PCを使っている時に突然ディスプレイが真っ暗になり、その後復旧して「ディスプレイドライバーが応答を停止しましたが、正常に回復しました。」のエラーが表示されるケースがあります。
特に処理負担の高い3Dゲームなどのプレイ中に上記のエラーが発生することが多く、頻発するケースもあります。
この記事では、Windows10で「ディスプレイドライバの応答停止」が頻発する場合の原因と対処法を紹介します。使用中にこの現象が発生し、困っている場合は参考にしてみて下さい。
この記事の内容
「ディスプレイドライバーの応答停止と回復」が頻発する原因
「ディスプレイドライバーの応答停止と回復」のエラーが表示される原因としては、主に次のことが考えられます。
- 同時に起動しているアプリケーションの数が多い
- ディスプレイドライバーが破損している
- GPUの負担が高く、グラフィック描画の処理に時間が掛かっている(タイムアウト)
- GPUが発熱している
- グラフィックボードが故障している
- Windowsのシステムファイルが破損している
上記のとおり、グラフィックボード関連に原因があるケースがほとんどです。
エラーが頻発する場合は、ディスプレイドライバーやグラフィックボードに物理的な異常があることが多いです。原因に対する対処を紹介するので、順に試してみて下さい。
対処1: 同時に実行するプログラムを減らす
GPUを利用するアプリを複数起動していると、GPUの負担が増えて「ディスプレイドライバーの応答停止」エラーが表示されやすくなります。
そのため、複数のアプリケーションを起動している場合は、不要なアプリケーションを全て終了して下さい。
プログラムの数を減らすとエラーが発生しない場合、GPUの過負荷が原因と判断できます。
対処2: 視覚効果の設定を変更する
Windowsの視覚効果が原因で、ディスプレイドライバーのエラーが発生することもあります。
そのため、視覚効果を無効にすると改善する可能性があります。視覚効果は、次の手順で設定を変更することができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「システム」を選択します。
- 右ペインで関連設定の「システム情報」をクリックします。
- 左ペインで「システムの詳細設定」を選択します。
- システムのプロパティの詳細設定タブが開くので、パフォーマンス欄にある「設定」をクリックします。
- 「パフォーマンスを優先する」のオプションを選択して「適用」をクリックします。
以上の手順で、Windowsの視覚効果が無効になります。アプリケーションなどを起動してエラーが解決したか確認して下さい。
設定を行っても発生する場合は別の原因が考えられます。視覚効果の設定を元に戻して、次の対処法に進んでください。
対処3: ディスプレイドライバーを更新/再インストールする
古いディスプレイドライバーを使用している場合、バグや不具合があり、ディスプレイドライバーが停止してしまうケースがあります。
古いドライバーのバグは、新しいドライバーでは修正されていることが多いです。
そのため、ディスプレイドライバーの更新をしばらく行っていない場合は、最新のドライバーに更新してみることをおすすめします。
GPUドライバをアップデートするには次の手順で行ってください。
NVIDIA/AMDのグラフィックボードの場合
NVIDIA/AMDのドライバーを更新する場合は、ドライバーをダウンロードしてそのままインストールすると、設定に起因する不具合などが残ってしまうケースがあります。
そのため、次の手順でディスプレイドライバーを一旦アンインストールしてから最新のドライバーを再インストールして下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧からドライバーのプログラムを選択して「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- NVIDIAの場合: NVIDIAグラフィックスドライバ、 NVIDIA PhysX システムソフトウェア、 NVIDIA HD オーディオドライバ
- AMDの場合: AMD Software
- 再起動を求められたら再起動します。
- 再起動後に自動で同じドライバーがインストールされてしまう場合は、『GeForce/Radeonのグラフィックドライバーを完全アンインストールする方法』を参考にして下さい。
- 公式サイトから利用しているGPUに適合するドライバーをダウンロードします。
- ダウンロードしたファイルを開いて展開します。
- 展開先のフォルダにあるドライバーのインストーラーファイルをダブルクリックします。
- ウィザードにしたがってインストールを完了します。
- 途中でクリーンインストールするオプションが出た場合は、クリーンインストールを選択して下さい。
以上でNVIDIA/AMDのディスプレイドライバーを最新版にアップデートすることができます。
Intel統合グラフィックの場合
Intelの統合(内蔵)グラフィックを搭載している場合は、次のページを参考にドライバーの更新と再インストールを試して下さい。
