Excelの「メモリが不足しています」エラーの対処法

Excel メモリ不足エラー

MicrosoftのExcelを使用してシートを編集していると、「この操作を完了するにはメモリが不足しています。」のエラーが発生することがあります。

また、Excelファイルを開く、または保存する際に「メモリまたはディスクの空き容量が不足しているため、ドキュメントを開いたり、保存したりできません。」のエラーが発生して開けなかったり、保存できないケースもあります。

本記事では、Excelの「メモリが不足しています」エラーの対処法について詳しく紹介します。

対処1: 不要なアプリを閉じる

Excel以外に起動しているアプリケーションが多くのメモリを使用していることが原因で、Excelに「メモリが不足しています」エラーが表示されるケースが考えられます。

そのため、デスクトップまたはバックグラウンドで起動している不要なアプリケーションを全て閉じてエラーが解決しないか確認してください。不要なアプリケーションを閉じるには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
  2. タスクマネージャーが起動したら、「プロセス」タブを開いていることを確認します。
    • 簡易表示になっている場合は、「詳細」をクリックしてください。
  3. 列の見出しの「メモリ」をクリックして、メモリ使用量の高いプロセスの順に並び替えます。
  4. 使用メモリが高い不要なアプリケーションを選択して「タスクの終了」をクリックして終了します。

不要なアプリケーションを閉じれたら、Excelのメモリ不足エラーが発生しなくなったか確認してください。

対処2: 範囲を分けてコピーする

セルのコピーペーストなどの際にExcelが利用できる上限メモリを超えた範囲を選択すると、「メモリが不足しています」のエラーが発生します。

そのため、広範囲のセルのコピーペーストの際にエラーが出る場合は、選択範囲を何回かに分けてコピーしてください。

コピー範囲が狭いとエラーが出ない場合は、単純にExcelのメモリ上限を超える操作を行っていたと判断できます。

対処3: ワークブックを分割する

Excelのワークブック内のデータが多すぎることが原因で、「メモリが不足しています」のエラーが発生することがあります。

特にExcelの32ビット版はメモリ使用量が2GBに制限されているため、複数のシートに数式の入ったセルやグラフなどが膨大に存在するとメモリ不足エラーが発生することが多いです。

1つのExcelのワークブックに大量のデータが存在していてエラーが出る場合は、2つ以上のワークブックに分割してみてください。ワークブックを分割するには、以下の手順で操作します。

  1. エラーが出るExcelファイルを開きます。
  2. 下部のシート名のタブで「別ファイルに分けるシート名」を選択します。
    • ShiftキーまたはCtrlキーを押しながら選択することで、複数のシートを選択できます。
  3. 選択したシートを右クリックして「移動またはコピー」を選択します。
  4. 「移動先ブック名」のセレクトボックスをクリックして「(新しいブック)」を選択します。
  5. 「コピーを作成する」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
  6. 選択したシートの新しいワークブックが作成されるので、「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択してワークブックを保存します。

以上の手順で、ワークブックを分割することができます。ワークブックが分割できたら、メモリ不足のエラーが発生しなくなったか確認してください。

対処4: セルの自動計算を無効にする

データ量の多いExcelのワークブックでもセルの自動計算を無効にして手動計算に切り替えることで、「メモリが不足しています」のエラーを回避することもできます。

ただし、数式の入ったセルの値が自動計算されなくなるため、値を変更した際には手動で更新する必要がある点に注意してください。セルの自動計算を無効にするには、以下の手順で操作してください。

  1. Excelを開いて「ファイル」をクリックします。
  2. 「その他」→「オプション」をクリックします。
  3. 左ペインの「数式」をクリックします。
  4. 右ペインのブックの計算で、「手動」を選択します。
  5. 「OK」をクリックして設定を保存します。

セルの自動計算を無効に変更できたら、メモリ不足のエラーが発生しなくなったか確認してください。

設定変更後にセルの値を計算したい場合は、「F9」キーを押すかブックを一度保存してください。

対処5: Excelをアップデートする

Excelのバージョンが古く不具合があることが原因で、「メモリが不足しています」のエラーが発生するケースが考えられます。

そのため、データ量の小さいExcelファイルでもエラーが出る場合は、Excelを最新バージョンにアップデートすることでエラーが解決する可能性があります。Excelをアップデートするには、以下の手順で操作してください。

  1. Excelを開いて「ファイル」をクリックします。
  2. 「その他」→「アカウント」をクリックします。
  3. 「更新オプション」→「今すぐ更新」を選択します。
  4. 更新プログラムがチェックされ、自動的にアップデートが実行されます。

Excelを最新バージョンにアップデートできたら、ファイルを開いてメモリ不足エラーが発生しなくなったか確認してください。

対処6: ハードウェアグラフィックアクセラレータの設定を変更する

Excelのハードウェアグラフィックアクセラレータの機能が原因で、「メモリが不足しています」のエラーが発生することがあります。また、逆にこの機能を有効にすることでエラーが解決する場合があります。

そのため、ハードウェアグラフィックアクセラレータの設定を切り替えて、エラーが解決しないか確認してみてください。ハードウェアグラフィックアクセラレータの設定を変更するには、以下の手順で操作します。

  1. Excelを開いて「ファイル」をクリックします。
  2. 「その他」→「オプション」をクリックします。
  3. 左ペインの「詳細設定」をクリックします。
  4. 右ペインの「表示」の項目にある「ハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にする」にチェックを入れるか、外します。
  5. 「OK」をクリックして設定を保存します。
  6. Excelを一度閉じてから再度開きます。

