Windowsをより安全に、快適に使用するためにはWindowsアップデートを定期的にインストールし、常に最新の状態にしておくことが大切です。
しかし、稀にアップデート中のエラーやデバイスの相性、アップデート本体の不具合などにより、パソコンが起動できなくなってしまうことがあります。
このようなことになってしまうととても不安になりますが、正しい方法で対処をすればデータを失うことなくパソコンを元通りに起動できるようになることも多いです。本記事では、このようなトラブル発生時に有効と思われる対処法をいくつか紹介します。
この記事の内容
対処1: コマンドプロンプトからシステムファイル修復ツールを起動する
次の手順でコマンドプロンプトからツールを起動し、システムファイルの破損チェックと修復を行ってみてください。
- パソコンを起動し、自動修復を開始します。自動修復の処理に失敗して「PCが正常に起動しませんでした」の画面が表示されるのを待ちます。
- もし自動修復の途中でパソコンの電源が落ちてしまうか、いつまで経っても処理が終わらない場合は、電源を入れたら電源ボタンを長押しして強制終了する操作を3回繰り返してください。この方法でも同じ画面を表示させることができます。
- 「PCが正常に起動しませんでした」の画面が表示されたら、「詳細オプション」をクリックします。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」の順にクリックして進みます。
- アカウント名とパスワードを求められたら、管理者のアカウントでログインします。
- コマンドプロンプトが起動したら、ウィンドウに次のコマンドを入力し、エンターキーを押します。
chkdsk c: /f
Windowsのインストール先がCドライブ以外の場合は、上記コマンド「c:」の部分をWindowsのインストール先ドライブレターに変更してコマンドを入力してください。
- すべての処理が完了し、「終了しました」の表示が出るまで待ちます。完了までかなりの時間がかかる場合があります。
- 上記のコマンドの処理が終わったら、続いて次のコマンドを入力し、エンターキーを押します。
sfc /scannow
- 処理が完了するまでしばらく待ちます。上記2つのコマンド処理が終わったら、画面にexitと入力してエンターキーを押し、コマンドプロンプトを終了します。
- 元の画面に戻ったらパソコンを再起動し、問題が解決したか確認します。
対処2: 「以前のビルドに戻す」オプションを使う
Windowsアップデートが原因で起動できなくなってしまった場合、「以前のビルドに戻す」オプションを使って復元することで問題が解決できる場合があります。ただしアップデート後10日を過ぎるとこのオプションは使えなくなってしまうためご注意ください。
- パソコンを起動し、「PCが正常に起動しませんでした」の画面を表示します。この画面を表示するには自動修復が終わるのを待つか、パソコンの強制終了を3回繰り返してください。
- 「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「以前のビルドに戻す」とクリックして進みます。
- 「以前のバージョンに戻す理由をお聞かせください」という画面が表示されます。「アプリやデバイスがこのビルドで動作しない」にチェックをいれ、「次へ」をクリックします。
- 続いて「更新プログラムをチェックしますか?」という画面が表示されます。アップデートが原因の可能性が高いので、ここでは「チェックしない」をクリックします。
- この後何度か復元に関する注意事項が表示されます。必ず内容を確認し、問題がなければ「次へ」をクリックして進みます。
- 最後に「以前のビルドに戻す」をクリックすると復元処理が開始されます。処理が完了するまでしばらく待ち、終わったらパソコンが起動するようになったか確かめます。
対処3: 最新のアップデートをアンインストールする
パソコンが起動しなくなっても、セーフブートであれば起動できる場合があります。セーフブートで起動できるようであればパソコンを起動し、最後に適用したアップデートを削除することで問題を解決できる可能性があります。
- まずセーフブートができるかどうかを試します。パソコンを起動し、「PCが正常に起動しませんでした」の画面を表示します。
- 「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「以前のビルドに戻す」と進みます。
- 「スタートアップ設定」をクリックします。
- 「再起動」をクリックします。
- しばらくすると「スタートアップ設定」画面が表示されます。セーフブートオプションを選択するため、キーボードの「4」キーを押します。
- セーフブートが行われます。もしパソコンの起動に成功した場合は、次の手順に進みます。
- 「スタート」ボタンをクリックします。スタートメニューが開いたら、歯車アイコン(設定)をクリックします。
- 「設定」ウィンドウが開いたら、「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 「更新の履歴を表示する」をクリックします。
- 「更新プログラムをアンインストールする」をクリックします。
- インストール日の項目を参考に、問題の原因と思われる更新プログラムをリストから探し、右クリックメニューからアンインストールします。
- パソコンを再起動し、問題なく通常起動できるようになったか確認します。
更新プログラムをアンインストールし、この方法で問題が解決した場合は、自動で更新プログラムがインストールされてしまい同じ問題が再発することがないよう、Windowsの自動更新を無効にするよう設定を変更してください。
対処4: 各種回復オプションを試す
各方法を試しても解決しない場合は「システムの復元ポイントから復元する」「パソコンを初期化する」「Windowsを再インストールする」などの回復オプションを使います。
ただし方法によってはパソコンのハードディスクに保存されているデータが消えてしまう場合がありますのでご注意ください。
また、以下の2つの方法以外の回復オプションについては、以下のリンク先からMicrosoft公式のサポート情報をご確認ください。
システムの復元ポイントから復元する
パソコンが正常に動作していた時のシステムの復元ポイントが作成されている場合は、この方法をお試しください。この方法で復元した場合、個人データは消去されません。
- パソコンを起動し、「PCが正常に起動しませんでした」の画面を表示します。
- 「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」とクリックして進みます。
- 「システムファイルの設定の復元」画面が表示されます。「次へ」をクリックして進みます。
- 復元ポイントの一覧が表示されます。「日付と時刻」の項目を参考にトラブルが起きる前に作成された復元ポイントを選びます。
- 確認画面が表示されます。各種項目を確認し、問題がなければ「完了」をクリックします。
- 復元が開始されます。処理が終わるまでしばらく待ちます。
- 復元が完了したら、パソコンが問題なく起動するようになったか確認します。
パソコンをリカバリ(初期化)する
- パソコンを起動して「PCが正常に起動しませんでした」の画面が表示されるのを待ちます。
- 「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」をクリックします。
- 「個人用ファイルを保持する」または「すべて削除する」のどちらかを選択します。「個人用ファイルを保持する」を選択した場合、写真やドキュメントなどの個人ファイルを残すことができますが、問題の原因となっている部分を修復できないことがあります。
- アカウントを選択し、パスワードを入力します。
- 最後に「初期状態に戻す」をクリックするとリカバリが開始されます。
Windowsを再インストールする
インストールメディアを使用したWindows10の再インストール手順については、次のリンクからMicrosoft公式のサポート情報を開き、「インストールメディアを使ってWindows10を再インストールする」に書かれた情報を参考にしてください。