Windowsパソコンでは、デフォルトでスタートアッププログラムに「Delayed Launcher」というプログラムが登録されていることがあります。
多くの人は有効にしたまま使い続けているかと思いますが、万が一ウィルスや危険なアプリであればすぐに削除すべきです。また有害でなかったとしても、無駄なアプリはスタートアップから外した方がパソコンの起動も早くなり好ましいと言えるでしょう。
本記事では、Delayed Launcherとは何か?必要性とスタートアップを無効にする方法について、それぞれ解説します。
この記事の内容
Intel Delayed Launcherとは
Delayed Launcherとは、Intel Rapid Storage Technologyに含まれているIntel Rapid Recovery Technology(IAStorDataSvc)の機能の1つです。
Intel Rapid Storage Technology及びIntel Rapid Recovery Technologyには、主に次のような機能があります。
- パソコンの起動時を狙うウィルス・マルウェアの攻撃を防ぐ
- ハードディスク・SSDのアクセスをスピードアップする
- 電力消費を抑える
- リカバリドライブ(復旧ポイント)作成する
1つ目の効果はウィルス・マルウェアの被害の防止です。すべてのウィルスに対して有効というわけではありませんが、特にパソコンの起動時を狙って攻撃するタイプの悪質プログラムに対して有効です。
Delayed Launcherはパソコン起動時のプログラムの起動を監視するプログラムです。そのため、もしパソコンの起動プロセスに危険なプログラムが仕込まれていれば、動作を停止させるか起動順序を制御してパソコンのシステムを守ります。
2つ目・3つ目はIntel Rapid Storage Technologyの機能で、アプリやファイルの読み込みを高速化することができます。また電力消費も抑えられるため、特にノートパソコンやポータブルタイプのデバイスではバッテリーが長時間持続するようになります。
4つ目はIntel Rapid Recovery Technologyの機能で、リカバリ用データを作成することが出来ます。回復用のハードディスクを用意することで自動的にデータのバックアップを取ることが出来ます。万が一ハードディスクに障害が発生しパソコンのシステムやファイルに異常が発生した際には自動で作成されたバックアップからデータを復旧できます。
無効にする必要はある?
どのユーザーにとっても有用と言える機能が多いため、特別な理由がなければ有効にしたまま使用するのが良いでしょう。
ただしパソコン起動時のプログラムを管理するという機能の関係上、有効にしているとパソコンの起動が少し遅くなる(30秒~1分)と言われています。
Delayed Launcherは決して悪いプログラムではありませんが、パソコンの動作に必須のプログラムというわけでもないので無効にしても特に問題はありません。
パソコンの起動速度が遅くて気になる場合やDelayed Launcherが原因で何らかのトラブルが起きている場合は無効にするのも良いでしょう。
無効手順1:msconfigを使ってスタートアップから無効にする
この方法ではIntel Rapid Storage Technologyの機能そのものを無効にします。Delayed Launcherのみを無効化したい場合は手順2の方法を使用してください。
- タスクバーにある検索ボックスをクリックし、「msconfig」と入力します。
- もしタスクバーに検索ボックスがない場合はスタートボタンを右クリックし、「検索」を選ぶと検索ボックスが表示されます。
- 検索結果に「システム構成」と表示されます。アイコンをクリックして「システム構成」画面を開きます。
- 検索結果が表示されない場合は、検索ボックスに日本語で「システム構成」と入力してみてください。
- 「システム構成」ウィンドウが表示されたら「サービス」タブをクリックして開きます。
- 稼働中サービスのリストが表示されます。下へスクロールし、「Intel(R) Rapid Storage Technology」の項目を探します。
- リストの数が多くて見つからない場合は、リストの下にある「Microsoftのサービスをすべて隠す」のチェックを入れると探しやすくなります。
- リストをクリックしてから「Intel」と入力すると、文字が一致する項目までジャンプすることができます。
- 「Intel(R) Rapid Storage Technology」の左のチェックボックスを外します。
- 右下の「適用」ボタンをクリックします。
- 「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。
- 再起動を求めるウィンドウが表示されたら「再起動」をクリックしてパソコンを再起動します。または「再起動しないで終了する」を選び、あとから手動で再起動しても構いません。
再起動が完了したらDelayed Launcherが無効化されたか確認します。
無効手順2:タスクマネージャーを開いてスタートアップから無効にする
こちらはDelayed Launcherのみを無効にする方法です。ただしIntel Rapid Storage Technologyの一部の機能も同時に使えなくなる可能性があります。
- タスクマネージャーを開きます。「スタート」ボタンを右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。またはショートカットCtrl+Shift+Escを入力します。
- タスクマネージャウィンドウが表示されます。左下の「詳細」をクリックして詳細表示に切り替えます。
- 「Delayed Launcher」をクリックし、選択状態にします。
- 右下の「無効にする」ボタンをクリックします。
- パソコンを再起動します。
再起動が完了したらDelayed Launcherが無効化されたことを確認します。