Windows10のPCでマウス操作している時に、急にクリックしてもドラッグ操作ができなくなってしまうケースがあります。
ドラッグやドラッグ&ドロップの操作は、PCで頻繁に使う操作のため使えないとかなり不便です。
今回は、Windows10のPCでマウスのドラッグ操作ができない時の対処法を紹介します。
この記事の内容
- マウスのドラッグ操作ができない時の原因
- 対処1: ESCキーを入力する
- 対処2: マウスのセンサー/マウスパッドを掃除する
- 対処3: 別のマウスに交換する
- 対処4: PCを再起動する
- 対処5: マウスを接続しているUSBポートを変更する
- 対処6: マウスのデバイスドライバーを再インストールする
- 対処7: ハードウェアのトラブルシューティングツールを実行する
- 対処8: クリックロック機能を有効にする
- 対処9: マウスの設定ツールをリセット/アンインストールする
- 対処10: クリーンブートの状態で動作確認する
- 対処11: 直前にインストールしたアプリケーションをアンインストールする
- 対処12: XML 3.0を無効にする
マウスのドラッグ操作ができない時の原因
Windowsでマウスのドラッグ操作ができなくなる原因としては、主に次のことが考えられます。
- Windowsの一時的なエラー
- マウスを接続するUSBポートの問題
- マウスの故障/センサー部分の汚れ
- デバイスドライバーの不具合
- マウスの設定ツールの問題
- マウスに関連するアプリケーションの影響
マウスの故障も考えられますが、デバイスドライバーやアプリケーションが原因で発生するケースもあります。
考えられる原因ごとの対処方法を紹介していくので、順にドラッグ操作が改善しないか確認してみて下さい。
対処1: ESCキーを入力する
エクスプローラーでファイルのドラッグまたはドラッグ&ドロップができなくなった場合は、ESCキーを入力することで解決する可能性があります。
具体的には、以下の手順でESCキーを入力してドラッグ操作ができるようにならないか確認してください。
- エクスプローラーでファイルをクリックした状態にします。
- クリックした状態のまま、キーボードの「ESC」キーを押します。
上記の操作ができたら、再度ファイルをドラッグして問題が解決したか確認します。解決しない場合は次の対処に進んでください。
対処2: マウスのセンサー/マウスパッドを掃除する
マウスのセンサー部分にホコリなどのゴミが付いていると、センサーがマウスの動きを検出できずにドラッグの動作がおかしくなるケースがあります。
そのため、マウスのセンサー部分を確認して、綿棒やエアーダスターなどでホコリを除去してみて下さい。
また、マウスのセンサー部分だけでなく、マウスパッドに汚れがある場合も綺麗な状態にして下さい。
マウスのセンサーとマウスパッドの掃除が完了したら、ドラッグの動作を確認して下さい。
対処3: 別のマウスに交換する
マウスが物理的に故障していることが原因で、マウスのドラッグ&ドロップができないケースが考えられます。
特にドラッグ&ドロップがうまくできない場合、左ボタンのチャタリングなどの物理的な故障が考えられます。
そのため、可能であれば問題のマウスを別のPCに接続して、正常に動作するか確認してみて下さい。
- 別のPCでもマウスが機能しない場合: マウスが故障していることが考えられます。
- 別のPCではマウスが機能する場合: 故障以外の原因が考えられるため、次の対処方法に進んで下さい。
マウスの故障が考えられる場合は、『対処2: マウスのセンサー/マウスパッドを掃除する』を試して、改善しない場合は交換を検討してください。
対処4: PCを再起動する
Windowsのシステムや使用中のアプリケーションに一時的なエラーが発生していることが原因で、マウスのドラッグが機能しないケースがあります。
一時的なエラーはPCの再起動で解決できる場合が多いです。そのため、PCを一度再起動してから再度マウスの動作を確認して下さい。
PCを再起動してもマウスの動作が改善しない場合は、次の対処に進んで下さい。
対処5: マウスを接続しているUSBポートを変更する
マウスを接続しているPC側のUSBポートで不具合が発生しており、ドラッグ&ドロップが機能しないケースが考えられます。
そのため、マウスを別のUSBポートに接続して正常な動作に戻らないか確認して下さい。
また、接続するUSBポートは、次に該当するポートを避けることをおすすめします。
- USBハブのポート: USBハブが原因でマウスの動作に問題が起きるケースがあります。
- USB3.0のポート: マウスの対応状況によっては動作が不安定になる場合があります。
