ユーザープロファイルが破損する原因と修復・再作成方法 – Windows10/11

Windows10/Windows11のパソコンを起動しサインインしようとすると「アカウントにサインインできません」というメッセージが表示されることがあります。

このメッセージはユーザープロファイルが破損していることを示しており、この状態になるとパソコンの様々な機能が正常に動作しない、デスクトップに何も表示されない、ファイルの作成や変更を行っても保存されないなどの不具合が発生します。

本記事ではWindows10/11でユーザープロファイルが破損する原因と修復・再作成方法についての具体的な手順を解説します。

ユーザープロファイルが破損する原因


ユーザープロファイルはデスクトップの設定や各種アプリやデバイスの設定など、ユーザーの様々な設定情報を記録しておくデータです。

プロファイルが破損する原因は様々ですが、Windows OSのアップデートやセキュリティソフトの誤動作、ハードディスクの不具合などが原因で発生することが多いです。

Microsoftコミュニティでも原因不明のプロファイルの破損が報告されています。

未然に防ぐことは難しいので、破損してしまったプロファイルを正しい手順で修復します。修復が困難な場合は、ユーザープロファイルの再作成を行って下さい。

方法1: 再起動して再度サインインする

ユーザープロファイルの破損は、PCを再起動するだけで解決できる可能性があります。

そのため、まずはパソコンを再起動し、再度サインインを行ってみてください。再度サインインをするには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」をクリックしてスタートメニューを開いて、「ユーザーアイコン」をクリックします。
  2. 「サインアウト」をクリックします。
  3. サインイン画面が表示されたら、パスワード等を入力してサインインを行います。

再サインイン後にエラーが出ない場合は、ユーザープロファイルの問題が解決しています。再サインイン後もエラーが解決しない場合は、次の対処を試してください。

方法2: セーフモードでシステムの復元を実行する

再起動で問題が解決しない場合は、システムの復元を実行してシステムを以前の状態に戻すことで、プロファイルの問題を修復できる可能性があります。

ただし、システムの復元を実行するには、正常なプロファイルの状態で復元ポイントが作成されている必要がある点に注意してください。

セーフモードでシステムの復元を実行するには、次の手順で操作します。

1. セーフモードで起動する

まずパソコンをセーフモードで起動します。Windows10をセーフモードで起動するには以下の手順に従って下さい。

  1. 「Windowsマーク」をクリックし、「歯車アイコン」をクリックして設定ウィンドウを開きます。
  2. 設定ウィンドウが開いたら「更新とセキュリティ」をクリックします。
    • Windows11の場合は、「システム」をクリックします。
  3. 「回復」をクリックします。
  4. 右ペインの「PCの起動をカスタマイズする」の項目にある「今すぐ再起動」ボタンをクリックします。
  5. しばらく待ち、「トラブルシューティング」をクリックします。
  6. 「詳細オプション」→「その他の修復オプションを表示」→「スタートアップ設定」→「再起動」と選択して進みます。
  7. パソコンが再起動したらキーボードの「4」を押してセーフモードを有効にします。

以上で、パソコンがセーフモードで起動します。

*上記の手順でセーフモードが起動できない場合は、『セーフモード(セーフブート)の起動・解除方法【復元も】 – Windows10/11』を参考にして下さい。

2.システムの復元を行う

パソコンがセーフモードで起動したことを確認したら、続いてシステムの復元を行います。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 名前に「control」と入力して「OK」をクリックします。
  3. コントロールパネルウィンドウが開きます。右上の「表示方法」が「カテゴリ」になっていることを確認します。
    • もしそれ以外の項目が選択されていれば文字の部分をクリックして「カテゴリ」に変更します。
  4. 「システムとセキュリティ」→「システム」とクリックして進みます。
  5. ウィンドウ左のリストから「システムの保護」を選択します。
  6. 「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されます。「システムの保護」タブを選択し、「システムの復元」ボタンをクリックします。
  7. 復元ポイントの作成日時を見て、正常にサインインできていた時の復元ポイントがあれば選択します。
  8. 「次へ」をクリックします。
  9. 「復元ポイントの確認」画面が表示されます。「完了」をクリックして進みます。
  10. システムの復元が開始します。しばらく待ち、「システムの復元が完了しました」というメッセージが表示されたらシステムの復元操作は完了です。

システムの復元を行ったら正常にサインインできるようになったか確認します。

復元ポイントがない場合は、システムの復元からの復旧は行なえませんので、レジストリエディタかプロファイルの再作成などの他の対処を試して下さい。

Windowsのシステムの復元ポイントを作成する方法は次の記事で紹介しています。

方法3: レジストリエディタで修復を行う

ユーザープロファイルは、レジストリを編集することで修復できる可能性があります。

ただしレジストリの編集を行うと、操作によりパソコンが正常に起動しなくなる、データを損失するなどの重大なトラブルに繋がる恐れがあります。必ず操作の前にバックアップをとり、慎重に操作を行ってください。

また、修復を行うよりもユーザープロファイルを再作成する方が簡単ですので、状況に応じて「ユーザープロファイルを再作成する」の方法を活用してください。

1.レジストリエディタを起動する

  1. 上の「パソコンをセーフモードで起動する」の方法でパソコンを「セーフモード」で起動します。(*セーフモードでなくてもレジストリの修正はできますが、セーフモードが安全です。)
  2. 「Windowsマーク」を右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  3. テキスト入力欄に「regedit」と入力し、「OK」をクリックします。
  4. レジストリエディタが起動します。

