iPhoneで契約しているキャリアのモバイルデータ通信のプランには通信容量の上限が設けられていることが多く、現在のモバイルデータ通信の使用量を確認したいケースがあると思います。
また、現在のモバイルデータの通信量が多い場合は、設定を変更したり、使い方を変更することで通信量を節約することもできます。
本記事では、iPhoneのモバイルデータの通信量を確認する方法と、通信量を節約する方法について詳しく紹介します。通信制限が直ぐに掛かってしまう場合は参考にしてみてください。
モバイルデータの通信量を確認する方法
iPhoneのモバイルデータの通信量は、設定アプリ、もしくは契約キャリアのページやアプリで確認することができます。それぞれの確認方法は以下の通りです。
方法1: 設定アプリで確認する
設定アプリからiPhoneで使用したモバイルデータの通信量を確認することができます。設定アプリでは、iPhone全体の通信量だけでなく、アプリごとの通信量も確認することができます。
設定アプリからモバイルデータの通信量を確認するには、以下の手順で操作します。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「モバイル通信」をタップします。
- 「現在までの合計」に「iPhoneで使用したモバイルデータの通信量」が表示されます。
- アプリの一覧に、「アプリごとで使用したモバイルデータの通信量」が表示されます。
- アプリの一覧は、通信量の多いアプリから順に表示されます。
表示されるモバイルデータの通信量は、統計を開始した日からの合計値が表示されます。情報をリセットして統計をやり直したい場合は、モバイル通信の「統計情報をリセット」をタップしてください。
方法2: 契約キャリアのページ/アプリで確認する
iPhoneのモバイルデータの通信量は、契約キャリアの会員ページ、もしくは専用アプリでも確認することができます。
契約キャリアのページ/アプリでは、月毎のモバイルデータの通信量を確認できるため、通信制限までの目安を知ることができます。
契約キャリアのページ/アプリでモバイルデータの通信量を確認するには、以下の手順で操作します。
- Wi-Fiをオフにして、モバイル通信に切り替えます。
- 「設定」→「Wi-Fi」の順に進み、「Wi-Fi」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- 契約先キャリアの会員ページにアクセスして、ログインします。
- 「データ利用量」などのメニューをタップして、対象月のモバイルデータの通信量を確認します。
契約キャリアがMVNOの場合は、キャリアによって確認方法が異なるため、契約キャリアのヘルプページ等を参考にして確認してください。
モバイルデータの通信量を節約する方法
iPhoneで使用するモバイルデータの通信量が多い場合は、設定などを変更することで通信量を節約・削減することができます。
ただし、通信量を節約する全ての設定を行うと、アプリの使用などが不便になるケースもあるため、自分の用途に合わせて設定を変更することをおすすめします。
iPhoneのモバイルデータの通信量を節約するには、以下の方法を試してみてください。
方法1: Wi-Fiに接続する
iPhoneをWi-Fiに接続すると通信のほとんどがWi-Fi経由で行われるため、モバイルデータの通信量を大幅に節約することができます。
そのため、自宅や職場、店舗(フリーWi-Fi)などで利用できるWi-Fiにできるだけ接続してください。特に自宅にWi-Fi環境がない場合は、Wi-Fiルーターを購入して設置することをおすすめします。
iPhoneをWi-Fiに接続するには、以下の手順で操作します。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「Wi-Fi」をタップします。
- 「Wi-Fi」のスイッチが「オン」になっていることを確認します。
- ネットワークの一覧で「接続先のWi-Fiのネットワーク名(SSID)」をタップします。
- ネットワークの一覧が表示されない場合は、周囲にWi-Fiスポットが存在しません。
- Wi-Fiのパスワードを入力して「接続」をタップします。
- Wi-Fiのパスワードは、ルーター背面などの記載を確認するか、ルーターの管理者に問い合わせてください。
以上の手順で、iPhoneをWi-Fiに接続することができます。Wi-Fiに一度接続すると、以降はそのWi-Fiのエリアに近づくだけで自動的に接続されます。
利用できる全てのWi-Fiの接続設定を行うことで、Wi-Fiに自動で接続されてモバイルデータ通信の節約に繋がります。
方法2: 省データモードをオンにする
iOS(13以降)には、モバイルデータの通信量を抑えることができる省データモードという機能が実装されています。
そのため、省データモードの機能をオンにすることでデータ通信量を節約できます。ただし、この機能をオンにすると、モバイル通信に接続した状態でアプリの自動アップデートやバックグラウンド更新などが行われなくなる点に注意してください。
iPhoneの省データモードをオンにするには、以下の手順で操作してください。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「モバイル通信」をタップします。
- 「通信のオプション」をタップします。
- 項目が表示されない場合は、「モバイル通信プラン」の一覧で使用している「回線」をタップしてください。
- 「省データモード」のスイッチを「オン」に切り替えます。
