Mac同士で同じファイルやフォルダを共有したい時には、Macのファイル共有機能が便利です。
しかし、ファイル共有の設定を行なったMacに接続しようとしても「接続できませんでした」などのエラーが発生して、共有元のMacに接続できないケースがあります。また、特定のファイル/フォルダを開く際に「権限がありません」のエラーが発生して開けないケースもあります。
本記事では、Mac同士のファイル共有ができない、接続できない時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: ファイル共有を有効に設定する
Macのファイル共有の設定が無効になっていることが原因で、ファイルやフォルダを共有できないケースが考えられます。
そのため、ファイル共有の設定が有効になっているか確認してください。ファイル共有の設定は、共有する側と共有される側の両方のMacで行う必要があります。
ファイル共有の設定を有効にするには、以下の手順で操作してください。
- 「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「共有」をクリックします。
- 中央右にある「オプション」ボタンをクリックします。
- 「SMBを使用してファイルやフォルダを共有」にチェックを入れて、「完了」をクリックします。
- 左下のリストを確認し、「ファイル共有」にチェックを入れます。
- 中央の「共有フォルダ」リストに、「共有したいフォルダ」が追加されていることを確認します。
- 追加されていない場合は、リスト左下にある「+」ボタンをクリックしてフォルダを追加してください。
- 右の「ユーザ」リストに、共有相手の名前が表示されていることを確認します。
- 表示されない場合は、「+」ボタンをクリックして共有相手のユーザーを追加してください。
- 「ユーザ」リスト右側に表示されるアクセス権限を「読み/書き」に変更してください。
- 上記のアクセス権限は、相手のMacに対してファイルの操作を制限しない場合の設定です。
- 設定ウィンドウを閉じます。
以上の手順で、ファイル共有の機能を有効にすることができます。共有する側と共有される側のMacで設定ができたら、正常にファイル共有ができるようになったか確認してください。
対処2: ゲストユーザーの接続を許可する
ファイル共有で許可していないユーザーとファイルを共有したい場合は、ゲストユーザーの接続を許可する必要があります。
ただし、この設定を行うと同じネットワークに接続している全てのMacが共有フォルダを閲覧できる状態になる点に注意してください。
ゲストユーザーの接続を許可するには、共有する側のMacで以下の手順で設定を行います。
- 「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「ユーザとグループ」をクリックします。
- 画面左下の「鍵アイコン」をクリックしてロックを解除します。パスワードを求められたら、ログインパスワードを入力してください。
- 左リストの「ゲストユーザ」をクリックします。
- 「ゲストユーザに共有フォルダへの接続を許可」にチェックを入れます。
- 「鍵アイコン」をクリックしてロックをもとに戻します。
ゲストユーザーの接続を許可できたら、Mac間でファイル共有ができるようになったか確認してください。
対処3: Finderの場所設定を確認する
Finderのサイドバーにネットワークが表示されず共有フォルダに接続できない場合は、Finderの場所設定に問題があることが考えられます。
そのため、共有される側のMacでFinderの場所設定を確認して、無効になっている場所がある場合は有効にしてください。具体的な設定手順は、以下の通りです。
- Finderを開きます。
- 上部メニューの「Finder」をクリックして「環境設定」を選択します。
- 「サイドバー」タブを開きます。
- サイドバーに表示する項目の一覧が表示されたら、場所の「Bonjourコンピュータ」と「接続中のサーバ」にチェックを入れます。
- 設定ウィンドウを閉じます。
Finderの設定で上記の場所を有効にできたら、サイドバーの「ネットワーク」または「接続先のMac」から共有フォルダに接続できないか確認してください。
対処4: 再ログイン/再起動する
ファイル共有に関する設定が反映されていないことが原因で、Mac間でファイルを共有できないケースが考えられます。
そのため、ファイル共有の設定を正しく行っても共有ができない場合は、アカウントに再ログインするか、Macを再起動してみてください。
