ブラウザでNetflixやAmazon Prime等の動画ストリーミングサービスを利用しようとすると、デジタル権利エラーが発生し「Widevine Content Decryption Moduleを更新してください」というメッセージが表示され、動画が視聴できないケースがあります。
エラーが発生した場合は、通常であればプラグインを手動で更新すれば解決しますが、更新しようとしてもエラーで更新できないケースもあります。
本記事では、Chrome/FirefoxでWidevine Content Decryption Moduleの未更新エラーが出た時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
Widevine Content Decryption Moduleとは
Widevine Content Decryption Moduleは、デジタル著作権管理(DRM)で保護された動画や音声を再生するためのプラグインです。
ChromeやFirefoxではこのプラグインが最初からインストールされており、アップデートも自動で行われるため、通常は特別な操作をする必要はありません。
このプラグインの未更新エラーが出たり、プラグインの更新ができない場合は、次の対処方法を試してみてください。
対処1: Widevine Content Decryption Moduleを手動で更新する
Widevine Content Decryption Moduleが自動で更新されておらず、動画視聴時に未更新のエラーが発生することがあります。
そのため、プラグインを手動で最新のバージョンに更新できないか試してみてください。プラグインを更新する手順は、それぞれ次の通りです。
Chromeの場合
- Chromeを起動します。
- アドレスバーに「chrome://components/」と入力し、エンターキーを押します。
- 「コンポーネント」リストが表示されます。リストから「Widevine Content Decryption Module」と書かれた項目を探し、すぐ下にある「アップデートを確認」ボタンをクリックします。
- ブラウザの更新ボタン、またはF5キーを押して画面を再読み込みします。
- しばらく待ち、ステータスが「最新」と表示されれば操作は完了です。
Firefoxの場合
- Firefoxを起動します。
- ウィンドウ右上にある「メニューボタン」をクリックし、「アドオン」を開きます。
- 「プラグインの管理」リストから、「Widevine Content Decryption Module」の項目を探してクリックします。
- プラグイン名部分に「有効」と表示されていることを確認します。
- 「無効」と表示されている場合は、プラグインを有効にする必要があります。名前の右側にある「…」ボタンをクリックし、「常に有効化」を選択してください。
- プラグイン名部分に「有効」と表示されていることを確認します。
- 「自動更新の許可」の設定を確認します。「オフ」になっている場合は、「既定」または「オン」のどちらかに変更してください。
- 最後に画面右上にある歯車アイコンをクリックし、「今すぐ更新を確認」を選択します。
- 更新が利用可能と表示されたら、画面の指示に従って更新を行ってください。
Widevine Content Decryption Moduleを手動で最新バージョンにアップデートできたら、ブラウザを再起動してエラーが解決したか確認してください。
対処2: DRMコンテンツの再生を許可する
最新のWidevine Content Decryption Moduleがインストールされている場合でも、ブラウザの設定でDRMコンテンツの再生が許可されていないと未更新エラーが表示されることがあります。
そのため、以下の手順でDRMコンテンツの再生設定を確認して、許可されていない場合は設定を変更してください。
Chromeの場合
- Chromeを起動します。ウィンドウ右上にある「メニューボタン(…)」をクリックし、「設定」を開きます。
- 設定画面が開いたら、左のメニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。
- メニュー項目がない場合は、画面をスクロールして「プライバシーとセキュリティ」の項目を探してください。
- 「サイトの設定」をクリックします。
- 「その他のコンテンツの設定」をクリックします。メニューが展開されたら、「保護されたコンテンツ」をクリックします。
- 「ブロック中」と表示されている項目がある場合は、右のスイッチをクリックします。
- 「保護されたコンテンツの再生をサイトに許可する」の設定が「オン」になったことを確認します。
- 「保護されたコンテンツのIDを許可する」の項目がある場合は、スイッチを「オン」に変更してください。
Firefoxの場合
- Firefoxを起動します。右上のメニューボタンより、「オプション」を開きます。
- 「一般」設定グループの中から「デジタル著作権管理(DRM)コンテンツ」の設定項目を探します。
- 「DRM制御のコンテンツを再生」にチェックを入れます。
DRMコンテンツの再生設定を変更した場合は、ページを再読み込みしてエラーが解決したか確認してください。
対処3: プラグインを削除して再インストールする
Widevine Content Decryption Moduleのファイルが破損していることが原因で、更新ができないケースがあります。
プラグインを更新しようとするとエラーが発生する場合は、プラグインを一度削除してから再インストールすることで更新エラーを解決できることがあります。
Widevine Content Decryption Moduleを再インストールするには、以下の手順を参考に操作してみてください。
Chromeの場合
- Chromeが開いている場合は、閉じるボタンをクリックしてChromeを完全に終了します。
- タスクバーの「Windowsマーク」を右クリックして、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「名前」欄に「shell:Local AppData」と入力し、「OK」をクリックします。
- 「Local」フォルダが表示されます。「Google」→「Chrome」→「UserData」の順にフォルダを開きます。
- 「UserData」フォルダ内の「WidevineCdm」フォルダを右クリックして、「削除」を選択します。
- 「WidevineCdm」フォルダを削除できたら、Chromeを起動します。
- Chromeが起動すると、自動でWidevine Content Decryption Moduleが再インストールされます。
