「ルーターのファームウェアは更新した方が良い」とよく言われますが、ファームウェアの意味や更新方法が分からない方は多いと思います。
そんな方のために、本記事では利用者の多いBuffaloルーターのファームウェアの更新方法について紹介します。
ファームウェアの更新が終わらなかったり、失敗する時の対処法も紹介するので併せて参考にしてみてください。
この記事の内容
ルーターのファームウェアとは?
ファームウェアはルーターを制御するためのソフトウェアです。ルーターに組み込まれた各種装置や部品を制御し、ルーターがルーターとして機能するようにするのがファームウェアの役割です。
WindowsでもWord、Excelなどのことをソフトウェアと言うように、ルーターのファームウェアも実態のあるハードではなくプログラムコードによって作られたソフトウェアです。
"ファームウェアを更新する"ということは、ルーター内のソフトウェアを最新の状態にアップデートするという意味になります。
必要?ファームウェアを更新しないとどうなる?
ファームウェアの更新はパソコンやスマホのOSアップデートに似ています。
ファームウェアを更新せず、古いバージョンのまま放っておいたからといってすぐに使えなくなってしまったり、故障してしまったりすることはありません。
ただし、ファームウェアをアップデートすることで以下のようなメリットがあります。
- ルーターの不具合の改善
- ルーターの機能の改良・拡張
- セキュリティの向上
- インターネットの通信速度の向上・安定化
ファームウェアを更新することで、ルーターがより安定して使いやすくなります。
ファームウェアを更新しないデメリット
逆にファームウェアアップデートを行わないと以下のようなデメリットがあります。
- インターネットに繋がらない
- 通信が途切れる・安定しない
- セキュリティ上の問題点が改善されない
特に近年ではルーターを狙ったサイバー攻撃も増えています。ファームウェアを更新しないことで改善するはずの脆弱性がそのまま残ってしまうので、ハッキングなどの被害に遭うリスクも高まってしまいます。
こういった理由からなるべくファームウェアの更新は行うようにし、常に最新のバージョンにしておくのが良いと言えるでしょう。
ファームウェアの更新手順
Buffaloルーターのファームウェアのアップデート手順を解説しましょう。なお、今回解説する設定方法はバッファローのルーターWSRシリーズを対象としています。それ以外の機種では操作が若干異なる場合がありますのでご注意ください。
更新方法はいくつか用意されていますが、今回はWindows 10のパソコンを使用し、オンラインバージョンアップを利用してアップデートを行う手順を解説します。
AirStation設定ツールをインストールする
- 『ソフトウェア ダウンロードサービス - BUFFALO』へアクセスします。
- 「エアーステーション設定ツール(Ver.2)」をクリックします。
- 利用許諾の内容を確認し、「ダウンロードソフトウェア使用許諾契約に同意してダウンロードする」をクリックします。
- インストーラのダウンロードが始まります。処理完了までしばらく待ちます。
- ダウンロードが完了したら「実行」ボタンをクリックしてダウンロードしたインストーラを起動します。またはブラウザのダウンロードフォルダを開き、先ほどダウンロードしたファイルを探しダブルクリックで実行します。
- インストーラが起動します。内容を確認しながら「次へ」をクリックし、読み進めていきます。
- 「インストール」をクリックし、インストールを開始します。
以上でAirStation設定ツールのインストールは完了です。AirStation設定ツールのインストールが完了するとデスクトップに「エアステーション設定ツール」というアイコンが追加されます。
ルーターの設定画面を開く
AirStation設定ツールをインストールしたら、ルーターにログインして設定画面を開きます。
- 「エアステーション設定ツール」をダブルクリックで起動します。
- AirStation設定ツールが起動します。「次へ」をクリックします。
- しばらくルーターの検索が行われた後、リストに検出されたルーター一覧が表示されます。ファームウェアの更新を行いたいルーターをクリックして選択状態にし、「次へ」をクリックします。
*もし複数ルーターが表示された場合は、現在使用しているルーターの機器側面にあるラベルを確認し、ネットワーク名(SSID)を照らし合わせて判別します。 - 「設定画面を開く」をクリックします。
- ブラウザで認証画面が出たら[ユーザー名]と[パスワード]を入力したら「ログイン」をクリックします。
ユーザー名とパスワードは、設定を変更していなければユーザー名は「admin」、パスワードは「password」が初期状態で設定されているはずです。
機種によっては別のパスワードが設定されていることがあります。その場合はルーターのセットアップカードまたは本体のラベルにユーザー名とパスワードが記載されているので、確認し認証を行って下さい。
ファームウェアアップデートを行う
ルーターの設定画面を開いたらファームウェアのアップデートを行います。
- 上部のアイコンの中にある「i」マークを確認します。もし点滅しているようであればアップデートが可能なのでアイコンをクリックします。点滅していなければ既にファームウェアが最新の状態になっているのでアップデートは不要です。
