表計算アプリケーションとして定番のエクセル。PCを使ったデスクワークでは、欠かせない存在ですよね。
そんなExcelを使っている時に、よくあるトラブルが、ファイルを保存するタイミングで突然「応答なし」が表示されフリーズしてしまうケースです。
ファイルの保存中に応答なしになってしまうと編集したファイルが保存できない場合があるため、Excelの使用に支障が出ます。
そこで、今回は、エクセルがファイルの保存時に「応答なし」になってしまう原因と対処法についてご紹介していきます。
この記事の内容
エクセルが「応答なし」になる原因は?
エクセルのファイル保存時に「応答なし」や「動作を停止しました」に何度もなる場合は、原因として、次の5つが考えられます。
- Excelファイルのデータが大きすぎる
- パソコンのスペックが足りていない
- 設定やアドインでトラブルが起きている
- Excelプログラムの不具合・バージョンが古い
- ウィルス対策などの常駐ソフトの干渉
原因が多いですが、応答なしが一部のExcelファイルのみで起きるのか、常に頻発するのかである程度原因を切り分けることができます。
一部のファイルのみの場合は1か2、頻発する場合は3〜5が原因になっていることが考えられます。それぞれの原因と対処法について見ていきましょう。
対処1: 応答なしの状態で10分待つ
エクセルが応答なしになってフリーズしたように見えても、処理中の場合があるため、まずは慌てず閉じないようにしてください。焦って閉じてしまうと編集したデータが保存されない恐れがあります。
また、エクセルには自動保存機能が標準で10分に設定されているため、データを回復できる可能性があります。
そのため、応答なしになっても10分前後は放置して保存処理が終わらないか確認してください。
待っても応答なしが消えない場合は?
10分経過しても応答なしが改善しない場合は、Excelのウィンドウの「バツマーク」を押して閉じるか、強制終了してください。
Excel終了後は、再度Excelファイルを開いて、【Excelの情報を回復しています】と表示されれば、自動保存からデータを復旧できます。
ただし、自動保存がうまくいっていない場合は、残念ながら編集したデータを復旧できませんのでご注意ください。
対処2: Excelファイルのサイズを小さくする
エクセルはかなり自由にデータを増やしていけますが、数式のセルやシートの枚数が大量になると、パソコンへ掛かる負担が大きくなって動作が重くなってしまいます。
それでも処理しきれれば止まることはありませんが、パソコンのスペックの限界になってしまうと、Excelが応答なしになってしまいます。
一部のファイルのみ応答なしが発生するようであれば、まずはファイルサイズや数式セルの数、シート数を確認しましょう。
もし、他のファイルに比べて多いようであれば、シートを一旦別ファイルに分けるか、不要なシートを削除して運用するようにしてみてください。
対処3: 設定・アドインの問題を確認する
エクセルの応答なしが、どんなファイルを開いても頻発するようであれば、設定を見直すことで改善するケースがあります。
次の2つの項目の設定を変更して、症状が改善しないか試してみてください。
方法1: マルチスレッド計算・アクセラレータを無効にする
エクセルの初期設定でONになっている、数式のマルチスレッド機能、グラフィックのアクセラレータ機能をOFFにすると応答なしが改善する場合があります。
設定の変更手順は次のとおりです。
- ファイルを選んでエクセルのオプションを選択します
- 詳細設定を選択します
- 数式の項目にある【マルチスレッド計算を行う】のチェックをはずします
- 同じく全般の項目にある【マルチスレッド処理を有効にする】のチェックをはずします
- 同じく表示の項目にある【ハードウェア グラフィック アクセラレータを無効にする】にチェックを入れます
以上の設定が終わった、念のためエクセルを再起動して、応答なしが起きないか確認して見てください。
こちらは、Excel2007、2010、2013、2016で確認されている不具合のようです。
方法2: アドインを一旦無効にしてみる
エクセルのアドインは、便利な機能を簡単に追加できるので、利用されている方も多いかと思います。
ところが、追加したアドインが原因となってExcelが応答なしになってしまう場合もあるようです。
一旦次の手順に従ってアドインを無効化してみてください。
- ファイルからExcelのオプションを表示します
- アドインを選択するとアクティブなアドインが表示されます
- セレクトボックスが【Excelアドイン】になっていることを確認して【管理】ボタンをクリックします
- 有効になっているアドインのチェックをはずして【OK】を押します
- 同じくセレクトボックスで【COMアドイン】を選択して【管理】ボタンを押します
- 有効になっているアドインのチェックをはずして【OK】を押します
以上の手順で、現在有効になっているアドインを無効化することできます。
アドインを無効にして、症状が改善した場合は、アドインが原因になっているため、今後は利用しないか、どうしても使いたいアドインがある場合は、代用のアドインを探してください。
対処4: Excelプログラムの問題を修復する
ある日を境に、応答なしが頻発するようになった場合は、Excelのプログラム自体に問題が起きている可能性もあります。
Excelの異常を解決するには、Excelの修復とアップデートを試してみましょう。
Excelの修復方法
- 【スタート】から【プログラムと機能】を選択します
- アプリケーションの一覧が表示されるので、Excelを右クリックして【変更】をクリックします
- 【クイック修復】を選択するとExcelの修復が始まります
クイック修復は時間もあまり掛からないためおすすめですが、複雑な問題が発生している場合、完全に修復できない場合があります。
もし、クイック修復を行っても、状況が変わらず時間がある場合は、【オンライン修復】を試してみてください。
Excelを更新する手順
Excelが最新のバージョンか確認するために【ファイル】から【アカウント】を選択します。
Officeの更新プログラムの項目にある、【更新オプション】をクリックして、【今すぐ更新】を選択してください。
以上でExcelが最新バージョンになるので、Excelプログラムに不具合が起きている場合は、解消されるはずです。
対処5: セキュリティソフトウィルス対策を停止してみる
パソコンには、バックグラウンドで起動しているソフトが多くあります。この中で特に処理が重くなるのが、ウィルス対策系のアプリケーションです。
ウィルス対策ソフトをインストールしている場合は、一時的にソフトを停止してからExcelを使ってみてください。
状況が改善されれば、ウィルス対策ソフトが原因になっている可能性が高いです。
そういった場合は、使っているウィルス対策ソフトを軽くする設定を行うか、もっと処理の軽いウィルス対策ソフトを使うようにしましょう。
対処6: パソコンの動作を改善する
データの少ないExcelファイルは快適に動くのに、データが多いExcelファイルで応答なしが起きやすい場合は、単純にパソコンのメモリ不足が考えられます。
エクセルを快適に使うためにも、パソコンのメモリの量が大切です。
Office2016の推奨環境でメモリは2GB以上になっていますが、他のアプリケーションと併用してエクセルを使う場合、4GB以上ないと動作が遅くなるケースが多いです。
パソコンのメモリ量を確認して、4GB以下の場合は、できればパソコンの買い替えかメモリの増設が望ましいです。
PCの増設がすぐにできない場合は、Excelを起動している時に、できるだけ他のアプリケーションを同時に使わないようにしてください。また、次のページを参考にPCの動作が改善できないか試してください。
記載の間違いではないかと、レスさせて頂きます。
同じく全般の項目にある【マルチスレッド処理を有効にする】のチェックをはずします
同じく表示の項目にある【ハードウェア グラフィック アクセラレータ】のチェックをはずします
上記の【ハードウェア グラフィック アクセラレータ】のチェックを外してしまうと、有効になりますのでご確認ください。>Office 2016
おっしゃるとおりチェックを入れると無効になってしまいますね。記事を訂正させていただきました。貴重なご指摘誠にありがとうございました。