2.レジストリのバックアップを作成する


レジストリの変更を行う前にバックアップを取ります。

  1. 上部メニューから「ファイル」→「エクスポート」とクリックして進み、任意のフォルダと名前を指定します。
  2. 「エクスポート範囲」の項目で「すべて」にチェックを入れて「保存」をクリックします。

万が一レジストリの編集に失敗した場合は、このファイルをダブルクリックすることで元の状態に復元することができます。

3.レジストリを修正する

  1. ウィンドウ左に表示されているリストを展開し、下層のキーまでたどります。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProfileList
  2. 「ProfileList」を展開し「.bak」で終わるキーをクリックします。
    (*「.bak」で終わるキー名がない場合は、レジストリの修正はできないので次の『プロファイルの再作成』を行なって下さい。)
  3. 右の「ProfileImagePath」の行を確認し、「データ」の部分にプロファイル破損エラーの発生している[ユーザー名]が含まれているか調べます。
  4. 「.bak」の付いているキー名を右クリックし、「名前の変更」を選択します。名前末尾の「.bak」の文字列を削除し、変更します。
  5. 続いてキーの編集を行います。名前を変更したキーのウィンドウ右を確認し、「RefCount」を右クリック→「修正」→「値のデータ」に「0」を入力して「OK」をクリックします。
    (*もし「RefCount」の項目が存在しない場合は、キー名を右クリックして「新規」→「DWORD(32 bit値)」と選択し、名前を「RefCount」と入力して作成してください。)
  6. 続いて「State」の項目を探します。同じく右クリック→「修正」を選択し、「値のデータ」に「0」を入力して「OK」をクリックします。

これでレジストリの編集は完了です。レジストリエディタを閉じ、パソコンを再起動して正常にサインインできるか試します。

方法4: ユーザープロファイルを再作成する

プロファイルの修復が困難な場合は、新しいユーザープロファイルを作成することで問題を解決することができます。

ただし、ユーザープロファイルを新たに作成してもファイルが引き継がれないため、作成したアカウントにデータを移行します。

ユーザープロファイルを再作成するには、次の手順で操作します。

1.新しいユーザープロファイルを作成する

  1. 新しいアカウントを作成します。「Windowsマーク」をクリックし、「歯車アイコン」をクリックします。
  2. 設定ウィンドウが開きます。「アカウント」を選択します。
  3. 「家族とその他のユーザー」をクリックします。
  4. 「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリックします。
    • Windows11の場合は、「その他のユーザーを追加する」の「アカウントの追加」をクリックします。
  5. 下部の「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックして、さらに次のウィンドウの下部の「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします。
  6. [ユーザー名、パスワード、パスワードのヒント]を入力してユーザーの作成を行います。
  7. ユーザーを作成したら[作成したユーザー名]をクリックし、「アカウントの種類を変更」をクリックします。
  8. 「アカウントの種類」を「管理者」に変更して「OK」をクリックします。

2.新しいプロファイルに切り替える


最後に新しいユーザーアカウントにサインインします。

  1. 「Windowsマーク」をクリックして、「ユーザーアイコン」→「サインアウト」の順にクリックします。
  2. サインアウトが完了したらユーザー一覧から[新しく作成したユーザー名]をクリックしてサインインします。

以上で新しいプロファイルに切り替わるので、プロファイルに関するエラーは解消するはずです。問題が解決したら、続いてアカウントのデータを移行する

3.ユーザーのデータを移行する


以前使っていたファイルが必要な場合は、次の手順でユーザーフォルダ内のファイルをコピーします。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして、「エクスプローラー」を選択します。
  2. 破損したアカウントのユーザーフォルダ「C:\Users\(ユーザー名)」のディレクトリを開きます。
  3. ディレクトリ内の全てのファイルを選択して右クリックして「コピー」を選択します。
    • 全てのファイルが必要ない場合は、個別に移動してください。
  4. 新しく作成したアカウントのユーザーフォルダ「「C:\Users\(ユーザー名)」」を開いて、右クリックして「貼り付け」でデータを移行します。

以上で、新しいアカウントにデータを移行することができます。

古いプロファイルの削除手順


新しいアカウントを作成してデータを移行しても、古いプロファイルデータはそのまま残っているため、サインイン画面で古いアカウントが表示されてしまいます。

表示が煩わしい場合は、次の手順で問題のあった古いプロファイルを削除しておきましょう。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 名前に「control」と入力して「OK」をクリックします。
  3. コントロールパネルウィンドウが表示されます。「システムとセキュリティ」→「システム」とクリックして進みます。
    • 項目が見つからない場合は、表示方法が「カテゴリ」になっているか確認してください。
  4. ウィンドウ左にある「システムの詳細設定」をクリックします。
  5. 「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されます。「詳細設定」タブを選択し、「ユーザープロファイル」の項目にある「設定」ボタンをクリックします。
  6. 問題の発生しているプロファイルの[ユーザー名]を選択し、「削除」をクリックします。

それでも解決しない時は

今回の対処方法でプロファイルのエラーが改善しなかったり、解決したと思っても症状が再発するケースもあるようです。

その場合は、原因を特定するのが非常に難しいため、パソコンのリカバリやOSのクリーンインストールを行うことをおすすめします。

Windows10のクリーンインストールについては次の記事で紹介しているので参考にしてみて下さい。

コメント

  1. なめこファーム飛騨 中村朋博 より:

    めっちゃ焦りました。デスクトップからアイコンが消えまして…
    おかげさまで直りました!
    ありがとうございます!

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