外出先から自宅に設置してあるPCにリモートデスクトップ接続で利用したい時に便利な「Chromeリモートデスクトップ」。
Chromeのリモートデスクトップは、Microsoftのリモートデスクトップに比べ簡単な設定でリモートデスクトップを実現できます。
しかし、「リモートのパソコンが接続リクエストに応答しません」などのエラーが出て接続できないケースがあります。
今回は、Chromeのリモートデスクトップに接続できない場合の対処法を紹介します。接続先はWindows10のPCを想定しています。
この記事の内容
Chromeリモートデスクトップに接続できない時の原因
- アカウント設定が間違っている
- Windowsファイアウォールが干渉している
- セキュリティソフトが干渉している
- 接続される側のPCが起動していない
Chromeのリモートデスクトップは比較的簡単に手順で利用できるものの、上記のような原因でうまく接続で聞くなることがあります。
特に設定ミスで接続できなくなっている場合が多いので、これから紹介する対処法を参考にしてください。
対処1: 接続される側のPCでリモートアクセスの設定を行う
Chromeのリモートデスクトップを利用するためには、接続される側のPCにGoogleChromeをインストールしている必要があります。
リモート先とクラアント側のPCでChromeをインストールしていない場合は、インストールを行って下さい。
インストールができたら、次の手順でリモートアクセスの設定を行って下さい。
リモートアクセスの設定
リモートデスクトップはChromeをインストールするだけで利用できるものではありません。
接続される側のPCでリモートアクセスの設定が必要です。具体的な設定手順は以下の通りです。
- Chromeを起動します。
- 『Chrome リモートデスクトップ』のページにアクセスします。
- 画面中央に表示される「使ってみる」をクリックします。
- Googleアカウントでログインします。
- 下部にある「リモートアクセスの設定」をクリックします。
- Chromeストアが開くので「Chrome Remote Desktop」をインストールします。
- 「接続時に使うPIN」を入力します。
- Googleアカウントに「リモートのデバイス」として登録されます。
以上でリモートデスクトップの設定は完了です。設定が完了したら別のPCからアクセスできるようになります。
リモートアクセスの手順
リモートデスクトップ接続を行うには、クライアントPCで次の手順で操作します。
- Chromeを起動します。
- 『Chrome リモートデスクトップ』のページにアクセスします。
- 右上の「リモートアクセス」をクリックします。
- 「リモートのデバイス」で登録したPC名を選択します。
- 「PIN」を入力して「矢印マーク」をクリックします。
リモート先のPCの画面が表示されれば、リモート接続は完了です。
対処2: リモートアシスタントを許可する
Windowsのリモートアシスタントの許可が設定していないと、Chromeリモートデスクトップが接続できません。
次の手順でWindowsのリモートアシスタントの許可設定を行って下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「sysdm.cpl」と入力して「OK」をクリックします。
- 「リモート」タブを選択します。
- 「このコンピュータへのリモートアシスタント接続を許可する」のチェックをオンにして「OK」をクリックします。
対処3: リモートデバイスを削除して再設定する
Googleアカウントに紐付けされているリモートデバイスの情報に問題があり、接続できないケースがあります。
次の手順で、リモートデバイスを一旦削除して再度設定行ってみて下さい。設定したリモートデバイスの削除は次の手順で行います。
- 『Chrome リモートデスクトップ』のページにアクセスします。
- 「リモートのデバイス」で接続できないデバイスの右に表示される「ゴミ箱アイコン」をクリックします。
- 確認が出るので「OK」をクリックします。
リモートデバイスを削除できたら、接続先PCで再度『リモートアクセスの設定』を行って下さい。
対処4: 拡張機能を無効にする
Chromeにインストールしている拡張機能が原因で、リモートデスクトップが正しく機能しないケースがあります。
次の手順で、拡張機能を確認して不要な機能をオフにして下さい。
- Chromeを起動して右上の「メニュー」をクリックします。
- 「その他のツール」→「拡張機能」を選択します。
- 不要な拡張機能のスイッチをクリックしてオフにします。
リモート元・リモート先のPCで不要な拡張機能がオフにできたら、再度リモートデスクトップ接続を試します。
対処5: Chromeをアップデートする
GoogleChromeのバージョンが古いことが原因で、リモートデスクトップが接続できないケースがあります。
リモートの接続元、接続先PCのChromeのバージョンを確認して、アップデートできないか試して下さい。
接続元がiOS、Androidの場合は、アプリの更新を行って下さい。
対処6: Chromeを再インストールする
Chromeのアプリケーション、もしくはプロファイルに問題があり、リモートデスクトップ接続ができないケースがあります。
そのため、Chromeを再インストールすることで解決する可能性があります。
次の手順でChromeを完全にアンインストールしてから、再インストールを行って下さい。
*Chromeの再インストールは、接続先PC→接続元PCの順で行って問題が解決しないか確認して下さい。
- Chromeが起動している場合は終了します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」をクリックします。
- 「appwiz.cpl」と入力して「OK」をクリックします。
- 一覧から「GoogleChrome」を右クリックて「アンインストール」を選択します。
- 画面の表示に従ってアンインストールを実行します。
- アンインストールが完了したら、再度「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」をクリックします。
- 「%appdata%」と入力して「OK」をクリックします。
- 「Google」フォルダを開きます。
- 「Chrome」フォルダを右クリックして「削除」を選択します。
- 削除の確認がでたら「はい」をクリックします。
以上で、Chromeを完全にアンインストールすることができます。
アンインストールが完了したら、『GoogleChrome』の公式ページからインストーラーをダウンロードして、再インストールして下さい。
