Windows10のファイル履歴のバックアップ機能は有効にすることで簡単に、個人データのバックアップを作成することができます。
バックアップは自動で作成されるため、機能を有効にした後は特に操作をする必要はありません。
しかし、設定を行ったつもりでも「データはまだバックアップされていません。バックアップのサイズ:0バイト」と表示されたままでバックアップができないケースがあります。
本記事では、Windows10でファイル履歴でバックアップが失敗する・できない時の具体的な対処方法を紹介します。
この記事の内容
対処1: イベントログを確認する
ファイル履歴のバックアップが失敗した原因を、イベントビューアーのイベントログから詳しく調べることができます。
まずはイベントビューアーでバックアップが失敗している原因を調べてみて下さい。
Windows10でイベントビューアーを開いてイベントログを調べるには次の手順で操作します。
- 「スタート」ボタンをクリックし、アプリ一覧から「Windows管理ツール」フォルダを探して展開します。
- フォルダの中にある「イベントビューアー」の項目をクリックして開きます。
- イベントビューアーウィンドウが表示されます。ウィンドウ左側のツリーを展開し、次のフォルダを開きます。
アプリケーションとサービスログ\Microsoft\Windows\FileHistory-Engine
- フォルダを展開するにはフォルダをダブルクリックするか、フォルダアイコンの左にある矢印マークをクリックしてください。
- FileHistory-Engineフォルダを展開したら、そのフォルダ下にある「ファイル履歴のバックアップログ」をクリックします。
- 画面中央にログが表示されます。「エラー」の項目があればクリックし、エラーの詳しい情報を表示させます。
- 原因と思われるファイルがあれば、該当ファイルをバックアップの対象から除外してください。
- エラーコードが表示されている場合はエラーコードでインターネット検索し、エラーの詳しい情報と対処方法を調べてみてください。
対処2: ファイル名を変更する
バックアップ対象のファイル名に問題があり、ファイル履歴のバックアップが失敗するケースがあります。
ファイル履歴のバックアップは、ファイル名が次のパターンになっていると失敗してしまいます。
- 同一フォルダ内に半角・全角が異なる同一の名前のファイル、もしくはフォルダが存在している
- 半角・全角の英字を含んだファイル名
- 例:「abc123.txt」と「abc123.txt」
- 半角・全角の数字を含んだファイル名
- 例:「abc123.txt」と「abc123.txt」
- 半角・全角のカタカナを含んだファイル名
- 例:「アイウエ.txt」と「アイウエ.txt」
- 半角・全角の英字を含んだファイル名
- フォルダ名とファイル名を含めたパスが259文字を超えている
バックアップが失敗するファイルがある場合は、ファイル名を確認して上記のパターンに該当しないファイル名に変更して下さい。
バックアップが失敗するファイルは『対処1: イベントログを確認する』の方法で、どのファイルが原因でバックアップに失敗しているか特定することができます。
ただし、ファイル数が多い場合、名前変更では対応しきれない場合があります。その際は次の対処方法を参考にして下さい。
対処3: ファイル履歴の対象のフォルダから除外する
一部のファイルのバックアップが失敗している場合、ファイル履歴の対象のフォルダから除外することでその他のバックアップを正常に完了することができます。
特に、『対処2: ファイル名を変更する』で紹介したバックアップできない名前のファイルが複数ありそうな場合は、フォルダごと除外することをおすすめします。
ファイル履歴のバックアップの例外フォルダを設定するには、次の手順で操作します。
- 「スタート」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「バックアップ」をクリックします。
- 「ファイル履歴を使用してバックアップ」の項目にある「その他のオプション」をクリックします。
- 「バックアップ対象のフォルダー」にファイル履歴の対象のフォルダが一覧で表示されます。
- バックアップが失敗するファイルを含んだフォルダをクリックして「取り出し」をクリックします。
- 除外したフォルダ内にバックアップを取りたいフォルダが一部ある場合は、「フォルダーの追加」をクリックして対象のフォルダを追加して下さい。
以上でファイル履歴の対象フォルダから除外することができます。再度バックアップを試して正常に完了しないか確認して下さい。
対処4: ファイル履歴の設定をリセットする
ファイル履歴のバックアップの設定に問題があり、バックアップに失敗していることが考えられます。
次の手順で設定ファイルを削除して設定を初期化し、その後再設定してからバックアップと取り直してみてください。
- 一旦バックアップ機能をオフに切り替えます。タスクバーにある「スタート」ボタンをクリックし、「設定(歯車アイコン)」をクリックします。
- 「Windowsの設定」画面が表示されます。「更新とセキュリティ」をクリックします。
- ウィンドウ左のリストにある「バックアップ」をクリックします。
- 「ファイル履歴を使用してバックアップ」の下にある「その他のオプション」をクリックします。
- 「バックアップオプション」画面が表示されたら画面を下へスクロールし、「詳細設定の表示」をクリックします。