以上の手順で、省データモードをオンにすることができます。省データモードをオンにしてアプリの動作に問題が起きる場合は、設定を元に戻して他の方法を試してください。
方法3: Wi-Fiアシストをオフにする
iOSには、Wi-Fiの通信状況が悪くなったときに自動的にモバイルデータ通信に切り替えるWi-Fiアシスト機能が実装されています。
Wi-Fiアシスト機能は通信品質を維持するのに便利な機能ですが、この機能が原因でモバイルデータの通信量が増加する場合があります。
そのため、モバイルデータの通信量を節約したい場合は、Wi-Fiアシストをオフにすることをおすすめします。Wi-Fiアシストをオフにするには、以下の手順で操作してください。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「モバイル通信」をタップします。
- 下にスクロースして「Wi-Fiアシスト」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
以上の手順で、Wi-Fiアシストの機能をオフにすることができます。機能をオフにしてWi-Fiの電波が弱くなった場合には、ネットワークに接続できないケースが発生する点に注意してください。
方法4: アプリの自動ダウンロードをオフにする
AppStoreのアプリの自動ダウンロード機能が有効になっていると、モバイルデータの通信量が増加する場合があります。
そのため、AppStoreのアプリの自動ダウンロード機能を無効にすることで、通信量を節約できる可能性があります。アプリの自動ダウンロード機能を無効にするには、以下の手順で操作してください。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「App Store」をタップします。
- モバイルデータ通信の「自動ダウンロード」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- Wi-Fi環境でも自動ダウンロードを無効にする場合は、自動ダウンロード内の「App」と「Appのアップデート」のスイッチをオフにしてください。
以上の設定で、AppStoreがバックグラウンドでアプリの自動ダウンロード、アップデートを実行しなくなります。アプリの自動ダウンロード、アップデートを行いたい場合はWi-Fiに接続するか、手動で行なってください。
方法5: アプリのバックグラウンド更新をオフにする
アプリのバックグラウンド更新が有効になっていると、アプリを起動していない状態でもモバイルデータ通信が使用される場合があります。
そのため、不要なアプリのバックグラウンド更新を無効にすることで、モバイルデータの通信量を節約できる可能性があります。
アプリのバックグラウンド更新をオフにするには、以下の手順で操作します。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「一般」をタップします。
- 「Appのバックグラウンド更新」をタップします。
- アプリ一覧で、「バックグラウンド更新が不要なアプリ」のスイッチを「オフ」にします。
- 全てのアプリのモバイルデータ通信のバックグラウンド更新をオフにする場合は、「Appのバックグラウンド更新」をタップして「Wi-Fi」または「オフ」を選択してください。
- 通信量の多いアプリは、『方法1: 設定アプリで確認する』の内容で確認できます。
以上の手順で、アプリのバックグラウンド更新をオフにすることができます。アプリのバックグラウンド更新をオフにすると、アプリを起動しないと情報が更新されなくなる点に注意してください。
方法6: アプリごとのモバイル通信をオフにする
大量のデータを通信するアプリがある場合は、そのアプリのモバイルデータ通信の使用を制限することで通信量を節約することができます。
ただし、アプリのモバイルデータ通信の使用を無効にすると、Wi-Fiに接続しない限りそのアプリがネットワークに接続できなくなる点に注意してください。
アプリのモバイルデータ通信を個別でオフにするには、以下の手順で操作してください。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「モバイル通信」をタップします。
- 「モバイルデータ通信」のアプリの一覧で、「モバイルデータ通信が不要なアプリ」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- 通信量の多いアプリは、アプリ一覧の使用量の数値で確認できます。
以上の手順で、アプリのモバイルデータ通信を個別でオフにすることができます。
方法7: iCloudのモバイルデータ通信をオフにする
iCloud Drive、iCloud写真やiCloudバックアップのデータの同期処理には、大量の通信を使用する場合があります。
そのため、これらのiCloudのモバイルデータ通信をオフにすることで、通信量を節約できる可能性があります。
iCloudのモバイルデータ通信をオフにするには、以下の手順で操作してください。
- iCloud Drive、iCloud写真の場合:
- 「設定」アプリを開きます。
- 「モバイル通信」をタップします。
- 「モバイルデータ通信」のアプリ一覧で、「写真」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- アプリ一覧の下に表示される「iCloud Drive」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- iCloudバックアップの場合:
- 「設定」アプリを開きます。
