【Pubmedの使い方】全文表示やダウンロード方法・検索のコツは?

世界中の医学文献を検索できるPubmed。日本からも利用できますが、インターフェースが英語なので検索方法や閲覧方法がわからないという方もおおいのではないでしょうか。

本記事ではPubmedの基本的な使い方と、文献の検索・閲覧のコツとダウンロード方法について解説します。

Pubmedとは?

Pubmed(パブメド)は、米国立医学図書館(NLM)が提供する医学文献の無料検索エンジンです。簡単に言ってしまえば、医学文献特化のGoogleです。

全世界の主要医学雑誌に掲載された医学や生物学に関する学術文献を、最新のもの含め2500万件以上を検索することができます。

さらに検索だけでなく、一部の文献は無料で全文閲覧することもできます。日本では入手しづらい医学情報や最新の医学情報もPubmedを使って手に入れることができます。

Pubmedの基本的な使い方

まず、Pubmedを使って文献をどうやって検索して閲覧すればいいのか、基本的な操作方法について解説します。

文献を検索する

文献を検索
それではまず文献の検索を行ってみましょう。

  1. Pubmedにアクセスします。
  2. ページ上部の検索バーに検索ワードを入力します。医学用語やタイトル、著者名、書籍名などが指定でき、スペースで区切ればそれらを自由に組み合わせることも可能です。
  3. 検索結果が表示されます。目的の文献が見つかったらタイトルをクリックします。
  4. 文献の抄録が表示されます。ページの詳しい見方については下の「抄録画面の見方」を参照してください。

さらに詳しく検索する

Pubmedに登録されている文献の数は膨大です。目的の文献が見つからない時は、フィルター機能や検索ツールを活用すると便利です。

Advanced Search Builderを使う

Advanced Search Builder
Pubmedトップページの検索バーの下にある”Advanced”をクリックすると表示されます。

All Fieldsと書かれたボックスには著者名や発刊日などが指定できるため、より正確な検索が可能です。またBuilderボックスにキーワードを入力して”Show index list”をクリックすると候補となるキーワードを表示することができ、表記の揺れによる検索漏れを抑制することができます。

その他Historyに検索クエリをいくつか登録し、それらを組み合わせて検索結果を絞り込むというような使い方も可能です。

絞り込み(Filter)機能を使う


キーワードで検索したあと、画面左のバーを使って絞り込み検索を行うことが可能です。

例えば新しい文献のみに絞って検索を行いたい時は”Publication dates”で”5 years”を選択するか、あるいはCustom rangeを選択して正確な発刊日を指定する方法が有効です。

さらに詳しい絞り込みを行いたい時は”Show additional filters”をクリックすると絞り込み対象の項目を増やすことができます。フィルターを解除するにはチェックの付いた項目をもう1度クリックするか、”Clear all”をクリックします。

並び替え機能を使う


検索結果表示後、上部にある”Format”、Sort by”、”Per page”の設定を変更すると検索結果の表示を変えることができます。

例えばタイトルだけでなく、抄録の内容もまとめて読みたい時には”Format”を”Abstract”に変更すると便利です。

また検索ワードと関連性の低い文献ばかり表示されてしまうような時には、”Sort by”の設定を”Best Match”に変更すると検索ワードとの一致率の高い文献が優先的に表示されるようになります。

便利な検索支援ツール「PubMed Tools」


Pubmedには、通常の検索よりも簡単に文献が見つけることのできる検索支援ツール(PubMed Tools)があります。PubmedトップページのPubmed Toolsの項目より使用できます。

検索したい内容によっては支援ツールを使ったほうが、自分の見たい文献を特定しやすいです。特にSingle Citation MatcherとClinical Queriesは活用する機会の多い便利なツールです。

PubMed Mobile

PubMed Mobileは、PubMedのモバイル版のページを表示します。スマホからアクセスすると自動でモバイル版のページに切り替わるので、通常は使うことはないです。

Single Citation Matcher


Single Citation Matcherは、特定の文献をより簡単に探せるツールです。雑誌名や発刊日、著者名などを入力して検索することができます。

Batch Citation Matcher

Batch Citation Matcherは、文献のPubmed上のIDを一括取得する機能です。タイトル、発行年数、著者名を指定して検索すると入力したメールアドレス宛にPubmed IDの一覧が送られてきます。