ハードウェアグラフィックアクセラレータの設定を変更できたら、エラーが発生しなくなったか確認してください。エラーが解決しない場合は、設定を元に戻して別の対処方法を試してください。

対処7: トラストセンターの設定を変更する

Excelのトラストセンターの保護ビューの機能が原因で、「メモリが不足しています」のエラーが発生するケースがあります。

そのため、トラストセンターの保護ビューの設定を変更することで、エラーが発生しなくなる可能性があります。トラストセンターの保護ビューの設定を変更するには、以下の手順で操作してください。

  1. Excelを開いて「ファイル」をクリックします。
  2. 「その他」→「オプション」をクリックします。
  3. 左ペインの「トラストセンター」をクリックします。
  4. 右ペインの「トラストセンターの設定」をクリックします。
  5. 左ペインの「保護ビュー」をクリックします。
  6. 保護ビューの以下の項目のチェックを全て外します。
    • インターネットから取得したファイルに対して、保護ビューを有効にする
    • 安全でない可能性のある場所のファイルに対して、保護ビューを有効にする
    • Outlookの添付ファイルに対して、保護ビューを有効にする
  7. 「OK」をクリックして設定を保存します。

トラストセンターの保護ビューの設定を変更できたら、ファイルを開き直してメモリ不足エラーが表示されなくなったか確認してください。

対処8: DDEの設定を変更する

ExcelのDDE(Dynamic Data Exchange)の設定が原因で、「メモリが不足しています」のエラーが発生することを一部のユーザーが報告しています。

そのため、DDEの設定を変更してエラーが解決しないか確認してみてください。DDEの設定を変更するには、以下の手順で操作します。

  1. Excelを開いて「ファイル」をクリックします。
  2. 「その他」→「オプション」をクリックします。
  3. 左ペインの「詳細設定」をクリックします。
  4. 右ペインの「Dynamic Data Exchange(DDE)を使用する他のアプリケーションを無視する」のチェックを外します。
  5. 「OK」をクリックして設定を保存します。

DDEの設定を変更できたら、メモリ不足エラーが発生しなくなったか確認してください。

対処9: Excelのアドインを無効にする

Excelにインストールしているアドインが原因で、「メモリが不足しています」のエラーが発生するケースが考えられます。

そのため、Excelのアドインを無効にして、エラーが解決しないか確認してください。Excelのアドインを無効にするには、以下の手順で操作します。

  1. Excelを起動して、「ファイル」タブをクリックします。
  2. 「その他」→「オプション」をクリックします。
  3. 左ペインから「アドイン」をクリックします。
  4. 右ペインにある「管理」のセレクトボックスをクリックし、「Excelアドイン」を選択してから「設定」をクリックします。
  5. 有効なアドインの一覧で全てのチェックボックスを「オフ」にして「OK」をクリックします。

Excelのアドインを無効にできたら、ファイルを開いてメモリ不足エラーが発生しなくなったか確認してください。

対処10: Excelを修復する

Excelのアプリケーションに何らかの問題が起きていることが原因で、「メモリが不足しています」のエラーが発生するケースが考えられます。

そのため、Excelの修復を実行して、エラーが解決しないか確認してください。Excelを修復するには、以下の手順で操作してください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
  2. 右ペインのアプリ一覧で「Microsoft Office (エディション名)」の右側の「メニュー(3点アイコン)」をクリックして「変更」を選択します。
  3. ユーザーアカウント制御が出た場合は「はい」をクリックします。
  4. 「オンライン修復」のオプションを選択して「修復」をクリックします。
  5. ウィザードにしたがって修復を完了します。

以上の手順でExcelを修復することができます。修復が完了したら、メモリ不足エラーが発生しなくなったか確認してください。

対処11: Cortanaを無効にする

WindowsのCortanaの機能が原因で、「メモリが不足しています」のエラーが発生することを一部のユーザーが報告しています。

そのため、Cortanaの機能を無効にしてエラーが解決しないか確認してください。Cortanaを無効にするには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
  2. アプリ一覧で「Cortana」の右の「メニュー(3点アイコン)」をクリックして「詳細オプション」を選択します。
  3. 「ログイン時に実行する」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
  4. PCを再起動して設定を反映します。
    • Windows10の場合は、以下の手順でCortanaを無効化してください。
      1. 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
      2. 「スタートアップ」タブを開きます。
        • 「スタートアップ」タブが表示されない場合は、「詳細」をクリックしてください。
      3. 「Cortana」を右クリックして「無効化」を選択します。
      4. PCを再起動して設定を反映します。

Cortanaを無効にできたら、Excelファイルを開いてメモリ不足エラーが解決したか確認してください。

対処12: Excelを64ビットに変更する

PCに十分な物理メモリ(RAM)が搭載されていても、32ビットのExcelを使用している場合、使用できるメモリ上限は2GBです。

32ビット版のExcelを使用していてメモリ不足エラーが頻繁に出る場合は、64ビット版のExcelを使用することを検討してください。

Excelを64ビットに変更するには、改めて64ビット版のExcelをインストールしてください。64ビット版のExcelのライセンスがない場合は、新たにライセンスを購入する必要があります。

対処13: 物理メモリ(RAM)を増設する

単純にPCに搭載している物理メモリ(RAM)が少ないことが原因で、Excelでメモリ不足エラーが出るケースも考えられます。

搭載している物理メモリが極端に少ない(3GB以下)と、Excelで使用できるメモリはさらに少なくなってエラーが頻発する場合があります。

そのため、物理メモリが不足している場合は、物理メモリを増設することを検討してください。

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