動シャットダウンを取り消したい場合は、次の手順でコマンドを実行してください。
- 「スタート」を右クリック→「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 次のコマンドを入力し、「OK」をクリックします。
shutdown /a
コマンドのショートカットを作成する手順
shutdownコマンドによる自動シャットダウンを利用する機会が多い場合は、コマンドのショートカットを作成すると便利です。
毎回コマンドを入力しなくても、ショートカットをダブルクリックするだけで自動シャットダウンを設定できます。ショートカットを作成するには、次の手順で操作します。
- デスクトップの何もない部分を右クリックし、「新規作成」→「ショートカット」を選択します。
- 「どの項目のショートカットを作成しますか?」画面に、自動シャットダウンのshutdownコマンドを入力します。
shutdown /s /f /t 秒数
- 例: 「shutdown /s /f /t 600」と入力すると、10分後(600秒後)に自動シャットダウンを設定します。
- 他の秒数を指定したい場合は、コマンド末尾の数字を好みの秒数に置き換えてください。
- コマンドを指定したら「次へ」をクリックします。
- 「ショートカットの名前を付けてください」画面が表示されます。「10分後に自動シャットダウン」等、わかりやすい名前を設定します。
- 「完了」をクリックするとショートカットが作成されます。
- ショートカットをダブルクリックして実行すると、指定した秒数で自動シャットダウンがセットされます。
以上で自動シャットダウンコマンドのショートカットを作成することができます。
作成したショートカットの自動シャットダウンの秒数は、次の手順で変更することができます。
- 作成した自動シャットダウンのショートカットを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「ショートカット」タブ内にある、「リンク先」の項目を確認します。末尾の数字が自動シャットダウンをセットする秒数なので、数字部分を書き換えます。
- 「OK」をクリックすると設定の変更が反映されます。
方法3: サードパーティのアプリを使用する
shutdownコマンドやタスクスケジューラでは希望の自動シャットダウン設定ができない場合は、専用のサードパーティ製アプリの利用を検討してください。
フリーソフトでも単純に自動シャットダウンをセットするだけでなく、様々な便利機能がついているアプリがあります。無料で使えるおすすめのシャットダウンアプリを3つ紹介します。
Wise Auto Shutdown
シンプルかつ多機能なアプリです。画面はすっきりしていてわかりやすく、日本語にも対応しています。
シャットダウン・再起動・ログオフ・スリープ等の操作を自動実行できます。
実行条件は「特定の日時」「経過時間」「毎日特定の時刻に実行」「パソコンを使用しないまま○時間○分経過したら実行」の4種類が利用可能です。
Bktimer
Bktimerは日本のアプリです。紹介文では「アラーム/タイマー/ストップウォッチプログラム」と説明されていますが、指定時間が来た時のアクションに「シャットダウン」を指定することで自動シャットダウンアプリとしても使えるようになっています。
タイマーやストップウォッチのように手軽に使えるので、他のアプリより使いやすいと感じる人も多いでしょう。
シャットダウン以外にも「通知」「再起動」「スタンバイ」「コマンド実行」等の操作を自動化可能です。
Bktimer
TOff
自由度の高いシャットダウンの実行条件が設定できるアプリです。具体的には、次のような条件で自動シャットダウンを設定することができます。
- 「特定の日時」
- 「マウスやキーボードを操作しない状態が一定時間続いたら」
- 「ネットワーク通信が行われない状態が一定時間続いたら」
- 「特定のプログラム・ウェブページを開いたら」
また、シャットダウンだけでなく、実行する操作を「」「休止」「再起動」「ログオフ」「指定したファイルを実行」から設定することもできます。
様々な条件や操作設定ができますが、アプリの言語が英語である点に注意してください。
TOff
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