別のUSBポートに接続してもマウスの動作が改善しない場合は、USBポートに問題はないため次の対処に進ます。
対処6: マウスのデバイスドライバーを再インストールする
マウスのデバイスドライバーに問題が起きており、マウスのドラッグが正常に動作していないケースが考えられます。
デバイスドライバーの問題は、ドライバーを再インストールすることで解決できるケースが多いです。
そのため、マウスのデバイスドライバーの再インストールを試してみて下さい。具体的な手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」をクリックします。
- 「マウスとそのほかのポインティングデバイス」のツリーを展開します。
- 「マウスのドライバー名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」をクリックします。
- 確認画面が表示されるので、「アンインストール」をクリックします。
- アンインストールが完了したらPCを再起動します。
- タッチパッドなどがない場合は、次の手順でキーボードでPCを再起動して下さい。
- 「Alt」+「F4」キーを同時押しして、カーソルキーで「再起動」を選択してEnterキーを押します。
- タッチパッドなどがない場合は、次の手順でキーボードでPCを再起動して下さい。
PCの再起動が完了すると、マウスの最新のデバイスドライバーが自動的にインストールされます。再インストールが完了したら、マウスのドラッグ操作は動作するか確認してください。
対処7: ハードウェアのトラブルシューティングツールを実行する
Windowsのデバイス構成の設定に問題があり、マウスのドラッグが正常に動作しないケースがあります。
上記の問題は、Windows10のハードウェアのトラブルシューティングツールを実行することで自動的に修復できる可能性があります。
ハードウェアのトラブルシューティングツールは、次の手順で実行できます。
- エクスプローラーを開きます。
- 以下のディレクトリを開きます。
- C:\Windows\diagnostics\system\Device
- 「DiagPackage.diagpkg」をダブルクリックして「ハードウェアとデバイスのトラブルシューティングツール」を開きます。
- ウィザードにしたがってトラブルシューティングを実行します。
- エラーが検出された場合はそのまま修復を試みます。
- すべてのプロセスが完了したらトラブルシューティングツールを閉じます。
トラブルシューティングでマウスの問題が解決できた場合は、マウスのドラッグの動作を確認して下さい。
エラーを修復できなかった場合や、「問題を特定できませんでした」と表示された場合は次の対処に進んで下さい。
対処8: クリックロック機能を有効にする
一時的な対処方法になりますが、マウスのクリックロック機能をオンにすることで、ドラッグ操作を行うことができます。
クリックロックを有効にすると、ファイルを左ボタンを長押しすると左ボタンをクリックし続けている状態と同じになります。そのため、左ボタンを押し続けなくてもドラッグ&ドロップを利用することができます。
マウスのクリックロック機能を有効にするには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定(ギアマークのアイコン)」をクリックします。
- 「デバイス」をクリックします。
- 左ペインで「マウス」を選択します。
- 「その他のマウスオプション」をクリックしてマウスのプロパティを開きます。
- 「ボタン」タブを開きます。
- 「クリックロックをオンにする」にチェックを入れて、「OK」をクリックして設定完了です。
この方法は根本的な解決にはならないため、原因が見つかるまでの手段として活用してください。
対処9: マウスの設定ツールをリセット/アンインストールする
RazerやSteelSeries、Logitechなどの一部のマウスメーカーではボタンをカスタマイズしたり、マクロを登録したりするための設定ツールを提供しています。
上記の設定ツールが原因で、マウスドラッグの動作に問題が起きるケースがあります。
そのため、マウスの設定ツールをインストールしている場合は、設定をリセットしてドラッグの操作が改善しないかを確認してみてください。
リセット方法はマウスの設定ツールによって異なるため、マニュアルページなどで確認して下さい。
設定のリセットで問題が解決しない場合は、設定ツールのアンインストールを行ってみて下さい。*設定ツールがない状態でも、マウスの基本機能は動作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインで以下のようなマウスの設定ツールを探してクリックします。
