パソコンの動作が異常に遅いと感じてタスクマネージャを調べると、Software Reporter ToolというプログラムがCPUやメモリを大量に消費していることがあります。
Software Reporter Toolは自動で起動するプログラムのため、ただ停止させるだけではすぐに問題が再発してしまうことも多いです。
本記事では、Windows10で起動する「Software Reporter Tool」の正体と重い時の停止・削除方法について解説します。
この記事の内容
Software Reporter Toolとは
Software Reporter Toolは、Chromeの不具合・エラー情報を集めてGoogleに送信したり、有害なプログラムや拡張機能を発見し、削除したりする機能を持ちます。
Google Chromeをインストールする時に一緒にインストールされるプログラムです。
Software Reporter Toolは、Chromeブラウザ本体と同じくGoogleにより作られ配布されているプログラムですのでウイルスやマルウェアといった悪質なものではありません。
停止・削除しても大丈夫?
パソコンのシステム本体やGoogle Chromeのブラウザとしての機能とは無関係のため、Software Reporter Toolを停止させても特に問題はありません。
Chromeのクリーンアップ機能など、一部の機能が使えなくなることがありますが、Chromeを再インストールすることで元に戻せるため停止させることについてそこまで深く心配する必要はないでしょう。
ただしSoftware Reporter Toolは常に起動しているわけではなく、起動するのはおおよそ1週間に1回程度です。
重いと感じても特定の処理が完了すれば解消されることもあるため、もし問題が発生して間もないようであればまずは少しの間様子を見てみることをおすすめします。
待っても改善しない・頻繁に問題が発生する等、それでも停止させたい場合には、この後本記事で紹介するような方法を使って対処を行ってみてください。
Software Reporter Toolを削除する方法
Software Reporter Toolプログラム本体は、削除することができます。削除をしてもChrome自体は問題なく動作します。
Software Reporter Toolを削除するには、次の手順で操作します。
- 「Chrome」を終了します。
- 「エクスプローラ」を開いて、次のディレクトリに移動します。
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\
- (ユーザー名)の部分にはWindowsにログインしているユーザー名が入ります。
- 「AppData」フォルダが見つからない場合はエクスプローラの表示オプションにて「隠しフォルダを表示する」の機能を有効にしてください。
- 「SwReporter」の右クリックして「削除」を選択します。
- 確認ダイアログが出たら「はい」を選択します。
以上でSoftware Reporter Toolを削除することできます。
ただし、Software Reporter Toolを削除を削除しても、Chromeをアップデートする度にSoftware Reporter Toolプログラムが再作成されてしまい、アップデートの度にSoftware Reporter Toolの削除が必要になります。
アップデート時にもSoftware Reporter Toolを動作しないようにするには、次の停止方法の『方法3: アクセス許可設定を変更する』以降の方法を参考にして下さい。
Software Reporter Toolを停止する方法
Software Reporter Toolが重い場合は、動作を停止することもできます。一時的な停止方法から、完全停止する方法まで紹介します。
方法1: タスクマネージャから終了させる
最も簡単かつ単純な方法が、タスクマネージャからSoftware Reporter Toolのプロセスを終了することです。
ただし定期的に自動で起動するため、すぐに症状が再発してしまう場合もあります。とりあえずパソコンが重いのをなんとかしたい時には有効です。
タスクマネージャでSoftware Reporter Toolを終了させるには、次の手順で操作します。
- タスクバーを右クリックして「タスクマネージャ」を選択します。
- 「Software Reporter Tool」の項目をクリックで選択状態にし、「タスクの終了」ボタンを押してください。
方法2: Chromeの設定を変更する
Chromeの設定を変更することでSoftware Reporter Toolを起動しないようにすることができます。次の手順で設定を行ってみてください。
- Google Chromeを起動します。
- ウィンドウ右上にある三点アイコンをクリックし、メニューから「設定」を選択します。
- 「設定」タブが開きます。「ユーザー」グループ内にある「同期とGoogleサービス」をクリックします。
- 「Chromeのセキュリティ改善に協力する」と「Chromeの機能と動作の改善に協力する」の2つの項目のスイッチをオフに切り替えます。
設定を変更してもSoftware Reporter Toolが起動してしまう場合は、次の対処方法を試してみてください。
方法3: アクセス許可設定を変更する
そこでおすすめの方法が、Software Reporter ToolプログラムのあるフォルダにChromeがアクセスできないよう設定する方法です。
この方法であればアップデートを行ってもSoftware Reporter Toolが再作成されないようになります。