ドライバーの更新、もしくは再インストールができたらディスプレイドライバーの応答停止エラーが出なくなったか検証して下さい。
対処4: レジストリを修正してTDR Delayを増やす
GPUのレンダリングに必要以上に時間がかかるとタイムアウトが発生して、ディスプレイドライバの応答停止エラーが出ます。
タイムアウトの問題は、レジストリでタイムアウト時間を修正することで、応答停止エラーを発生しにくくすることもできます。
GPU自体に特に異常がない場合に有効な方法なので、必要に応じて設定してみて下さい。レジストリの設定方法は次の通りです。
- Windows + Rを押してファイル名を指定して実行を開きます。
- 「regedit」と入力してEnterを押し、レジストリエディタを起動します。
- 以下のレジストリキーにアクセスします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\GraphicsDrivers
- 「TdrDelay」のキーが存在している場合は、ダブルクリックして編集ウィンドウを開いて値を編集します。
- 値の名前: TdrDelay
- 値のデータ: 30
- 表記: 10進数
- 「TdrDelay」がない場合は、右ペインの空いている場所で右クリックして「QWORD(64ビット)値」を選択して値のキーを作成します。
- 「OK」をクリックしてPCを再起動します。
PCを再起動するとレジストリの設定が反映されます。ディスプレイドライバーの停止エラーが解決したか検証して下さい。
対処5: GPUの温度を確認する
GPUが過熱するとオーバーヒートし、それによってエラーが発生することがあります。
負荷が高くなると応答停止する場合はこの可能性があるため、以下の手順で確認/対処してください。
温度をチェックする方法
- グラフィックボードチェックツール「GPU-Z」をインストールします。
- 今回は「GPU-Z」を例として使用しますが、他のツールでも温度の確認ができれば問題ありません。
- GPU-Zを起動し、「Sensors」タブを開きます。
- 「GPU Temperature」の数値を確認します。
- GPUの温度は、「80℃」未満であれば正常な状態です。
温度が高い場合
温度が異常に高い場合(80℃~100℃など)は、GPUの冷却に問題があることが考えられます。
一度PCケースから外してファンの状態を確認して、ホコリが詰まっている場合はエアダスターなどで清掃しましょう。
清掃後は再びPCに戻し、起動して再び温度をチェックします。温度が下がっていたらそのままPCを利用し、エラーが出るか様子を見てください。
対処6: オーバークロックを無効にする
CPUやGPUをオーバークロックすると、発熱量が増えるため、ディスプレイドライバーの応答停止エラーが発生しやすくなります。
そのため、オーバークロックをしている場合は一旦デフォルトの状態に戻して、エラーが発生しなくならないか確認して下さい。
対処7: グラフィックボードを交換する
ここまでの対処法を試してもエラーが直らない場合や、GPUの温度が極端に高い状態が続く場合はグラフィックボードが故障していることが考えられます。
グラフィックボードを交換できる機種のPCであれば、交換を検討してください。高価なグラフィックボードを搭載している場合は、修理した方が安いケースもあります。
スペックが低いグラフィックボードを搭載している場合も、3Dゲームなどの重い処理が重なるとエラーが頻発する原因になります。この場合はハイエンドグラフィックボードへの交換を検討しましょう。
対処8: システムファイルを修復する
Windowsのシステムファイルが破損しており、ディスプレイドライバーの応答停止エラーが頻発するケースが稀にあります。
そのため、グラフィックボードの故障やスペック不足が原因として考えられない場合は、次の手順でシステムファイルの修復を実行してみてください。
- PCをシャットダウン(もしくは強制終了)して再度起動します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が出たら「はい」をクリックします。
- 次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- コマンドの実行が完了したら、次のコマンドを一行ごとに入力してEnterキーで実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- コマンドの実行が完了したら、PCをシャットダウンして再度電源を入れます。
対処10: Windowsを復元/初期化する
システムファイルの修復を実行しても改善しない場合は、システムの復元を試してみて下さい。
特にWindowsUpdateの直後にエラーが発生するようになった場合は、システムを復元すると解決する場合があります。
システムの復元ができなかったり、復元しても解決しない場合は、Windowsを初期化することを検討して下さい。初期化方法は、次のページで詳しく解説しています。