Wordにはパスワード機能があります。パスワードをかけてロックしておけば第三者にファイルを見られることを防ぐことができます。
ただし、一度設定したパスワードを解除したいのに手順がわからなかったり、忘れて解除できない方が多いようです。
本記事では、Wordファイルにかけたパスワードのロックを解除する方法を紹介します。パスワードを忘れてしまって解除できない時の対処法も併せて紹介するので参考にしてみてください。*Word2016/Word2019向けの記事です。
この記事の内容
Wordの読み込みパスワード設定を解除する
Wordのパスワードを解除するには、パスワードの再設定画面を開き、空のパスワードを指定します。
具体的には、以下のいずれかの手順で操作します。
読み込みパスワードを解除する方法①
- パスワードを解除したいWordファイルを開きます。
- 上部のタブから「ファイル」をクリックします。
- 左のリストから「名前をつけて保存」を選択します。
- ウィンドウ中央上部、ファイル名・ファイル形式の指定欄の下にある「その他のオプション」の文字をクリックします。
- 「名前をつけて保存」ウィンドウが開きます。「保存」ボタンの左にある「ツール」をクリックします。
- 表示されるメニューの中から「全般オプション」を選択します。
- 「全般オプション」ウィンドウが開きます。「読み取りパスワード」に入力されている文字を消去し、OKをクリックします。
- 「全般オプション」ウィンドウが閉じます。あとは通常通りファイルを保存するだけです。ファイルを上書き保存する場合はそのまま何も変更せず「保存」ボタンをクリックします。パスワード解除前のファイルも残しておきたい場合はファイル名を変更し、「保存」ボタンをクリックします。
読み込みパスワードを解除する方法②
- パスワードを解除したいWordファィルを開きます。
- 上部のタブの中から「ファィル」を選択します。
- 「情報」画面が表示されたら「文書の保護」ボタンをクリックします。
- 表示されるメニューの中から「パスワードを使用して暗号化」を選択します。
- 入力されているパスワードを消去し、OKをクリックします。
- 最後に通常通り文書を保存します。
Wordの書き込みパスワード設定を解除する
書き込みパスワードの解除も読み込みパスワードとほぼ同じ手順で解除することができます。
本記事の「読み込みパスワードを解除する方法①」の手順の通りに進め、全般オプションウィンドウを表示したら「読み取りパスワード」の代わりに「書き込みパスワード」を消去して保存してください。
パスワードを忘れてしまった時は
パスワードを忘れてしまった場合には原則パスワードを解除することはできません。ただし解析ツールは存在しているため、それを使用することでパスワードを特定し、解除できる可能性はあります。
本記事では、フリーの「Word UnPassword」を使用した方法を紹介します。非公式のツールであるため自己責任にてご利用ください。
また、Word UnPasswordを使った方法は必ずしもパスワードが分かるわけではないので、あらかじめご了承下さい。
1.事前準備
『Word UnPassword』のインストールには、lzh形式に対応した解凍ソフトが必要ですの事前に準備します。
*Creators Update適用済みのWindows 10パソコンではlzh形式の圧縮ファイルは展開できません。
今回は、lzh形式に対応しているフリーの解凍ソフト「7-Zip」を使います。
7zipのインストールや使い方が分からない場合は、以下の記事を参考にして下さい。
2.「Word UnPassword」をダウンロードして解凍する
- 「Word UnPassword」の公式ダウンロードページへアクセスします。
- 「ダウンロードはこちら」の文字部分をクリックします。
- 圧縮ファイルのダウンロードが開始します。完了までしばらく待ちます。
- ダウンロードしたファイル「wup040.lzh」を7Zipで解凍します。
3.「Word UnPassword」を起動する
Word UnPasswordは、解析用のマクロが組み込まれたWordファイルです。
- 展開したファイルの中にある「wup040.doc」を開きます。
- 「セキュリティの警告」というメッセージバーが表示された場合はマクロを有効化する必要があるため、「コンテンツの有効化」ボタンをクリックします。
- 「Word UnPassword」というボタンが表示されるのでこのボタンをクリックします。
- 解析ツールの設定画面が表示されます。
もしボタンを押しても何も起こらず、またセキュリティの警告メッセージも表示されない場合は、Wordの「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」→「セキュリティセンターの設定」と進み、マクロを有効化してください。
4.パスワードの解析の設定をする
設定した可能性のありそうなパスワードの条件を「Use Option」の項目に設定します。
最低限設定する項目は以下のとおりになります。
Alphabet/ALPHABET/Number/Other | パスワードに使用している可能性のある文字種にチェックを入れます。パスワードの文字列に見当がつかない場合はすべてにチェックを入れます。 |
Users | パスワードに全角文字が使用されている場合はこの欄に使用されている文字を入力する必要があります。 |
Min/Max Length | パスワードの文字数の最小数と最大数を指定します。基本的には初期設定のままで問題ありませんが、もしパスワードの文字数が15文字以上より多い場合は「15」の部分をさらに大きい数字に変更する必要があります。また、ある程度パスワードの文字列に見当がついている場合は文字数の範囲を限定すると短時間でパスワードを解析することができます。 |
その他の項目は初期設定のままで問題ありません。(*その他の詳しい設定方法はWord UnPassword同梱のReadme.txtの内容を参照してください。)
5.パスワードを解析する
解析の設定ができたら、以下の手順でWordファイルのパスワードを解析します。
- 「Ref…」ボタンをクリックし、パスワードを調べたいWordファイルを指定します。ファイルを指定したら下の「開く」ボタンをクリックします。
- 設定が完了したら「Start」ボタンをクリックします。
- 解析が開始されます。完了までしばらく待ちます。
解析に成功すると「Success! PASSWORD IS (パスワードの文字列)」というメッセージが表示されます。
パスワードを確認したら、もう1度通常通りパスワードの掛かったWordファイルを開き、解析で得られたパスワードを入力して開くことができます。