Androidのスマホやタブレットでは、普段のロック画面の解除やアプリケーションの起動やログインに指紋認証を使用することができます。
しかし、指紋認証を使おうとした際に「指紋ハードウェアは使用できません」のエラーが発生して、指紋認証が利用できない場合があります。このエラーが発生すると指紋認証を使えず、別の認証方法に切り替えなければなりません。
本記事では、Androidデバイスで「指紋ハードウェアは使用できません」のエラーが発生した時の解決方法について詳しく解説します。
この記事の内容
「指紋ハードウェアは使用できません」エラーの原因
ロック画面の解除やアプリケーションの起動時に「指紋ハードウェアは使用できません」のエラーが発生する場合、主に次のような原因が考えられます。
- Androidに一時的なシステムエラーが発生している
- キャッシュパーティションのデータに問題が起きている
- Androidのバージョンが古く不具合がある
- 指紋の登録情報に問題がある
- システムファイルに修復できない問題が起きている
- 必要なアプリが起動していない、または他のアプリの機能が干渉している
- 指紋認証センサーを含むハードウェアの故障
指紋認証のハードウェアが故障していることも考えられますが、多くの場合は一時的なシステムエラーやキャッシュパーティションの問題が考えられます。
故障していない限り簡単な対処方法でエラーを解決することができるため、順に指紋認証のエラーが解決しないか試してみてください。
対処1: デバイスを再起動する
正常に指紋認証が使えていたのに突然「指紋ハードウェアは使用できません」のエラーが発生した場合は、Androidのシステムに一時的なエラーが発生していることが考えられます。
そのため、最初にシステムエラーをリセットするために、Androidデバイスの再起動を試してください。再起動を行うには、電源ボタンを2~3秒長押しして「再起動」を選択します。
再起動後に指紋認証を使用し、問題なく動作するか確認します。デバイスの再起動を行なってもエラーが解決しない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処2: デバイスを強制的に再起動する
デバイスの再起動で「指紋ハードウェアは使用できません」のエラーが解決しない場合は、強制再起動を行うことでエラーが解決する場合があります。
強制再起動の方法はデバイスの機種によって異なるため、以下の手順を参考にしてください。
- Xperiaの場合:
「音量アップボタン」と「電源ボタン」を同時に8秒以上長押しして、3回振動したら離します。 - Galaxyの場合:
「音量ダウンボタン」と「電源ボタン」を同時に7秒以上長押して離します。 - AQUOSの場合:
「電源ボタン」を8秒以上長押しして、デバイスが振動したら離します。 - Pixelの場合:
「電源ボタン」を30秒以上長押しして、画面が切り替わったら離します。 - HUAWEIの場合:
「電源ボタン」を8秒以上長押しして離します。
デバイスを強制再起動できたら、指紋認証ハードウェアのエラーが表示されなくなったか確認してください。
対処3: キャッシュパーティション内のデータを削除する
Androidのキャッシュパーティション内のデータに問題があることが原因で、「指紋ハードウェアは使用できません」のエラーが発生することがあります。
そのため、デバイスをリカバリモードで起動してキャッシュパーティションを削除してみてください。
リカバリモードでキャッシュパーティションを削除するには、次の手順で操作します。
- Androidデバイスの電源を切ります。
- 以下のいずれかの方法でリカバリモードを起動します。起動方法が分からない場合は、マニュアルを参考にしてください。
- 「電源ボタン」 + 「音量アップボタン」を同時に長押しします。
- 「電源ボタン」 + 「音量ダウンボタン」を同時長押しします。
- 「電源ボタン」 + 「音量アップボタン」 + 「ホームボタン」を同時に長押しします。
- リカバリモードが起動したら、「wipe cache partition」を実行します。
- 「音量ボタン」でメニューを選択して、「電源ボタン」で決定してください。
- 「reboot system now」を実行してデバイスを再起動します。
上記の手順でAndroidのキャッシュパーティションを削除できたら、再起動後に指紋認証ハードウェアのエラーが解決したか確認してください。
対処4: アップデートを実行してAndroidを最新版にする
使用しているAndroidのシステムのバージョンに不具合があることが原因で、「指紋ハードウェアは使用できません」のエラーが発生することがあります。
そのため、システムのアップデートを実行して、指紋認証のエラーが解決しないか確認してみてください。Androidを最新版にアップデートするには、次の手順で操作します。
- 「設定」アプリを起動します。
- 「システム」→「システムアップデート(またはソフトウェア更新)」をタップします。
- 項目が見つからない場合は、「システム」→「詳細設定」→「システムアップデート」の順にタップします。
