圧縮率の高いMP4形式の動画ファイルは様々な場面で用いられているため、WindowsのPCで再生する機会も多いと思います。
しかし、Windows 10 PCでMP4ファイルを再生しようとすると、エラーなどが出て再生できないケースがあります。また、音声だけ再生される場合や動画だけ再生される場合もあります。
この記事では、Windows10でMP4ファイルが再生できない時の対処法を紹介するので、参考にしてみてください。
この記事の内容
MP4が再生できない原因
Windows10でMP4が再生できない場合は、主に次のような原因が考えられます。
- 再生するプレイヤーがMP4のフォーマットに対応していない
- MP4に対応するコーデックをインストールしていない
- 再生するプレイヤーのバージョンが古い
- Windowsのシステムに問題が起きている
- コーデックが競合している
- ビデオアクセレーター機能が影響している
- MP4ファイルが破損している
上記の原因は、ほとんどの場合、再生プレイヤーを変更するか、コーデックをインストールすることで解決できる可能性が高いです。
それぞれ原因に対する対処法を紹介していくので、順にチェックすることをおすすめです。
対処1: 別のプレイヤーで再生を試す
Windows10では、標準でインストールされている「映画&テレビ」、「フォト」のアプリや「Windows Media Player」を使ってMP4の動画ファイルを再生することができます。
また、MP4を再生できるVLCプレイヤーなどのフリーソフトも存在するので、再生できない場合は試して下さい。
方法1: 「映画&テレビ」で再生する
Windows10では、動画再生アプリとして「映画&テレビ」がデフォルトで設定されているため、「MP4の動画ファイル」をダブルクリックすることで再生できます。
ファイルを再生しようとすると別アプリが起動する場合は、次の手順で操作すると「映画&テレビ」で再生することができます。
- 「MP4の動画ファイル」を右クリックして「プログラムから開く」→「映画&テレビ」を選択します。
方法2: 「フォト」で再生する
MP4の動画は、フォトアプリを使って再生することもできます。MP4ファイルをフォトアプリで開くには、次の手順で操作します。
- 「MP4の動画ファイル」を右クリックして「プログラムから開く」→「フォト」を選択します。
- 「フォト」が見つからない場合は「別のプログラムを選択する」をクリックして下さい。
方法3: 「Windows Media Player」で再生する
Windows10で、従来のWindows Media Playerを使ってMP4を再生することもできます。
ただし、Windows Media Playerの機能がデフォルトで無効になっているため、機能を有効化してから再生します。次の手順で操作して下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「アプリ」をクリックします。
- 右ペインで「オプション機能」をクリックします。
- 一覧に「Windows Media Player」が無いことを確認して「機能の追加」をクリックします。
- 「Windows Media Player」がある場合は、インストールできているため最後の手順に進んで下さい。
- 一覧から「Windows Media Player」を選択して「インストール」をクリックします。
- Windows Media Playerのインストールが開始します。インストールが完了するまで待ちます。
- インストールの進捗状況は、左上の「←ボタン」をクリックして前の画面に戻ると確認できます。
- 「MP4の動画ファイル」を右クリックして「プログラムから開く」→「Windows MediaPlayer」の順に選択します。
- 「Windows MediaPlayer」が見つからない場合は「別のプログラムを選択する」をクリックして下さい。
方法4: サードパーティの動画プレイヤーで再生する
フォトやWindows Media PlayerでMP4が再生できない場合は、サードパーティの動画再生用ソフトを使用する方法があります。
サードパーティの動画再生ソフトはMP4を始めとする様々な動画フォーマットに対応している場合が多いです。
MP4を再生できるフリーソフトは、VLCプレイヤーが有名で動作も軽くおすすめです。
対処2: コーデックをインストールする
再生しようとしている動画ファイルに必要なコーデックがインストールできておらず、MP4ファイルを再生できないケースが考えられます。
特定のMP4のみ再生できない場合は、コーデックをインストールすることで解決できる可能性があります。
次のいずれかのコーデックをインストールしてMP4が再生できないか試してみて下さい。
MPEG-2 ビデオ拡張機能
