PCにiPhoneとAndroidの写真や動画をUSB接続で転送しようとすると、「デバイスに到達できません。エラーコード0x80070141」のエラーが表示されて、ファイルの転送ができないケースがあります。
上記のエラーは、エクスプローラーによるコピーやフォトアプリでのインポート時に発生します。
本記事では、Windows10でスマホの写真/動画を転送する際に出る「デバイスに到達できません」エラーの対処方法について紹介します。簡単な設定変更で解決できることも多いため、参考にしてみてください。
この記事の内容
「デバイスに到達できません」エラーの原因
「デバイスに到達できません」のエラーは、iPhoneやAndroidからファイルを転送時に、PCがスマホ内のファイルにアクセスできなくなった際に表示されます。
PCがスマホのファイルにアクセスできなくなる原因としては、主に次の原因が考えられます。
- ファイルの転送オプション、転送モードに問題がある
- システムやデバイスドライバーに問題がある
- 接続しているUSBポート、または接続ケーブルに問題がある
特にiOS場合は、ファイルの転送オプションがデフォルトの設定になっていると、バックグラウンドで実行される変換処理が失敗してエラーが表示されているケースが多いです。
エラーが解決する可能性が高い対処方法から紹介していくので、順に正常に転送できないか確認していってください。
対処1: 転送オプションを変更する(iOS)
転送元のデバイスがiPhoneの場合は、転送オプションが「自動」になっていることが原因で「デバイスに到達できません」のエラーが発生することがあります。
そのため、転送オプションを「元のフォーマットのまま」に変更することでエラーが解決できるケースが多いです。
iPhoneの転送オプションの設定を確認して変更するには、次の手順で操作してください。
- iPhoneをPCに接続している場合は取り外します。
- ホーム画面より「設定」を開きます。
- 「写真」をタップします。
- 「MacまたはPCに転送」の下にある、「元のフォーマットのまま」をタップしてチェックを入れます。
- 設定したらiPhoneを再起動します。
- パソコンにiPhoneを接続し、写真や動画を転送します。
以上の手順で、iPhoneの転送オプションを変更すれば、写真や動画を正常に転送できるはずです。
ただし、転送オプションを「元のフォーマットのまま」に変更すると、iOSの「HEIF」または「HEVC」形式のままファイルが転送されてしまいます。
HEIF/HEVC形式のファイルをWindows10で開くには、Microsoftが配布している拡張機能をインストールする必要があります。ファイルを開けるようにするには、次のページを参考にしてください。
対処2: メディア転送モードで接続する(Android)
Androidからの転送時に「デバイスに到達できません」のエラーが出る場合は、USBの接続モードに問題があり、メディアデバイスとして接続できていないことが考えられます。
そのため、USBの転送モードを確認して、メディア転送モード(MTP)に設定することで正常にファイルを転送できる可能性があります。
Androidをメディアデバイスとして接続するには、以下のように操作してください。
- USBケーブルを使ってスマホをパソコンに接続します。
- スマホのホーム画面を表示します。「アクセスを許可しますか?」というメッセージが表示された場合は「許可」を選択します。
- USBの接続モードを選択する画面が表示されます。「メディア転送モード(MTP)」を選択します。
- 機種によっては「メディアデバイス」「ファイルを転送する(MTP)」と表記されることもありますが、これらは全て同じものです。
- 上記のようなメッセージが表示されない場合は、「設定」→「接続済みのデバイス」→「USB」の項目からでも接続モードを変更できます。
Androidの接続モードが変更できたら、正常に写真や動画が転送できるか確認してください。
対処3: システムを最新版に更新する
WindowsとiOS/Androidのシステムやドライバーに不具合があり、「デバイスに到達できません」のエラーが出るケースが考えられます。
そのため、各デバイスのシステムを最新のバージョンにアップデートすることでエラーが解決する可能性があります。
デバイスのシステムを最新バージョンにアップデートする方法は、それぞれ次の通りです。
- Windows10の場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- Windowsが最新の状態になったことを確認します。
- 「再起動」や「ダウンロード」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。
- iPhone/iPadの場合:
- 「設定」アプリを開きます。
- 「一般」→「ソフトウェア・アップデート」の順にタップします。
- 自動的にアップデートのチェックが行われます。アップデートがある場合は「ダウンロードしてインストール」をタップして更新を適用します。
- Androidの場合:
- 「設定」アプリを開きます。
- 「システム」→「詳細設定」→「システムアップデート」
- 自動的にアップデートのチェックが行われます。アップデートがある場合は「ダウンロードとインストール」をタップして更新を適用します。
Windowsとモバイルデバイス側のシステムが最新バージョンにアップデートできたら、再度写真や動画の転送を試してみてください。
