パソコンの動作が重いと思ってタスクマネージャを調べると、「Microsoft Compatibility Telemetry(compattelrunner.exe)」というプログラムがCPUやディスクの使用率に大きな負荷をかけていることがあります。
パソコンを軽くするにはこのプログラムを停止させれば良さそうですが、その前にそもそもMicrosoft Compatibility Telemetryとは何をするプログラムなのか、本当に止めてしまっても問題ないのかについて知るべきです。
本記事では、Microsoft Compatibility Telemetryの概要と、負担が高くPCが重い時の対処法について解説します。止めた時の影響についても合わせて解説します。
この記事の内容
Microsoft Compatibility Telemetryとは
Microsoft Compatibility Telemetry(compattelrunner.exe)は、Windowsカスタマーエクスペリエンス向上プログラムの一部で、Windowsの不具合やエラーの情報を集めてMicrosoftに送信するのが主な役割です。
このプログラムは定期的に自動で起動し、集められた情報は今後のアップデートやバグ修正などに活用されます。
情報を勝手に送信されると言うと怖いイメージがあるかもしれませんが、正式なWindowsのプログラムであり、またプライベートなデータが送られることはありません。
停止しても大丈夫?
パソコンとしての基本機能や各種プログラム・アプリの利用には無関係のため、停止させても問題ありません。
Microsoft Compatibility Telemetryが原因でパソコンが重くなることが多いのであれば、無効化してしまうのが良いでしょう。
停止させる場合はタスクマネージャから手動で止めても良いのですが、定期的に自動起動するプログラムのため、この方法では一定期間後に問題が再発する恐れがあります。
今後このプログラムが起動しないようにするには、次の『方法1: タスクスケジューラから停止させる』、または『方法2: レジストリを編集する方法』の操作を行って下さい。
方法1: タスクスケジューラから停止させる
パソコンを再起動してもMicrosoft Compatibility Telemetryが自動起動しないようにするには、タスクスケジューラから停止させる方法が簡単かつ確実です。
タスクスケジューラで停止するには、次の手順で設定を変更します。
- タスクバーにある「スタート」ボタンをクリックします。
- スタートメニューが開きます。アプリ一覧にある「Windows管理ツール」フォルダを開き、その中にある「タスクスケジューラ」をクリックして起動します。
- 「タスクスケジューラ」ウィンドウが開きます。ウィンドウ左側のリストにある「タスクスケジューラ」(または「タスクスケジューラ(ローカル)」の項目をダブルクリックし、リストを展開します。
- リストを展開すると「タスクスケジューラライブラリ」の項目が表示されます。「タスクスケジューラライブラリ」をダブルクリックして展開します。
- 同様の操作で「Microsoft」フォルダを展開、さらに「Windows」フォルダを展開します。
- 「Windows」フォルダを展開したら、Windowsフォルダの下にある「Application Experience」フォルダをクリックで選択します。
- 「Application Experience」を選択したら、ウィンドウ中央上のリストから「Microsoft Compatibility Appraiser」という項目を探し、クリックします。
- 「Microsoft Compatibility Appraiser」をクリックして選択状態にしたら、ウィンドウ右側の「操作」メニューにある「無効化」ボタンをクリックします。
- 以上の操作で、Microsoft Compatibility Appraiserの状態が「無効」になります。
- 操作が完了したらウィンドウ右上のバツボタンをクリックしてタスクスケジューラを終了します。
方法2: レジストリを編集する
タスクスケジューラからの停止でうまく行かない場合は、レジストリを編集することでも停止させることができます。レジストリ編集で停止させるには、次の手順で設定を変更してください。
ただしレジストリ編集は操作を誤ると、パソコンの動作が不安定になる・パソコンが起動しなくなる等の重大なトラブルにつながることがあります。
操作は慎重に行い、また変更後パソコンの挙動に異常が見られるようになった場合は、手順3-5で作成するバックアップからレジストリを復元してください。
- レジストリエディターを起動します。「スタート」ボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「名前」の入力欄にregeditと入力し、「OK」をクリックします。ユーザーアカウント制御画面が表示された場合は「はい」を選択してください。
- レジストリエディターが起動します。編集を行う前に、バックアップの作成を行います。ウィンドウ左側のリストにある「コンピューター」の項目をクリックし、選択状態にします。
- 上部メニューバーにある「ファイル」をクリックし、「エクスポート」を選択します。
- デスクトップなど、わかりやすい場所を保存先に指定し、ファイル名を入力して「保存」ボタンをクリックします。
- ファイル名はどのような名前でも構いませんが、「registry_backup_20190123」などのように、作成日時をファイル名に含めておくと復元が必要になった時に識別しやすくなります。
- レジストリの編集を行います。ウィンドウ左のリストで次のキーを開きます。
「コンピューター」→「HKEY_LOCAL_MACHINE」→「SOFTWARE」→「Microsoft」→「Windows」→「CurrentVersion」→「Policies」→「DataCollection」
- フォルダを展開するにはダブルクリックするか、フォルダアイコンの左側にある矢印アイコンをクリックしてください。
- 「DataCollection」フォルダをクリックして選択状態にしたら、ウィンドウ右側のリストにある「Allow Telemetry」の項目を右クリックし、「修正」を選択します。
- 「Allow Telemetry」の項目が見つからない場合は、『Allow Telemetryの項目がない場合』を参考にして下さい。
- 「DWORD(32ビット)値の編集」ウィンドウが表示されます。「値のデータ」の下にある設定値を「0」に変更し、「OK」をクリックします。
- 設定が完了したらレジストリエディターを終了します。
「Allow Telemetry」の項目がない場合
レジストリエディタのキーに「Allow Telemetry」の項目が見つからない場合は次の手順でキーを追加してください。
- 「DataCollection」フォルダをクリックして選択状態にしたら、ウィンドウ右側のリストで空白の部分を右クリックします。そして「新規」→「DWORD(32ビット値)」を選択します。
- 項目が追加されたら名前を「AllowTelemetry」と設定します。もし名前の指定を誤った場合は項目名を右クリックし、「名前の変更」を選択することで変更できます。
- 作成した「AllowTelemetry」の項目を右クリックし、「修正」を選択します。そして「値のデータ」の項目を確認し、「0」を設定して「OK」をクリックします。既に0が設定されている場合は変更の必要はありません。