- 一番上に表示される「Apple IDのユーザー名」をタップします。
- 「iCloud」をタップします。
- 「iCloudバックアップ」をタップします。
- 「モバイル通信経由でバックアップ」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
以上の手順で、モバイルデータ通信は使用されず、Wi-Fi接続時のみiCloud Drive、iCloud写真、iCloudバックアップが同期されるようになります。
方法8: 動画の自動再生をオフにする
App StoreやSafariなどの一部のアプリは、初期設定では表示された動画が自動で再生されます。
動画のストリーミングには多くの通信量を使用するため、動画の自動再生をオフにすることでモバイルデータの通信量の節約に繋がります。
そのため、動画の自動再生が不要な場合は、アプリの設定を変更して自動再生を無効にしてください。App StoreとSafariの場合は、以下の手順で動画の自動再生を無効にできます。
- App Storeの場合:
- 「設定」アプリを開きます。
- 「App Store」をタップします。
- 「ビデオの自動再生」をタップします。
- 「Wi-Fiのみ」もしくは「オフ」を選択します。
- Safariの場合:
- 「設定」アプリを開きます。
- 「アクセシビリティ」をタップします。
- 「動作」をタップします。
- 「ビデオプレビューの自動再生」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
TwitterやFacebookなどのサードパーティの製のアプリの場合は、アプリによって設定手順が異なります。サードパーティアプリの詳しい設定手順については、提供元のサイトやマニュアル等で確認してください。
方法9: ストリーミング再生の品質を落とす
動画や音楽をストリーミング再生している場合、アプリによっては画質や音質を下げることで通信量を削減できる場合があります。
そのため、アプリの設定で動画や音楽の品質を下げれないか確認してください。また、アプリによってはモバイルデータ通信時のみ品質を下げれる場合があります。
Youtubeアプリの場合は、以下の手順で再生する動画の画質を下げることができます。
- 「Youtube」アプリを起動します。
- 右上の「プロフィールアイコン」をタップして「設定」を選択します。
- 「動画の画質設定」をタップします。
- 「モバイルネットワーク接続時」をタップします。
- 「データセーバー」をタップします。
アプリによって動画/音楽の品質を下げる設定手順は異なるため、不明な場合はアプリのヘルプページ等を参考にしてください。
方法10: iPhoneにコンテンツをダウンロードする
音楽や動画、電子書籍などのコンテンツは容量が大きいため、端末にダウンロードしておくことで通信量を節約することができます。
特に繰り返し再生することの多い音楽のコンテンツは、事前にダウンロードしてオフライン再生することをおすすめします。SpotifyやAppleMusic、AmazonMusicなどのミュージックアプリには、曲をダウンロードしてオフラインで再生できるオプションが存在します。
モバイルデータを節約するには、Wi-Fiに接続した状態でコンテンツをダウンロードしてオフラインで再生してください。
方法11: 位置情報サービスをオフ/制限する
iPhoneの位置情報サービスには、モバイルデータ通信が使用されます。そのため、位置情報サービスを無効にすることで、モバイルデータの通信量の節約に繋がります。
ただし、位置情報サービスを完全に無効にすると位置情報を使用するアプリの動作に問題が起きるため、アプリの使用中のみに制限することをおすすめします。
位置情報サービスをオフ、またはアプリ使用中のみに制限するには、以下の手順で操作します。
- 「設定」アプリを起動します。
- 「プライバシー」をタップします。
- 「位置情報サービス」をタップします。
- アプリ一覧で「位置情報サービスが不要なアプリ」をタップして「なし」を選択します。
- 全てのアプリで位置情報サービスをオフにする場合は、「位置情報サービス」のスイッチを「オフ」に切り替えてください。
- アプリ一覧で「位置情報サービスを使用するアプリ」をタップして「このAppの使用中のみ許可」を選択します。
以上の手順で、アプリの位置情報サービスの使用をオフ、またはアプリの使用中のみに制限することができます。
方法12: キャリア設定とiOSのアップデートを実行する
キャリア設定、またはiOSのバージョンが古いと、不具合などによってモバイルデータの不要な通信が増えるケースがあります。
そのため、キャリア設定とiOSを新しいバージョンにアップデートすることで、通信量が改善する可能性があります。
キャリア設定とiOSをアップデートするには、以下の手順で操作してください。
- キャリア設定のアップデート:
- 「設定」アプリを起動します。
- 「一般」をタップします。
- 「情報」をタップします。
- 「キャリア設定アップデート」のメッセージが表示されたら、「アップデート」をタップします。
- キャリアがMVNOの場合は上記の手順でアップデートできないため、公式ページを参考に構成プロファイルをアップデートしてください。
- iOSのアップデート:
- 「設定」アプリを起動します。
- 「一般」をタップします。
- 「ソフトウェアアップデート」をタップします。
- アップデートファイルが見つかった場合は、案内に従ってダウンロードとインストールを実行します。
キャリア設定とiOSをアップデートできたら、モバイルデータの通信量が改善したか確認してください。