Macではログイン項目にアプリを追加することで、サインイン時した際にアプリを自動で起動することができます。逆に不要なアプリが自動で起動してしまう場合は、ログイン項目からアプリのスタートアップを削除することができます。
本記事では、Macのスタートアップにアプリを追加/削除する設定方法について詳しく紹介します。バックグラウンドで実行するプログラムの追加/削除方法についても併せて紹介します。
この記事の内容
スタートアップに登録されているアプリを確認する方法
Macが起動してログインする際に起動するアプリは、システム設定から確認することができます。スタートアップのアプリを確認する具体的な手順は、以下の通りです。
- macOS 13(Venutra)以降の場合:
- メニューバーの「Appleマーク」をクリックして「システム設定」を選択します。
- 「一般」をクリックします。
- 右ペインで「ログイン項目」をクリックします。
- 「ログイン時に開く」のアプリ一覧で、スタートアップが設定されているアプリを確認します。
- macOS 12(Monterey)以前の場合:
- メニューバーの「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「ユーザとグループ」をクリックします。
- 右ペインの「ログイン項目」タブを選択します。
- スタートアップに設定されているアプリが一覧で表示します。
以上の手順で、Mac起動後のログイン時に起動するアプリを確認することができます。
アプリをスタートアップに追加する方法
Macの起動時に特定のアプリを自動で起動したい場合は、そのアプリをログイン項目に追加します。
スタートアップに特定のアプリを追加する最も簡単な方法は、Dockから操作することです。Dockから特定のアプリをスタートアップに追加するには、以下の手順で操作してください。
- スタートアップに追加したいアプリが起動していることを確認します。
- Dockを表示します。
- スタートアップに追加したい「アプリのアイコン」を右クリックします。
- 「オプション」→「ログイン時に開く」を選択してチェックを入れます。
以上の手順で、Dockから特定のアプリをスタートアップに追加できます。
また、Macのシステム設定からスタートアップにアプリを追加することもできます。システム設定からスタートアップにアプリを追加する場合は、以下の手順で操作してください。
- macOS 13(Venutra)以降の場合:
- メニューバーの「Appleマーク」をクリックして「システム設定」を選択します。
- 「一般」をクリックします。
- 右ペインで「ログイン項目」をクリックします。
- 「ログイン時に開く」のアプリ一覧で、「+アイコン」をクリックします。
- スタートアップに追加したい「アプリ名.app」を選択して「開く」をクリックします。
- macOS 12(Monterey)以前の場合:
- メニューバーの「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「ユーザとグループ」をクリックします。
- 右ペインの「ログイン項目」タブを選択します。
- 「+アイコン」をクリックします。
- スタートアップに追加したい「アプリ名.app」を選択して「開く」をクリックします。
以上の手順で、システム設定からスタートアップにアプリを追加できます。
スクリプトを追加する場合
Macのスタートアップにアプリではなく特定のシェルスクリプトを追加して実行したい場面もあると思います。
スタートアップにシェルスクリプトを追加するには様々な方法がありますが、標準アプリのAutomatorを使用した方法が最も簡単です。Automatorを使用してスタートアップにスクリプトを追加するには、以下の手順で操作してください。
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開いて、「Automator」を起動します。
- 「書類の種類の選択」の画面が表示されたら、「アプリケーション」を選択して「選択」をクリックします。
- 一番左のメニューで「ライブラリ」→「ユーティリティ」を選択します。
- 2番目の操作メニューの一覧で、「シェルスクリプトを実行」を選択して右側の画面にドラッグします。
- ドラッグした「シェルスクリプトを実行」のボックス内で、「cat」を消去して実行したいコマンドを入力します。
- 上部メニューの「ファイル」→「保存」を選択して、「任意の名前.app」として保存します。
- スタートアップにアプリを追加する方法と同じ手順で操作し、「任意の名前.app」を選択して追加します。
以上の手順で、Automatorで作成したスクリプトを実行するアプリをスタートアップに追加できます。
アプリのスタートアップを停止/削除する方法
Macのスタートアップに登録されているアプリを停止するには、ログイン項目からそのアプリを削除します。
スタートアップのアプリを停止するには、Dockから操作する方法が最も簡単です。Dockからアプリのスタートアップを停止するには、以下の手順で操作します。
- スタートアップに追加したいアプリが起動していることを確認します。
- Dockを表示します。
- スタートアップに追加したい「アプリのアイコン」を右クリックします。
- 「オプション」→「ログイン時に開く」を選択してチェックを外します。
以上の手順で、Dockから特定のアプリのスタートアップを停止できます。
また、Macのシステム設定からアプリのスタートアップの設定を削除することもできます。この方法は、スタートアップに登録されているアプリを確認した上で特定のアプリをスタートアップから削除したい場合に便利です。
システム設定からアプリのスタートアップの設定を削除するには、以下の手順で操作してください。
- macOS 13(Venutra)以降の場合:
