Windows10のPCでスタートアップにアプリケーションやプログラムを登録すると、パソコンを起動した時に自動でアプリケーションが起動するようになり便利です。
しかし状況によっては正しい手順でスタートアップに登録したのにも関わらず、正常にアプリが自動で起動できないケースがあります。
今回は、Windows10/11でスタートアップに登録したアプリが起動しない時の対処法について紹介します。
この記事の内容
対処1: スタートアップフォルダに手動で追加する
Windows10では、「スタートアップ」フォルダにアプリケーションのショートカットを追加することでスタートアップに登録することができます。
すでに手動で追加している場合も、再度スタートアップの登録をやり直すことで解決するケースもあります。
そのため、次の手順で「スタートアップ」フォルダにアプリケーションのショートカットを追加してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「shell:startup」と入力して「OK」をクリックします。
- 「スタートアップ」フォルダが開きます。
- 再度「Windowsマーク」をクリックしてアプリケーションの一覧を表示します。
- 一覧から「自動起動したアプリケーションのアイコン」を「スタートアップ」フォルダ内にドラッグします。
- 一覧にアプリケーションがない場合は、アプリケーションのインストールフォルダの「.exeファイル」からショートカットを作成してコピーしてください。
以上の手順で「スタートアップ」フォルダにアプリケーションのショートカットを追加することができます。
PCを再起動してアプリケーションが自動起動するか確認してください。アプリが自動起動しない場合は、次の各対処法をお試し下さい。
対処2: タスクマネージャでスタートアップに登録されているアプリを有効化する
タスクマネージャを開くとスタートアップに登録されているアプリを確認することができます。
まずはこのタスクマネージャから先程スタートアップに登録したアプリが正しく設定されているか確認してみましょう。
- 「スタートボタン」を右クリックし、「タスクマネージャー」を選択します。
- タスクマネージャが起動したら「スタートアップ」タブをクリックして開きます。
- アプリ一覧のリストに自分が登録したアプリがあり、状態が「有効」になっていることを確認します。
- 無効になっていればアプリ名を右クリックし、「有効化」を選択します。
- タスクマネージャを閉じ、パソコンを再起動します。
スタートアップ一覧に登録したはずのアプリが表示されていない場合は、アプリを再インストールしてから「スタートアップの登録方法をおさらい」の手順でスタートアップを再登録してください。
タスクマネージャ上にアプリが表示されており、状態も「有効」になっているにもかかわらずアプリが起動しない場合は、登録されている他のスタートアップアプリに原因があるかもしれません。
不要なアプリはスタートアップから外す、原因と思われるアプリがあれば再インストールなどを行ってアプリを修復する等の方法を試してみてください。
対処3: アプリケーションを再インストールする
多くのアプリケーションは、インストール時にスタートアップに自動で登録されます。しかし、インストール時に自動起動にオプションのチェックを外しているとスタートアップに登録されません。
通常であれば自動起動するはずのアプリケーションが起動しない場合は、一度アプリケーションをアンインストールしてから再インストールを試してください。
アプリケーションの再インストールは、次の手順で行います。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインで「自動起動しないアプリ」を選択して「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- ウィザードに従ってアプリケーションのアンインストールを完了します。
- 最新のアプリケーションのインストーラーをダウンロードして起動します。
- オプションに「PC起動時に自動でアプリケーションを起動する」がある場合は、チェックが入っていることを確認します。
再インストールができたら、PCを再起動して自動で起動するか確認してください。
対処4: アプリケーションの設定を変更する
アプリケーションによっては、環境設定などで自動起動の設定を変更できる場合があります。
そのため、スタートアップに登録しても起動できない場合は、アプリケーションの設定を開いて、「コンピュータ起動時に自動起動する」のオプションがないか確認してください。
オプションがある場合は、有効にして設定を保存することでPC起動時にアプリケーションが自動起動します。
対処5: バッチファイルをスタートアップ登録する
アプリの起動ショートカットを登録してもうまくいかない場合、プログラムの起動ショートカットの代わりに、プログラムを起動するバッチファイルを登録することで問題を解決できる場合があります。
プログラムを起動するバッチファイルを作成して登録するには、次の手順で操作します。
1.バッチファイルを作成する
まず、アプリを起動するバッチファイルを作成します。
- スタートアップに登録したいアプリのパスをコピーします。
