Windows10/11のPCでハードディスクにエラーが発生した場合に、チェックディスクを実行することでファイルシステムのエラーを検出して修復することができます。
また、Chkdskコマンドで修復オプションを指定することで、ハードディスクに発生している不良セクターの検出と修復を試みることもできます。
今回は、Windows10/11でチェックディスク/Chkdskコマンドを実行してハードディスクを修復する方法について紹介します。
この記事の内容
チェックディスク/Chkdskとは
チェックディスクは、ハードドライブ全体をスキャンしてファイルシステムエラーや不良セクタを修復するためのユーティリティです。
チェックディスクの基本的な機能を使用すると、ファイルシステムとメタデータの整合性をスキャンして、次のようなファイルシステムのエラーを修復することができます。
- 破損したマスターファイルテーブル(MFT)
- ファイルの不正なセキュリティ記述子
- ファイルのタイムスタンプ、ファイルサイズ情報の不整合
また、Chkdskコマンドの修復オプションを利用することで、ハードドライブ上の不良セクタを検出して問題の修復を試みることもできます。
チェックディスクによって不良セクタが検出されると、読み取りができるデータのみを回復して、ファイルシステムが今後使用しないようマークを付けることで不良セクタの問題を修正します。
チェックディスクは、物理的な不良セクタ自体を修復・回復することはできません。あくまでファイルシステムのエラーを修復するためのユーティリティです。
チェックディスクを実行する方法
チェックディスクを実行するには、次の3つの方法があります。状況に応じて実行方法を使い分けてください。
方法1: エラーチェックツールを実行する
チェックディスクを実行するには、Windowsのエクスプローラーからエラーチェックツールを実行する方法が最も簡単です。
ただし、エラーチェックツールは不良セクターのスキャンと修復ができない点に注意してください。
エラーチェックツールを実行して、ファイルシステムのスキャンと修復を行う手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を選択します。
- 左ペインで「PC」をクリックします。
- 右ペインの「デバイスとドライブ」でスキャンを実行するディスクを右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「ツール」タブを開いてエラーチェックの「チェック」をクリックします。
- 「このドライブをスキャンする必要はありません」のダイアログと表示されたら「ドライブのスキャン」をクリックします。
- Windowsの定期的なメンテナンスで既にエラーが検出されている場合は「このドライブを修復する」のダイアログが表示されます。手順9に進んでください。
- ドライブのエラーチェックのスキャンが実行します。
- ドライブのエラーチェックの結果が表示されます。
- ドライブに問題がない場合: 「お使いのドライブは正常にスキャンされました」のダイアログが表示されます。「詳細の表示」をクリックするとチェック結果が確認できます。
- ドライブに問題がある場合: 「このドライブを修復する」のダイアログが表示されます。「閉じる」をクリックしてください。
- ドライブに問題がない場合: 「お使いのドライブは正常にスキャンされました」のダイアログが表示されます。「詳細の表示」をクリックするとチェック結果が確認できます。
- ドライブに問題があった場合は、「このドライブを修復する」のダイアログが表示されます。「ドライブの修復」をクリックします。
- チェックディスクの修復のプロセスが開始します。
- システムドライブ(C:)などの修復時は修復のオプションが表示されます。次の手順で操作してください。
- 「今すぐ修復」もしくは「次回の再起動時に修復する」を選択します。
- 「今すぐ修復」を選択した場合は、チェックディスクの修復が実行されます。修復が完了するまで待ちましょう。
- 再起動が必要な場合は、PCを再起動してください。
- 「次回の再起動時に修復する」を選択した場合は、再起動時にチェックディスクによる修復が自動的に実行されます。
- 起動時は、チェックディスクの実行前に何かのキーを入力すると修復をキャンセルすることもできます。
- システムドライブ(C:)などの修復時は修復のオプションが表示されます。次の手順で操作してください。
方法2: Chkdskコマンドで実行する
ファイルシステムに加えて不良セクターのスキャンと修復を行いたい場合は、次の手順でChkdskコマンドを実行します。
- 「Windowsマーク」を右クリックし、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- Windows11の場合は、「Windowsターミナル(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが表示されたら、コマンド「chkdsk 対象のドライブレター: /オプション」を入力して、エンターキーで実行します。