使い方が少し特殊なので、以下を参考にしてください。

  1. トップページの「PubMed Tools」の中にある[Batch Citation Matcher]をクリックします。
  2. Select database で、PubMed ID か Medline ID かを選択します。
  3. 自分の Email アドレスを入力し、PMID を調べたい書誌の書誌事項を次の形式で入力します。
    ジャーナルのフルタイトル or 正しい略語 |年|ボリューム番号|最初のページ|筆者の名前|適当な文字
  4. 列| (句読点なしで)

  5. [Go]をクリックすると、しばらくすると、E-mail が送られてきます。

参考:PubMed 利用マニュアル- 産業医科大学 図書館

Clinical Queries


Clinical Queriesは、エビデンスレベルの高い研究文献を簡単に検索することができます。こちらもPubmedトップページのPubmed Toolsからアクセスできます。

たとえば肺がんの治療法に関する文献を検索する場合、Clinical Queriesを開いて検索ボックスに”lung cancer”と入力、その後”Clinical Study Categories”(臨床研究分野)のフィルターを”therapy”(治療法)に設定します。

Topic-Specific Queries

Topic-Specific Queriesは、特定のトピックについて簡単に検索できる機能です。トピックの一覧ページより、自分の知りたいトピックをクリックすると簡単に関連する文献を見つけることができます。

抄録画面の見方


検索画面に表示されたタイトルをクリックすると抄録画面が表示されます。抄録画面は次のように構成されています。

  • 雑誌名・・・ページの最上部に掲載された雑誌名と発刊日が表示されます。
  • タイトル・・・太字で表示されている部分が文献のタイトルです。
  • 著者名・・・著者名が続きます。また、著者名をクリックするとその著者でPubmed内の検索を行うことができます。
  • 抄録・・・Abstractと書かれている部分が抄録です。文献の概要について書かれています。

文献によってはページ下部に”LinkOut”という項目があることがあります。こちらのリンクからは外部リソースへと飛ぶことができ、文献に関するより詳しい情報を得ることができます。

ページ右上に”Full text links”というアイコンがある場合は、こちらのアイコンから全文を記載したページにアクセスすることができます。

また、”Save items”はブックマーク機能ですが、サインインが必要です。

文献の全文を読む方法


すべての文献が全文閲覧できるわけではありません。ただし、”Free Article”や”Open Access”という表示のある文献は無料で閲覧することができます。

全文閲覧できる文献を探したい時はフィルター機能が便利です。たとえば以下の手順で検索を行うと、条件に一致した文献のうち、無料で読むことのできる文献のみを表示することができます。

  1. Pubmedにアクセスし、上部検索バーにキーワードを入力して検索を行います。Single Citation MatcherやClinical Queriesなどの検索ツールを用いても構いません。
  2. 検索結果画面が表示されたら、画面左にある”Free full text”をクリックします。
  3. すると検索結果に全文閲覧できる文献のみが表示されます。

実際に全文を読むには、検索結果から文献のタイトルをクリックして抄録画面を表示し、右上にある”Full text links”にあるアイコンをクリックします。”PMC full text”と書かれたリンク先と、その他一部のリンク先からは文献の内容がPDF形式でダウンロードできます。

調べたい文献が無料公開されていなかった場合は、抄録画面の下にあるLinkOutの項目を調べてください。該当文献に関連するウェブサイトが記載されており、場合によってはこちらのリンクから全文を読めることもあります。

Pubmedを日本語で利用したい時は


医学文献の検索エンジンとして有名になったPubmedですが、まだ日本語に対応していません。

日本語で検索と閲覧を行いたい場合は和訳サイトが便利です。たとえば以下のようなウェブサイトが存在します。

上記ウェブサイトにアクセスし、検索画面に日本語でキーワードを入力すると検索結果が日本語で表示されます。

また、機械的な翻訳で検索した内容をある程度見れれば十分という方は、ブラウザのChromeを使うと右クリックメニューより簡単に翻訳できます。

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