- アップデートを行う場合は、「i」マークをクリックしたあと「To firmware update screen」をクリックします。
- 利用可能アップデートの一覧が表示されます。「バージョン」の数字が1番高いものを探し、「選択」のチェックボックスにマークを入れます。バージョンを選択したら「更新実行」をクリックします。
- ファームウェアアップデートが開始します。無事に完了するまでしばらく待ちます。
もしこの手順通りに操作してもアップデートができない・途中で止まってしまうという場合は、次の項の対処法をお試しください。
ファームウェアの更新はいつ?自動更新設定
ファームウェアの更新は、メーカーがルーターの問題点や改善点を発見してから提供されるため、決まった時期に提供されるわけではありません。
そのため、ファームウェアの更新がメーカーから提供されていないか定期的にチェックする必要があります。
ただし、最近の機種によってはファームウェアを自動更新できるルーターも増えています。ルーターの設定を確認してファームウェアの自動更新を有効にしておくことをおすすめします。
ファームウェアを自動更新する設定手順
BuffaloのWSRシリーズのルーターで自動更新を設定するには、以下の手順で行います。ファームウェアのバージョンによっては、手順や項目名が異なる場合があります。
- 「エアステーション設定ツール」を開いて、一覧からルーターを選択します。
- 「詳細設定」をクリックして「管理」→「ファームウェア更新」の順に選択します。
- 「拡張設定」をクリックします。
- 「ファームウェア自動更新機能」のリストボックスで「全ての更新を行う」を選択して「設定」をクリックします。
ファームウェア自動更新機能は、アップデートの内容によって自動更新をするか選択できますが、特別な理由がない限り「全ての更新を行う」にしておくことをおすすめします。
また、ファームウェアの更新が行われている間は、通信が不安定になることがあるため、「更新時刻」はインターネットをよく使う時間帯を避けて設定しましょう。
アップデートが終わらない・失敗する時の対処法
ファームウェアのアップデートが終わらなかったり、エラーが起きて更新に失敗してしまう場合は以下の対処法をお試しください。
設定する端末の接続状態を確認する
設定をしようとしているパソコンの接続状態が不安定だと、アップデートに時間がかかってしまう、途中でエラーが発生してしまうなどの原因になります。
安定した通信を確保するため、できればパソコンをルーターと有線で接続した状態でファームウェアアップデートを行います。スマホを使って無線経由で設定する場合は、なるべくルーターに近い場所で操作を行って下さい。
また、別の端末で操作を行うとアップデートが成功しやすくなることがあります。
機器を再起動する
モデムやONU、CTUなど、ルーターを接続しているすべての機器を再起動します。電源を切る時は電源をOFFにするか、電源ボタンがない場合はそのまま電源コンセントからアダプタを抜きます。
そして再起動する際はモデム/ONU/CTUを再起動してからルーターを再起動、というようにパソコンやスマホなどの端末から遠い方の機器から順に電源を入れていきます。
また、電源をいれる際は一気にすべての電源を入れるのではなく、1つの機器の電源を入れたら3分ほど待ってから次の機器の電源を入れます。
手動更新でアップデートする
オンラインバージョンアップの方法でファームウェアのアップデートができない場合は、手動更新を行うことで無事にアップデートできることがあります。
手動更新を行うにはパソコンからの操作が必要になるのでご注意ください。
- Buffalo公式ページ『ソフトウェアダウンロード』ページにアクセスしてルーターの機種を選択します。
- ソフトウェアのダウンロードは「こちら」をクリックします。
- 「Download」ボタンをクリックしてファームウェアがダウンロードします。
- 「エアステーション設定ツール」のルーターの設定画面を開いて「詳細設定」をクリックします。
(*設定画面の開き方は『ルーターの設定画面を開く』を参考にしてください。) - 「管理」→「ファームウェア更新」をクリックします。
- 「更新方法」が「ローカルファイル指定」になっていることを確認します。
- 「ファームウェアファイル名」の「参照」をクリックして、ダウンロードしたファームウェアのファイルを指定します。
- 「更新実行」をクリックするとファームウェアの更新が始まります。
以上の手順でファームウェアを手動で更新することができます。更新が正常に行われるか確認しましょう。
また、『Buffalo公式ページのQ&A』でも手動更新について詳しく紹介されているので、手順をより詳しく見たい方は併せて参考にしてみてください。
ルーターを初期化する
ファームウェアの更新がどうやっても失敗してしまう場合は、ルーターの初期化で問題が改善することがあります。
ルーターの電源を入れた状態のまま、ルーター機器の底面にある「RESET」スイッチを3秒以上長押しします。
「POWER」ランプが緑色に変わったら初期化は完了です。初期化後は再度インターネット設定を行ってから、ファームウェアの更新を行って下さい。