Microsoft Excelでファイルを開いて操作していると突然「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」のエラーが発生することがあります。
このエラーは、コピーペーストなどの操作を行うと数秒から数分Excelがフリーズした後に発生することが多いです。
本記事では、Excel「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」の対処方法について詳しく紹介します。対処内容はWindows11/10を想定しています。
この記事の内容
対処1: DDEアプリケーションを無視する機能をオンにする
Excelの「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」エラーは、Dynamic Data Exchange(DDE)を使用するアプリケーションによって引き起こされている場合があります。
そのため、DDEアプリケーションを無視するオプションを有効にすることで、エラーが表示されなくなる可能性があります。DDEアプリケーションを無視する機能をオンにするには、以下の手順で操作してください。
- Excelを開いて「ファイル」をクリックします。
- 「その他」→「オプション」をクリックします。
- 左ペインの「詳細設定」をクリックします。
- 右ペインの「Dynamic Data Exchange(DDE)を使用する他のアプリケーションを無視する」のチェックを入れます。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
設定を変更できたらExcelを一度閉じてから再起動してください。Excelを再起動できたら、OLEエラーが発生しなくなったか確認してください。設定を変更してもOLEエラーが発生する場合は、設定を元に戻してから別の対処を試してください。
対処2: アドインを無効にする
Excelにインストールしているアドインが原因で、「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」のエラーが発生するケースが考えられます。
OLEエラーを発生させるアドインとしては、Acrobat PDFMaker Office COM Add-inやAzure Information Protectionが報告されています。
そのため、Excelにインストールしているアドインを無効化することでエラーが解決する可能性があります。Excelのアドインを無効にするには、以下の手順で操作してください。
- Excelを起動して、「ファイル」タブをクリックします。
- 「その他」→「オプション」をクリックします。
- 左ペインから「アドイン」をクリックします。
- 右ペインにある「管理」のセレクトボックスをクリックし、「Excelアドイン」を選択してから「設定」をクリックします。
- 有効なアドインの一覧で全てのチェックボックスを「オフ」にして「OK」をクリックします。
Excelのアドインを無効にできたら、Excelを再起動してください。その後OLEエラーが発生しなくなったか確認してください。
対処3: リアルタイム保護を無効にする
アンチウイルスソフトウェアのリアルタイム保護機能がOLEの通信をブロックしていることが原因で、Excelで「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」のエラーが発生するケースが考えられます。
この問題は、マカフィーのリアルタイムスキャン機能が原因で引き起こされたことを多くのユーザーが報告しています。
そのため、サードパーティのセキュリティソフトをインストールしている場合は、リアルタイム保護を無効にすることで問題が解決する可能性があります。ただし、リアルタイム保護を無効にすると、コンピュータがウイルスやマルウェアに感染するリスクが高まる点に注意してください。
リアルタイム保護を無効にする手順は、セキュリティソフトによって異なります。マカフィーのセキュリティソフトの場合は、以下の手順でリアルタイム保護を無効にできます。
- タスクバー右側のタスクトレイで「McAfee」のアイコンを右クリックしてメニューから「マカフィーリブセーフ(またはその他の製品名)を開く」を選択してください。
- アイコンが見つからない場合は、「上矢印アイコン」をクリックしてください。
- 左側の「保護(四角四つのアイコン)」をクリックして、「リアルタイム スキャン」を選択します。
- 「無効にする」をクリックします。
- 「リアルタイムスキャンを再開する時間」をセレクトボックスで選択して「無効にする」をクリックします。
- 選択した時間が経過すると、リアルタイムスキャンが自動的に有効に戻ります。完全に無効化する場合は「実行しない」を選択してください。
セキュリティソフトのリアルタイム保護機能を無効にできたら、その状態でExcelを開いてOLEエラーが解決するか確認してください。エラーが解決した場合は、セキュリティソフトの機能が原因と判断できるため、アンインストールして標準のWindowsセキュリティに戻すか、別のセキュリティソフトの使用を検討してください。
対処4: Googleドライブのリアルタイムプレゼンスを無効にする
GoogleドライブのMicrosoftOfficeのリアルタイムプレゼンス機能が原因で、Excelで「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、PC版のGoogleドライブをインストールしている場合は、Microsoft Officeのリアルタイムプレゼンス機能を無効にしてみてください。Googleドライブでリアルタイムプレゼンス機能を無効にするには、以下の手順で操作します。
- タスクバー右側のタスクトレイで「Googleドライブ」のアイコンをクリックします。
- アイコンが見つからない場合は、「上矢印アイコン」をクリックしてください。
- 「設定(ギアアイコン)」をクリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウが表示されたら、右上の「設定(ギアアイコン)」をクリックします。
- MicrosoftOfficeのリアルタイムプレゼンスの項目にある「他のユーザーが Microsoft Office の共有ファイルを編集しているかどうかを表示する」のチェックを外します。
- 右下の「保存」をクリックします。