対処5: ポータブルデバイスドライバーを更新する
インストールしているiPhoneもしくはAndroidのポータブルデバイスドライバーに問題があり、「デバイスに到達できません」のエラーが出るケースがあります。
上記の問題は、ポータブルデバイスドライバーのバージョンが古い場合に特に発生しやすいです。
そのため、ポータブルデバイスドライバーを最新のバージョンにアップデートすることでエラーが解決する可能性があります。以下の手順でドライバーの更新を行なってみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーウィンドウが表示されたら、「ポータブルデバイス」のツリーをダブルクリックして展開します。
- 「モバイルデバイス名」を右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- モバイルデバイス名は、iPhoneの場合は「Apple iPhone」、Androidの場合は機種名等が表示されます。
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」をクリックします。
- 更新手続きが完了したらデバイスマネージャーを閉じて、パソコンを再起動します。
上記の手順でポータブルデバイスドライバーがアップデートできたら、再度写真や動画の転送を試してみてください。
対処6: ポータブルデバイスドライバーを再インストールする
ポータブルデバイスドライバーのアップデートで問題が解決しない場合は、ドライバーが破損していることが考えられます。
そのため、ドライバーの再インストールを試してみてください。ドライバーの再インストールは、次の手順で行います。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーウィンドウが表示されたら、「ポータブルデバイス」のツリーをダブルクリックして展開します。
- 「モバイルデバイス名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
- 確認ダイアログが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- パソコンを再起動すると自動的にポータブルデバイスドライバーが再インストールされます。
- ドライバーが自動で再インストールされない場合は、モバイルデバイスを再接続してみてください。
ドライバーの再インストールができたら、再度写真・動画の転送を行なってエラーが解決したか確認してください。
対処4: iTunesを最新版に更新する
iPhoneを接続するためのポータブルデバイスドライバーは、iTunesのインストール時に同時にインストールされます。
そのため、iTunesのバージョンが古い場合は、iTunesを更新することでドライバーの問題を解決できる可能性があります。iTunesを更新するには、次の手順で操作してください。
- 「iTunes」を起動します。
- 上部メニューの「ヘルプ」→「更新プログラムを確認」を選択します。
- 新しいバージョンがある場合は「iTunesをダウンロード」をクリックして更新します。
Microsoft StoreからインストールしたiTunesの場合は、Microsoft Storeからアップデート行ってください。Microsoft Storeでアップデートするには、右上の「…アイコン」→「ダウンロードと更新」からアップデートできます。
iTunesをアップデートできたら、再度写真や動画の転送ができないか確認してください。
対処7: ファイルを1つずつコピーして転送する
「デバイスに到達できません」のエラーは、一度に複数のファイルを同時にコピーして転送する場合に発生しやすいです。
そのため、ファイルのコピーを1つずつ行うことでエラーが回避できる可能性があります。
ただし、根本的な解決にはならないため、複数のファイルを転送したい場合は他の対処方法も試してください。
対処8: 別のUSB2.0ポートに接続する
接続しているUSBポートに問題があり、「デバイスに到達できません」のエラーが発生するケースがあります。
特にUSB3.0のポートに接続している場合は、スマホ側がUSB3.0に対応していないためエラーが出ていることが考えられます。
そのため、パソコンに複数のUSBポートがある場合は、USB3.0(USB3.0は端子が青く塗られています)ではない別のポートに接続し直してから写真・動画の転送を試してみてください。
対処9: PCのハードディスクに保存する
ファイルのコピー先に問題があることが原因で、転送時に「デバイスに到達できません」のエラーが出て保存できないことがあります。
特にPCのハードディスクではなく、NASや外付けHDDなどの外部のハードディスクにファイルを直接コピーしようとするとエラーが発生するケースが多いです。
そのため、一旦パソコンのハードディスク上にファイルをコピーしてから、外部のハードディスクに保存するようにしてください。
対処10: 他のUSBケーブルを使用する
スマホを接続しているUSBケーブルが断線していることが原因で、転送に問題が起きて「デバイスに到達できません」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、可能であれば別のUSBケーブルを使用して写真・動画の転送ができないか確認してください。
また、iPhoneの場合はサードパーティの接続ケーブルで接続していると不具合が発生しやすいため、純正のLightningケーブルを使用することをおすすめします。