Windows10でサービス一覧やタスクマネージャーを起動すると、「IP Helper(iphlpsvc)」というサービスが実行されていることに気づく場合があります。
IP Helperはあまり馴染みのないサービスのため、不要なサービスなのか、または安全なサービスなのか分からない方も多いと思います。
本記事では、Windows10のIP Helperサービスの概要とサービスを停止・無効化する方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
IP Helperサービス(iphlpsvc)とは
IP Helper(iphlpsvc.dll)とは、ネットワーク関連の情報を取得して、ネットワーク構成を簡単に変更できるWindows10標準のサービスです。
サービスの機能は、IPv6移行技術(6to4、ISATAP、ポートプロキシ、および Teredoなど)とIP-HTTPS接続を介したトンネル接続を提供します。
IP Helperサービスは、主にIPv6経由の接続や専用ネットワークの接続、リモートデータベースの実行などに役立ちます。
タスクマネージャーの「プロセス」タブや「詳細」タブでは、svchost.exeの共有プロセスとして実行されています。
IP Helperサービスを停止・無効化できる?
IP Helperサービスは、初期設定ではWindowsの起動と同時に自動的に実行されますが、設定を変更して機能を停止・無効化することができます。
ただし、IP HelperはWindows10標準のサービスであり、通常であれば実行していてもCPUやメモリはほとんど使用しません。また、IP Helperを停止してもほとんどのサービスに影響はありませんが、一部のサービス(Xboxのオンラインサービスなど)が正常に動作しない場合があります。
そのため、IP Helperのリソースへの負担が極端に高くない場合は停止しないことをおすすめします。IP Helperを停止して問題が発生した場合は、サービスの設定を元に戻してください。
IP Helperサービスを停止・無効化する方法
IP Helperサービスが不要だったり、サービスのリソースへの負担が高い場合は、次のいずれかの方法で停止・無効化することができます。
方法1: タスクマネージャから一時停止する
タスクマネージャーを使用して、IP Helperサービスを一時的に停止することができます。この方法で停止した場合は、PCを再起動するまでサービスが実行されなくなります。
タスクマネージャーでIP Helperサービスを停止するには、以下の手順で操作してください。
- 「Ctrl + Shift + Esc」キーを入力して、タスクマネージャーを起動します。
- タスクマネージャーが起動したら、「サービス」タブをクリックして開きます。
- 簡易表示の場合は、左下の「詳細」をクリックして表示を切り替えてください。
- 一覧から「iphlpsvc」を探して右クリックし、「停止」を選択します。
以上の手順で、IP Helperサービスを停止することができます。PCを再起動してもIP Helperサービスを実行したくない場合は、次の方法を試してください。
方法2: サービスの設定を変更して無効化する
IP Helperサービスの設定を変更して無効化することができます。この方法で無効化することで、設定を変更しない限りサービスを恒久的に停止することができます。
IP Helperサービスの設定を変更して無効化するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- または、「Windows + R」キーを入力して同様の操作を行うこともできます。
- 「services.msc」と入力して「OK」をクリックして、サービスを起動します。
- サービスの一覧から「IP Helper」を探してダブルクリックします。
- スタートアップの種類を「無効」に変更します。
- スタートアップ設定を元に戻す場合は、「自動」を選択してください。
- サービスの状態の下にある「停止」をクリックします。
- 「OK」をクリックして設定を保存し、ウィンドウを閉じます。
以上の手順で、IP Helperサービスを無効化することができます。PCを再起動してIP Helperサービスが起動しなくなったことを確認してください。
方法3: コマンドプロンプトから無効化する
コマンドプロンプトを使用して、IP Helperサービスの設定を変更して無効化することもできます。コマンドプロンプトでサービスを無効化する具体的な手順は以下の通りです。
- 「Windowsマーク」をクリックして、「cmd」と入力します。
- 検索結果の「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- 管理者権限で起動しないとコマンド実行時にエラーが出るので、必ず管理者権限で起動してください。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら、「はい」をクリックします。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行し、サービスを停止します。
sc stop iphlpsvc
- サービスを開始する場合は、以下のコマンドを入力してください。
sc start iphlpsvc
- サービスを開始する場合は、以下のコマンドを入力してください。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行し、サービスのスタートアップを無効化します。
sc config iphlpsvc Start= disabled
- スタートアップ設定を元に戻す場合は、以下のコマンドを入力してください。
sc config iphlpsvc Start= auto
- スタートアップ設定を元に戻す場合は、以下のコマンドを入力してください。
- コマンドが実行できたら、コマンドプロンプトを閉じます。
以上の手順で、IP Helperサービスを無効化することができます。コマンドが実行できたら、PCを再起動してIP Helperサービスが起動しなくなったことを確認してください。
方法4: レジストリを編集して無効化する
レジストリエディタでレジストリを編集して、IP Helperサービスを無効化することもできます。
ただし、レジストリの編集は操作を誤るとWindowsの動作に影響が出る恐れがあるため、バックアップを取ることをおすすめします。
レジストリを編集して、IP Helperサービスを無効化するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックし、レジストリエディタを起動します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら、「はい」をクリックします。
- 左ペインのツリーを展開して、以下のキーにアクセスします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\iphlpsvc
- または、アドレスバーに上記のアドレスを貼り付けてEnterキーを押して移動することもできます。
- 「iphlpsvc」キーを選択した状態で、右ペインで「Start」キーをダブルクリックして開きます。
- 値のデータに「4」と入力して「OK」をクリックします。
- 設定を元に戻したい場合は、「2」を入力してください。
- PCを再起動してレジストリを反映します。
以上の手順で、レジストリを編集してIP Helperサービスを無効化することができます。PCが再起動したら、IP Helperサービスが停止していることを確認してください。