MacbookやiMacなどを使用している際に、USBメモリに保存されているファイルが見れない、またはUSBメモリ自体が表示されないという問題が発生することがあります。
この問題は、ドライバの一時的な不具合やファイルシステムの互換性など、さまざまな原因によって引き起こされます。
本記事では、MacでUSBメモリのファイルが表示されない/認識しない場合の対処方法について詳しく解説します。
この記事の内容
USBメモリのファイルが表示されない時の原因
MacでUSBメモリのファイルが表示されない場合、以下のような原因が主に考えられます。
- 互換性のないファイルシステム
- USBメモリがMacと互換性のないファイルシステムでフォーマットされている場合、ファイルが表示されないことがあります。例えば、NTFSはMacでは読み取り専用でサポートされており、書き込み機能はデフォルトでは有効化されていません。
- 接続の問題
- USBメモリやMacのUSBポートに物理的な損傷がある場合や、ケーブルやアダプタが機能しない場合、ファイルが表示されないことがあります。
- ディスクのエラー
- USBメモリにディスクのエラーや損傷がある場合、ファイルが表示されないことがあります。
- システムの問題
- MacのUSB関連のシステムやドライバーが古く不具合があることで、USBメモリのファイルが表示されないことがあります。
- 非表示のファイルやフォルダ
- Macでは、デフォルトで隠しファイルやフォルダが表示されません。これが原因で、USBメモリ内の一部のファイルが表示されないことがあります。
- マウントされていないUSBメモリ
- USBメモリが正しくマウントされていない場合、Finderでファイルが表示されません。ディスクユーティリティで確認して、必要に応じて手動でマウントすることができます。
これらの原因を特定して適切な対処方法を試すことで、ほとんどの場合USBメモリのファイルが表示されない問題を解決できます。具体的な対処方法を順に解説します。
対処1: USBメモリを指し直す
MacのUSBポートにUSBメモリが正しく接続されていないことが原因で、USBメモリを検出できずファイルが表示されないケースが考えられます。
そのため、USBメモリを一度取り外してから再接続してみてください。具体的な手順は以下の通りです。
- デスクトップに表示されている「USBデバイスのアイコン」を右クリックして「"USBデバイス名"を取り外す」を選択します。
- または、「Finder」の左ペインの場所の一覧で「USBデバイス」の「イジェクトアイコン」をクリックします。
- USBメモリをMacから取り外します。
- 数秒待ってから、USBポートにUSBメモリを再度差し込みます。
また、USBメモリを指し直しても問題が解決しない場合は、続けて以下の方法も試してみてください。
- Macの別のUSBポートにUSBメモリを接続する
- USBハブを使用している場合は、MacのUSBポートに直接接続する
- USBハブを交換する
USBメモリをMacのUSBポートに挿し直せたら、FinderでUSBメモリを開いてファイルが表示されるようになったか確認してください。
対処2: Macを再起動する
MacのシステムやUSBのデバイスドライバーに一時的な問題が発生していることが原因で、USBメモリのファイルが表示されないケースが考えられます。
そのため、Macを再起動することで一時的なシステムの不具合が解決されて、USBメモリの問題も解決する可能性があります。Macを再起動するには、以下の手順で操作してください。
- 左上の「Appleアイコン」をクリックして、「システム終了」を選択します。
- 待機ダイアログが表示された場合は「システム終了」をクリックします。
- Macがシャットダウンするの待って、完全にシャットダウンしたらUSBメモリを取り外します。
- 「電源ボタン」を押してMacを起動します。
- Macが起動したら、USBメモリをUSBポートに接続します。
Mac起動後にUSBメモリを接続できたら、FinderでUSBメモリ内のファイルが確認できるようになったか確認してください。
対処3: Finderの外部ディスクの表示設定を確認する
Finderの設定に問題があることが原因で、デスクトップまたはFinderにUSBメモリが表示されないケースが考えられます。
そのため、Finderが外部ディスクを表示する設定になっているか確認してみてください。Finderの設定を確認するには、以下の手順で操作してください。
- Finderを開いて、上部メニューで「Finder」→「環境設定」の順に選択します。
- 「一般」タブを開きます。
- デスクトップに表示する項目で、「外部ディスク」の項目にチェックが入っていることを確認します。
- 「サイドバー」タブを開きます。
- サイドバーに表示する項目で、場所の「外部ディスク」にチェックが入っていることを確認します。
Finderの外部ディスクの表示がオフになっており設定を変更した場合は、FinderでUSBメモリを開いてファイルが正常に表示されるようになったか確認してください。
対処4: USBメモリを再マウントする
USBメモリが正しくマウントされていないことが原因で、USBメモリ内のファイルが検出できず、ファイルが表示されないことがあります。
そのため、USBメモリを一度イジェクトしてから再マウントすることで、問題が解決する可能性があります。USBメモリを再マウントするには、以下の手順で操作してください。