Firefoxの場合
- Firefoxを起動します。ウィンドウ上部のアドレスバーに「about:support」と入力してEnterキーを押します。
- 「トラブルシューティング情報」が表示されます。「アプリケーション基本情報」のリストから、「プロファイルフォルダー」の行を探します。
- 「プロファイルフォルダー」の右にある「フォルダーを開く」ボタンをクリックします。
- Firefoxのプロファイルを保存しているフォルダが開かれます。Firefoxを完全に終了します。
- Firefoxのプロファイルフォルダ内で、「gmp-widevinecdm」フォルダを右クリックして「削除」を選択します。
- 「gmp-widevinecdm」フォルダを削除したら、Firefoxを再起動します。
- アドオンの管理画面を開き、プラグインの更新を確認します。
- プラグイン更新の手順は、『対処1: プラグインを手動で更新する』と同じです。
Widevine Content Decryption Moduleを再インストールできたら、再度ページのエラーが解決したか確認してください。
対処4: ブラウザの拡張機能を無効化する
ブラウザにインストールされている拡張機能・アドオンが原因で、Widevine Content Decryption Moduleの更新エラーが発生することがあります。
特にセキュリティや広告ブロックに関連する拡張機能が原因となるケースが多いです。
そのため、ブラウザに追加している拡張機能を全て無効化した状態で、エラーが解決しないか確認してください。ブラウザの拡張機能を無効化するには、それぞれ次の手順で操作します。
- Chromeの場合:
- Chromeを起動して、右上の「メニュー(3点アイコン)」をクリックします。
- 「その他のツール」→「拡張機能」の順にクリックします。
- 拡張機能の一覧が表示されたら、拡張機能のスイッチを全ての「オフ」に変更します。
- Firefoxの場合:
- Firefoxを起動して、右上の「メニュー(3本線アイコン)」をクリックします。
- 「アドオン」をクリックします。
- 左ペインで「拡張機能」をクリックします。
- 右ペインの有効になっている拡張機能のスイッチを全て「オフ」に変更します。
全ての拡張機能を無効にできたら、その状態でページの再読み込み、もしくはWidevine Content Decryption Moduleの更新を試してみてください。
エラーが解決した場合は、拡張機能を1つずつ有効に戻して、原因となっている機能を特定してください。
対処5: セキュリティソフトを無効化する
ブラウザではなく、PCにインストールしているセキュリティソフトの機能が原因で、Widevine Content Decryption Module関連のエラーが発生することがあります。
そのため、セキュリティソフトの機能を一時的に停止して、エラーが解消する確認してください。ほとんどのセキュリティソフトは、タスクバー右側のタスクトレイで、セキュリティソフトのアイコンを右クリックして機能を停止することができます。
セキュリティソフトの機能を停止した状態でエラーが解決した場合は、例外設定にブラウザを追加するか、他のセキュリティソフトの使用を検討してください。
対処6: ブラウザのCookieとキャッシュを削除する
ブラウザのCookieやキャッシュデータが原因で、Widevine Content Decryption Moduleの未更新エラーが発生することがあります。
そのため、ブラウザのCookieとキャッシュデータを一度削除して、エラーが解決しないか確認してみてください。
ブラウザのCookieとキャッシュを削除するには、それぞれ次の手順で操作します。
- Chromeの場合:
- Chromeを起動して、右上の「メニュー(3点アイコン)」をクリックします。
- 「その他のツール」→「閲覧履歴を消去」の順にクリックします。
- 期間を「全期間」に変更して、「Cookieと他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます。
- 「データを削除」をクリックします。
- Firefoxの場合:
- Firefoxを起動して、右上の「メニュー(3本線アイコン)」をクリックします。
- 「設定」をクリックします。
- 左ペインで「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインの「Cookieとサイトデータ」の「データを消去」をクリックします。
- 「Cookieとサイトデータ」と「ウェブコンテンツのキャッシュ」にチェックを入れて、「消去」をクリックします。
ブラウザのCookieとキャッシュデータを削除できたら、ページを再度読み込んでエラーが解決したか確認してください。
対処7: ブラウザを更新/再インストールする
ブラウザ本体の不具合で、Widevine Content Decryption Moduleの未更新エラーが発生することが稀にあります。
そのため、ブラウザが最新版に更新されていない場合は、ブラウザ本体のアップデートを行ってください。
- Chromeの場合:
右上の「メニュー(3点アイコン)」→「ヘルプ」→「GoogleChromeについて」の順にクリックするとアップデートが自動で開始します。アップデートがあった場合は、「再起動」をクリックしてください。 - Firefoxの場合:
右上の「メニュー(3本線アイコン)」→「Firefoxについて」の順にクリックするとアップデートのチェックが開始します。アップデートがあった場合は、「再起動してFirefoxを更新」をクリックしてください。
ブラウザが最新の状態でエラーが発生する場合は、アプリケーションを再インストールすることでエラーが解決する可能性もあります。
ブラウザを再インストールするには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で「Google Chrome」または「Mozilla Firefox」を選択して、「アンインストール」をクリックします。
- 確認ポップアップが表示されたら、「アンインストール」をクリックします。
- ウィザードに従ってアンインストールを完了します。
- ブラウザの公式サイトから最新バージョンのインストーラーをダウンロードします。
- インストーラーを実行して、通常の手順でインストールを完了します。
ブラウザを再インストールできたら、再度ページを開いてWidevine Content Decryption Moduleのエラーが解決したか確認してください。