Windows10のアップデートやアップグレードを行った後で、アカウントにサインインしようとすると「Windowsの準備をしています。コンピュータの電源を切らないでください」の画面が表示されることがあります。
通常はしばらく待つことで問題なくWindowsにサインインできるようになります。しかし、いつまで待っても準備が完了せず、アカウントにサインインができないケースがあります。
本記事では、Windows10で「Windowsの準備をしています」の画面が終わらない時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: 処理が完了するまで2-3時間待つ
「Windowsの準備をしています」の画面は通常であれば1時間以内に終わるケースがほとんどです。
しかし、アップデートの内容や初回のアカウントのサインイン時は、PCのスペックによっては2〜3時間必要なケースもあります。
PCのハードディスクのアクセスランプが点滅していれば、Windowsが処理が進行している状態です。
途中で強制終了してしまうと、他のシステムエラーが発生する原因にもなるため、処理が進んでいる限りは2〜3時間待つようにしてください。
対処2: 電源ボタンで終了して再度サインインする
3時間以上待っても「Windowsの準備をしています」の画面のまま変化がない場合は、アカウントのサインインに何らかの問題が起きてフリーズしていることが考えられます。
ハードディスクのアクセスランプが点滅していないことを確認して、PCを強制終了してください。
- 「電源ボタン」をPCの電源が切れるまで長押しします。
- PCが強制終了したら、再度電源を入れてアカウントにサインインします。
一時的なシステムエラーであれば、再度サインインを試すことで問題なくサインインできます。サインインをやり直してもサインインができない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処3: 周辺機器を取り外す
パソコンに接続されているUSBデバイス(DVD/CD、SDカード等)が原因で、「Windowsの準備をしています」の画面のまま進まないケースがあります。
そのため、マウス・キーボード以外の全てのUSBデバイスを取り外してからパソコンを再起動してから再度サインインを試してみてください。
正常にWindowsにサインインが完了したら、USBデバイスを接続してください。特定のUSBデバイス接続時に問題が起きる場合は、USBデバイスが破損していることが考えられるため交換を検討してください。
対処4: ユーザープロファイルを修復する
アカウントのユーザープロファイルが破損していることが原因で、「Windowsの準備をしています」の画面が進まないケースがあります。
そのため、Windowsに複数のアカウントを作成している場合は、サインイン画面で他のユーザーアカウントを選択してサインインできないか試してください。
他のアカウントで正常にサインインできる場合は、サインインしようとしたアカウントのプロファイル情報が破損していることが考えられます。
破損したプロファイルを修復するには、新しいアカウントを作成してデータを移行する方法が最も簡単です。
Windowsローカルアカウントを新しく作成する
他のアカウントでサインインできる状態の場合は、次の手順で新しいアカウントを作成してデータの移行を行なってください。
- 正常な別のアカウントでサインインします。
- 他のアカウントがない場合は、次の『対処5: セーフモードで起動する』でサインインした状態で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウが開きます。「アカウント」を選択します。
- 左のリストにある「家族とその他のユーザー」をクリックします。
- 「その他のユーザーをこのPCに追加」を選択します。
- 下部の「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックして、さらに次のウィンドウの下部の「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします。
- [ユーザー名、パスワード、パスワードのヒント]を入力してユーザーの作成を行います。
- ユーザーを作成したら[作成したユーザー名]をクリックし、「アカウントの種類を変更」をクリックします。
- 「アカウントの種類」を「管理者」に変更して「OK」をクリックします。
- Windowsからサインアウトして、作成したユーザーでサインインします。
アカウントに正常にサインインできたら、必要に応じてサインインできなかったアカウントのデータを移行してください。
個人データを新しいアカウントに移行する方法は、次のページで詳しく紹介しているので併せて参考にしてみてください。
対処5: セーフモードで起動する
インストールされているアプリケーションやデバイスドライバーが原因で、サインイン時の「Windowsの準備をしています」の画面が進まないケースがあります。
そのため、Windowsをセーフモードで起動してサインインすることで、正常にサインインできる可能性があります。
パソコンが起動しない状態の時にセーフモード起動するには、まず回復環境を起動する必要があります。
- Windows回復環境を起動して、「オプションの選択」画面を表示します。
- Windows回復環境を起動する方法については、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法4つ』を参考にしてください。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」とクリックして進みます。
- 「再起動」をクリックします。
- 再起動し、「スタートアップ設定」画面が表示されたら、キーボードの「5」を押して「セーフモードとネットワーク」を選択します。
- セーフモードでパソコンが起動します。
セーフモードで正常に起動できた場合は、インストールやアップデートを行なったアプリケーション、ドライバーに問題が起きていることが考えられます。
心当たりのあるアプリ・ドライバーがある場合は、セーフモードの状態のままアンインストールを行なってみてください。
対処6: スタートアップ修復を実行する