- Finderを開いて、左ペインの場所の「USBメモリ」を右クリックして「"USBデバイス名"を取り出す」を選択します。
- USBメモリをUSBポートから取り外します。
- 数秒待ってからUSBメモリをUSBポートに再度接続します。
USBメモリを再マウントできたら、FinderでUSBメモリを開いてファイルが正常に表示されるようになったか確認してください。
対処5: ソフトウェアアップデートを実行する
MacのUSBに関連するシステムやデバイスドライバーに不具合があることが原因で、USBメモリのファイルが正常に表示されないケースが考えられます。
そのため、ソフトウェアアップデートを実行してmacOSを最新にすることで、問題が解決する可能性があります。ソフトウェアアップデートを実行するには、以下の手順で操作してください。
- 左上の「Appleアイコン」をクリックし、「このMacについて」を選択します。
- 「ソフトウェアアップデート」をクリックします。
- システムの更新を確認し、必要なアップデートをインストールします。
- アップデートをインストールできたらMacを再起動します。
ソフトウェアアップデートを実行してMacが最新の状態になったら、FinderでUSBメモリを開いてファイルが表示されるようになったか確認してください。
対処6: ターミナルを使ってUSBメモリをイジェクトする
MacでUSBメモリを正しく取り外す際に問題が起きたことが原因で、USBメモリを接続してもファイルが検出されず表示されないケースが考えられます。
そのため、ターミナルを使ってUSBメモリを強制的にイジェクトすることで、問題が解決する可能性があります。ターミナルを使ってUSBメモリをイジェクトするには、以下の手順で操作してください。
- Finderを開いて「アプリケーション」→「ユーティリティ」の順にフォルダーを開きます。
- 「ターミナル」をダブルクリックして起動します。
- ターミナルが起動したら、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
diskutil list
- SIZEなどを参考にしてUSBメモリのディスク番号(disk*)を特定します。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行して、USBメモリの詳細情報を表示します。
diskutil info disk*
- *は、USBメモリに割り当てられたディスク番号に置き換えてください。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行して、USBメモリをイジェクトします。
diskutil eject disk*
- *は、USBメモリに割り当てられたディスク番号に置き換えてください。
- 以下のコマンドを再度入力してEnterキーで実行します。
diskutil list
- USBメモリのディスクが一覧に表示されなくなったことを確認できたら、ターミナルを閉じてUSBメモリを取り外します。
以上の手順で、ターミナルを使ってUSBメモリをイジェクトできたら、USBメモリをUSBポートに再度挿入してください。USBメモリを再度差し込めたらFinderを開いて、USBメモリ内のファイルが表示されるようになったか確認してください。
対処7: ディスクユーティリティを使って修復する
USBメモリのファイルシステムなどに問題が起きていることが原因で、Finderで開いた際にファイルが表示されないケースが考えられます。
そのため、Macに標準で実装されているディスクユーティリティの機能を使ってUSBメモリを修復することで、問題が解決する可能性があります。
ディスクユーティリティを使ってUSBメモリを修復するには、以下の手順で操作してください。
- Finderを開いて、「アプリケーション」→「ユーティリティ」の順にフォルダーを開きます。
- 「ディスクユーティリティ」をダブルクリックして起動します。
- 左ペインの一覧で「USBメモリ」を選択します。
- 中央上部にある「First Aid」ボタンをクリックし、確認ポップアップが表示されたら「実行」を選択します。
- 修復処理を待って、完了したら「完了」をクリックします。
ディスクユーティリティを使ってUSBメモリを修復できたら、FinderでUSBメモリを開いてファイルが正常に表示されるようになったか確認してください。
対処8: 隠しファイルを表示してFinderを再起動する
MacのFinderでは隠しファイルまたはフォルダの表示が標準でオフになっており、これが原因でUSBメモリのファイルが表示されないケースが考えられます。
そのため、Finderの隠しファイルを表示して再起動することで、ファイルが正常に表示される可能性があります。隠しファイルを表示してFinderを再起動するには、以下の手順で操作してください。
- Finderを開きます。
- キーボード上で「Command + Shift + .(ドット)]を同時に1回押します。
- この操作で、隠しファイルまたはフォルダが表示されます。設定を戻したい場合は、もう1度同じ操作を行います。
- 隠しファイルが表示されない場合は、「Appleマーク」をクリックして「強制終了」を選択します。
- 「Finder」を選択して「再度開く」をクリックします。
