「IAStorDataSvc」が重い/CPU使用率が高い時の対処法 – Windows10

Windows10のPCで動作が重い時にタスクマネージャーを確認すると、プロセス「IAStorDataSvc」のCPU使用率が異常に高いケースがあります。

「IAStorDataSvc」は普段あまり目にするプロセスではないため、何のプロセスなのか疑問に感じる方も多いと思います。

本記事では、Windows10の「IAStorDataSvc」プロセスの概要とCPU使用率が高い時の対処法について詳しく紹介します。

IAStorDataSvcとは

「IAStorDataSvc」とは、Intelが開発した「Intel Rapid Storage Technology(Intel RST)」のことで、ハードディスクの動作を制御してディスクアクセスのパフォーマンスを向上するためのプロセスです。

このプロセスに含まれるSmart Response Technologyは、頻繁に使用するアプリを内臓SSDにキャッシュすることで、ファイルやアプリを開くスピードを高速化します。

また、ダイナミックストレージアクセラレーター機能によって、PCの電力ポリシーを動的に自動調整してSSDのアクセスを高速化します。その他にもディスクの信頼性を高めるデータのリカバリー機能も含まれています。

IAStorDataSvcのプロセスは、PCのHDD/SSDのパフォーマンスを向上させるために頻繁にCPUリソースを使用します。そのため、このプロセスの影響でCPUの使用率が一時的に高くなるケースがあります。

IAStorDataSvcは停止・削除できる?

IAStorDataSvcは、ハードディスクを補助する機能で必須のプロセスではないため、停止やアンインストールしても問題はありません。

ただし、IAStorDataSvcの機能を無効化すると、CPUの使用率は低下してもHDD/SSDのパフォーマンスが低下する場合があります。

そのため、停止やアンインストール後にPCの動作が遅くなった場合は、有効に戻すか再インストールすることをおすすめします。

IAStorDataSvcが原因でPCが重くなるときの対処法

IAStorDataSvcのCPU使用率は、一時的に高くなっても通常であれば次第に落ち着きます。CPUの使用率が異常に高い状態が続く場合は、IAStorDataSvcに問題が起きていることが考えられます。

IAStorDataSvcの負担が異常に高い場合は、次に紹介する対処方法を試してみてください。

対処1: PCを再起動する

IAStorDataSvcに処理に問題が発生していることが原因で、CPU使用率が異常に高いケースがあります。

上記の問題が起きている場合は、PCを再起動することでエラーがリセットされ処理が正常に戻る可能性があります。

そのため、PCを一度再起動してみてください。再起動ができたら、IAStorDataSvcのCPU使用率に問題がないか確認してください。

再起動後もIAStorDataSvcのCPU使用率が上昇する場合は、次の対処法に進んでください。

対処2: IAStorDataSvcを強制終了する

IAStorDataSvcの負担が高い場合は、プロセスを強制終了することで単純にCPU使用率を下げることができます。

そのため、一時的にIAStorDataSvcの負担を下げたい場合はプロセスを強制終了してください。IAStorDataSvを強制終了するには、次の手順で操作してください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択して起動します。
  2. 詳細表示になっていることを確認して「プロセス」タブをクリックします。
    • 簡易表示になっている場合は、左下の「詳細」をクリックします。
  3. プロセスの一覧から「IAStorDataSvc」を右クリックして「タスクの終了」を選択します。

プロセスを強制終了できたら、パフォーマンスタブを開いてCPU使用率を確認してくPCが快適に動作するか確認してください。

ただし、強制終了してもPCを再起動するとIAStorDataSvcが再び起動します。根本的な対策をしたい場合は次の対処法を試してみてください。

対処3: BIOS/UEFIでSATAモードを変更する

BIOS/UEFIのSATAモード設定に問題があることが原因で、IAStorDataSvchのプロセスがCPUリソースを占有することがあります。

そのため、BIOS/UEFIのSATAモード設定を確認して、問題がある場合は修正してください。

BIOS/UEFIでSATAモードの設定を確認して変更する手順は次のとおりです。

*マザーボードによって手順が異なるため、設定できない場合はマニュアルを参照してください。

  1. PCを再起動します。
  2. 起動画面が表示されている間にBIOS/UEFIの起動キーを連打します。
    • BIOS/UEFIの起動キーは、ファンクションキーやDelキーなどマザーボードメーカーによって異なります。
    • 起動画面のSetupにBIOS/UEFIの起動キーが表示される場合があります。
  3. BIOS/UEFIが起動したら「Advanced Mode」に切り替えます。
  4. 「SATA(Serial ATA)」の設定で、SATAモードを「AHCI」に変更します。
  5. 設定内容を保存してBIOS/UEFIを終了して、PCを起動します。