- chkdsk c:
- 時間の目安: 数分
- オプションを指定しないとファイルシステムのスキャンのみを実行します。
- chkdsk c: /f
- 時間の目安: 数十分
- /fオプションは、ファイルシステムのスキャンを行なってエラーを修復します。
- chkdsk c: /r
- 時間の目安: 数時間
- /rオプションは、/fオプションに加えて、不良セクタのスキャンと修復を試みます。
- 不良セクタ修復時に一部のデータが消去される恐れがあるため、対象のディスクに重要なデータがある場合はバックアップを取っておくことをおすすめします。
- chkdsk c: /b
- 時間の目安: 数時間
- /bオプションは、/rオプションに加えて不良セクタを再度検出し直します。
- chkdsk c:
- チェックディスクのプロセスが開始します。
- システムドライブ(C:)のチェックを行う場合は、「ボリュームが別のプロセスで使用されているため、CHKDSKを実行できません」と表示されます。次の手順でチェックディスクを実行します。
- 「チェックをスケジュールしますか?」と聞かれるので、アルファベットの「Y」を入力し、エンターキーを押して承認してください。
- 「次回のシステム再起動時に、このボリュームはチェックされます。」と表示されます。PowerShellウィンドウを閉じ、パソコンを再起動します。
- 再起動するとチェックが開始します。完了まで数十分程度かかりますので、しばらく待ちます。
- システムドライブ(C:)のチェックを行う場合は、「ボリュームが別のプロセスで使用されているため、CHKDSKを実行できません」と表示されます。次の手順でチェックディスクを実行します。
- チェックディスクのプロセスが完了すると実行結果が表示されます。
- 再起動後のチェックディスクの結果は、『チェックディスクの結果を確認する』の手順で確認することができます。
Chkdskコマンドでディスクのファイルシステムエラーを修復したい場合は、基本的に/fオプションの実行を試してから、問題が解決しない場合に/rオプションを実行します。
方法3: 回復環境から実行する
Windowsが起動しない場合は、回復環境のコマンドプロンプトからチェックディスクを実行することもできます。
- パソコンの強制終了を何度か繰り返すか、インストールメディアを使用してWindows回復環境を起動します。
- Windows回復環境を起動する詳しい手順は、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法4つ』を参考にしてください。
- 回復環境が起動できたら「詳細オプション」または「詳しい修復オプションを表示する」をクリックします。
- インストールメディアを使用する場合は言語を選択した後、左下に表示される「コンピューターを修復する」をクリックしてください
- 「オプションの選択」画面が表示されたら、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」とクリックして進みます。
- アカウントの選択が表示されたら管理者アカウントを選択してサインインパスワードを入力します。
- コマンドプロンプトが起動したら、Chkdskコマンドを入力してEnterキーで実行してください。
- 入力するChkdskコマンドは、『方法2: Chkdskコマンドで実行する』と同じです。
- チェックディスクのスキャンと修復の結果が表示されます。問題なければコマンドプロンプトを閉じてPCを起動します。
チェックディスクの結果を確認する
チェックディスクを実行する際に再起動が必要だった場合は、イベントビューアーからスキャンと修復の結果を確認できます。
- 「Windowsマーク」をクリックし、アプリ一覧から「Windows管理ツール」フォルダ→「イベントビューアー」を開きます。
- ウィンドウ左に表示されている「Windowsログ」フォルダを開き、「Application」をクリックします。
- 中央上のリスト内から「ソース」が「Wininit」である項目を右クリックし、「イベントのプロパティ」を選択します。
- 補足: 「ソース」が「Chkdsk」の項目は、再起動せずにチェックディスクを実行した結果が確認できます。
- イベントプロパティウィンドウの「全般」タブ内にチェック内容の詳細が表示されます。
- 詳細を下の方までスクロールし、次の文章を探します。文章の1番下ではなく、それよりもやや上の方(***KB total disk space.の表示の上)に表示されます。
- Windows has checked the file system and found no problems.