隠しファイルを表示してFinderを再起動できたら、FinderでUSBメモリを開いてファイルが正常に表示されるようになったか確認します。
対処9: SMCとPRAM/NVRAMをリセットする
SMC(システム管理コントローラー)またはPRAM/NVRAMに問題が起きていることが原因で、USBメモリが正しく認識されずファイルが表示されないケースが考えられます。
そのため、SMCをリセットしてUSBメモリの問題が解決しないか確認してみてください。MacのSMCをリセットするには、以下の手順で操作します。
- MacBookの場合:
- 「Appleマーク」→「システム終了」を選択して、MacBookをシャットダウンします。
- 電源アダプタを接続し、コンピュータが充電されていることを確認します。
- キーボード上で「Shift + Control + Option」キーと「電源」ボタンを同時に押します
- すべてのキーと電源ボタンを同時に約10秒間押し続けます。
- キーと電源ボタンを離し、「電源」ボタンを押してMacBookを起動します。
- デスクトップMac(iMac,Mac mini,Mac Pro)の場合:
- 「Appleマーク」→「システム終了」を選択して、Macをシャットダウンします。
- 電源ケーブルをコンピュータから抜いて15秒待ちます。
- 電源ケーブルをコンピュータに再接続します。
- 5秒待ってから、電源ボタンを押して、コンピュータを起動します。
MacのSMCをリセットして再起動できたら、USBメモリを接続してFinderで開きファイルが表示されるか確認してください。
依然としてファイルが表示されない場合は、続けてPRAM/NVRAMのリセットを試してください。
- 「Appleマーク」→「システム終了」を選択して、Macをシャットダウンします。
- Macの「電源ボタン」を押して、コンピュータを起動します。
- キーボード上で、「Command(⌘) + Option(⌥) + P + R」キーを同時にすぐ押します。
- 電源ボタンを押した直後に上記の操作をすぐに行ってください。
- Macが起動音が聞こえるまで、すべてのキーを押し続けます。
- Macが起動音が聞こえたら、キーを離してください。
以上の手順で、MacのPRAM/NVRAMをリセットすることができます。リセットが完了したら、USBメモリを接続してFinderで開きファイルが表示されるか再度確認してください。
対処10: 別のPCに接続する
USBメモリのファイルシステムの互換性に問題があることが原因で、MacがUSBメモリ内のファイル検出できず表示されないことがあります。
MacがサポートするUSBメモリのファイルシステムは、APFS、HFS/HFS+、NTFS、exFAT、FAT32、およびext2です。
そのため、USBメモリのファイルシステムをMacがサポートしているか確認してください。具体的な確認手順は以下の通りです。
- Finderを開いて、「アプリケーション」→「ユーティリティ」のフォルダに移動します。
- 「システム情報」をダブルクリックして起動します。
- 左ペインで、「ハードウェア」→「USB」を選択します。
- 右ペインのUSBツリーを展開して「USBメモリ」を選択します。
- 「ファイルシステム」の項目が「APFS、HFS/HFS+、NTFS、exFAT、FAT32、およびext2」のいずれかであることを確認します。
USBメモリのファイルシステムを使用しているMacがサポートしていない場合は、別のWindowsなどのPCにUSBメモリを接続してファイルが表示されるか確認してください。
または、次の対処方法でUSBメモリをフォーマットしてファイルシステムを変更することで、問題が解決する場合もあります。
対処11: USBメモリを再フォーマットする
USBメモリのファイルシステムの互換性に問題があったり、ファイルシステムが破損していることが原因で、USBメモリのファイルが表示されないケースが考えられます。
そのため、USBメモリをサポートするファイルシステムで再フォーマットすることで、問題が解決する可能性があります。ただし、USBメモリを再フォーマットするとすべてのデータが削除されるため、ファイルのバックアップが取れていることを確認してください。
MacでUSBメモリを再フォーマットするには、以下の手順で操作します。
- Finderを開いて、「アプリケーション」→「ユーティリティ」の順にフォルダーを開きます。
- 「ディスクユーティリティ」をダブルクリックして起動します。
- 左ペインで「USBメモリ」を選択します。
- 右ペイン上部の「消去」をクリックします。
- 「フォーマット」のセレクトボックスをクリックして「exFAT」を選択します。
- 「消去」をクリックして、USBメモリのフォーマットを実行します。
USBメモリを再フォーマットできたら、Finderで開きファイルを追加して、ファイルが表示されるようになったか確認してください。
解決しない場合
すべての対処方法を試してもUSBメモリのファイルがまだ表示されていない場合は、USBメモリ自体が故障していることが考えられます。
特に別のMacやPCでもUSBメモリのファイルが見れない場合は、ハードウェアが故障していることが考えられます。
USBメモリの故障が考えられる場合は、メーカーの保証を確認して交換するか、新しいUSBメモリを購入することを検討してください。