Googleドライブのリアルタイムプレゼンス機能を無効にできたら、Excelファイルを開いてOLEエラーが発生しなくなったか確認してください。
リアルタイムプレゼンス機能を無効にしたくない場合は、同期していないローカルのフォルダにExcelファイルを移動してエラーが発生しないか確認してください。
対処5: 互換モードを無効にする
Excelを互換モードで起動していることが原因で、「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、Excelのプロパティを確認して互換モードで起動する設定になっている場合は無効化してください。Excelの互換モードを無効にするには、以下の手順で操作します。
- 「Excelの実行ファイルまたはショートカット」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「互換性」タブを開きます。
- 互換モードの項目で、「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックが入っている場合は外します。
- 「OK」をクリックします。
Excelの互換モードを無効にできたら、Excelを再度起動してOLEエラーが解決したことを確認してください。
対処6: Internet Explorerプロセスを終了する
Windowsの古いブラウザであるInternet Explorerのプロセスが実行されていることが原因で、Excelで「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、タスクマネージャーを開いてInternet Explorerのプロセスが実行されている場合は停止してください。Internet Explorerのプロセスを終了するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
- 「プロセス」タブの一覧で、「Internet Explorer」のプロセスがある場合は選択して「タスクの終了」をクリックします。
Internet Explorerのプロセスを終了できたら、ExcelでOLEエラーが発生しなくなったことを確認してください。
対処7: Excelをアップデートする
Excelのバージョンが古く不具合があることが原因で、「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、Excelが最新バージョンにアップデートされているか確認してください。Excelのバージョンをアップデートするには、以下の手順で操作します。
- Excelを開いて「ファイル」をクリックします。
- 「その他」→「アカウント」をクリックします。
- 「更新オプション」→「今すぐ更新」を選択します。
- 更新プログラムがチェックされ、自動的にアップデートが実行されます。
Excelを最新バージョンにアップデートできたら、ファイルを開いてOLEエラーが発生しなくなったか確認してください。
対処8: Excelのアプリケーションを修復する
Excelのアプリケーションファイルが破損していることが原因で、「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」のエラーが発生するケースが少なからず考えられます。
そのため、Excelのアプリケーションを修復することでエラーが解決する可能性があります。Excelのアプリケーションを修復するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で「Microsoft Office (エディション名)」の右側の「メニュー(3点アイコン)」をクリックして「変更」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が出た場合は「はい」をクリックします。
- 「オンライン修復」のオプションを選択して「修復」をクリックします。
- ウィザードにしたがって修復を完了します。
Excelのアプリケーションを修復できたら、Excelを開いてOLEエラーが解決したか確認してください。
対処9: Excelを再インストールする
Excelのアプリケーションを修復してもOLEエラーが解決しない場合は、Excelを再インストールしてみてください。
Excelを再インストールするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で「Microsoft Excel (バージョン)」または「Microsoft Office (エディション名)」の右側の「3点アイコン」をクリックして「アンインストール」を選択します。
- 確認が画面が表示されるので「アンインストール」をクリックして、案内に従ってアンインストールを完了します。
- アンインストールが完了したら、ExcelまたはOfficeを通常の手順で再度インストールします。
Excelを再インストールできたら、アプリを起動してOLEエラーが発生しなくなったことを確認してください。
ExcelのOLEエラーの原因は?
Excelの「別のプログラムでのOLEの操作が完了するまで待機します」というエラーは、通常、Excelが他のアプリケーションとの通信(OLE:Object Linking and Embedding)に関連する問題が発生した場合に表示されます。このエラーの主な原因は以下の通りです。
- アプリケーションの競合:
DDEを使用する別のアプリケーションなどが競合してエラーが表示されることがあります。 - アドインの問題:
ExcelにインストールしているアドインがOLEエラーを発生させている場合があります。 - アンチウイルスソフトウェアによるブロック:
サードパーティのアンチウイルスソフトウェアがExcelとの通信をブロックしている場合、このエラーが表示されることがあります。 - オンラインストレージの同期:
Googleドライブなどのオンラインストレージの同期機能によってOLEエラーが発生することがあります。 - Excelの不具合または破損:
Excelの不具合やアプリケーションファイルの破損によってエラーが発生する場合があります。
インストールしたサードパーティのアプリケーションまたはアドインが原因で、ExcelのOLEエラーが発生ことが多いです。自身のPCの環境で該当する原因がないか考え、ここまでに紹介した内容を参考に対処を行なってください。