- Windows has scanned the file system and found no problems.
- Windows has made corrections to the file system.
上記のいずれかの文章が記載されていれば「問題は見つからなかった」または「軽微な問題を発見したが自動修復した」のどちらかですので、これ以上の操作は必要ありません。
- イベントログにスキャンと修復のエラーや失敗の内容が記載されている場合は、システムファイルまたはハードディスク本体に問題がある可能性があります。チェックの実行結果をさらに詳しく調べるか、ハードディスク本体の交換や修理を試してください。
- 詳細を下の方までスクロールし、次の文章を探します。文章の1番下ではなく、それよりもやや上の方(***KB total disk space.の表示の上)に表示されます。
再起動時のチェックディスクの確認とキャンセル方法
チェックディスクの実行を再起動時のスケジュールに登録すると、PCを再起動した際に自動で実行されます。
PCに登録されているチェックディスクの実行は、次の手順で確認してキャンセルすることができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックし、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- Windows11の場合は、「Windowsターミナル(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが表示されたら、次のコマンドを入力して、エンターキーで実行します。
chkntfs c:
- cは、対象のドライブレターを指定してください。
- 「次回の再起動時にボリュームC:でChkdskを実行するように、手動でスケジュールされています。」と表示された場合は、チェックディスクがスケジュールに登録されています。
- 「C:は正常です」の場合は、チェックディスクはスケジュールに登録されていません。
- チェックディスクのスケジュールをキャンセルするには、次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
chkntfs /x c:
- コマンド実行後にキャンセルのメッセージは表示されません。キャンセルできたか確認するには、再度「chkntfs」のコマンドを実行してください。
- コマンド実行後にキャンセルのメッセージは表示されません。キャンセルできたか確認するには、再度「chkntfs」のコマンドを実行してください。
チェックディスクによる修復の注意点
チェックディスクの修復には、以下のような問題が起きる恐れが少なからずあります。(*スキャンのみの場合は問題ありません。)
- 不良セクタの修復時に必要なデータが上書き、もしくは削除される場合がある
- チェックディスクが原因でファイルの復元が困難な状態になる場合があります。
- 電源を切って処理を途中で終了すると、ファイルシステムのエラーが悪化する場合がある
- 古いハードディスクのドライブを修復すると、チェックディスクの修復処理が終わらず症状が深刻化する場合がある
- 不良セクタのスキャンと修復を実行すると、処理に大幅な時間が掛かる場合がある
- ハードディスクに大幅な負担が掛かるため、故障の原因になる場合がある
そのため、PCの問題がどうしても解決できない場合のみ修復を実行することをおすすめします。
特に5年以上使用している古いハードディスクは、多くの不良セクタが存在していることが考えられるため、チェックディスクを実行することは避けたほうが良いです。
また、必ず重要なデータのバックアップを取ってから、チェックディスクを実行するようにしてください。
cドライブ容量不足(記憶領域ゼロ/118GB)が警告されて約1ケ月になります。
メールの受信やセキュリティソフトもアプリのダウンロードもできなくなり、いよいよもってメモリ増設かと本日Amazonに16GBメモリを注文していた矢先に、このITおじさんのサイトに出会いました。
藁をもすがる思いで早速「チェックディスク」を実行してみたところ、見事ファイルシステムのエラーを検出して修復することができましたこと、大変感謝申し上げます。お陰様でcドライブ空き容量45/118GB)に改善されました。助け舟を出して頂き本当にありがとうございました。 ╭( ・ㅂ・)و グッ !