「MPEG-2 ビデオ拡張機能」は、再生できないMP4を再生できるようにするためのMicrosoftから提供されている拡張機能です。
「MPEG-2ビデオ拡張機能」をインストールするには、次の手順で行います。
- 『Microsoft Store』にアクセスにします。
- 「入手」をクリックします。
- 「Microsoft Storeを開きますか?」の確認ポップアップが出たら「Microsoft Storeを開く」をクリックします。
- Microsoft Storeアプリが起動します。「入手」をクリックします。
- 「MPEG-2ビデオ拡張機能」のインストールが開始します。
- 年齢確認が表示されたら生年月日を入力して「次へ」をクリックします。
- インストールできない場合は、『Microsoft Storeでインストールできない時の対処』のページを参考にして下さい。
- 「この製品はインストール済みです。」と表示されればインストール完了です。
K-Lite Codec Pack
「MPEG-2 ビデオ拡張機能」をインストールしても解決しない場合は、フリーのコーデックで知名度の高い「K-Lite Codec Pack」のインストールを試してみて下さい。
「K-Lite Codec Pack」のインストールは、次の手順で行います。
- 『Download K-Lite Codec Pack』のページにアクセスします。
- 「Download Basic」をクリックします。
- 「Download:」の下にある「Sever1」、もしくは「Sever2」をクリックします。
- どちらでもダウンロードすることができます。
- エクスプローラーで「ダウンロード」フォルダを開いて「K-Lite_Codec_Pack_XXXX_Basic.exe」をダブルクリックします。
- セキュリティ警告が出たら「実行」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御が出たら「はい」をクリックします。
- 以下のメッセージのSetupダイアログが出た場合は、競合するコーデックを避けるため「はい」をクリックします。
- 「Setup has detected that you have the following codec package installed on your computer」
- 案内に従って「Next」をクリックしてインストールを進めます。
- 最後に「Install」をクリックするとコーデックのインストールが開始します。
コーデックのインストールが完了すると、全てのメディアプレイヤーにコーデックが反映されます。再度MP4のファイルを開いて正常に再生されるか確認して下さい。
対処3: 動画再生のトラブルシューティングツールを実行する
対応するコーデックがインストールされているのにMP4が再生されない場合など、動画再生に関して何らかの不具合がある場合はトラブルシューティングツールを実行するのがおすすめです。
トラブルシューティングツールを実行する方法は以下の通りなので、ぜひ参考にしてみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインから「トラブルシューティング」をクリックします。
- 右ペインのリストで「ビデオの再生」をクリックして「トラブルシューティングの実行」を選択します。
- エラーが検出された場合は修復を試みます。
修復まですべて完了したら、MP4が再生できるようになったかどうかを確認してください。問題が改善されていない場合は次に進みます。
対処4: 不要なプレイヤー・コーデックをアンインストールする
サードパーティ製の複数の動画プレイヤーやコーデックがインストールされていると、競合が起きて正常にMP4が再生できない原因になります。
そのため、不要な動画プレイヤーとコーデックを確認して全てアンインストールして下さい。できれば一旦全ての動画プレイヤーとコーデックをアンインストールすることをおすすめします。
動画プレイヤーとコーデックのアンインストールは、次の手順で行います。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「アプリ」をクリックします。
- 右ペインで「動画プレイヤー」、もしくは「コーデック」のアプリケーションを選択して「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- アンインストールウィザードに従ってアンインストールを完了します。
- 不要な動画プレイヤーとコーデックがアンインストールできるまで繰り返します。
不要な動画プレイヤーとコーデックをアンインストールできたら、フォト、もしくはWindows Media PlayerでMP4が再生できないか確認して下さい。
対処5: 別の形式の動画ファイルにコンバートする