- アカウントに再ログインする: 「Appleマーク」をクリックして「(ユーザー名)をログアウト」を選択して、再度ログインします。
- Macを再起動する: 「Appleマーク」をクリックして「再起動」を選択します。
再ログインまたは再起動できたら、Mac間のファイル共有ができるようになったか確認してください。
対処5: セキュリティソフトを無効化する
セキュリティソフトのファイアウォール機能により、他のMacとのファイル共有の接続がブロックされてしまうことがあります。
そのため、サードパーティのセキュリティソフトをインストールしている場合は、一旦無効にした状態でファイル共有ができないか確認してみてください。
正常にファイル共有ができた場合は、セキュリティソフトのファイアウォールの設定でファイル共有を許可するか、セキュリティソフト自体をアンインストールすることを検討してください。
対処6: ファイル/フォルダの共有設定を確認する
共有したファイルやフォルダを開く際に「表示するためのアクセス権がないため、開けませんでした。」のエラーが出る場合は、ファイル/フォルダの共有設定に問題があることが考えられます。
そのため、共有する側のMacで共有できないファイルやフォルダの共有設定を確認して、問題がある場合は修正してください。共有設定を修正する手順は以下の通りです。
- Finderを開いて、「共有できないファイルまたはフォルダ」を探します。
- 「共有できないファイルまたはフォルダ」を右クリックして「情報を見る」を選択します。
- ファイル/フォルダの詳細情報が表示されたら、一番下までスクロールして「共有とアクセス権」の項目を展開します。
- 鍵アイコンをクリックしてロックを解除します。
- リストの左下にある「+」ボタンをクリックして、「共有相手のMacのユーザ名」を選択し、「選択」ボタンをクリックします。
- リストにユーザーを追加できたら、右側の「アクセス権」をクリックして「読み/書き」に変更します。
- 全てのユーザーに共有を許可する場合は、「everyone」のアクセス権を「読み/書き」に変更してください。
- 鍵アイコンをクリックしてロックを元に戻して、設定を終了します。
ファイル/フォルダの共有設定を修正できたら、別のMacから共有ファイルやフォルダを開けるようになったか確認してください。
対処7: ファイル共有の機能を修復する
macOS High Sierraでは、ファイル共有の機能に不具合が起きるケースがあります。
macOSのアップデートなどによってファイル共有の機能が使用できなくなった場合は、以下の手順で機能を修復してください。
- Finderを起動して、左ペインの「アプリケーション」フォルダを開きます。
- 「ユーティリティ」フォルダを開いて、「ターミナル」を起動します。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
sudo /usr/libexec/configureLocalKDC
- Macのパスワードを入力してEnterキーを押します。
- ターミナルを終了して、Macを再起動します。
ファイル共有の機能を修復してMacを再起動できたら、再度ファイル共有の接続ができないか確認してください。
対処8: ドロップボックスフォルダを使う
Macでは通常のファイル共有以外に、「パブリック」フォルダ内にある「ドロップボックス」フォルダを使用してファイルを送信することもできます。(*クラウドストレージサービスのDropboxとは異なるMac独自の機能です。)
ドロップボックスフォルダは、Finderで共有フォルダのようにファイルを送信できますが、送信側で編集や削除ができない状態になる点が異なります。単純に別のMacにデータを送信するだけであれば代用することができます。
ドロップボックスフォルダを使ってファイルを送信をするには、ファイルを送信する側のMacで以下の手順で操作してください。
- Finderを起動して、サイドバーから「送信先のMac名」をクリックします。
- 送信先のMacの「パブリック」→「ドロップボックス」フォルダを開きます。
- 「ドロップボックス」フォルダの中に、「送りたいファイル」をドラッグ(またはコピーペースト)します。
以上の手順で、ドロップボックスフォルダを使ってファイルを送信できます。送信したファイルは、受信側のMacの「ユーザー→ユーザー名→パブリック→ドロップボックス」フォルダから確認することができます。