「コンテナー内のオブジェクトを列挙できませんでした」の解決方法 – Windows10/11

Windows10/11のパソコンで特定のフォルダやファイルを開こうとした時に「セキュリティ情報を適用中にエラーが発生しました:コンテナー内のオブジェクトを列挙できませんでした。アクセスが拒否されています」というエラーが出るケースがあります。

上記のエラーが発生すると、フォルダやファイルへのアクセスが拒否されて開けない状態になってしまうため、対処が必要です。

本記事では、Windows10/11で「コンテナー内のオブジェクトを列挙できませんでした」のエラーが出る時の対処法について紹介します。

「コンテナー内のオブジェクトを列挙できませんでした」エラーの原因

特定のフォルダにアクセスする際に「コンテナー内のオブジェクトを列挙できませんでした」のエラーが出る場合、主に次の2つの原因が考えられます。

  • ログイン中のユーザーにフォルダへのアクセス権がない
  • フォルダのアクセス権が競合している

このエラーは、基本的にアクセスしようとしているフォルダのアクセス権に問題がある場合に発生します。

特に、アクセス権を書き換えずに古いパソコンで使用していたハードディスクを別のパソコンに換装すると発生するケースが多いです。

エラーを解消するにはアクセス権を修復する必要があります。詳しい対処方法について紹介して行きます。

対処1: フォルダのアクセス権を再設定する

フォルダのアクセス権に問題がある場合は、エラーが発生するフォルダのアクセス権を再設定することで問題が解決できる可能性があります。

アクセス権を変更するには、管理者権限のあるユーザーアカウントでWindowsにログインして次の手順で設定します。

手順1: エクスプローラーの設定を変更する

まずアクセス権を変更する前に、念のためエクスプローラーの表示設定を変更しておきます。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして、「エクスプローラー」を選択します。
  2. ウィンドウ上部にある「表示」タブを開き、右上に表示される「オプション」をクリックします。
  3. 「表示」タブを開き、「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」にチェックを入れます。
  4. 「共有ウィザードを使用する(推奨)」のチェックを外します。設定したら「適用」ボタンをクリックして設定を保存してからフォルダーオプションウィンドウを閉じます。

手順2: フォルダのアクセス権を再設定する

エクスプローラーの設定が変更できたら、エラーの発生するフォルダのアクセス権を再設定します。

  1. エクスプローラー内でエラーの発生するフォルダを探し、フォルダを右クリックしてから「プロパティ」を選択します。
  2. 「全般」タブ内にある「読み取り専用」のチェックを外します。
  3. 「セキュリティ」タブを開き、「編集」をクリックします。
  4. 次のユーザーにフルコントロールの許可を設定して、「適用」ボタンをクリックしてから「OK」をクリックします。

    • 「Administrators」、「SYSTEM」をそれぞれ選択して、下の「アクセス許可」リスト内の「フルコントロール」→「許可」にチェックを入れます。
    • すでにフルコントロールにチェックが入っているユーザーは操作は不要です。
  5. プロパティウィンドウに戻ります。「セキュリティ」タブ内の「詳細設定」ボタンをクリックします。
  6. 「所有者」の右にある「変更」をクリックします。
  7. 「詳細設定」をクリックして「ユーザーまたはグループの選択」ウィンドウが表示されたら、中央右にある「検索」ボタンをクリックします。
  8. ウィンドウ下部の検索結果リストに候補が表示されるので、「Administrators」を選択して「OK」をクリックしてください。

    • 「Administrator」ではなく、末尾にsの付いている「Administrators」の方を選択することに注意してください。
  9. 「ユーザーまたはグループの選択」画面に戻ります。「OK」をクリックします。
  10. 「セキュリティの詳細設定」ウィンドウで次のオプション両方にチェックを入れます。
    • ウィンドウ上部: 「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」
    • ウィンドウ下部: 「子オブジェクトのアクセス許可エントリすべてを、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可エントリで置き換える」

  11. 右下の「適用」ボタンをクリックします。Windowsセキュリティのメッセージが表示されるので、「はい」を選択します。
  12. 「OK」をクリックしてすべての設定ウィンドウを閉じます。