SATAモードをAHCIに変更できたら、IAStorDataSvchプロセスの負担が改善した確認してください。プロセスの負担が改善しない場合は、SATAモードの設定を元に戻してください。

対処4: Windows Updateを実行して最新の状態にする

Windowsのシステムやドライバーに不具合があり、IAStorDataSvcの動作に問題が起きるケースがあります。

Windowsのシステムやドライバーの不具合は、Windows Update経由で修正プログラムが配信されます。

そのため、Windows Updateを実行してWindowsを最新の状態にすることで、IAStorDataSvcの負担が改善する可能性があります。WindowsUpdateを実行するには、次の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
  2. 「更新とセキュリティ」をクリックします。
  3. 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
  4. Windowsが最新の状態になったことを確認します。
    • 「再起動」や「ダウンロード」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。

対処5: 最新のドライバーを再インストールする

Intel Rapid Storage Technologyのドライバーに問題が起きていることが原因で、IAStorDataSvcのプロセスの負担が高くなるケースがあります。

上記の問題は、ドライバーを一旦アンイストールしてから最新のドライバーをインストールすることで解決する可能性があります。

Intel Rapid Storage Technologyのドライバーを再インストールするには、次の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. 「記憶域コントローラー」のツリーをクリックして展開します。
  3. 「Intel Rapid Storage Technology」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
  4. 確認画面ダイアログが表示されたら「アンインストール」を選択します。
  5. 『インテル® ラピッド・ストレージ・テクノロジー (インテル® RST) 用のダウンロード』のページにアクセスします。
  6. 「インテル® ラピッド・ストレージ・テクノロジー ユーザーインターフェイスドライバー」をクリックして、「SetupRST.exe」をダウンロードします。
  7. 「SetupRST.exe」をダブルクリックして起動します。
  8. 画面の案内に従ってインストールを完了します。
  9. インストールが完了したらPCを再起動します。

最新のドライバーを再インストールしてPCを再起動できたら、IAStorDataSvchのCPU使用率が改善したか確認してください。

対処6: Intel Rapid Storage Serviceを無効化する

Intel Rapid Storage Serviceのスタートアップを無効化することで、IAStorDataSvcのプロセスの動作を停止することができます。

そのため、IAStorDataSvcの機能自体が必要ない場合は、Intel Rapid Storage Serviceのサービスを無効化してください。無効化する場合は次の手順で操作してください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「service.msc」と入力して「OK」をクリックして、サービスを起動します。
  3. リストから「Intel Rapid Storage Service」または「IAStorDataSvc」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
  4. 「スタートアップの種類」を「無効」に変更して、「サービスの状態」にある「停止」をクリックします。
  5. 「OK」をクリックして設定を保存します

以上の設定で、IAStorDataSvcの機能を無効化することができます。設定を変更すると、PCを再起動してもIAStorDataSvcが起動しなくなります。

対処7: Intel Rapid Storage Technologyをアンインストールする

IAStorDataSvcは、Windowsに必須のプログラムではないため不要であればアンインストールしても問題ありません。

IAStorDataSvcをアンインストールするには、次の手順でIntel Rapid Storage Technologyのアプリをアンインストールします。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
  2. 右ペインのアプリ一覧で「Intel Rapid Storage Technology」を選択します。
  3. 「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
  4. アンインストールウィザードに従ってアンインストールを完了します。

Intel Rapid Storage Technologyをアンインストールできたら、タスクマネージャーにIAStorDataSvcのプロセスが表示されなくなったことを確認してください。

対処8: 性能の高いPCに買い換える

根本的にPCのCPUの性能が足りず、IAStorDataSvcのCPU使用率が高く見える場合もあります。

特に5年以上前の古いモデルの低スペックCPU(Intel Celeron/Atom/AMD Athlonなど)を使用している場合は、Windows自体が快適に動作しない場合があります。

Intel Rapid Storage Technologyの有効/無効を切り替えてもPCの動作が重い場合は、新しいPCに買い換えることを検討してください。

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