iPhoneを自宅や会社のWi-Fiに接続しようとすると、突然「パスワードが違います」というエラーが表示され接続できないことがあります。
場合によっては、Wi-Fiの正しいパスワードを入力しているのにエラーが出るケースもあります。
この記事では、iPhoneでWi-Fi接続時に「パスワードが違います」というエラーが出る場合の対処法を紹介します。
単純な入力間違い以外の原因も考えられるため、紹介する内容を参考にしてみて下さい。
この記事の内容
「パスワードが違います」のエラーが出る原因
iPhoneで、パスワードが違うエラーが表示されてWi-Fiに接続できない場合は、主に次のような原因が考えられます。
- 入力したパスワードが間違っている
- 接続しようとしているネットワークが間違っている
- iPhoneのWi-Fiアシスト機能が影響している
- iPhoneのネットワーク設定に不具合が発生している
- Wi-Fiの電波が弱い
- ネットワーク機器側に不具合が発生している
- iOSに不具合が発生している
単純なパスワードの入力ミス以外にも、正しいパスワードを入力していても、その他の原因によってWi-Fiに接続できないケースがあります。
原因ごとの対処方法を紹介していくので、順にWi-Fi接続できるようにならないか試してみて下さい。
対処1: 正しいWi-Fiのパスワードを入力する
エラー表示のとおり、入力したWi-Fiのパスワードが単純に間違っているケースが考えられます。
まず最初にWi-Fiの正しいパスワードを確認してから、再度接続を試してみて下さい。
Wi-Fiの正しいパスワードはルーターの設定画面で確認できるケースが多いです。設定画面でパスワードを確認してから接続する手順は次の通りです。
- Wi-Fiルータに接続できている他の端末(PCやスマホ)からルータの管理画面にアクセスしてログインします。
- ルータの管理画面は、ブラウザでアドレスバーにルータのローカルIP(192.168.x.x)を入力してアクセスすると開ける場合が多いです。
- ルーターのメーカーによって管理画面の開き方が異なるため、使っているルーターのマニュアルを参考にして下さい。
- ルータのWi-Fi設定画面が開きます。Wi-Fi設定画面に表示されている「暗号化キー」を確認します。
- 暗号化キーが表示されない場合は、新しく暗号化キーを再設定して下さい。
- iPhoneで「設定」→「Wi-Fi」をタップします。
- 「Wi-FiのSSID」をタップして、確認した暗号化キーを入力して接続を試します。
ルーターの設定画面を開かなくても、ルーター背面などに初期パスワードが記載されたシールが貼ってある場合もあります。
ただし、記載されているパスワードは、あくまでも初期パスワードです。そのため、パスワードを変更した覚えがある場合は、ルータの管理画面で確認することをおすすめします。
対処2: 接続するSSIDが正しいか確認する
正しいパスワードを確認して入力したのにもかかわらず接続できないケースもあります。この場合は、まず接続しようとしているSSIDが正しいか確認して下さい。
Wi-Fiルーターによっては複数のSSIDが存在する場合もあります。Wi-FiのパスワードはSSIDごとに設定する必要があるため、同じルータであっても違うSSIDのパスワードでは接続できません。
そのため、接続しようとしているSSIDと対応したパスワードを入力しているか確認して下さい。
Wi-FiルーターのSSIDを確認するには、次の2つの方法があります。
- ルーター背面のシールに記載してあるSSIDを確認します。
- ルーターの設定画面で、「Wi-Fi」の設定に表示されるSSIDを確認します。
- ルーターの設定画面の開き方は、『対処1: 正しいWi-Fiのパスワードを入力する』の内容を参考にしてください。
SSIDを確認できたら、iPhoneの「設定」→「Wi-Fi」のネットワークに表示されるSSID一覧で、完全に一致するSSIDをタップして接続を行って下さい。
対処3: iPhoneを再起動する
