PCで「バックアップと同期」アプリを起動してGoogleドライブを同期しようとしても、同期中のまま処理が終わらないケースがあります。
また、特定のファイルで同期が止まったり、他のファイルが同期されても特定のファイルだけが同期されないケースもあります。
本記事では、Windows10/Macのバックアップと同期でGoogleドライブが同期しない時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
- 対処1: 同期を一時停止して再開する
- 対処2: バックアップと同期を再起動する
- 対処3: PCを再起動する
- 対処4: Googleドライブのサービス状況を確認する
- 対処5: 同期フォルダの設定を確認する
- 対処6: Googleアカウントからログアウトして再度ログインする
- 対処7: 帯域幅の設定を確認する
- 対処8: ストレージの空き容量を確認する
- 対処9: 「.tmp.drivedownload」フォルダを削除する
- 対処10: ネットワークの通信状況を確認する
- 対処11: フルディスクアクセスを許可する
- 対処12: ファイアウォールの設定で通信を許可する
- 対処13: 設定ファイルを削除する
- 対処14: バックアップと同期を再インストールする
- 対処15: desktop.iniを削除する
- 対処16: プロキシ設定を無効にする
- 対処17: ファイルパスを短くする
対処1: 同期を一時停止して再開する
Googleドライブとの同期処理に一時的な問題が発生していることが原因で、同期が終わらず完了しないケースがあります。
上記の問題は、同期を一時停止して再開するだけで解決する可能性があります。同期を一時停止するには、以下の手順で操作します。
- タスクバー(メニューバー)の「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- Windowsの場合は、上矢印をクリックしてタスクトレイを展開してからクリックしてください。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」→「一時停止」をクリックします。
- 同期が停止します。そのまま数秒待ちます。
- 再度「メニュー(3点アイコン)」を開いて、「再開」をクリックします。
バックアップと同期を再開できたら、同期が正常に進むようになったか確認してください。
対処2: バックアップと同期を再起動する
バックアップと同期のアプリケーションに一時的なエラーが発生していることが原因で、同期の処理が止まっているケースが考えられます。
そのため、アプリケーションを再起動して同期をやり直すことで、問題が解決する可能性があります。アプリケーションを再起動するには、以下の手順で操作してください。
- タスクバー(メニューバー)上の「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」→「バックアップと同期を終了」をクリックします。
- バックアップと同期が終了したら、通常の手順でアプリを起動します。
バックアップと同期のアプリケーションを再起動できたら、同期処理が進むようになったか確認してください。
対処3: PCを再起動する
再起動でリセットされないアプリケーションエラーが発生していたり、システムに一時的な問題が起きていることが原因で、バックアップと同期が同期しないケースが考えられます。
上記の問題は、PCを再起動することで解決する可能性があります。そのため、PCを一旦再起動してから、正常に同期が開始しないか確認してみてください。
PCを再起動してもバックアップと同期の同期が開始しない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処4: Googleドライブのサービス状況を確認する
Googleドライブのサービスに障害が発生していることが原因で、バックアップと同期が同期できないケースが考えられます。
そのため、Googleドライブのサービスの稼働状況に障害が起きていないか確認してください。サービスの稼働状況は、以下のページで確認することができます。
Googleドライブのステータスが障害になっている場合は、ユーザー側で対処することはできないため、サービスの復旧が完了するまで待ってください。
対処5: 同期フォルダの設定を確認する
一部のフォルダ内のデータのみが同期されない場合は、同期フォルダの設定に問題があることが考えられます。
Googleのバックアップと同期では、同期するフォルダを選択することができるため、同期するフォルダ設定に問題がないか確認してみてください。
同期するフォルダ設定を確認して変更するには、以下の手順で操作してください。
- タスクバー(メニューバー)上の「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」→「設定」をクリックします。
- 左ペインで「マイコンピュータ」を選択していることを確認します。
- 右ペインの「Googleドライブに継続的にバックアップするフォルダを選択」の項目で、同期したいフォルダにチェックが入っていることを確認します。
- 左ペインで「Googleドライブ」を選択します。
- 右ペインで「マイドライブをこのパソコンに同期」にチェックが入っていることを確認します。