- アプリのパスがわからない場合は、「スタートアップの登録方法をおさらい」の方法を参考にアプリのショートカットを作成し、ショートカットの「プロパティ」から「リンク先」に設定されている文字列をコピーしてください。ここでコピーされる文字列がアプリのパスです。
- バッチファイルを作成します。プログラムフォルダやデスクトップなど、適当なフォルダを開きます。
- フォルダの空欄部分を右クリックし、「新規作成」→「テキストドキュメント」を選択します。
- 作成されたテキストファイルをダブルクリックしてテキストを開きます。そして、テキストファイルに次の文字列を入力します。
@echo off C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16 ←ここにアプリのパスを貼り付けます exit
2行目の文は実際のアプリのパス(アプリショートカットの「プロパティ」→「リンク先」と同じもの)に置き換えてください。1行目と3行目は上記の文字をそのまま入力します。
- テキストを編集したら「ファイル」→「上書き保存」を選択して変更を保存し、テキストファイルを閉じます。
- テキストファイルの名前を変更します。ファイル名を右クリックし、「名前の変更」を選択します。
- ファイル名が書き換えられるようになるので、既存の名前を削除し(「.txt」部分を含めてすべて削除します)、ファイル名を「startup.bat」に変更してからエンターキーを押します。
- 「拡張子を変更するとファイルが使えなくなる可能性があります」という確認メッセージが表示されたら、「OK」をクリックします。
2.バッチファイルをスタートアップに登録する
バッチファイルを作成できたら、続いてスタートアップに登録します。
- バッチファイルのショートカットを作成します。バッチファイル名を右クリックし、「ショートカットの作成」を選択します。
- スタートアップフォルダを開きます。「Windowsマーク」を右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- テキスト入力欄に「shell:startup」と入力して「OK」をクリックします。
- 開かれたスタートアップフォルダに先程作成したバッチファイルのショートカットをドラッグアンドドロップまたはコピー・貼り付けで登録します。
スタートアップへバッチファイルが登録できたら、パソコンを再起動してアプリが起動するか確認します。
対処6: タスクスケジューラに最上位の特権で登録する
アプリケーションの起動に十分な権限がないことが原因で、スタートアップで自動起動しないケースが考えられます。
上記の問題は、タスクスケジューラに自動起動するタスクを最上位の特権で登録することで解決できます。
タスクスケジューラにアプリケーションを登録して自動起動させるには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックして「Windows管理ツール」→「タスクスケジューラ」の順に開きます。
- 右ペインで「タスクの作成」をクリックします。
- 「全般」タブで次の項目を設定します。
- 「名前」: タスクの名前を任意で入力します。半角英数で入力してください。
- 「最上位の特権で実行する」: チェックを入れます。
- 「操作」タブを開いて「新規」ボタンをクリックします。
- 新しい操作の設定画面が表示されるので、次のように項目を設定して「OK」をクリックします。
- 「プログラム/スクリプト」: 「%windir%\System32\cmd.exe」を入力します。
- 「引数の追加(オプション)」: 「/c start "タスクの名前" "アプリケーションの絶対パス"」
- アプリケーションの絶対パスは、ショートカットアイコンを右クリックして「プロパティ」を選択すると、リンク先の項目で確認できます。""のダブルクォーテーションを、入力してください。
- もう一度「OK」をクリックしてタスクの登録を完了します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- テキスト入力欄に「shell:startup」と入力して「OK」をクリックします。
- 「スタートアップ」フォルダが開きます。フォルダ内の何もないところで右クリックして「新規作成」→「ショートカットの作成」を選択します。
- 項目の場所に「schtasks /run /tn "タスク名"」の形式で入力して「次へ」をクリックします。
- 「アプリケーションのショートカット名」を任意で入力して「完了」をクリックします。
以上で、タスクスケジューラに登録したアプリケーションが最上位の特権で自動起動します。PCを再起動して、アプリケーションが起動することを確認してください。
対処7: ユーザーアカウント制御のレベルを下げる
アプリによってはユーザーアカウント制御によって起動が阻止されてしまうことがあります。
この場合、次の手順で制御のレベルを下げることで問題を解決できることがあります。
- 次のどちらかの手順で「コントロールパネル」を開きます。
- タスクバーの「Windowsマーク」をクリックし、アプリ一覧の「Windowsシステムツール」フォルダを開きます。するとフォルダの中に「コントロールパネル」の項目があるのでこれをクリックします。