Wi-FiのSSIDとパスワードを確認しても接続が失敗してしまう場合は、iPhone側に不具合があるか一時的なエラーが発生していることが考えられます。
そのため、iPhoneを一度再起動してみて下さい。iPhoneの再起動の手順は次の通りです。
- ボリューム調整ボタンとサイドボタンを長押しします。
- 表示されるパワーオフスライダをスライドして電源を切ります。
- ホームボタンが搭載されているタイプのiPhoneの場合は、サイドボタンかトップボタンを長押しするとパワーオフスライダが表示されます。
- 電源が切れたらサイドボタンを長押しして電源を投入します。
iPhoneの再起動が完了したら、再度Wi-Fiに接続できないか確認してください。
対処4: 周波数を変更する
iPhoneが接続するWi-Fiの周波数を変更すると正常に接続ができるケースがあります。
最近のルーターは、2.4Ghzと5Ghzの周波数のWi-Fiが搭載されているケースが多いです。
Wi-Fiの周波数は、SSIDの名称の2Gと5Gで判断できます。
- 2.4GhzのSSID: 0000XXX-2G 等
- 5GhzのSSID: 0000XXX-5G 等
上記のような異なる周波数のSSIDが存在する場合は、別の周波数のWi-Fiに接続できないか試して下さい。
- 2.4GhzのWi-Fiに接続できない場合 → 5GhzのWi-Fiへの接続を試します。
- 5GhzのWi-Fiに接続できない場合 → 2.4GhzのWi-Fiへの接続を試します。
対処5: Wi-Fiの電波状況を改善する
Wi-Fiの電波状況が悪いと正しいパスワードを入力していても、「パスワードが違います」のエラーが表示されるケースがあります。
そのため、Wi-Fiの電波状況が悪い場合は、できるだけWi-FルーターにiPhoneを近づけた状態で接続を試して下さい。
場所によってWi-Fi接続時に「パスワードが違います」のエラーが表示されたり、通信が安定しない場合は、次のページも併せて参考にして下さい。
対処6: ネットワークとワイヤレスを無効にする
iOSの位置情報サービスのネットワークとワイヤレス機能が有効になっていると、パスワードが一致していてもWi-Fiの接続ができない不具合が発生するケースがあります。
そのため、iPhoneのネットワークとワイヤレス機能を無効化して正常に接続できるようにならないか確認して下さい。
- 「設定」→「プライバシー」を開きます。
- 「位置情報サービス」をタップします。
- 「システムサービス」をタップします。
- 「ネットワークとワイヤレス」のスイッチを「オフ」に変更します。
設定が変更できたら、再度Wi-Fiへの接続を試して下さい。改善しない場合は、設定を元に戻して下さい。
対処7: Wi-Fiアシストを無効にする
iOSのWi-Fiアシスト機能が原因で、Wi-Fiへの接続が不安定になるケースがあります。
そのため、次の手順でWi-Fiアシスト機能をオフにしてから、Wi-Fiへの接続を試して下さい。
- 「設定」→「モバイル通信」をタップします。
- 下までスクロールして「Wi-Fiアシスト」のスイッチを「オフ」に変更します。
対処8: ネットワーク機器を再起動する
iPhoneの再起動や設定変更を行ってもWi-Fiに正常に接続できない場合は、ネットワーク機器に一時的な問題が起きていることが考えられます。
そのため、ネットワーク機器の再起動を行うことでWi-Fiに接続できる可能性があります。
再起動すべきネットワーク機器は次のとおりです。
- ONU・ゲートウェイルーター(ホームゲートウェイの場合は一体型)
- Wi-Fiルーター
- 中継機(設置している場合)
- スイッチングハブ(設置している場合)
基本的にネットワークに接続している機器は全て再起動することをおすすめします。それぞれの機器の再起動方法は次のとおりです。
ネットワーク機器 | 再起動方法 |
---|---|
ONU・ゲートウェイルーター | 本体に搭載されている再起動ボタンを押すか、電源ケーブルを抜いて再度挿します。 |
Wi-Fiルータ | 電源ケーブルを抜いて再度挿します。 |