- 同じく右ペインで「マイドライブ内のすべてを同期」を選択していること確認します。
- 「これらのフォルダのみ同期」を選択している場合は、同期したいフォルダにチェックが入っていることを確認します。
- 設定を変更した場合は「OK」をクリックします。
同期するフォルダ設定を変更した場合は、設定変更後に正常に同期できるようになったか確認してください。
対処6: Googleアカウントからログアウトして再度ログインする
Googleアカウントのログイン状況に何らかの問題が起きていることが原因で、バックアップと同期が正常に同期しないケースも考えられます。
そのため、Googleアカウントから一度ログアウトし、再度ログインして同期の問題が解決しないか確認してみてください。具体的な手順は以下の通りです。
- タスクバー(メニューバー)に表示されている「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」をクリックし、「設定」を選択します。
- 左ペインで「設定」を選択します。
- 「アカウントの接続を解除」→「接続を解除」の順にクリックします。
- 再度「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- 表示される指示にしたがってGoogleアカウントでログインします。
- 同期の設定を行って、「開始」をクリックします。
Googleアカウントに再度ログインできたら、同期処理が正常に進むようになったか確認してください。
対処7: 帯域幅の設定を確認する
バックアップと同期の設定でダウンロード、またはアップロードの帯域幅を制限していると、同期が遅くなったり終わらないケースがあります。
そのため、帯域幅を設定している場合は、制限を解除して同期が正常に進まないか確認してみてください。帯域幅の制限を解除するには、以下の手順で操作します。
- タスクバー(メニューバー)に表示されている「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」をクリックし、「設定」を選択します。
- 左ペインで「設定」を選択します。
- 右ペインで「ネットワークの設定」をクリックします。
- 帯域幅の設定で、「ダウンロード速度」と「アップロード速度」を「制限なし」に変更して「OK」をクリックします。
- 「OK」をクリックして設定ウィンドウを閉じます。
帯域幅の設定を変更できたら、同期の処理が正常に進むようになったか確認してください。
対処8: ストレージの空き容量を確認する
Googleドライブ、またはPCのストレージの空き容量が不足していることが原因で、同期が終わらないケースが考えられます。
そのため、GoogleドライブとPCのストレージの空き容量が十分にあるか確認してください。
Googleドライブの空き容量を確認する
- タスクバー(メニューバー)に表示されている「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- メールアドレスの下に「XXGB/15GBを使用中」の形式で使用量が表示されます。
- 無料プランの場合は15GBが上限です。上限を増やすには、有料プランに加入する必要があります。
PCのストレージの空き容量を確認する
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「システム」を選択します。
- 左ペインで「記憶域」をクリックします。
- 右ペインにディスクの使用量が表示されます。
- Macの場合:
- 上部のメニューバーで「Appleマーク」→「このMacについて」をクリックします。
- 「ストレージ」タブを開くと、ディスクの使用量が表示されます。
Googleドライブ、またはPCの空き容量が不足している場合は、不要なファイルを削除して空き容量を確保してください。
Googleドライブの場合は、ブラウザでウェブ上の『Googleドライブ』にアクセスしてファイルの削除を行なってください。ファイルの削除ができたら、ゴミ箱内のファイルも全て削除してください。
GoogleドライブとPCの空き容量を確保できたら、バックアップと同期を再起動して同期処理が正常に進むようになったか確認してください。
対処9: 「.tmp.drivedownload」フォルダを削除する
バックアップと同期では、同期の一時データを「.tmp.drivedownload」フォルダに保存する仕様になっています。
通常は「.tmp.drivedownload」フォルダは自動的に削除されますが、何らかの問題で一時データが削除されず肥大化して同期に問題が起きる場合があります。
そのため、「.tmp.drivedownload」フォルダを削除して問題が解決しないか確認してみてください。具体的な手順は、以下の通りです。
- タスクバー(メニューバー)に表示されている「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- 「Googleドライブフォルダを開く(フォルダアイコン)」をクリックして、Googleドライブフォルダを開きます。
- 隠しファイルを表示します。
- Windowsの場合: エクスプローラーの上部メニューで「表示」をクリックし、「隠しファイル」にチェックを入れます。
- Macの場合: 「Command + Shift + .(ドット)」キーを同時に押します。
