Windows11/10のPCで、アプリを起動して操作したり、ファイルやフォルダの操作を行うと、「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが表示されることがあります。
このエラーは、アプリまたはファイル・フォルダを操作する際に管理者の権限が不足しており操作が失敗した際に発生します。
本記事では、Windows11/10で「要求された操作には管理者特権が必要です」が出た時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: 管理者としてアプリを実行する
アプリの動作に管理者権限が必要な場合、「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが表示されることがあります。
そのため、アプリを管理者として実行するように設定することで、問題が解決する可能性があります。アプリを管理者として実行するように設定するには、以下の手順で操作してください。
- 「エラーが出るアプリの実行ファイル(.exe)」またはアプリのショートカットを右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 実行ファイルを探す場合は、エクスプローラーでアプリ名や実行ファイル名などで検索してください。
- 「互換性」タブを開きます。
- 「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れます。
- 「OK」をクリックします。
アプリの設定を変更できたら、管理者特権のエラーが表示されなくなったか確認してください。
対処2: ウィルス対策ソフトを停止する
ウィルス対策ソフトの機能が原因で、「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、サードパーティのウィルス対策ソフトをインストールしている場合は、機能を停止してエラーが消えないか確認してみてください。ウィルス対策ソフトを停止するには、以下の手順で操作します。
- タスクバー右側の通知領域(システムトレイ)の上矢印をクリックして、隠れているインジケーターを表示します。
- 「サードパーティのウイルス対策ソフトのアイコン」を右クリックして「停止」などのオプションを選択します。
ウィルス対策ソフトを停止できたら、ファイルの操作やアプリの操作を行なって管理者特権のエラーが表示されなくなったか確認してください。
対処3: ユーザーアカウント制御(UAC)をオフにする
システムのセキュリティを高めるユーザーアカウント制御の機能が原因で、特定のアプリで「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、ユーザーアカウント制御の機能を無効にすることで、問題が解決する可能性があります。ただし、ユーザーアカウント制御をオフにすると、悪意のあるプログラムが確認なしで実行されるリスクがある点に注意してください。ユーザーアカウント制御をオフにするには、以下の手順で操作してください。
- Administrator権限があるアカウントでログインします
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「UserAccountControlSettings」と入力して「OK」をクリックします。
- スライダーを一番下の「通知しない」まで下げます。
- 「OK」をクリックしてユーザーアカウント制御が出たら「はい」をクリックします。
ユーザーアカウント制御をオフにできたら、アプリを実行してエラーが発生しなくなったか確認してください。
対処4: グループポリシーの設定を変更する
ユーザーアカウント制御の機能が原因で、「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが表示される場合は、Windowsのグループポリシーの設定を変更することで、問題が解決する可能性があります。
グループポリシーの設定を変更するには、以下の手順で操作してください。ただし、この手順でグループポリシーの設定を変更すると、ユーザーアカウント制御の確認なしで管理者権限に昇格する点に注意してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- グループポリシーエディタが開いたら、左ペインで以下の順でツリーを展開します。
コンピューターの構成\Windowsの設定\セキュリティの設定\ローカル ポリシー\セキュリティ オプション
- 右側に表示されるリストの中で「ユーザーアカウント制御: 管理者承認モードでの管理者に対する昇格時のプロンプトの動作」を探してダブルクリックします。
- セレクトボックスをクリックして「確認を要求しないで昇格する」を選択して「OK」をクリックします。
Windows Homeエディションを使用している場合は、グループポリシーの設定を変更できないため、代わりにレジストリの編集が必要になります。
ただし、レジストリの編集を誤るとWindowsの動作に問題が起きる恐れがあるため、バックアップを取ってから行うことをおすすめします。レジストリを編集する場合は、以下の手順で操作を行なってください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックし、レジストリエディタを開きます。
- 以下のレジストリキーを開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
- 「System」キーを右クリックして「エクスポート」を選択し、レジストリのバックアップを保存しておきます。
- 右ペインで、「EnableLUA」を探してダブルクリックします。
- 値を「0」に書き換えて「OK」をクリックします。
- PCを再起動して変更を適用します。
グループポリシーまたはレジストリの設定を変更できたら、PCを再起動してからエラーが出るアプリを実行し問題が解決したか確認してください。
対処5: アプリを互換モードで実行する
アプリケーションが古く互換性に問題があることが原因で、「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、アプリを互換モードで実行することで、エラーが解決する可能性があります。アプリを互換モードで実行するには、以下の手順で設定を変更してください。
- 「アプリのアイコン」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「互換性」タブを開きます。
