Windows10をインストールしたPCを使用していると、突然「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーメッセージが何度も表示されることがあります。
上記のメッセージは、単純に正しいプロダクトキーが認証できていないケースも考えられますが、正しいキーで認証している場合でもメッセージが表示されるケースがあります。
今回は、Windows10で「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のメッセージが出る時の対処法について紹介します。
この記事の内容
「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」の原因
「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のメッセージは、Windows10のライセンス認証が一定期間行われなかった際に発生します。
ライセンス認証が正常にできない原因としては、主に次の原因が考えられます。
- ライセンスのアクティベーションリクエストに問題が起きている
- 誤ったプロダクトキーを認証している
- アップグレード後にマザーボードを交換している
- 不正なWindows10のプロダクトキーを使用している
特にWindowsUpdate後にメッセージが出るようになった場合は、ライセンス認証の処理に問題が起きていることが考えられます。
また、正規ではないWindows10のプロダクトキーを使用していることが原因で、認証サーバーに認証を拒否されているケースも考えられます。
原因ごとの対処法を紹介していくので、順番に期限切れエラーが解決しないか試してみることをおすすめします。
対処1: ライセンスの延長コマンドを実行する
Windows10のライセンスの認証処理が失敗していることが原因で、「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーが発生するケースがあります。
そのため、ライセンスの延長コマンドを実行してアクティベーションリクエストを送信することでエラーが解決される可能性があります。
ライセンスの延長コマンドを実行するには、次の手順で操作してください。
- コマンドを実行する前にエクスプローラーを再起動しておきます。「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
- 「プロセス」タブの一覧で「エクスプローラー」を右クリックして「タスクの終了」をクリックします。
- 上部の「ファイル」→「新しいタスクの実行」を選択します。
- 「explorer」と入力して「OK」をクリックします。エクスプローラーが再起動します。
- 続いてコマンドを実行します。「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- 次のライセンスの延長コマンドを入力してEnterキーで実行します。
slmgr -rearm
- 「コマンドは正常に完了しました」と表示されたら「OK」をクリックしてPCを再起動します。
ライセンスの延長コマンドを実行してPCを再起動できたら、ライセンスの期限切れメッセージが解決したか確認してください。
対処2: ライセンス認証のトラブルシューティングを実行する
Windows10のライセンス認証に問題が起きている場合は、トラブルシューティングツールを実行することでエラーを解決できる可能性があります。
そのため、次の手順でライセンス認証のトラブルシューティングツールの実行を試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「ライセンス認証」をクリックします。
- 右ペインで「トラブルシューティング」をクリックします。
- ライセンスに関する問題が自動的で検出され修正されます。
トラブルシューティングツールを実行して問題を修正できたら、「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーが解決したか確認してください。
対処3: プロダクトキーを再入力してライセンス認証する
Windows10のプロダクトキーの単純な入力ミスなどでライセンス認証が正常に完了していないことが原因で、「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーが発生しているケースが考えられます。
そのため、正しいプロダクトキーを確認してライセンスを再認証することでエラーが解決する可能性があります。正しいプロダクトキーを入力しているつもりでも、念の為再入力を試してみることをおすすめします。
Windows10のプロダクトキーを確認して再入力するには、次の手順で行ってください。
手順1: プロダクトキーを確認する
まずWindows10の正しいプロダクトキーを確認します。プロダクトキーを確認するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」をクリックして起動します。
- 次のコマンドを実行します。
powershell "(Get-WmiObject -query 'select * from SoftwareLicensingService').OA3xOriginalProductKey"
- 表示されたプロダクトキーを控えます。
環境によっては、上記の方法でプロダクトキーが確認できない場合があります。アップグレードしている場合は、PCのライセンスシールでWindows7/8のプロダクトキーを確認してください。
手順2: プロダクトキーを再入力する
プロダクトキーが確認できたら、次の手順でプロダクトキーの再入力を試してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「Windowsの設定」が開いたら「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「ライセンス認証」を選択します。
- 右ペインで「プロダクトキーの変更」をクリックします。
- 入力ウィンドウが表示されたら、「正しいプロダクトキー」を入力して「次へ」をクリックします。
- ライセンス認証が正常に完了したか確認します。
正常にライセンス認証ができたら、ライセンスの期限切れメッセージが発生しないか確認してください。
正しいプロダクトキーを入力してエラーが解決しない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処4: PCをMicrosoftアカウントにリンクする
Windows10をデジタルライセンスで認証できる場合は、PCをMicrosoftアカウントにリンクさせることで、「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーを解決できる可能性があります。
デジタルライセンスによる認証は、Windows7やWindows8.1の正規品からアップグレードした場合や、Microsoft StoreからWindows10を購入した場合に利用できます。
そのため、デジタルライセンスで認証できる場合は、次の手順でPCをMicrosoftアカウントにリンクさせてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「Windowsの設定」が開いたら、「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインから「ライセンス認証」を選択します。
