PCやスマホでブラウザ、「Google Chrome(以下Chrome)」でネットを閲覧していると、突然「この接続ではプライバシーが保護されません」という警告文が表示されることがあります。
このプライバシー保護の警告は、サーバー側の問題が考えられますが、ユーザー側の対処でも表示できる可能性があります。
本記事では、PCやスマホで「この接続ではプライバシーが保護されません」の警告文が出る時の対処法を紹介します。
この記事の内容
「この接続ではプライバシーが保護されません」の意味
「この接続ではプライバシーが保護されません」の警告は、アクセス先のページにセキュアな接続ができない際に、Chromeのユーザー保護機能によって表示されます。
具体的には、https(SSL)でアクセスしようとしているページのSSL証明書の検証が失敗していることが考えられます。
SSL証明書の検証ができないと、Chromeに信頼できるサイトではないと判断され、アクセスがブロックされる仕組みになっています。
上記の警告は、アクセスするユーザー側に問題があるパターンとサーバー側に問題があるパターンがあります。順に対処方法を紹介します。
ユーザー側に問題がある場合の対処法
アクセス先のページは正常で、ユーザーのデバイスや使用しているブラウザに問題があり、警告が表示されるケースがあります。まずは、ユーザー側でできる対処方法を紹介します。
対処1: ページを更新する
一時的なアクセスエラーで、ブラウザがSSL証明書にアクセスできず、警告が出るケースがあります。
まずは、ブラウザの更新ボタンを押して、ページを再度読み込んで警告がでないか確認して下さい。
対処2: 強制的にアクセスする
アクセスするWebサーバーのSSLに問題があることが原因で、Chromeに「この接続ではプライバシーが保護されません」が表示されるケースが考えられます。
警告の出るページであっても、信用できるサイトであれば強制的にアクセスする方法もあります。
特にフリーの公共Wi-Fiに接続してインターネットを利用する際に、ログイン認証が必要なページでプライバシー保護の警告が表示されてしまう場合あります。この場合は、一度ログイン認証ページに強制的にアクセスするしかありません。
そのため、信頼できるWebサイトへのアクセス時にこのエラーが表示される場合は、以下の手順で強制的にアクセスしてください。
- 「この接続ではプライバシーが保護されません」の表示左下にある「詳細設定」をクリックします。
- 「(ドメインアドレス)にアクセスする(安全ではありません)」を選択します。
- 警告が表示されてブロックされたページが表示できます。
ただし、あくまで信用できるサイトだと判明している場合のみ、上記の対処法を行ってください。少しでも怪しいと感じた場合は、サーバー側に問題があることは確かなので、不用意にアクセスしないよう注意しましょう。
対処3: ネットワークを変更してみる
デバイスが接続しているネットワークの構成に問題があり、Chromeの警告が表示されるケースがあります。
そのため、他に利用できるWi-Fiなどのネットワークに接続してから、同様の警告が出ないか確認して下さい。
対処4: デバイスの日付と時刻を合わせる
「この接続では~」の警告文が表示される場合、実際の日時とデバイスの日時がずれていることも影響します。
特に日時の自動更新を有効にしていない時は、できるだけ有効にしてからサイトにアクセスしてみましょう。
各デバイスの日時の合わせ方については、以下のページをご参照ください。
- WindowsPC: タスクバーの日時を右クリック→「日付と時刻の調整」を選択します。「時刻を自動的に設定する」のスイッチが「オン」になっていることを確認します。
- Mac: 『Macの日時を設定する - Apple』
- Android: 『時刻、日付、タイムゾーンを設定する - Google』
- iPhone: 『iPhone、iPad、iPod touch の日付と時刻に問題がある場合』
対処5: Chromeのアップデートを行う
ブラウザの「Chrome」のバージョンが古いことでも、警告文が表示されることがあります。
そのため、Chromeのアップデートをしばらく行っていない場合は、ぜひアップデートを行ってみましょう。
各デバイスによって、アップデートの手順は変わります。詳細については以下のページをご参照ください。
対処6: シークレットモードで閲覧する
キャッシュされたSSL証明書に問題がある場合は、Chromeをシークレットモードにしてページを閲覧することで警告が表示されなくなるケースがあります。
Chromeをシークレットモードにして閲覧することで、SSLのキャッシュデータがクリアされた状態でページにアクセスすることができます。