- Razer: Razer Synapse
- SteelSeries: SteelSeries Engine
- Corsair: iCUE
- Logitech: Logitech Gaming Software
- 「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- ウィザードにしたがってアンインストールを完了させます。
- アンインストールが完了したらPCを再起動します。
PCを再起動できたら、ドラッグ操作が改善したか確認して下さい。
また、設定ツールのバージョンが古いことが原因になるケースもあります。設定ツールを使用したい場合は、最新版の再インストールを行って問題が再発するか確認して下さい。
対処10: クリーンブートの状態で動作確認する
マウスの動作に影響を与えるアプリケーションが原因で、マウスのドラッグ操作ができないケースがあります。
そのため、バックグラウンドで動作するアプリケーションをすべて停止した状態で、ドラッグが正常にできるか確認して下さい。
バックグラウンドのアプリケーションを停止するには、クリーンブートでPCを起動します。クリーンブートを実行する手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「msconfig」と入力してEnterを押します。
- 「全般」タブの「スタートアップのオプションを選択」を選択して、「スタートアップの項目を読み込む」のチェックを「オフ」にします。
- 「サービス」タブをクリックして、左下にある「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを付けます。
- 右下にある「すべて無効」をクリックします。
- 「OK」をクリックしてPCを再起動します。
以上でクリーンブートの状態でPCを起動できます。マウスドラッグの動作を検証して下さい。
クリーンブートで解決した場合
クリーンブートの状態でマウスのドラッグが正常に動作する場合は、バックグラウンドで動作するアプリケーションが原因だと判断できます。
次の手順でアプリケーションのスタートアップを1つずつ有効にして、問題のアプリケーションを特定して下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を開きます。
- 「スタートアップ」タブを開きます。
- 状態が「有効」になっている全てのプログラムを右クリックして「無効化」を選択して下さい。
- 1つずつプログラムを有効にしてPCを再起動して、ドラッグ操作に影響を与えているアプリケーションを特定します。
問題のアプリケーションが見つかった場合は、そのアプリケーションのスタートアップだけを無効化して下さい。
無効化したプログラムが必要な場合は、別のプログラムで代替できないか検討してみてください。
対処11: 直前にインストールしたアプリケーションをアンインストールする
特定のアプリケーションをインストールした直後や起動時にドラッグ&ドロップの操作ができなくなるケースがあります。
上記の場合は、そのアプリケーション自体に原因があることが考えられます。
そのため、問題が発生するアプリケーションのアンインストールを行って下さい。アンインストール後に問題が解消した場合は、再インストールしないことをおすすめします。
対処12: XML 3.0を無効にする
IEやEdgeのブラウザ上でテキストをドラッグ操作で選択できない場合、XML3.0の機能が原因になっているケースがあります。
そのため、XML3.0の機能を無効化してドラッグ操作による選択ができないか確認して下さい。XML3.0を無効化する手順は次の通りです。
- 「Window s」マークをクリックして「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」の順に開きます。
- 表示方法が「カテゴリ」になっていることを確認して、「ネットワークとインターネット」→「インターネットオプション」の順にクリックします。
- 「プログラム」タブを開きます。
- 「アドオンの管理」をクリックします。
- 左ペインから「ツールバーと拡張機能」を選択します。
- 右ペインでMicrosoft Corporationの「XML HTTP 3.0」を右クリックして「無効にする」を選択します。
無効化が完了したらドラッグアンドドロップの動作が改善したか確認して下さい。ドラッグ操作が解決した場合は、影響がない限り無効化したままで問題ありません。