Windows10で毎回出るユーザーアカウント制御(UAC)の無効/解除【個別に例外も】

アプリケーションのインストールや起動時に、「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」などのユーザーアカウント制御(UAC)が表示されることがあります。

セキュリティを向上させるシステムであるものの、ダイアログが毎回表示されて面倒だと感じている人も多いと思います。

この記事では、Windows 10でユーザーアカウント制御を無効/解除する方法を紹介します。アプリを個別に例外設定する方法と制御設定が変更できない時の対処も併せて紹介します。

ユーザーアカウント制御(UAC)とは

ユーザーアカウント制御とは、アプリケーションによるWindowsのファイルシステムやレジストリの変更を保護するセキュリティ機能です。

ファイルシステムやレジストリを変更するタイミングで、ユーザーに変更許可を求めることで、不正プログラムによるシステム改変を防ぐことができます。

デスクトップなどに配置しているショートカットアイコンの右下に「盾のアイコン」が付いているアプリは、ユーザーアカウント制御の対象になっているプログラムです。

ユーザーアカウント制御が原因で動作しないアプリもある

ユーザーアカウント制御はセキュリティを向上するためのシステムですが、プログラムによっては正常な動作を妨害してしまうケースもあります。

本来はアプリの開発側で対応する必要がありますが、対応ができていないアプリを正常に動作させるには、ユーザーアカウント制御を無効化する必要があります。

毎回の確認が手間な場合も

ユーザーによる確認を求めることでセキュリティを向上させていますが、安全なプログラムのみしか使用しない場合は、毎回の確認作業が手間に感じる方も多いと思います。

ユーザーアカウント制御は設定で、無効にすることができます。無効化/解除する手順を紹介するので、必要に応じて設定を行って下さい。

ユーザーアカウント制御を無効にする設定方法

ユーザーアカウント制御を無効化して解除する方法は次の通りです。

  1. Administrator権限があるアカウントでログインします
  2. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  3. UserAccountControlSettings」と入力して「OK」をクリックします。
  4. スライダーを一番下の「通知しない」まで下げます。
  5. 「OK」をクリックしてユーザーアカウント制御が出たら「はい」をクリックします。

以上の設定で、全てのアプリ起動時のユーザーアカウント制御が表示されなくなります。

ユーザーアカウント制御が出ていたアプリを起動し、ダイアログが出なくなったか確認してください。

UACを個別のアプリで無効化する設定方法

状況によってはセキュリティを確保するために個別のアプリごとにユーザーアカウント制御を解除したいケースもあると思います。

特定のアプリだけを例外としてユーザーアカウント制御を無効化したい場合は、次の手順で設定してください。

方法1: タスクスケジューラで起動時のUACを無効化する

特定のアプリをショートカットや実行ファイルから起動する際に表示されるユーザーアカウント制御を無効化したい場合は、以下の設定を行ってください。

1.実行ファイルに管理者権限を付与する

  1. 無効化/解除したいプログラムの実行ファイルが格納されているフォルダを開きます。
    • 実行ファイルの場所がわからない場合は、ショートカットを右クリックして「ファイルの場所を開く」を選択します。
  2. 「プログラムの実行ファイル」を右クリックして「プロパティ」を開きます。
  3. 「互換性」タブを開きます。
  4. 「管理者としてこのプログラムを実行する」をクリックしてチェックを入れて「OK」をクリックします。

2.リンク先と作業フォルダのパスを確認する

  1. 続いて「プログラムのショートカット」を右クリックして「プロパティ」を開きます。
  2. 「リンク先」と「作業フォルダ」に記載されている文字列をコピーしてメモ帳などに控えておきます。

3.タスクスケジューラにパスを登録する

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 入力欄に「taskschd.msc」と入力して「OK」をクリックします。
  3. タスクスケジューラが開くので、右側に表示されているリストから「タスクの作成」をクリックします
  4. 「操作」タブを開き、左下にある「新規」をクリックします
  5. 「プログラム/スクリプト」と「開始(オプション)」の入力欄にパスをペーストします。
    • 「プログラム/スクリプト」: ショートカットの「リンク先」のパス
    • 「開始(オプション)」: ショートカットの「作業フォルダ」のパス
  6. 「全般」タブを開きます。
  7. 「タスクの名称」を設定し、「最上位の特権で実行する」にチェックを入れて「OK」をクリックします
    • 「タスクの名称」は、次のショートカットのリンク先の設定で使います。

4.ショートカットのリンク先を変更する

  1. プログラムのショートカットを右クリックして「プロパティ」を開きます。
  2. リンク先の文字列の末尾に「 /run /tn (タスクの名称)」を追加します。
    "C:\Program Files\hoge\huga\example.exe" /run /tn taskname
    • 半角スペースを忘れたり、ペーストする文字列を間違えると、設定が失敗するため正しく入力できているか確認して下さい。
  3. 「OK」をクリックして設定完了です。