特定のMP4の動画ファイルのみを再生できればいい場合は、別の動画フォーマットにコンバートすることで再生できる可能性があります。
ただし、この方法は根本的な解決にはならないため、毎回MP4ファイルの変換が必要です。そのため、他の対処法も合わせて試してみることをおすすめします。
MP4を変換できるツールは数多くあります。例として「Any Video Converter Free(無料)」を使った変換方法を紹介します。
- 『Any Video Converter』のページにアクセスします。
- 「ダウンロード」をクリックしてインストーラーをダウンロードします。
- エクスプローラーで「ダウンロード」フォルダを開いて「avc-free.exe」をダブルクリックします。
- インストーラーが起動するので、案内に従ってインストールを完了します。
- 「Any Video Converter」を起動します。
- アップデートが表示された場合は「キャンセル」を押します。
- 「ファイルの追加」をクリックして、変換したいMP4ファイルを選択します。
- 右上の出力形式を選択するプルダウンをクリックして、Windowsの動画形式「Customized WMV Movie(*.wmv)」を選択します。
- 「変換」をクリックするとコンバートが開始します。
変換が完了したら、変換したファイルを開いて視聴できないか確認して下さい。
対処6: Windows Media Playerをアップデートする
Windows Media PlayerでMP4を再生できない場合、バージョン11以前の古いプレイヤーを使用していることが考えられます。
MP4をサポートしているのは、Windows Media Player12以降です。
Windows Media Playerのバージョンが古い場合は、次の手順で最新のWindows Media Playerを再インストールして下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「アプリ」をクリックします。
- 右ペインで「オプション機能」をクリックします。
- 「Windows Media Player」を選択して「アンインストール」をクリックします。
- アンインストールが完了したら『方法2: Windows Media Playerで再生する』と同様の手順でインストールを行います。
Windows Media Playerを再インストールできたら、再度MP4が再生できないか試して下さい。
対処7: ビデオアクセレーター機能を無効化する
動画の再生プレイヤーのビデオアクセレーター機能が原因で、MP4の再生ができないケースがあります。
ビデオアクセレーター機能は動画のレンダリング処理をGPUにオフロードして再生を支援するAPIです。これが有効になっていると再生に支障が出る場合があります。
そのため、再生プレイヤーのビデオアクセレーター機能の設定を確認して、無効にすることで正常に再生できる可能性があります。
Windows Media Playerの場合
Windows Media Playerの場合は、次の手順で機能を無効化することができます。
- Windows Media Playerを開きます。
- 左上にある「整理」プルダウンをクリックします。
- 表示されるメニューから「オプション」を選択します。
- 「パフォーマンス」タブをクリックします。
- ビデオ再生の項目にある「WMVファイルの再生にDirect X Video Accelerationを使用する」のチェックを外します。
- OKをクリックして完了です。
再生プレイヤーによってはビデオアクセレーター機能を搭載していない場合もあるため、マニュアルページで確認して下さい。
解決しない場合は
ここまでの全ての対処方法を試してもMP4が再生できない場合は、MP4のファイル自体が破損していることが考えられます。
MP4ファイルの破損は、ファイルのダウンロードを中断したり、レンダリングや変換処理が正常にできていない場合に発生します。
ファイルが破損しているか判断するには、他のデバイスでも同じMP4のファイルが再生できないか確認して見て下さい。
ファイルの破損が疑われる場合は、再度ダウンロードするか、ファイル提供元に再生できないことを伝えて下さい。
英語の勉強のため、何度も見ようとあるYouTube動画をdownloadしましたが、そのdownloadしたファイルは声だけで画像がでてきません。仕方なくしばらく放っておいたのですが「MP4の動画ファイルの再生方法」を調べていくうちにこの対処法がヒットしました。
対処1からつぶしていって、
途中で諦めかけていたのですが
対処2 K-Lite_Codec_Pack_XXXX_Basicをinstall
して再生したところ見事に画像がでてきました。
これからの勉強の励みになります。うれしくて報告いたしました。
ありがとうございます。