- 「.tmp.drivedownload」フォルダを右クリックして「削除」を選択します。
- ゴミ箱を空にすることで、PCのストレージの空き容量を確保することもできます。
「.tmp.drivedownload」フォルダを削除できたら、バックアップと同期を再起動して同期ができるようになったか確認してください。
対処10: ネットワークの通信状況を確認する
PCのネットワークの通信状況に問題が起きていることが原因で、バックアップと同期が正常に同期しないケースが考えられます。
そのため、ブラウザなどを開いてPCがインターネットに接続できていることを確認してください。
インターネットの接続に問題がある場合は、ルーターを再起動して問題が解決しないか確認してください。Wi-Fiの場合は電波が弱いケースが考えられるため、PCをWi-Fiルーターに近づけてみてください。
PCのインターネット接続の問題が解決しない場合は、以下のページも併せて参考にしてください。
対処11: フルディスクアクセスを許可する
Macの場合は、システムのセキュリティとプライバシー設定に問題があることが原因で、同期が正常にできないケースがあります。
そのため、セキュリティとプライバシー設定を確認して、バックアップと同期のフルディスクアクセスを許可してください。
バックアップと同期のフルディスクアクセスを許可するには、以下の手順で操作します。
- 上部メニューバーで「Appleマーク」→「システム環境設定」の順にクリックします。
- 「セキュリティとプライバシー」をクリックします。
- 「プライバシー」タブを開いて、左ペインで「フルディスクアクセス」をクリックします。
- 「鍵アイコン」をクリックしてパスワードを入力して「ロックを解除」をクリックします。
- 右ペインの一覧で「Googleのバックアップと同期」にチェックが入っていることを確認します。
- 「Googleのバックアップと同期」が登録されていない場合は、「+」をクリックしてアプリを登録してください。
セキュリティとプライバシー設定を変更できたら、バックアップと同期を再起動して同期の問題が解決したか確認してください。
対処12: ファイアウォールの設定で通信を許可する
システムまたはセキュリティソフトのファイアウォール機能によって通信がブロックされていることが原因で、バックアップと同期の同期処理が終わらないケースが考えられます。
そのため、システムまたはセキュリティソフトのファイアウォール設定を確認して、問題がある場合は変更してください。
Windowsの場合
標準のWindowsセキュリティを使用している場合は、以下の手順でバックアップと同期の通信を許可することができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「Windowsセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインで「ファイアウォールとネットワーク保護」をクリックします。
- 「ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリックします。
- 「設定の変更」をクリックします。
- 「別のアプリの許可」をクリックします。
- 「参照」をクリックし、以下のディレクトリの実行ファイルを選択して「開く」をクリックします。
C:\Program Files\Google\Drive\googledrivesync.exe
- 「追加」をクリックします。
- 一覧から追加した「googledrivesync.exe」の左のチェックボックスと「プライベート」「パブリック」にチェックを入れます。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
Macの場合
Macのシステムのファイアウォール設定で通信を許可するには以下の手順で操作します。
- 上部メニューバーで「Appleマーク」→「システム環境設定」の順にクリックします。
- 「セキュリティとプライバシー」をクリックします。
- 「ファイアウォール」タブを開いて、「鍵アイコン」をクリックしてパスワードを入力して「ロックを解除」をクリックします。
- 「ファイアウォールオプション」をクリックします。
- 「+」をクリックして「Googleのバックアップと同期」を選択して「追加」をクリックします。
- 「OK」をクリックします。
セキュリティソフトに通信を許可する方法は使用しているソフトによって異なるため、他のセキュリティソフトを使用している場合はマニュアル等を参考にしてください。
ファイアウォールの設定でバックアップと同期の通信を許可できたら、同期が正常にできるようになったか確認してください。
対処13: 設定ファイルを削除する
バックアップと同期の設定ファイルが破損していることが原因で、同期が進まず終わらないケースが考えられます。
そのため、バックアップと同期の設定ファイルを削除してリセットすることで、同期の問題が解決する可能性があります。
設定ファイルを削除するには、バックアップと同期を終了した状態で以下の手順で操作します。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 以下のフォルダパスと入力して「OK」をクリックします。
%LOCALAPPDATA%\Google\Drive
- 「user_default」フォルダを右クリックして「削除」します。
