パソコンの動作が重いなあと思ってタスクマネージャを調べるとRuntime Brokerというプロセスが大量のメモリを消費していることがあります。
本来であればRuntime Brokerのメモリ使用量は1%未満に収まることがほとんどなのですが、異常な挙動が見られる場合はRuntime Broker自体を停止させるか、特定の方法で対処するといった対応が必要になります。
本記事では、Windows10のRuntime Brokerプログラムの正体と停止方法について解説します。
この記事の内容
Runtime Brokerとは
Runtime BrokerはWindowsストアアプリに関連するシステムプロセスで、Windows 8及びWindows 10のパソコンにデフォルトで搭載されています。
主な機能はストアアプリ(UWP)のアクセス権限管理で、たとえばユーザーの許可なくアプリが勝手にデバイスの情報を盗んだり、個人ファイルにアクセスしたりすることを防ぐためにあります。
Runtime Brokerが複数起動してしまう場合
タスクマネージャを調べると複数あるいは大量のRuntime Brokerが並ぶことがあります。
これはそれぞれのRuntime Brokerが各種ストアアプリに紐付けられているために起こります。ですから複数のアプリを同時に起動したり、Microsoft Edgeブラウザで複数ウィンドウを開いたりするとRuntime Brokerが複数起動されます。
Runtime Brokerが複数起動していてもパソコンが重い等の症状がなければ特に問題はありませんが、気になるようであればこの後紹介する方法でRuntime Brokerを停止させるか、その他の対処法を試してみてください。
停止しても大丈夫?
Runtime Brokerを停止しても急にパソコンが起動しなくなるようなことはありません。
しかし、一部のアプリ、特にMicrosoft EdgeブラウザやWindows Update、フォトアプリなどが起動しなくなったり、動作が不安定になったりすることがあります。
またRuntime Brokerを完全に停止するにはレジストリ編集が必要になり、間違った操作を行うと別の問題を引き起こすリスクがあります。
Runtime Brokerを停止する以外にも問題を解決できる可能性のある方法がいくつかあるので、まずはそれらから試してみるのがおすすめです。
停止以外の対処法
対処1: アプリのバックグラウンド実行をオフにする
バックグラウンドで動作しているアプリが原因の場合はこの方法が効果的です。
- スタートボタンをクリックし、設定(歯車アイコン)を開きます。
- 「プライバシー」をクリックします。
- 左のメニューリストから「バックグラウンドアプリ」の項目を探してクリックします。
- 「バックグラウンドアプリの実行を許可する」のスイッチをオフにします。
- バックグラウンド実行を利用したいアプリがある場合は、その下にあるリストを使用してアプリごとに許可設定を行います。
対処2: ストアアプリをアンインストールする
特定のアプリがRuntime Brokerの不具合の原因になっている場合は該当アプリをアンインストールすることで改善します。
もし普段使用していないアプリの中で疑わしいものがあればアンインストールを試してみてください。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「アプリと機能」を選択します。
- アプリ一覧の中からWindowsストアからインストールしたもの、またはWindowsに最初からインストールされていたアプリを中心に不要なアプリをアンインストールします。
- アンインストールをするにはアプリ名をクリックしてメニューを展開し、「アンインストール」ボタンをクリックします。
対処3: ヒントとおすすめ機能をオフにする
Windowsの使い方に関するヒント機能をオフにすると改善する場合があります。
- 「スタート」メニューから「設定」を開きます。
- 「システム」をクリックします。
- 左側のリストから「通知とアクション」の項目を探してクリックします。
- 「Windowsを使用するためのヒントやおすすめの方法を取得」の設定項目を探し、オンになっていればオフに切り替えます。
対処4: ロック画面の背景を変える
ロック画面の表示設定でスポットライトモードを使用しているとトラブルの原因になる場合があります。
- 先程と同じく「スタート」メニューから「設定」画面を開きます。
- 「個人用設定」をクリックします。
- 左のリストから「ロック画面」をクリックします。
- 背景を「画像」に変更します。
- 好みに応じてその下にある「画像を選んでください」からロック画面の背景に使用する写真を選びます。または「参照」ボタンをクリックしてパソコンに保存されている画像を指定します。
Runtime Brokerの停止方法
方法1: タスクマネージャから停止する
タスクマネージャから直接停止するだけでも問題が解決できることがあります。ただし起動中のアプリがクラッシュしたり、解決したと思ってもすぐに問題が再発したりすることがあります。
タスクマネージャから停止するには次の手順で操作します。
- タスクマネージャを開きます。ショートカットCtrl+Shift+Escでウィンドウが開きます。
- タスクマネージャウィンドウ左下にある「詳細」ボタンをクリックして詳細表示モードに切り替えます。
- 「プロセス」タブの中から問題を起こしているRuntime Brokerプロセスを探し、クリックで選択します。
- 右下の「タスクを終了」ボタンをクリックすると動作を停止させることが出来ます。
方法2: レジストリエディタから停止する
Runtime Brokerを完全に停止するには次の手順でレジストリ編集を行います。
編集手順を誤ると最悪の場合パソコンが起動しなくなる等のトラブルの原因になるため、操作は慎重に行ってください。
- レジストリエディタを開きます。ショートカット「Windowsキー」+「R」で「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開きます。そして表示されたウィンドウにregeditと入力して「OK」をクリックします。
- レジストリエディタが開きます。ウィンドウ左側のツリーを使用して次の階層を開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\TimeBrokerSvc
- 「TimeBrokerSvc」キーを右クリックして「エクスポート」を選択し、レジストリのバックアップを保存しておきます。
- 「TimeBrokerSvc」キーを選択した状態で、ウィンドウ右側で「Start」の値をダブルクリックします。
- 値の編集ウィンドウが表示されます。「値のデータ」の下にある入力欄の数値を「3」から「4」に変更し、OKをクリックします。
- レジストリエディタを閉じ、パソコンを再起動します。