中継機 | 電源ボタンを押して電源を切り、再度投入します。 |
スイッチングハブ | 電源ケーブルを抜いて再度挿します。 |
すべてのネットワーク機器の再起動ができたら、再度iPhoneがWi-Fiに接続できないか試して下さい。
対処9: iPhone側のWi-Fiの設定をやり直す
Wi-Fiに接続しているデバイスの中でiPhoneだけが正常に接続できない場合は、iPhoneに設定したWi-Fi情報に問題があることが考えられます。
特に以前まで接続できていたWi-Fiでパスワードが異なるエラーが出た場合は、iPhone側のWi-Fi設定を一旦削除して再度設定を行うことをおすすめします。
iPhoneでWi-Fiを再設定する手順は次のとおりです。
- 設定アプリを起動します。
- 「Wi-Fi」をタップします。
- 設定を削除したいSSIDをタップします。
- 最上部に表示される「このネットワーク設定を削除」をタップします。
- ポップアップに表示される警告文を確認し、「削除」をタップします。
- 再び設定アプリに戻って「Wi-Fi」をタップします。
- 一覧に表示されているSSIDから接続したいものを選択します。
- SSIDステルスを利用している場合は「その他」をタップして手動でSSIDを入力します。
- Wi-Fiのパスワード(暗号化キー)を入力して「接続」をタップします。
- SSIDにチェックが付き、ディスプレイ上部にWi-Fiのアイコンが表示されたら完了です。
iPhone側の原因不明なエラーが原因になっている場合は再設定すると直ることが多いため、前述した再起動とあわせて試してみてください。
対処10: ネットワーク設定をリセットする
ここまでの対処方法を試してもパスワードが違うエラーが出る場合は、iPhoneのネットワーク設定に原因不明の問題が起きていることが考えられます。
そのため、iPhoneのネットワーク設定を全てリセットしてから、Wi-Fiへの接続を試して下さい。
iPhoneのネットワーク設定のリセットは、次の手順で操作します。
- 「設定」→「一般」の順にタップします。
- 「リセット」をタップします。
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップします。
- 「パスコード」を入力します。
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップします。
以上で、iPhoneのネットワーク設定がリセットできます。再度Wi-Fiに接続してパスワードの入力を試して下さい。
対処11: Wi-Fiルータの設定をリセットする
iPhone側の設定をリセットしても接続できない場合は、Wi-Fiルーター側の設定に問題があることが考えられます。
Wi-Fiルーター側に設定トラブルが考えられる場合は、設定のリセットを試して下さい。
Wi-Fiルーターの設定は、次のいずれかの方法でリセットすることができます。
- ルーター背面などにあるResetボタンを爪楊枝やボールペンで押す。
- ブラウザでルータの管理画面にアクセスして「リセット」や「工場出荷時の設定に戻す」ボタンを押す。
Wi-Fiルーターのリセット方法はメーカーによって異なります。リセット方法がわからない場合は、メーカーのマニュアルを参考にして下さい。
Wi-Fiルーターをリセットできたら必要な初期設定を済ませて、iPhoneから再度Wi-Fiへの接続を試して下さい。
対処12: iPhoneをファクトリーリセットする
ここまでの対処方法を全て試してもパスワードが違うエラーが出る場合は、iPhoneのファクトリーリセット(初期化)を検討してみてください。
特にiPhoneだけにWi-Fi接続時にエラーが出る場合は、iOSに不具合が起きていることが考えられます。
ファクトリーリセットを行うとiPhoneが初期状態に戻るため、修復できないシステムエラーをリセットすることができます。
iPhoneをファクトリーリセットする詳しい手順については、次のページを参考にして下さい。