- 右ペインの「Microsoftアカウントを追加」内にある「アカウントの追加」をクリックします。
- Microsoftアカウントの「ユーザー名」と「パスワード」を入力して「サインイン」します。
- Windowsに現在サインインしているアカウントの「パスワード」を入力して「次へ」をクリックします。
以上の手順でPCをMicrosoftアカウントにリンクすることができます。正常に認証できた場合は、ライセンス認証の項目に「WindowsはMicrosoftアカウントにリンクされたデジタルライセンスによってライセンス認証されています」と表示されます。
デジタルライセンスでライセンス認証ができたら、期限切れメッセージが解決できたか確認してください。
対処5: グループポリシーを変更する
グループポリシーの設定を変更することで、「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーを修正できる可能性があります。
そのため、次の手順でグループポリシーの設定を変更を試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- 左ペインのツリーを以下の順に展開して、「Windows Update」を選択します。
- ローカルコンピューターポリシー → コンピューターの構成 → 管理用テンプレート → Windowsコンポーネント → Windows Update
- 右ペインのポリシーのリストで「スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーがいる場合には自動的に再起動しない」をダブルクリックします。
- 「有効」オプションを選択して「OK」をクリックします。
- PCを再起動してポリシーを反映します。
PCが再起動できたら、ライセンスの期限切れエラーが解決したか確認してください。
対処6: プロダクトキーを削除して再設定する
登録されているプロダクトキーの情報を削除してから再認証することで「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーが解決する可能性があります。
プロダクトキーの情報を削除してから再認証を行うには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- 次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
slmgr /upk
- コマンドが実行できるとプロダクトキーが削除されます。
- 通常の手順でプロダクトキーを再認証します。
- プロダクトキーを再認証する手順は、『対処3: プロダクトキーを再入力してライセンス認証する』と同じです。
プロダクトキー削除後に再認証できたら、ライセンスのエラーが解決したか確認してください。
対処7: ライセンス認証の関連のサービスを停止する
ライセンス認証に関連するサービスを停止することで「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーを強制的に非表示にすることもできます。
ただし、WindowsライセンスマネージャーとWindowsUpdateのサービスを停止する必要があるため、Microsoft Storeのアプリの使用やシステムのアップデートに問題が出る場合があります。
そのため、ライセンスのエラーをどうしても非表示にしたい場合のみこの方法を試してください。
ライセンス認証の関連サービスを停止するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「services.msc」と入力して「OK」を押します。
- 「サービス」が起動したら、一覧から「Windowsライセンスマネージャーサービス」を探してダブルクリックします。
- スタートアップの種類を「無効」に変更して、サービスの状態にある「停止」をクリックします。サービスが停止したら「OK」をクリックします。
- 再度サービスのリストから「Windows Update」を探してダブルクリックします。
- スタートアップの種類を「無効」に変更して、サービスの状態にある「停止」をクリックします。サービスが停止したら「OK」をクリックします。
サービスを無効化できたら、ライセンス認証の期限切れメッセージが出ないか確認してください。
サービスを停止してWindowsの動作に問題が出た場合は、サービスのスタートアップの種類を「手動」に戻してPCを再起動してください。
対処8: レジストリキーを追加する
レジストリを編集することで「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーを非表示にすることもできます。
ここまでの方法でエラーが解決しない場合は、次の手順でレジストリキーを追加して、エラーの表示が解決しないか確認してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
- 上部メニュー「ファイル」→「エクスポート」の順に選択します。
- 「エクスポート範囲」を「すべて」にして、保存先を指定して「保存」をクリックします。レジストリのバックアップが作成されます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- 次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
reg add "HKLMSoftwarePoliciesMicrosoftWindows NTCurrentVersionSoftware Protection Platform" /v NoGenTicket /t REG_DWORD /d 1 /f
- コマンドを実行できたら、Windows PowerShellを閉じてPCを再起動します。
PCを再起動するとレジストリが反映されます。ライセンスの期限切れメッセージが解決したか確認してください。
レジストリを変更してもエラーが解決しなかったり、Windowsの動作に問題が出た場合は、バックアップしたレジストリファイルを開いてレジストリを復元してください。
対処9: マザーボード交換後の対処を行う
Windows7/8からWindows10にアップグレードしている場合、ライセンス認証はマザーボードと紐づけて認証が行われます。
そのため、Windows10にアップグレードしたPCのマザーボードを交換した場合は、ライセンス認証ができない状態になります。
PCのマザーボード交換後に期限切れのメッセージが表示されるようになった場合は、次のページの対処方法を参考にしてください。
対処10: 正規のプロダクトキーを購入する
不正にコピーされたプロダクトキーを使用していたり、ボリュームライセンスを不正使用していることが原因で、「Windowsライセンスは間もなく期限切れになります」のエラーが表示されているケースが考えられます。
特にネットオークションなどで安価で販売されているライセンスは、不正なプロダクトキーである恐れがあります。
そのため、プロダクトキーに問題があることが疑われる場合は、正規のライセンス/プロダクトキーを購入してください。
正規のプロダクトキーを購入した場合は、『対処3: プロダクトキーを再入力してライセンス認証する』と同様の手順で認証を行ってください。