再インストール後、リモートデスクトップが接続できないか確認します。
対処7: 接続する側とされる側で同じGoogleアカウントにログインする
Chromeリモートデスクトップを利用するためには、接続する側とされる側で同じGoogleアカウントにログインする必要があります。
「リモートのデバイス」の一覧にリモート先のPCが表示されない場合、別のアカウントでログインしていることが考えられます。
接続される側のPCで紐付けしたGoogleアカウントでログインできているか確認して下さい。
別アカウントの場合でリモート接続したい場合は、再度『対処1: 接続される側のPCでリモートアクセスの設定を行う』の手順で再設定を行って下さい。
対処8: ハードウェア アクセラレーションを無効にする
リモート接続時にエラーが出ずに画面が映らない場合は、Chromeのハードウェア アクセラレーション機能をオフにすることで改善する可能性があります。
次の手順で、リモート接続側のChromeのハードウェア アクセラレーションをオフにします。
- Chromeを起動して「メニュー」をクリックします。
- 「設定」を選択します。
- 「詳細設定」をクリックします。
- 「ハードウェア アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」のスイッチをオフにします。
設定が変更できたら、Chromeを再起動して再度リモートデスクトップが接続できないか確認して下さい。
対処9: セキュリティソフトでリモートデスクトップを許可設定する
接続される側のPCのセキュリティソフトがリモートデスクトップの通信を遮断していることが原因で接続できないケースが考えられます。
一時的にセキュリティソフトを停止して接続できるかを確認して下さい。
セキュリティソフトを無効にして接続できた場合は、セキュリティソフトが原因であると判断できます。Chromeのリモートデスクトップの通信をファイアウォールで許可するように設定します。
今回は、Windows標準のWindowsセキュリティで許可設定する手順を紹介します。許可の設定は、アプリかポートで設定を行って下さい。
*設定方法はセキュリティソフトによって異なるので、利用しているセキュリティソフトのマニュアルを確認してみてください。
方法1: リモートデスクトップのアプリを許可する
Windowsのファイアウォールで、Chromeリモートデスクトップのアプリを許可設定するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 「システムとセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「Windowsセキュリティ」を選択して「Windowsセキュリティを開く」をクリックします。
- 左ペインで「ファイアウォールとネットワーク保護」をクリックします。
- 「ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリックします。
- 「設定の変更」をクリックします。
- 「リモートアシスタント」の「プライベート」「パブリック」にチェックが入っているか確認します。
- 「別のアプリの許可」をクリックします。
- パスで「参照」をクリックします。
- 次のフォルダへ移動します。
C:\Program Files\Google\Chrome Remote Desktop
- 一番新しい数字のバージョンのフォルダを開きます。
- 例:「79.0.3945.10」など
- 次のexeファイル選択して「開く」をクリックします。
- 「remoting_host.exe」
- 「remoting_native_messaging_host.exe」
- 私の環境では上記の2つのプログラムで接続できるようになりましたが、接続ができない場合は、「remote_assistance_host.exe」「remoting_desktop.exe」も追加してみて下さい。
- 「追加」をクリックします。
- 「プライベート」「パブリック」のチェックを入れて「OK」をクリックします。
Windowsセキュリティ以外の場合は、プロトコルと通信方向の設定が必要なケースがあります。その場合は、加えて次のように設定して下さい。
- プロトコル:TCP
- 通信方向:受信
方法2: リモートデスクトップのポートを許可する
Windowsセキュリティのファイアウォールにリモートデスクトップのポートを許可設定するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 「システムとセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「Windowsセキュリティ」を選択して「Windowsセキュリティを開く」をクリックします。
- 左ペインで「ファイアウォールとネットワーク保護」をクリックします。
- 「詳細設定」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御がでたら「はい」をクリックして下さい。
- 「受信の規則」をクリックします。
- 「新しい規則」をクリックします。
- 「ポート」にチェックを入れて次に進みます。
- 「TCP」にチェックを入れます。
- 特定のローカルポートの入力欄に「443,5222」と入力して次に進みます。
- 「接続を許可する」にチェックをつけて次に進みます。
- 「プライベート」「パブリック」にチェックをつけて次に進みます。
- 「名前」「説明」を任意で入力して「完了」をクリックします。
対処10: ルーターのファイアウォールも確認する
ここまでの設定で解決しない場合、ルーターのファイアウォール機能がリモートデスクトップの通信を遮断しているケースが考えられます。
ルータ設定を確認して、Chromeリモートデスクトップで利用するポートの開放を設定してみて下さい。
ルーターで開放すべきポートは次の通りです。
- ポート番号:443、プロトコル:TCP
- ポート番号:5222、プロトコル:TCP
ポート開放の方法は利用しているルータによって異なるため、ルータのマニュアルをチェックしてみてください。
通常、ポートフォワーディングなどの名称で記載されています。無事に開放できたら、再度リモートデスクトップが接続できるか試してみてください。
解決しない時は
全ての対処を試しても解決しない場合は、他のリモートデスクトップサービスを利用するのも手です。
代替できるサービスとしては、Windows標準の「リモートデスクトップ接続」と「TeamViewer」があります。
上記のページで、それぞれのアプリの使い方や接続できない時のトラブルシューティングも紹介しているので、併せて参考にしてみて下さい。