Windows10でフォルダ内の隠しファイルを表示した状態で、空き容量確保のために不要ファイルを整理していたりすると、「NTUSER.DAT」や「ntuser.dat.LOG」というファイルを発見することがあります。
よく目にするファイルではないため、ファイルを削除しても大丈夫か分からなかったり、ウイルスやマルウェアではないかと心配になる方も多いと思います。
本記事では、Windows10の「NTUSER.DAT」ファイルの概要と削除について詳しく解説します。
この記事の内容
NTUSER.DATとは
NTUSER.DATは、Windowsの各ユーザーアカウントの設定情報を保存するレジストリのハイブファイルです。このNTUSER.DATとUsrClass.datによって、レジストリのHKEY_CURRENT_USER以下を構成しています。
ユーザーごとのシステムやインストールされたアプリケーションの設定変更は、レジストリのHKEY_CURRENT_USER以下に保存され、サインアウトする際にレジストリの状態がNTUSER.DATに保存されます。
その後、再度サインインすることでNTUSER.DATから設定情報が読み込まれて、システムやアプケーションの設定変更を保持することができます。
そのため、NTUSER.DATはWindowsのユーザーアカウントの設定情報を保持するために欠かせないファイルです。
NTUSER.DATの場所を開く方法
NTUSER.DATは、Windowsの全てのユーザーアカウントで生成されるファイルで、各ユーザーフォルダ「C:\Users\ユーザー名」に保存されています。
現在サインインしているユーザーのNTUSER.DATの場所は、次の手順で確認することができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「%userprofile%」と入力して「OK」をクリックします。
- エクスプローラーの上部メニューの「表示」をクリックして、「隠しファイル」にチェックを入れます。
- 開いたフォルダ内に「NTUSER.DAT」があることを確認します。
上記の手順で開いたユーザーフォルダ内には、NTUSER.DATをバックアップした「ntuser.dat.LOG1」や「ntuser.dat.LOG2」のファイルも保存されています。これらのバックアップファイルは、NTUSER.DATの保存情報が更新される度に自動的に保存されます。
NTUSER.DATは削除してはいけない
NTUSER.DATは、ユーザーアカウントの設定情報を保存するファイルのため、基本的に削除してはいけません。削除するとユーザープロファイルが破損したり、アカウントのサインインができなくなる恐れがあります。
また、NTUSER.DAT自体のファイルサイズは大きくなっても数十MB程度のため、容量削減のために削除する必要性はほとんどないと言えます。
ただし、今後使用しないユーザーアカウントのNTUSER.DATに限っては削除しても問題ありません。手動での削除はアカウントの動作に問題が起きる恐れがあるため、アカウント自体を削除するか、ユーザープロファイルを削除することをおすすめします。
NTUSER.DATの削除方法
NTUSER.DATを削除することは非推奨ですが、今後使用しないアカウントのNTUSER.DATをどうしても削除したい場合は、次のいずれかの方法で削除することができます。
また、ユーザーフォルダ外にNTUSER.DATが存在している場合は、同名ウイルスの危険性が少なからずあるためウイルススキャンを実行することをおすすめします。
方法1: アカウントを削除する
Windowsのユーザーアカウント自体を削除すれば、NTUSER.DATを含めた全ての設定情報と個人データを削除することができます。削除したアカウントに付随する全てのデータが削除されるので、空き容量の確保にも繋がります。
ユーザーアカウントを今後使用しないのであれば、アカウント自体を削除することをおすすめします。ユーザーアカウントを削除する手順は次の通りです。
- 管理者権限を持っている別のアカウントでサインインします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「Windowsの設定」で「アカウント」をクリックします。
- 左ペインから「家族とその他のユーザー」を選択します。
- 右ペインから「削除したいアカウント」を選択して「削除」をクリックします。
- ポップアップが表示されたら「アカウントとデータの削除」をクリックします。
- 注意:ユーザーアカウントのデスクトップやドキュメント内の個人データも削除されるため、必要なデータがある場合はバックアップを取ってください。
- アカウントが削除されたことを確認してウィンドウを閉じます。
以上でアカウントの削除は完了です。削除すると対象アカウントのユーザーフォルダが削除されて、アカウントが今後利用できなくなります。
方法2: ユーザープロファイルを削除する
ユーザープロファイルを削除することでも、不要なユーザーアカウントのNTUSER.DATを削除できます。
ユーザープロファイルの削除は、ユーザーアカウントを残した状態でアカウントが持つ全ての個人データと設定情報を削除することができます。
今後ユーザーアカウントを使用する可能性がある場合は、ユーザープロファイルのみを削除することをおすすめします。ユーザープロファイルを削除する方法は次のとおりです。
- 管理者権限を持っている別のアカウントでサインインします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「システム」を選択します。
- 右ペインの関連設定内にある「システムの詳細設定」をクリックします。
- ユーザープロファイルの「設定」をクリックします。
- 「このコンピュータに格納されているプロファイル」から「対象のユーザーアカウント」を選択します。
- 規定のプロファイルやサインイン中のアカウントのプロファイルは削除できません。
- 「削除」をクリックします。
- 注意:ユーザーアカウントのデスクトップやドキュメント内の個人データも削除されるため、必要なデータがある場合はバックアップを取ってください。
- 削除できたことを確認したらウィンドウを閉じます。
以上の手順で、アカウントのユーザープロファイルを削除することができます。
方法3: 直接削除する
使用していないアカウントのNTUSER.DATをエクスプローラーから直接削除することもできます。
ただし、この方法は対象のアカウントへのサインインに問題が起きるため非推奨です。NTUSER.DATだけを削除したい何らかの理由がある場合のみ直接削除を行なってください。
エクスプローラーでNTUSER.DATを削除する手順は次の通りです。
- 管理者権限を持っている別のアカウントでサインインします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を選択して開きます。
- アドレスバーに「C:\Users」と入力してアクセスします。
- 「削除したいユーザーアカウント名」のフォルダを開きます。
- エクスプローラーの上部メニュー「表示」をクリックして、「隠しファイル」にチェックを入れます。
- フォルダ内から「NTUSER.DAT」を右クリックして「削除」します。
以上の手順でNTUSER.DATを直接削除することができます。エラーで削除できない場合は、アカウントに管理者権限があるか、サインインしているアカウントのNTUSER.DATを削除しようとしていないかを確認してください。
方法4: セキュリティソフトでスキャンする
「C:\Users\ユーザー名」以外のディレクトリにNTUSER.DATがある場合は、同名のウイルスであることが少なからず疑われます。
そのため、セキュリティソフトでウイルススキャンを実行することをおすすめします。標準のWindowsセキュリティでウイルススキャンする手順は、次の通りです。
- Windowsキーを押してスタートメニューを開きます。
- 設定アイコンをクリックして「Windowsの設定」を開きます。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインから「Windowsセキュリティ」を選択します。
- 右ペインから「ウイルスと脅威の防止」を選択します。
- 新しいウィンドウが開いたら「スキャンのオプション」をクリックします。
- 「Microsoft Defenderオフラインスキャン」にチェックをつけます。
- 「今すぐスキャン」をクリックします。
- ウイルススキャンが実行されます。自動的にウイルスやマルウェアを検出して駆除されます。
サードパーティのセキュリティソフトをインストールしている場合は、ソフトウェアのマニュアルを参考にスキャンを実行してください。
スキャンした結果、NTUSER.DATがウイルスであることが判明したら、セキュリティソフトの指示にしたがって駆除や削除を行なってください。