Windows10のシャットダウン設定には、パソコンの起動時間を早める「高速スタートアップ」と、消費電力を少なくする「スリープ」「休止状態」、操作を一時的に停止する「ロック」の設定があります。
しかし、シャットダウン設定に「高速スタートアップ」と「休止状態」の項目が表示されないケースがあります。
本記事では、Windows10で「高速スタートアップ」と「休止状態」の項目が表示されない時の対処法を紹介します。
この記事の内容
対処1: 「powercfg」コマンドを実行する
シャットダウン設定に高速スタートアップと休止状態が表示されない場合、ハイバネーションの機能(hiberfil.sys)が無効になっていることが考えられます。
そのため、項目を表示させるには、ハイバネーション機能を有効にするコマンドを実行する必要があります。
Windows10では「Windows Power Shell」がデフォルトで備えられているので、ここからコマンドを実行します。手順は以下の通りです。
- スタートメニューのアイコン上で右クリックをします。
- 表示されたメニューから「Windows Power Shell(管理者)」をクリックします。
- コマンドプロンプトが表示される場合は、「コマンドプロンプト(管理者)」を開きます。
- Windows Power Shellの画面が表示されたら次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
powercfg /hibernate on
- 「powercfg」とスラッシュの間には半角スペースが入ります。
- Windows Power Shellの画面がキーの入力待ち状態になったら画面を閉じます。
- パソコンを再起動します。
再起動後、シャットダウン設定に高速スタートアップと休止状態の項目が表示されていれば問題ありません。
また、上記のコマンドを入力しても高速スタートアップと休止状態が表示されない場合は、入力するコマンドを「powercfg.exe /hibernate on」や「powercfg /h on」に変更してみてください。
なおWindows Power Shellは、命令を実行する権限がある「管理者」を選んで表示させるようにしましょう。
休止状態だけを表示したい場合は
高速スタートアップと休止状態の両方を表示させるコマンドを解説しましたが、場合によっては休止状態だけを表示させたいこともあります。
休止状態だけを表示したい場合は、次のコマンドを入力します。
- コマンドプロンプトの画面が表示されたら次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
powercfg /hibernate /size 100
- 「powercfg」とスラッシュの間、また「hibernate」とスラッシュの間には半角スペースが入ります)と入力してEnterキーを押してください。
- コマンドプロンプトの画面がキーの入力待ち状態になったら画面を閉じます。
- パソコンを再起動します。
「size 100」というのは、「パソコンを休止状態にした時、メモリーの内容を保存するための領域をメモリーの容量と同じ分だけ確保する」という意味です。
パソコンの再起動が完了すると、休止状態が選択できるようになっています。
対処2: 電源のトラブルシューティングを実行する
Windowsのトラブルシューティング機能を使って、電源に関連する問題を自動で修復することができます。
powercfgコマンドを実行して解決しない場合は、次の手順で電源のトラブルシューティングを実行して下さい。
- 「スタート」を右クリックして「設定」をクリックします。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 「トラブルシューティング」をクリックします。
- 「電源」→「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
- 問題が見つかった場合は、自動で修復されます。
問題が修復された場合は、再度電源オプションに「高速スタートアップ」「休止状態」が表示されないか確認して下さい。
対処3: Windowsを更新する
WindowsOSの一時的な不具合で、「高速スタートアップ」「休止状態」の項目が表示されていないケースがあります。
Windowsが最新のバージョンになっているか確認して、古い場合は更新して下さい。
対処4:ビデオドライバーを再インストールする
ビデオ(グラフィック)ドライバーが適合していないと電源オプションに「高速スタートアップ」「休止状態」が表示されないケースがMicrosoftコミュニティに報告されています。
インストールしているビデオドライバーが正しいか確認して下さい。
もし、ビデオドライバーが正しいか分からない場合は、再インストールを試してみて下さい。ビデオドライバーの再インストール手順は機種によって異なりますので、各メーカーページを参照して下さい。
対処5: BIOSの設定を確認する
古いPCの場合は、BIOSの設定によっては「高速スタートアップ」「休止状態」が使えない場合があります。
BIOSを起動して「Power Management」などの項目を探し、「高速スタートアップ」「休止状態」関連の設定がないか確認して下さい。
BIOSの起動方法はマザーボードによって異なるため、メーカーマニュアルを参考にして下さい。
設定を変更した後は
シャットダウン設定の項目に高速スタートアップと休止状態の項目が表示された後、機能のオンオフを切り替えたい時は、以下の手順で設定を変更します。
- シャットダウン設定が表示されている画面の上部の「現在利用可能でない設定を変更します」をクリックします。
- シャットダウン設定の項目の編集が可能になるので、必要に応じてチェックボックスのオン/オフを切り替えます。
- 切り替えた後は「変更の保存」をクリックします。
デフォルトでは高速スタートアップのチェックボックスがオンになっています。必要なければチェックボックスのチェックを外して、オフにしておきましょう。
また休止状態を有効にしたい時は、チェックボックスにチェックを入れてオンにしましょう。