- Macの場合:
- Finderを開いて、上部メニューで「移動」→「フォルダへ移動」の順にクリックします。
- 以下のディレクトリパスを入力して「移動」をクリックします。
~/Library/Application Support/Google/Drive
- 「user_default」フォルダを右クリックして「ゴミ箱に入れる」を選択します。
設定ファイルを削除できたら、バックアップと同期を再度起動して同期が正常にできるか確認してください。
対処14: バックアップと同期を再インストールする
バックアップと同期の設定ファイルを削除しても問題が解決しない場合は、アプリケーションが破損していることが考えられます。
そのため、バックアップと同期のアプリケーションを修復するために再インストールを試してみてください。バックアップと同期を再インストールするには、以下の手順で操作します。
Windowsの場合
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインの一覧から「Backup and Sync from Google(バックアップと同期)」を選択して「アンインストール」をクリックします。
- 確認ポップアップが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- 案内に従ってアンインストールを完了します。
- アンインストールが完了したら、『Googleドライブの公式ダウンロードページ』から、最新のバックアップと同期のインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードした「installbackupandsync.exe」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- インストールウィザードにしたがってインストールを完了します。
Macの場合
- Finderを開いて「アプリケーション」フォルダを開きます。
- 「Googleのバックアップと同期」を右クリックして「ゴミ箱に入れる」を選択します。
- 『Googleドライブの公式ダウンロードページ』から、最新のバックアップと同期のインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードした「InstallBackupAndSync.dmg」をダブルクリックで起動します。
- インストールウィザードにしたがってインストールを完了します。
バックアップと同期を再インストールできたら、Googleアカウントのログインと初期設定を行なってください。初期設定ができたら、同期が正常にできるようになったか確認してください。
対処15: desktop.iniを削除する
Windowsの場合は、自動生成されるdesktop.iniファイルが原因で、バックアップと同期が正常に同期できないケースがあります。
そのため、以下の手順でdesktop.iniファイルを削除して、同期の問題が解決しないか確認してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を選択します。
- 左ペインで「PC」を選択して、右ペインの「デバイスとドライブ」で「ローカルディスク(C:)」をダブルクリックで開きます。
- 「ファイル」→「Windows PowerShellを開く」→「Windows PowerShellを管理者として開く」の順にクリックします。
- PowerShellが起動したら、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
Get-ChildItem -Force -Recurse -File -Filter "desktop.ini" | Remove-Item -Force
- コマンドが実行できたら、PowerShellを閉じます。
以上の手順で、Cドライブ内のdesktop.iniが全て削除されます。削除ができたらバックアップと同期を再起動して、同期の問題が解決したか確認してください。
対処16: プロキシ設定を無効にする
PCのプロキシ設定が有効になっていることが原因で、同期処理が完了しないケースがあります。
そのため、プロキシ設定を使用している場合は、バックアップと同期の設定でプロキシを無効にしてください。プロキシ設定を無効にするには、以下の手順で操作します。
- タスクバー(メニューバー)に表示されている「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」→「設定」に順にクリックします。
- 左ペインで「設定」をクリックします。
- 右ペインで「ネットワークの設定」をクリックします。
- プロキシの設定を「直接接続」に変更して「OK」をクリックします。
以上の手順で、プロキシ設定を無効化することができます。設定が変更できたら、同期が正常に進むようになったか確認してください。
対処17: ファイルパスを短くする
Windowsの場合は、ファイル名を含めたファイルパスの長さは260文字に制限されています。
そのため、Googleドライブ内のファイル名が長すぎたり、ファイルまでのフォルダの階層が深いと、同期中にエラーが発生して同期が失敗してしまいます。
ファイルパスの制限によって同期ができないファイルがある場合は、ファイル名またはファイルパスを短くしてください。