以上で、フォルダのアクセス権を再設定することができます。「コンテナー内のオブジェクトを列挙できませんでした」のエラーが解決できたか確認してください。

対処2: コマンドでアクセス権を再設定する

フォルダのアクセス権は、コマンドラインを使って変更することもできます。

エクスプローラーからの操作でアクセス権が変更できない場合は、コマンドラインからアクセス権の再設定を行なってみてください。

コマンドラインを使ってアクセス権を再設定するには、次の手順で操作します。

  1. コマンドを実行する前に、エラーの発生するフォルダのフルパスを控えておきます。
    • 例: 「CドライブにあるWindowsフォルダが開けない」という状況であれば、「C:\Windows」というパスをメモ帳等にメモしておきます。
    • フォルダのパスが不明な時は、調べたいフォルダを右クリックし、「プロパティ」を選択→「全般」タブ→「場所」を確認してください。
  2. 「Windowsマーク」を右クリックして、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
  3. PowerShellウィンドウが表示されたら、以下のコマンドを入力し、エンターキーを押します。
    takeown /f "フォルダのパス" /r /d y
    • 上記コマンドの「フォルダのパス」部分は、エラーの発生するフォルダのフルパスに置き換えてください。
    • 例: フォルダパスが「C:\Windows」であれば、「takeown /F "C:\Windows" /r /d y」と入力します。
  4. コマンドの実行が終わったら、続いて次のコマンドを入力してエンターキーを押します。
    icacls "フォルダのパス" /grant Administrators:F /t
    • 「フォルダのパス」部分を事前に調べたエラーの発生するフォルダのフルパスに置き換えてください。
    • 例: メモしたパスが「C:\Windows」であれば、入力するコマンドは「icacls "C:\Windows" /grant Administrators:F /t」となります。
  5. コマンドの実行が終わったらPowerShellを閉じます。

コマンドによるフォルダのアクセス権が変更できたら、正常にフォルダにアクセスできるようになったか確認します。

対処3: ユーザーアカウント制御の通知を無効にする

上記の方法でアクセス権を変更できない場合は、ユーザーアカウント制御のセキュリティ機能が原因になっているケースが考えられます。

そのため、ユーザーアカウント制御の通知を一時的に無効にしてからアクセス権の変更設定をやり直してみてください。

ユーザーアカウント制御の通知を無効にするには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」をクリックし、アプリ一覧から「Windowsシステムツール」フォルダ→「コントロールパネル」を開きます。
  2. 「ユーザーアカウント」→「ユーザーアカウント」→「ユーザーアカウント制御設定の変更」とクリックして進みます。
  3. 「コンピューターに対する変更の通知を受け取るタイミングの選択」画面が表示されたら、スライダーを1番下までドラッグして下げ、「OK」をクリックします。
  4. 『対処1: フォルダのアクセス権を再設定する』もしくは『対処2: コマンドでアクセス権を再設定する』の方法でアクセス権の設定変更を試します。

ユーザーアカウント制御を無効にしてフォルダのアクセス権が変更できた場合は、再度「コンテナー内のオブジェクトを列挙できませんでした」のエラーが解決したか確認してください。

アクセス権の設定が終わった後はユーザーアカウント制御の通知の設定を元に戻してください。デフォルトの設定はスライダーの上から2番目です。

対処4: セーフモードで権限設定をやり直す

環境によっては、インストールされているアプリケーションやドライバーが原因でフォルダのアクセス権が変更できないケースがあります。

ここまでの方法でアクセス権を変更できない場合は、PCをセーフモードの状態で起動してから、アクセス権の変更を試してください。

  1. 「Windowsマーク」→「電源アイコン」の順にクリックします。
  2. 「Shift」キーを押した状態で「再起動」をクリックします。
  3. オプションの選択画面が表示されるので「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」の順に選択します。
  4. 「再起動」のボタンをクリックします。
  5. スタートアップ設定の画面が表示されます。「F4」キーを押して「セーフモードを有効にする」を選択します。
  6. パソコンが再起動してWindowsがセーフモードで起動します。
  7. 『対処1: フォルダのアクセス権を再設定する』もしくは『対処2: コマンドでアクセス権を再設定する』の方法でアクセス権の設定変更を試します。

セーフモードの状態でアクセス権が変更できたら、PCを一度再起動してセーフモードを解除してください。

PCが通常起動したら「コンテナー内のオブジェクトを列挙できませんでした」のエラーが解決したか確認してください。

コメント

  1. しろたん より:

    Adobe Flash Playerの削除作業中にこちらのエラーに遭遇し、ネットを彷徨っていたところこちらのページにたどり着きました。

    おかげさまで無事、エラーが発生することなく作業を進めることができました!非常に参考になりました!

  2. ふぐポン酢 より:

    対処1ではできませんでしたが対処2でできました
    icacls~コマンドは一旦サインアウトして入り直さないとできませんでした
    ありがとうございます
    本当に感謝

  3. マサキ より:

    助かりましたぁ!!ありがとうございました!!!

  4. anon より:

    おかげさまで、手順2でchkdskでサルベージしようとしてた開けなかったフォルダがひらけるようになりました、ありがとうございました。

  5. yumi より:

    本当に助かりました!!ありがとうございます!!!!

  6. グランディーバ より:

    外付けHDDの動画を保存しているフォルダに動画をコピーしようとしたら
    アクセス云々が出て困ってました。
    エクスプローラーから対処してもどうやっても解決できず、あきらめ半分で対処2の方法をやったら無事に解決しました。
    有益な情報を本当にありがとうございました。

  7. 通りすがり より:

    「対処1: フォルダのアクセス権を再設定する」の方法でマジで解決できました。
    数年間は削除できなかったので本当に感謝しています。

  8. 謎のムーブ商会 より:

    純粋にすごすぎる

    古いHDDをwin/mac(SMB)で受け渡そうと思ったところ、正常に共有できなく困っていました。
    ファイルの権限が古いユーザーだったためなんですね。

    GPTに質問したり、検索上位に来る企業のユーザーサポートなど寄り道しましたが、現代でも個人ブログの品質のほうが細かい対応が有効だと感じました。

    ありがとうございました

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