- 互換モードの項目で、「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックを入れます。
- セレクトボックスをクリックして「アプリが対応しているWindowsのバージョン」を選択します。
- 「OK」をクリックします。
アプリの設定を変更できたら、アプリを実行してエラーが発生しなくなったか確認してください。
対処6: 新しい管理者アカウントを作成する
サインインしているアカウントに管理者権限が付与されていないことが原因で、「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、管理者アカウントでサインインしていない場合は、新しくアカウントを作成してサインインすることで問題が解決する可能性があります。新しい管理者アカウントを作成するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「アカウント」をクリックします。
- 左ペインで「家族とその他のユーザー」をクリックします。
- 右ペインで「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリックします。
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックします。
- 「Microsoft アカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします。
- 「ユーザー名」と「パスワード」を入力して「次へ」をクリックします。
- 「追加されたユーザー」をクリックして「アカウントの種類の変更」をクリックします。
- 「アカウントの種類」を「管理者」に変更して「OK」をクリックします。
新しい管理者アカウントを作成できたら、現在使用しているアカウントからサインアウトして作成したアカウントにサインインしてください。サインアウトは、「Windowsマーク」→「ユーザーアイコン」→「サインアウト」の順にクリックします。
新しい管理者アカウントでサインインできたら、エラーが発生しなくなったか確認してください。
対処7: フォルダのアクセス許可設定を変更する
フォルダへのアクセス権が不足していることが原因で、ファイルやアプリの操作時に「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、フォルダのアクセス許可設定を変更することで、エラーが解決する可能性があります。フォルダのアクセス許可設定を変更するには、以下の手順で操作してください。
- 「エラーが出るアプリの実行ファイル(.exe)」があるフォルダを探します。
- 実行ファイルを探すには、エクスプローラーでアプリ名や実行ファイル名などで検索してください。
- 実行ファイルがあるフォルダを右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「セキュリティ」タブを開きます。
- 「編集」をクリックします。
- サインインしているユーザーを選択します。
- 「フルコントロール」の「許可」にチェックを入れます。
- 「適用」をクリックして「OK」をクリックします。
- 「OK」をクリックします。
フォルダのアクセス許可設定を変更できたら、ファイルまたはアプリの操作時にエラーが発生しなくなったか確認してください。
対処8: ハードドライブの所有権を取得する
ハードドライブの所有権に問題があることが原因で、ファイルまたはアプリの操作時に「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、ハードドライブの所有権を変更することで、エラーが解決する可能性があります。ハードドライブの所有権を変更するには、以下の手順で操作してください。
- エクスプローラーを開きます。
- 左メニューで「PC」を選択します。
- 右ペインのデバイスとドライブで「エラーが出るドライブ」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「詳細設定」をクリックします。
- 所有者の右の「変更」をクリックします。
- 選択するオブジェクト名に「Administrators」と入力して「OK」をクリックします。
- 「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェックを入れます。
- 「適用」をクリックしてから「OK」をクリックします。
- 「OK」をクリックします。
ハードドライブの所有権を変更できたら、ファイルまたはアプリの操作を行なってエラーが発生しなくなったか確認してください。
対処9: SFCスキャンを実行する
Windowsのシステムファイルが破損していることが原因で、ファイルやアプリの操作時に「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、SFCスキャンを実行してシステムファイルを修復することで、エラーが解決する可能性があります。SFCスキャンを実行するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが開いたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- システムファイルの問題が検出され自動で修復されます。コマンドの処理が完了するまで待ちます。
SFCスキャンを実行できたら、管理者特権のエラーが解決したか確認してください。
対処10: WindowsUpdateを実行する
Windowsやドライバーのバージョンが古く不具合があることが原因で、「要求された操作には管理者特権が必要です」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、WindowsUpdateを実行してシステムを最新の状態にすることで、エラーが解決する可能性があります。WindowsUpdateを実行するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウが開いたら、左ペインの「WindowsUpdate」を選択します。
- 右ペインの「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- 「ダウンロード」や「インストール」が表示されたら、クリックしてアップデートを進めます。
WindowsUpdateを実行できたら、管理者特権のエラーが解決したか確認してください。