Windowsの起動に関連するトラブルは、スタートアップ修復を実行することで問題を自動修復できる場合があります。
そのため、次の手順でスタートアップ修復の実行を試してみてください。
- Windows回復環境を起動します。
- Windows回復環境を起動する方法については、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法4つ』を参考にしてください。
- 「オプションの選択」画面が表示されたら、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」とクリックして進みます。
- ユーザーアカウントを選択し、ログインパスワードを入力します。
- スタートアップ修復が開始します。完了まで、そのまましばらく待ちます。
スタートアップ修復が完了したら、正常にアカウントにサインインできるか試してみてください。
対処7: システムファイルチェッカーを実行する
Windowsのシステムファイルが破損していることが原因で、「Windowsの準備をしています」の画面から進まないケースがあります。
そのため、システムファイルチェッカーツールを使ってシステムファイルの修復を試してみてください。操作は次の手順で行います。
- Windows回復環境を起動します。
- Windows回復環境を起動する方法については、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法4つ』を参考にしてください。
- 「オプションの選択」画面から、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」とクリックして進みます。
- コマンドプロンプト(黒い画面)が表示されたら、まず以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
BCDEdit
- 正しくコマンドを入力するとブート構成情報が表示されます。「Windows Boot Loader」の下にあるosdeviceの項目を探してドライブレターを確認します。
- 「partition=X:」と書かれている部分の「X」がドライブレターです。
- 次に以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
SFC /scannow /offbootdir=X:\ /offwindir=X:\windows
- Xの部分は確認した「partition=X:」のXの部分をドライブレターに置き換えてください。
- 例: 「osdevice partition=D:」と記載されていた場合は、「SFC /scannow /offbootdir=D:\ /offwindir=D:\windows」と入力します。
- SFCコマンドの処理が完了したら、続いてDISMコマンドを実行します。以下のコマンドを入力し、Enterキーを押してください。
DISM /image:X:\ /cleanup-image /restorehealth
- Xの部分は確認したドライブレターに置き換えてください。
- 次に以下のコマンドを入力して更新プログラムの保留を解除します。
DISM /image:X:\ /cleanup-image /revertpendingactions
- Xの部分は、ドライブレターに置き換えてください。
- 最後に「exit」と入力してEnterキーを押してコマンドプロンプトを終了します。
- パソコンを再起動します。
パソコンが再起動できたら、「Windowsの準備をしています」の画面が正常に進むようになったか確認してください。
対処8: Windowsを以前のバージョンに戻す
Windowsをアップデートする前の状態に戻すことで、「Windowsの準備をしています」の画面の問題が解決する可能性があります。
特にWindows7/8.1からWindows 10へアップグレードした場合、パソコンの機種によっては互換性の問題で正常にサインインできなってしまうケースがあります。
上記の問題は、Windowsを元のバージョンに戻すことで解決できます。元のバージョンのWindowsに戻すには、以下の手順で操作してください。
- Windows回復環境を起動します。
- Windows回復環境を起動する方法については、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法4つ』を参考にしてください。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「以前のビルドに戻す」とクリックして進みます。
- Windowsのバージョンによっては、項目名が「更新プログラムのアンインストール」や「以前のバージョンに戻す」の場合があります。
- 「オプションを選んでください」画面が表示された場合は、「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」のどちらかを選択します。
- 原因が不明な場合は「品質更新プログラム」をアンインストールしてから、再起動後に「機能更新プログラム」のアンインストールも行なってください。
- 「アンインストールする」ボタンをクリックしてアンインストールを実行します。
以上でWindowsを以前のバージョンに戻すことができます。正常にアカウントにサインインできるか確認してください。
Windows10へのアップグレードで問題が起きていた場合は、PCの互換性に問題があるためアップグレードは行わなずに使い続けることをおすすめします。
対処9: 初期化/クリーンインストールする
上記の方法で解決しない場合は、Windowsに修復できない問題が起きていることが考えられます。
そのため、パソコンを初期化するか最新のWindowsをクリーンインストールしてください。
パソコンを初期化するには、Windows回復環境を起動して「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」を選択すると初期化することができます。
インストールメディアを使ってWindows10をクリーンインストールする場合は、次のMicrosoft公式ページを参考にしてください。