共有フォルダのファイルの読み取り専用を解除できない時の対処法 – Windows10

同じネットワーク内のパソコンとファイルを共有したい時や、共同で作業を行う時には、フォルダの共有機能が便利です。しかし正しくアクセス権限が設定されていない時や、特殊な状況下では、共有相手のパソコンからファイルの編集ができないといったトラブルが発生することがあります。

本記事では、Windows10の共有フォルダ内のファイルの読み取り専用が解除できない時の対処法について紹介します。

本記事の対処法は他のパソコンと連携済みの共有フォルダに関するトラブルを対象にしています。ローカルで保存しているファイルやフォルダの設定でお困りの場合は次の記事をご参照ください。

対処1: 他のユーザーがファイルを開いていないか確認する

共有フォルダ上のExcel、Word、Powerpointなどのファイルは、編集のコンフリクト(競合)を防ぐため基本的に一人で編集することしかできません。

Windowsでは、編集中のファイルはロックされ、別のユーザーが開こうとしても読み取り専用で開く仕様になっています。そのため、ファイルを読み取り専用で開いてしまう場合は、ネットワーク内の別のユーザーが同じファイルを開いていることが考えられます。

ファイルの読み取り専用を解除するには、同じファイルを開いているユーザーを見つけて閉じてもらうことで解除することができます。

対処2: 共有しているPC/サーバーを再起動する

フォルダやファイルを共有している側のPCに不具合が発生していることが原因で、読み取り専用が解除できないケースがあります。

ファイルを編集していたPCが編集中に強制終了してしまった場合などは、ファイルを閉じる処理が正常に行われず、読み取り専用がいつまで経っても解除されないことがあります。

一旦共有をしているWindows PC(もしくはWindows Server)を再起動して、ファイルの読み取り専用が解除されないか確認してみて下さい。

対処3: アクセス許可設定を変更する

プロパティ設定ウィンドウからアクセス許可設定の確認と、必要に応じて変更を行います。

  1. フォルダの所有者となっているパソコンを操作します。共有フォルダを右クリックし、「プロパティ」を選びます。
  2. 「共有」タブを開き、「詳細な共有」ボタンをクリックします。
  3. 「このフォルダを共有する」の項目にチェックが入っていることを確認します。入っていなければチェックを入れます。
  4. 「アクセス許可」ボタンをクリックします。
  5. 「グループまたはユーザー名」リストにフォルダを共有したいパソコンが表示されていることを確認します。表示がない場合は「追加」ボタンから共有相手を追加してください。
  6. 「グループまたはユーザー名」リストの中から、フォルダの共有相手をクリックして選択状態にします。その後、下の「アクセス許可」リスト内にある「フルコントロール」の許可設定にチェックを入れます。
  7. 「適用」ボタンをクリックして設定を保存します。

すでに正しく設定されている場合でも、再設定によって問題が解決できる場合があります。手順6の「フルコントロール」のチェックを外してからチェックを入れ直し、それから「適用」ボタンをクリックしてみてください。

またフォルダの共有相手が複数いる場合はすべてのユーザーに対して手順6の操作を行ってください。

対処4: ネットワーク設定を変更する

次にフォルダの共有に関するネットワーク設定を確認します。

  1. 「スタート」ボタンをクリックします。メニューが表示されたら歯車アイコン(設定)をクリックします。
  2. 設定ウィンドウが開きます。「ネットワークとインターネット」をクリックします。
  3. 「ネットワーク設定の変更」の文字の下にある「共有オプション」をクリックします。
  4. コントロールパネルが開き、「共有の詳細設定」画面が表示されます。「ブライベート」の右側にある矢印アイコンをクリックしてメニューを展開します。
  5. 「ネットワーク探索」の設定を「ネットワーク探索を有効にする」に変更します。また、「ネットワークに接続されているデバイスの自動セットアップを有効にする」にチェックを入れます。
  6. 「ファイルとプリンターの共有」の設定を「ファイルとプリンターの共有を有効にする」に変更します。
  7. 続いて「すべてのネットワーク」設定を展開します。右側の矢印アイコンをクリックしてください。
  8. 「パブリックフォルダの共有」の設定を「共有を有効にして、ネットワークアクセスがある場合はパブリックフォルダ内のファイルを読み書きできるようにする」に変更します。
  9. 「ファイル共有の接続」の設定を「128ビット暗号化を使用してファイル共有の接続を保護する」に変更します。
  10. 「パスワード保護共有」の設定を「パスワード保護共有を無効にする」に変更します。
  11. すべて設定したら「変更の保存」をクリックしてウィンドウを閉じます。

対処5: ファイアウォール設定を変更する

ファイアウォールの設定によって共有フォルダへのアクセスや操作が制限されることがあります。次の手順で設定の見直しと変更を行ってみてください。

  1. コントロールパネルを開きます。「スタート」ボタンをクリックした後、アプリ一覧から「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」を選択します。
  2. 右上の「表示方法」の設定を「カテゴリ」に変更します。
  3. 「システムとセキュリティ」をクリックします。
  4. 「Windows Defenderファイアウォール」の文字の下にある「Windowsファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリックします。
  5. 「許可されたアプリ」画面が表示されます。右上にある「設定の変更」ボタンをクリックします。
  6. リストを下へスクロールし、「Netlogonサービス」の項目を探します。項目の右側にチェックボックスがあるので、「プライベート」パブリック」両方のチェックボックスにチェックを入れます。
  7. さらに下へスクロールし、「ファイルとプリンターの共有」の項目を探します。先程と同様に、「プライベート」「パブリック」両方にチェックを入れます。
  8. OKをクリックしてウィンドウを閉じます。

セキュリティソフトを使用している場合はそちらのフィルタリング設定をご確認ください。問題の切り分けのため、一時的にセキュリティソフトを停止させて問題が解消するか試す方法も有効です。

対処6: SMB設定を変更する

SMB(Server Message Block)はファイル共有などを行うための通信プロトコルです。

通常この設定変更は必要ありませんが、共用に関するなんらかのトラブルが発生した時は古いバージョンのSMBを有効にすることで問題が解消される場合があります。

  1. コントロールパネルを開きます。
  2. 「プログラム」→「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリックします。
  3. Windowsの機能ウィンドウが表示されます。「SMB 1.0/CIFS File Sharing Support」とそのツリー下にあるすべての項目にチェックを入れます。
  4. OKをクリックしてウィンドウを閉じます。

その他の対処法

  • フォルダの所有者と共有相手すべてのパソコンのWindowsを最新版にアップデートしてみてください。
  • 複数のパソコンで共有フォルダ内のファイルが開かれているとファイルの編集や追加、上書き保存ができないことがあります。操作中のパソコン以外で開かれている共有ファイルを閉じてみてください。
  • ファイルを所有しているパソコン、または共有相手のパソコンを、ネットワークに再接続してみてください。
  • ルーターを再起動してみてください。
  • 共有するフォルダの保存場所を変えてみてください。
  • フォルダの代わりにドライブを共有の対象にすると問題なく共有できる場合があります。
  • 問題が解決されない時はOnedrive、Dropboxなどのオンラインストレージサービスでの代用もご検討ください。

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