以上で、個別のアプリでユーザーアカウント制御を無効にすることができます。一度設定を行えば以降は、ユーザーアカウント制御が出なくなります。

設定が完了したら、プログラムを起動してユーザーアカウント制御が出ないかどうかを確認してください。

もし、設定後も出る場合は設定に誤りがあることが考えられます。一度、最初から設定を見直して下さい。

方法2: タスクスケジューラでスタートアップのUACを無効化する

スタートアップで起動するアプリケーションのユーザーアカウント制御を無効化したい場合は、以下の手順で設定を行ってください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 入力欄に「taskschd.msc」と入力して「OK」をクリックして、タスクスケジューラを起動します。
  3. 右側のリストから「タスクの作成」をクリックします。
  4. 「全般」タブを開いて、「タスクの名称」を設定して「最上位の特権で実行する」にチェックを入れます。
  5. 「トリガー」タブを開いて、左下にある「新規」をクリックします
  6. タスクの開始で「ログオン時」を選択して「OK」をクリックします。
  7. 「操作」タブを開いて、「新規」をクリックします。
  8. 「操作」で「プログラムの開始」を選択します。
  9. 「プログラム/スクリプト」に実行ファイルのフルパスを入力します。
    • 「参照」をクリックして、実行ファイルを選択してフルパスを入力することもできます。
  10. 「条件」タブを開いて、「コンピューターをAC電源で使用している場合のみタスクを開始する」のチェックを外します。
  11. 「OK」をクリックしてタスクの作成を完了します。

設定が完了したら、Windowsに再サインインするか再起動して、ユーザーアカウント制御が表示されなくなったことを確認してください。

ユーザーアカウント制御を変更できない時の対処法

ユーザーアカウント制御設定を変更しても、制御設定をうまく変更できないケースがあります。上手く設定できない場合は次の対処法を試してみてください。

対処1: コマンドラインから変更する

ユーザーアカウント制御は、Windows PowerShellから変更することもできます。

次の手順でPowerShellによる変更ができないか試して下さい。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」をクリックします。
  2. ユーザーアカウント制御が出た場合は、「はい」をクリックします。
  3. 以下のコマンドを入力してEnterを押します。
    reg.exe ADD HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System /v EnableLUA /t REG_DWORD /d 0 /f
    • コマンドの入力ミスには注意しましょう。Enterを押した際にエラーが出たときは、入力ミスがないかを確認することをおすすめします。
  4. PCを再起動して設定変更を反映します。

再起動が完了したらプログラムを起動して、ユーザーアカウント制御が出なくなっているか確認しましょう。

この方法で無効化できない場合は次の方法に進みます。

対処2: レジストリエディタを利用して変更する

レジストリエディタを編集してユーザーアカウント制御を無効化することもできます。

レジストリエディタからユーザーアカウント制御を無効化する手順は次の通りです。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「regedit」と入力して「OK」をクリックし、レジストリエディタを開きます。
  3. 以下のレジストリキーを開きます。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
  4. EnableLUA」を探してダブルクリックします。
  5. 値を「0」に書き換えてOKをクリックします。
  6. PCを再起動して変更を適用します。

再起動後にプログラムを起動し、ユーザーアカウント制御が出なくなっていれば変更完了です。この方法で上手くいかない場合は、対処法3を試してみましょう。

対処3: グループポリシーで変更する

ユーザーアカウント制御の設定は、グループポリシーの設定でも変更することができます。

グループポリシーの設定から変更する際の手順は次の通りです。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
  3. グループポリシーエディタが開いたら、左ペインで以下の順でツリーを展開します。
    コンピューターの構成\Windowsの設定\セキュリティの設定\ローカル ポリシー\セキュリティ オプション
  4. 右側に表示されるリストの中で「ユーザーアカウント制御: 管理者承認モードでの管理者に対する昇格時のプロンプトの動作」を探してダブルクリックします。
  5. セレクトボックスをクリックして「確認を要求しないで昇格する」を選択して「OK」をクリックします。

設定が完了したらプログラムを起動し、ユーザーアカウント制御が出なくなっているか確認して下さい。

コメント

  1. しげ より:

    方法1: タスクスケジューラで起動時のUACを無効化する
    4.ショートカットのリンク先を変更する の部分ですが、
    “C:\Program Files\hoge\huga\example.exe” /run /tn taskname
    では無効化出来ませんでした。
    他の方のブログを参考にして、
    C:\Windows\system32\schtasks.exe /run /tn taskname
    だと出来ました。こういう例もあるということで、コメント失礼しました。

しげ へ返信する コメントをキャンセル

*