ATI製のグラフィックボード/ビデオカードを搭載したWindowsのPCで、突然「Runtime error! Program: C:\Windows\System32\Atibtmon.exe」が発生するケースがあります。
このエラーは、PCを起動した際に毎回発生したり、PCの電源を抜いたタイミングで発生するケースがあります。エラーが発生してもPCの動作に問題はありませんが、毎回表示されると煩わしく感じると思います。
本記事では、Windows10/11でAtibtmon.exeのランタイムエラーが出る時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
Atibtmon.exeとは
Atibtmon.exeは、GPUとチップセットを製造していたカナダのATI社が開発したATI Brightness Monitorの実行ファイルです。
ATI Brightness Monitorは、ディスプレイの輝度をモニタリング・調整するプログラムの1つです。
現在は、ATI社はAMD社に買収されてブランド名はAMDで統合されており、Atibtmon.exeはATIのグラフィックボードを搭載した古いPCにインストールされていることがあります。
この実行ファイルは、Windowsの動作に必須ではないため、不要な場合は無効にすることもできます。
対処1: 電源オプションの設定を変更する
グラフィックボードの電源オプションの設定に問題があることが原因で、Atibtmon.exeのランタイムエラーが発生するケースがあります。
特にノートパソコンの電源を抜いてバッテリーに切り替えたタイミングでAtibtmon.exeのエラーが出る場合は、グラフィックボードの電源設定を変更することで解決する可能性があります。
グラフィックボードの電源設定を変更してAtibtmon.exeのエラーを回避するには、以下の手順で操作してください。
- タスクバーの「検索ボックス(または虫眼鏡アイコン)」をクリックします。
- 「コントロールパネル(またはcontrol)」と入力して、検索結果から「コントロールパネル」を開きます。
- 「電源オプション」をクリックします。
- 項目が見つからない場合は、「表示方法」を「アイコン」に切り替えてください。
- 「現在選択している電源プラン」の「プラン設定の変更」をクリックします。
- 「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
- 「ATIグラフィックスの電源設定(またはAMDグラフィックスの電源設定)」→「AMD Powerplay設定」の順にツリーを展開します。
- 「バッテリー駆動」のセレクトボックスをクリックして「最大パフォーマンス」に変更します。
- 設定を変更できない場合は、「現在利用できない設定の変更」をクリックしてください。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
設定を変更できたらPCの電源の抜き差しを行って、Atibtmon.exeのランタイムエラーが発生しなくなったことを確認してください。
対処2: AMD External Events Utilityを無効にする
AMD External Events Utilityサービスを無効にして、Atibtmon.exeのランタイムエラーを回避することもできます。
AMD External Events Utilityサービスを無効にすると、Atibtmon.exe自体が実行されなくなります。このサービスを無効にするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「services.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- 「サービス」ウィンドウが開いたら、サービス一覧から「AMD External Events Utility」を探してダブルクリックします。
- 「スタートアップの種類」を「無効」に変更します。
- 「停止」ボタンをクリックします。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
以上の手順で、AMD External Events Utilityサービスを無効にできます。サービスを無効にできたら、Atibtmon.exeのランタイムエラーが発生しなくなったか確認してください。
サービスを無効にしてもランタイムエラーが発生する場合は、続けて以下の設定を行ってください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「msconfig」と入力して「OK」をクリックします。
- 「システム構成」ウィンドウが開いたら、「サービス」タブを開きます。
- 一覧から「AMD External Events Utility」のチェックを外して「OK」をクリックします。
設定を変更できたら、PCを再起動してAtibtmon.exeのランタイムエラーが解決したことを確認してください。
対処3: Vari-Brightを無効にする
グラフィックボードのVari-Brightの機能が原因で、Atibtmon.exeのランタイムエラーが発生するケースがあります。
そのため、Vari-Brightの機能を無効に切り替えることで、エラーが解決する可能性があります。Vari-Brightの機能を無効にするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」をクリックして、アプリ一覧から「Catalyst Control Center」を起動します。
- 「電源(Power)」→「PowePlay」の順にクリックします。
- 「Vari-Brightを有効にする(Enable Vary-Bright)」のチェックを外します。
- 「適用(Apply)」をクリックして設定を保存します。
Vari-Brightを無効にできたら、ランタイムエラーが発生しなくなったか確認してください。
対処4: Atibtmon.exeをリネームする
Atibtmon.exeはWindowsの動作に必要なプラグラムではないため、リネームもしくは削除して無効化することもできます。
Atibtmon.exeをリネーム、もしくは削除するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
- 「詳細」タブを開いて、一覧から「Atibtmon.exe」を選択して「タスクの終了」をクリックします。
- 「Windows + E」キーを入力してエクスプローラーを起動します。
- エクスプローラーの「表示」タブをクリックします。
- 表示/非表示内の「隠しファイル」にチェックを入れます。
- アドレスバーに以下のパスを入力してEnterキーでアクセスします。
%windir%\System32
- System32フォルダが開いたら、「Atibtmon.exe」を右クリックして「名前の変更」を選択し、「Atibtmon.old」などの名前に変更します。
- 削除する場合は、右クリックして「削除」を選択してください。
Atibtmon.exeをリネーム、または削除して無効にできたら、ランタイムエラーが発生しなくなったことを確認してください。
対処5: グラフィックドライバーを再インストールする
ATIのグラフィックドライバーに問題があることが原因で、Atibtmon.exeのランタイムエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、グラフィックドライバーを再インストールすることで問題が解決する可能性があります。グラフィックドライバーを再インストールするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが起動したら、「ディスプレイアダプター」のツリーを展開します。
- 「ATIのグラフィックドライバー名」を右クリックして「デバイスをアンインストール」を選択します。
- 確認ダイアログが表示されたら、「アンインストール」をクリックします。
- 以下のAMD公式ページにアクセスして、グラフィックボードの型番で検索してドライバーをダウンロードします。
- ドライバーのインストーラーファイルを実行して、案内に従ってインストールを完了します。
グラフィックドライバーを再インストールできたら、PCを再起動してからランタイムエラーが解決したことを確認してください。
対処6: 汎用のグラフィックドライバーをインストールする
グラフィックドライバーを再インストールしてもAtibtmon.exeのランタイムエラーが解決しない場合は、最新のグラフィックドライバーに問題があることが考えられます。
上記の問題は、Windows標準の汎用グラフィックドライバーをインストールすることで回避できます。Windows標準の汎用ドライバーをインストールするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが起動したら、「ディスプレイアダプター」のツリーを展開します。
- 「ATIのグラフィックドライバー名」を右クリックして「デバイスをアンインストール」を選択します。
- 確認ダイアログが表示されたら、「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します」にチェックを入れて「アンインストール」をクリックします。
- PCを再起動します。
以上の手順で、Windows標準の汎用グラフィックドライバーがインストールされます。ドライバーをインストールできたら、Atibtmon.exeのランタイムエラーが解決したことを確認してください。