- コントロールパネルウィンドウが開き、「ファイル履歴」画面が表示されます。ウィンドウ左下にある「オフにする」ボタンをクリックしてファイル履歴機能をオフにします。
- 設定ファイルを削除します。ファイルエクスプローラ(タスクバーの黄色いフォルダアイコン)を開き、次のフォルダを開きます。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Windows\FileHistory\Configuration
- (ユーザー名)の部分はWindowsにログインしているご自身のユーザー名に差し替えてください。
- Configurationフォルダの中にあるすべてのファイルを削除します。
- バックアップ機能をオンに戻します。手順1-6の操作を再び行ってコントロールパネルウィンドウの「ファイル履歴」画面を表示し、今度は「オンにする」ボタンをクリックして機能をオンにします。
- バックアップするファイルや保存先ドライブを確認し、設定変更が必要であれば「バックアップオプション」画面にて設定を変更します。
対処5: バックアップ先に別のドライブ・外部メディアを指定する
バックアップ先のメディアに問題があり、ファイル履歴のバックアップが失敗してしまうケースがあります。
可能であれば別の外付けハードディスクやUSBメモリにバックアップを作成してみてください。
- バックアップオプション画面を表示します。「スタート」→「設定」を開き、「更新とセキュリティ」→「バックアップ」→「その他のオプション」へと進みます。
- バックアップオプション画面が表示されたら画面を下へスクロールし、「別のドライブにバックアップ」の下にある「ドライブの使用を停止」ボタンをクリックします。
- 1つ前の画面に戻ります。そして「ファイル履歴を使用してバックアップ」の下にある「ドライブの追加」ボタンをクリックします。
- 画面左に利用可能なストレージデバイスが表示されます。普段バックアップに使用しているものとは別のストレージを選択します。
- 「その他のオプション」をクリックしてバックアップオプション画面に戻ります。
- 「今すぐバックアップ」ボタンをクリックして問題なくファイル履歴のバックアップができるかどうか試します。
バックアップ先を変更して問題が解決した場合は、最初にバックアップに使用したハードディスク・USBメモリの状態をご確認ください。
デバイスが正しく接続されていない・バックアップを保存するための容量が不足している等が原因として考えられます。
ファイル履歴のバックアップは、バックアップするファイルの容量にもよりますが数十GB~数百GBものサイズに及ぶことも少なくなくありません。
バックアップファイルのサイズが大きすぎる場合は「バックアップオプション」画面にて、「バックアップ対象のフォルダー」の数を減らす・「バックアップを保持」する期間を短めに設定する等の方法を試してみてください。
対処6: Windowsサービスの状態を確認する
特定のWindowsサービスが正常に起動しておらず、正常にバックアップ処理が実行できないケースがあります。
次の手順でサービスの状態を確認してみてください。
- タスクバーの「スタート」ボタンをクリックします。
- アプリ一覧から「Windows管理ツール」フォルダを探して展開します。
- フォルダの中にある「サービス」の項目をクリックして起動します。
- 「サービス」管理ツールウィンドウが開きます。ウィンドウ中央のリストから、次の名称の項目を探します。
- File History Service
- Volume Shadow Copy
- Windows Search
- 上記のサービス名をダブルクリックしてプロパティウィンドウを開き、「全般」タブ内にある「スタートアップの種類」を「自動」に変更します。また、「サービスの状態」が「停止」になっていれば「開始」ボタンをクリックします。
- 上記3項目全てに対し手順4を行います。操作が終わったらサービス管理ツールウィンドウを閉じ、再度ファイル履歴のバックアップを試してください。
対処7: ディスクチェックを実行する
システムドライブ、またはハードディスクに問題がないか調べます。
次の手順でハードディスクエラーのチェックを行ってみてください。
- タスクバーにある黄色いフォルダアイコンをクリックし、ファイルエクスプローラを開きます。
- ウィンドウ左側のリスト、またはアドレスバーのメニューリストから「PC」をクリックします。
- システムドライブを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- システムドライブは、ローカルディスク(C:)やWindows(C:)と表記されていることがほとんどです。
- プロパティウィンドウが開きます。プロパティウィンドウ内にある「ツール」タブを開きます。
- 「エラーチェック」の下にある「チェック」ボタンをクリックしてチェックディスクを実行します。
- スキャンが完了したらエクスプローラの「PC」画面に戻り、バックアップ保存先に指定しているハードディスクまたは外付けメディアに対して同様の手順でチェックディスクを実行してください。
対処8: Windowsを最新にアップデートする
WindowsのOS側に不具合がありバックアップが失敗するケースがあります。
Windowsのバージョンを確認し、最新のものになっていなければ次のリンク先の手順を参考にWindowsアップデートを行ってください。
Windowsのアップデートがあった場合は、再度バックアップが取れないか確認してみて下さい。