- アップデートが見つかったら「ダウンロードおよびインストール」をタップします。
- 「ソフトウェアは最新です」と表示される場合は、アップデートが提供されていないため次の対処に進んでください。
Androidを最新のバージョンにアップデートできたら、指紋認証のエラーが解決したことを確認してください。
対処5: 指紋を再登録する
登録されている指紋情報に問題があることが原因で、「指紋ハードウェアは使用できません」のエラーが発生することがあります。
そのため、指紋を再登録してエラーが解決しないか確認してみてください。指紋を再登録するには、次の手順で操作します。
- 「設定」アプリを起動します。
- 「ロック画面とセキュリティ(または生体認証とセキュリティ)」をタップします。
- 「指紋認証」をタップします。
- パスコードの入力画面が表示された場合は、デバイスのパスコードを入力します。
- 登録されている指紋の右側にある「ゴミ箱アイコン」をタップして削除します。
- 「指紋を追加」をタップします。
- 案内に従って指紋を再登録します。
上記の手順で、指紋を再登録することができます。再設定時に正しく登録できる場合は指紋センター自体は正常に動作していると判断できます。
指紋を再登録できたら、再度指紋認証の画面を表示し、エラーが発生しないことを確認してください。
指紋認証を登録しようとするとエラーが発生したり、「指紋認証」の項目が表示されない場合は、次の対処法に進んでください。
対処6: 指紋センサーの動作テストを行う
Galaxyのスマホなどの一部のデバイスでは、シークレットコードを入力してハードウェアの動作テストを行うことができます。
そのため、可能であれば指紋ハードウェアのセンサーが正しく反応するか動作テストを行ってください。指紋ハードウェアの動作テストを行うには、次の手順で操作します。
- 標準でインストールされている「電話」アプリを起動します。
- シークレットコード「*#0*」を入力して「通話アイコン」をタップします。
- 機種によっては、「*#*#7378423#*#*」から指紋認証センサーの動作テストを行える場合もあります。
- 「Sensor」→「Fingerprint Scanner Test」の順にタップします。
- 指紋センサーに指を置いて、正常に反応するか確認します。
上記のテストで指紋ハードウェアのセンサーが反応しない場合は、センサーが故障している恐れがあります。
デバイスが古い場合は買い替えを、デバイスを使い続ける場合はメーカーサポートに連絡して修理を依頼することを検討してください。
指紋ハードウェアのセンサーが正常に反応する場合は、続けて以降の対処方法を試してください。
対処7: アプリの設定をリセットする
インストールしているアプリが指紋認証の機能に干渉していたり、必要なシステムアプリを無効化していることが原因で、指紋認証ハードウェアのエラーが発生しているケースが考えられます。
そのため、アプリの設定を一旦全てリセットして、エラーが解決しないか確認してみてください。
アプリの設定をリセットすると、手動で無効化していたアプリが有効化されるので、必要なシステムアプリを無効化していた場合に有効です。設定のリセットを行なっても、アプリのデータが削除されることはありません。
アプリの設定をリセットするには、次の手順で操作します。
- 「設定」アプリを起動します。
- 「アプリと通知」をタップします。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」をタップします。
- 「アプリの設定をリセット」をタップします。
- 確認画面が表示されたら「リセット」をタップします。
以上の手順で、全てのアプリの設定が一括でリセットされます。アプリの設定のリセットが完了したら、指紋認証のエラーが解決したか確認してください。
対処8: ファクトリーリセットを実行する
ここまでの対処法を試しても指紋ハードウェアのエラーが解決しない場合は、Androidのシステムファイルに修復できない問題が発生していることが考えられます。
そのため、ファクトリーリセットを実行して、デバイスを初期状態に戻してエラーが解決しないか確認してみてください。
ファクトリーリセットを行うとデバイス内のデータが全て削除されるため、必要なデータのバックアップを行なってから実行してください。
Androidデバイスをファクトリーリセットするには、次の手順で操作します。
- デバイスの電源を切って、リカバリモードを起動します。
- リカバリーモードの手順は、『対処3: キャッシュパーティション内のデータを削除する』と同様です。
- 「wipe data/factory reset」を選択して実行します。
- 「音量ボタン」でメニューを選択して、「電源ボタン」で決定してください。
- ファクトリーリセットが完了するとデバイスが初期状態で起動します。必要な初期設定を行ってください。
以上の手順で、Androidデバイスを初期状態に戻すことができます。
初期化が完了したら、『対処5: 指紋を再登録する』と同じ手順で指紋を登録し直して、エラーが解決したことを確認してください。