Chromeをシークレットモードにする手順については、次のページを参考にして下さい。
Chromeのキャッシュを消去する
シークレットモードで問題が解決された場合は、Chromeのキャッシュデータに問題があると判断できます。
そのため、一度キャッシュをクリアして、シークレットモードを終了した状態で警告が出なくなったか確認して下さい。
各デバイスでのChromeのキャッシュ消去手順については、以下のページをご参照ください。
対処7: デバイスを再起動する
デバイスのネットワーク、ブラウザ、OSに一時的なエラーが起きており、警告が表示されるケースがあります。
一旦そのページへのアクセスを中断し、デバイスの再起動を行ってみて下さい。デバイスの再起動によって、一時キャッシュの多くをリセットすることができます。
- Windows10の場合: スタートメニューから電源マークをクリックし、表示された項目から「再起動」を選択します。
- Macの場合: 「Appleマーク」をクリックして、システム終了のダイアログボックスを表示させ、「再起動」を選択して下さい。
- Androidの場合: 電源ボタンを長押しして表示されるメニューから「再起動」を選択します。
- iPhoneの場合: 機種によって再起動手順が異なるので『iPhone を再起動する - Apple』のページを参考にして下さい。
再起動ができたら、再度同じページにアクセスして警告が出ないか確認します。
対処8: セキュリティソフトを一旦無効にする
デバイスで使用しているセキュリティソフトで、「httpsスキャン」の機能が有効になっている場合、Chromeのセキュリティ機能に干渉して警告が表示される時があります。
そのため、アクセスするページが信用できる場合は、一旦セキュリティソフトを無効化してから、再度アクセスしてみましょう。
アクセスが終了した後は、忘れずにセキュリティソフトを有効にしておきましょう。
対処9: OSをアップデートする
OSのセキュリティ機能が古いことが原因で、警告メッセージが表示されるケースがあります。
特に長期間OSをアップデートしていない場合は、OSの原因が考えられるため最新バージョンのOSにアップデートして下さい。
各デバイスのOSアップデートの手順については、以下のページをご参照ください。
- WindowsPC: 『Windows 10 を更新する - Microsoft』
- Mac: 『Mac のソフトウェアをアップデートする方法 - Apple』
- Android: 『Android のバージョンを確認して更新する - Google』
- iPhone: 『iPhone、iPad、iPod touch をアップデートする』
対処10: 「AndroidシステムのWebView」を更新する
使用しているデバイスがAndroidで、バージョンが「Android6.0」以前の機種の場合、AndroidのWebViewの更新を行うと警告が消える可能性があります。
*Android7.0以降の端末では、この対処法を行う必要はありません。
Android6以前でWebViewを更新する手順は以下の通りです。
- 「Playストア」のアプリを起動します。
- 上部の検索ボックスに「WebView」と入力して検索します。
- 検索結果から「AndroidシステムのWebView」を選択します。
- アプリの情報を表示して、「更新」というボタンが表示されていたら更新を行いましょう。
サーバー側に問題がある場合の対処法
すべてのデバイスでプライバシー保護の警告が表示されてしまう場合は、サーバー側に問題があることが考えられます。
そのため、サーバーの運営者はプライバシー保護の問題を解決しないと閲覧者にページを正常に表示することができません。
サーバー側に原因がある場合、次の項目を確認して下さい。
- SSL証明書の問題
- 有効なSSL証明書(特に有効期限)を使用しているか確認して下さい。
- 有効なSSL証明書がない場合は、ホスティングサービスから提供されている無料のSSL証明書(主にLet's Encrypt)を使用して下さい。
- Webサイトの問題
- SSL証明書をWebサイトに正しく導入できているか確認して下さい。
- ページの混合コンテンツの問題を修正して下さい。
- ページ中の一部のコンテンツのURLにhttpが使用されていると、混合コンテンツとして扱われ、安全なWebサイトと見なされません。
- 混合コンテンツが存在するかを確認するには、Chromeのコンソールに「Mixed Content:」の警告メッセージが出ていないか確認して下さい。
- 混合コンテンツがある場合は、ページ中のhttpの指定をhttpsの指定に修正して下さい。