- メニューバーの「Appleマーク」をクリックして「システム設定」を選択します。
- 「一般」をクリックします。
- 右ペインで「ログイン項目」をクリックします。
- 「ログイン時に開く」のアプリ一覧で、スタートアップから削除したい「アプリ名」を選択して「-アイコン」をクリックします。
- macOS 12(Monterey)以前の場合:
- メニューバーの「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「ユーザとグループ」をクリックします。
- 右ペインの「ログイン項目」タブを選択します。
- アプリ一覧で、スタートアップから削除したい「アプリ名」を選択して「-アイコン」をクリックします。
以上の手順で、システム設定からアプリのスタートアップの設定を削除できます。
アプリのスタートアップを一時的に無効にする方法
スタートアップ設定を変更せずに、登録されているアプリの起動を一時的に無効にすることもできます。
Macのログイン時にアプリのスタートアップを一時的に無効にするには、以下の手順で操作してください。
- Macの電源を入れてサインイン画面を表示します。
- パスワードを入力して「Shift」キーを押したまま「ログイン」をクリックします。
- Dockが表示されたら「Shift」キーを離します。
以上の手順でMacにログインすると、アプリのスタートアップが無効になって自動的に起動せずにログインできます。
アプリのスタートアップの表示を切り替える方法
macOS12(Monterey)以前の場合は、スタートアップ時のアプリ画面を非表示にする設定が存在します。
この設定を切り替えることで、ログイン時に起動したアプリの画面を表示しないように設定できます。アプリのスタートアップの表示を切り替えるには、以下の手順で操作してください。
- メニューバーの「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「ユーザとグループ」をクリックします。
- 右ペインの「ログイン項目」タブを選択します。
- アプリ一覧で、「非表示」のチェックボックスのオン/オフを切り替えます。
ただし、macOS 13(Venutra)以降では上記の設定は廃止されており表示されません。
起動時のバックグラウンドプログラムの実行を管理する方法
Macの起動時には、通常のアプリだけでなく起動デーモンやエージェントのプログラムがバックグラウンドで実行されます。
これらのバックグラウンドプログラムの起動は、macOS 13(Venutra)以降ではシステム管理から簡単に管理できるようになりました。macOS 12(Monterey)以前の場合は、launchctlコマンドを使って起動時のバックグラウンドプログラムの実行を管理する必要があります。
macOS 13(Venutra)以降で起動時のバックグラウンドプログラムの実行を管理するには、以下の手順で操作します。
- メニューバーの「Appleマーク」をクリックして「システム設定」を選択します。
- 「一般」をクリックします。
- 右ペインで「ログイン項目」をクリックします。
- 「バックグラウンドでの実行を許可」の一覧で、起動時にバックグラウンドで実行されるプログラムを確認します。
- これらのプログラムは、起動時にアプリのように画面が表示されずバックグラウンドで処理が実行されます。
- 一覧には、アプリに付随するデーモンやエージェントのプログラムが表示されます。
- プログラムの実行を有効または無効にするには、プログラム名の右にあるスイッチの「オン/オフ」を切り替えます。
以上の手順で、起動時に実行されるバックグラウンドプログラムを有効/無効にすることができます。
スタートアップフォルダの場所
macOSの以前のバージョンでは、ログイン項目に関する設定は以下のStartupItemsフォルダに保持されており、Finderなどで開くことができました。
- /Library/StartupItems
- /System/Library/StartupItems
しかし、新しいバージョンのMacではStartupItemsフォルダーでは管理されておらず、このフォルダの使用も推奨されていません。古いアプリなどがインストールされていない限り、通常はStartupItemsフォルダは空の状態になっています。
そのため、新しいバージョンのMacを使用している場合は、スタートアップの設定はシステム設定のログイン項目から基本的に行なってください。
バックグラウンドプログラムの場所
起動時に実行されるデーモンやエージェントのプログラムは、LaunchAgentsまたはLaunchDaemonsに保存されており、権限によって保存される場所が異なります。
デーモンやエージェントのプログラムが保存されている場所は以下の通りです。
- ~/Library/LaunchAgents: ユーザーが提供するユーザーごとのエージェント
- /Library/LaunchAgents: 管理者によって提供されるユーザーごとのエージェント
- /Library/LaunchDaemons: 管理者によって提供されるシステム全体のデーモン
- /System/Library/LaunchAgents: macOSによって提供されるユーザーごとのエージェント
- /System/Library/LaunchDaemons: macOSによって提供されるシステム全体のデーモン
Finderなどで上記のフォルダを直接開くことで、デーモンやエージェントを確認することができます。
このフォルダ上のファイルを直接削除することでデーモンまたはエージェントを無効化することはできますが、システムやアプリの動作に問題が起きる恐れがあります。特定のデーモンやエージェントを安全な方法で無効にするには、システム設定またはlaunchctlコマンドを使用する方法を検討してください。