アクセス許可の設定を行うには次の手順で操作します。
- エクスプローラ(タスクバーの黄色いフォルダアイコン)を開きます。
- フォルダをたどり、次のディレクトリを開きます。
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Google\Chrome\User Data
- (ユーザー名)の部分にはWindowsにログインしているユーザー名が入ります。
- 「AppData」フォルダが見つからない場合はエクスプローラの表示オプションにて「隠しフォルダを表示する」の機能を有効にしてください。
- 「User Data」フォルダの中にある「SwReporter」フォルダを探し、右クリックします。右クリックメニューが表示されたら、「プロパティ」を選択します。
- 「SwReporterのプロパティ」ウィンドウが開きます。「セキュリティ」タブを開き、「詳細設定」をクリックします。
- 「SwReporterのセキュリティの詳細設定」ウィンドウが開きます。ウィンドウの右下にある「継承の無効化」ボタンをクリックします。
- 「現在継承されているアクセス許可で実行する処理」画面が表示されたら、「このオブジェクトから継承されたアクセス許可をすべて削除します。」をクリックします。
- 右下の「適用」ボタンをクリックします。「SwReporterへのユーザーアクセスをすべて拒否しました。」とメッセージが表示されたら「はい」をクリックします。
- 「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。
ただし場合によっては上記の方法で設定しても、アップデート等がきっかけでアクセス許可設定が元に戻ってしまうケースがあります。
その際はもう1度同じ手順で設定し直すか、次の対処を試してみてください。
方法3: レジストリ編集でChromeクリーンアップツールを無効化する
Chromeのクリーンアップツール本体を無効化してSoftware Reporter Toolが起動しないようにします。
この対処法ではレジストリ編集を行うため、操作を誤るとシステムトラブルなどの深刻な問題に繋がる恐れがあります。必ずバックアップをとった上で慎重に作業を行ってください。
- レジストリエディタを開きます。レジストリエディタを開くにはまず「スタート」ボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが表示されたらテキスト入力欄に「regedit」と入力し、「OK」をクリックします。
- レジストリエディタウィンドウを開いたら、操作を行う前にレジストリのバックアップを作成します。バックアップは「ファイル」→「エクスポート」メニューから作成することができます。
- バックアップの詳しい作成手順と、万が一復元が必要になった時の操作については次のリンク先を参考にしてください。
- バックアップの詳しい作成手順と、万が一復元が必要になった時の操作については次のリンク先を参考にしてください。
- ウィンドウ左側に表示されているフォルダアイコンをたどり、次のキーを開きます。またはウィンドウ上部のアドレスバーにパスを直接コピーしてください。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies
- 「Policies」キーのツリーを展開し、「Policies」ツリーの下にある「Google」キーを開きます。
- 「Google」キーが存在しない場合は「Policies」キーのフォルダアイコンを右クリックし、「新規」→「キー」を選択します。すると「新しいキー」が作成されるので、「新しいキー」の名前を「Google」に変更します。
- 続いて「Google」キーのツリーを展開し、「Google」ツリー下の「Chrome」キーをクリックします。
- 「Chrome」キーが存在しなければ手順4の時と同じように「Google」キーのフォルダアイコンを右クリックして「新規」→「キー」を選択、そして「新しいキー」の名前を「Chrome」に変更します。
- 「Chrome」キーをクリックで選択したら、ここからはウィンドウ右側の部分で操作を行います。右ペインの空白部分(名前/種類/データと書かれたリストの下)を右クリックし、「新規」→「DWORD(32ビット値)」を選択します。
- 「新しい値」の項目が作成されます。名前をChromeCleanupEnabledに変更します。
- もう1つ値を追加します。もう1度右ペインの空白部分を右クリックし、「新規」→「DWORD(32ビット値)」を選択します。
- 「新しい値」が作成されます。今度は名前を「ChromeCleanupReportingEnabled」に変更します。
- これで「ChromeCleanupEnabled」と「ChromeCleanupReportingEnabled」の2つの項目がリストに追加されたはずです。
- 「データ」の数値が両方とも「0x00000000 (0)」に設定されていることも確認してください。
- すべての操作を行ったらレジストリエディタウィンドウを閉じます。
解決しない時は
- WindowsやGoogle Chromeが最新版になっていなければWindowsアップデートやGoogle Chromeのアップデートを実行してみてください。
- Google Chromeの再インストールを試してみてください。
- 解決が困難であればGoogle Chrome以外のブラウザへの移行や、別ブラウザの併用も検討してみてください。
- Windows PCの動作自体が重い場合は、『Windows10 PCの動作が重い/遅い原因と高速化する改善/対処法』も併せて参考にして下さい。