- またはタスクバーにある検索ボックスに「control panel」と入力すると検索結果からコントロールパネルを開くことができます。
- コントロールパネル画面が開いたら「ユーザーアカウント」をクリックします。
- 続いて「ユーザーアカウント制御設定の変更」をクリックします。
- 「コンピュータに対する変更の通知を受け取るタイミングの選択」と表示されます。画面中央のスライダーを下から2番目、または1番下のメモリに合わせて「OK」をクリックします。
- 変更の確認画面が表示されたら「はい」をクリックします。
ユーザーアカウント制御のレベルを下げたら、パソコンを再起動してアプリが起動しないか確認しましょう。
制御レベルの下げすぎに注意
ユーザーアカウント制御のレベルを下げるとセキュリティが下がり、ウイルスなどの悪意あるプログラムの被害に遭う危険性が高くなります。
ユーザーアカウント制御レベルを下げてもスタートアップの問題が解決しない場合や、プログラムのスタートアップ登録がそこまで重要でなければ、制御レベルを上から2番目または1番上に戻しておくことをおすすめします。
対処8: サインインするユーザーを確認する
「スタートアップ」フォルダに登録したアプリケーションは、登録したユーザー本人でWindowsにログインした時のみ起動します。
そのため、アプリケーションをスタートアップに登録したユーザーとサインインしているユーザーが一致しているか確認してください。
『対処1: スタートアップフォルダに手動で追加する』と同様の手順で、「スタートアップ」フォルダ内にショートカットがあることを確認してください。
対処9: DISMコマンドでシステムを修復する
サードパーティ製のアプリではなくWindowsの標準アプリが自動起動できない場合は、システムに異常が起きていることが考えられます。
そのため、次の手順でDISMコマンドを使ってシステムの修復を試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows Powershell(管理者)」を選択します。
- Windows11の場合は、「Windowsターミナル(管理者)」を選択してください。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- 次のコマンドを一行ずつ入力してそれぞれEnterキーを押して実行します。
DISM /online /Cleanup-Image /ScanHealth DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- プロセスが完了したら、PCを再起動します。
対処10: レジストリを編集してアプリケーションを登録する
アプリケーションの自動起動がどうしてもできない場合は、レジストリを編集してアプリケーションを登録することで起動できる可能性があります。
レジストリを編集してスタートアップにアプリケーションを登録するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- アドレスバーに次のキーのパスを貼り付けて移動します。
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- 左ペインで「Run」キーを選択していることを確認して、「ファイル」→「エクスポート」を選択して、レジストリのバックアップを保存しておきます。
- 右ペインの何もない場所で右クリックして「新規」→「文字列値」を選択します。
- キーの名前が編集できる状態になるので「自動起動するアプリケーション」と同名の名前に変更します。
- 作成したキーをダブルクリックして「値のデータ」に「アプリケーションの絶対パス」を入力して「OK」をクリックします。
- アプリケーションの絶対パスは、ショートカットアイコンを右クリックして「プロパティ」を選択すると、リンク先の項目で確認できます。
- PCを再起動してレジストリを反映します。
PCを再起動してアプリケーションが自動起動したら設定は成功です。エラー等の問題が起きる場合は、バックアップをインポートしてレジストリを元に戻してください。
対処6について
「/c start タスクの名前 アプリケーションの絶対パス」ではタスクは起動しないです。
「/c start “” “アプリケーションの絶対パス”」であれば起動します。
どういった環境でテストされたかにもよりますが、startコマンドにはタスクの名前を指定して起動する機能はないはずです。
また、Windowsアプリケーションの絶対パスには半角スペースが含まれる可能性が非常に高いですし、ほとんどのコマンドは半角スペースを特殊文字として扱います。
そのためIT系の人は「半角スペースを絶対含まない位置」にプログラムを配置するわけですが、そうじゃない人のほうが多いと思います。
以上の理由から「/c start “” “アプリケーションの絶対パス”」を使うことを推奨します。
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コメントありがとうございます。再度こちらの環境でも確認したところ””が必要でしたので、記事内容を修正させていただきました。記事へのご指摘誠にありがとうございました。