Windows10のパソコンを使用していると、タスクバーに「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーポップアップが表示されことがあります。具体的なエラー内容は次の通りです。
「(サービス名)サービスに接続できませんでした。この問題により、制限付きユーザーはこのシステムにログオンできなくなります。管理者ユーザーはシステムイベントログを参照して、このサービスが応答しなかった原因を確認できます。」
本記事では、Windows10で上記の「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが発生した時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
「Windowsサービスに接続できませんでした」エラーの原因
「Windowsサービスに接続できませんでした」のポップアップエラーは、Windowsのシステムファイルやレジストリに問題があることがきっかけで発生するケースが多いです。具体的には、次のような原因が考えられます。
- Winsockカタログが破損している
- レジストリが欠損している、設定値に問題がある
- バックグランドで動作するアプリケーションがシステムに干渉している
- Windowsイベントログファイルが破損している
- PCに接続している周辺機器のドライバーに問題がある
エラーの内容には、接続に失敗したWindowsサービスの具体的なサービス名が表示されます。次のWindowsサービスがエラーの内容として表示されることが多いです。
- Group Policy Client サービス
- System Event Notification Service サービス
- Remote Desktop Configuration サービス
エラーを解消するには、問題のあるシステムファイルやレジストリを修復する必要があります。具体的な対処方法を紹介してくので、エラーが解決しないか試してみてください。
対処1: Winsockカタログをリセットする
Winsockカタログが破損していることが原因で、「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが出るケースが考えられます。
そのため、Winsockカタログをリセットすることで問題が解決する可能性があります。Winsockカタログをリセットするには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが開いたら、次のリセットコマンドを入力して、Enterキーを押します。
netsh winsock reset
- 「Winsockカタログをリセットしました」と表示されたらPowerShellウィンドウを閉じて、パソコンを再起動します。
パソコンが再起動したら、Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが解決したことを確認してください。
対処2: フォントキャッシュを削除する
Windowsのフォントキャッシュが破損していることが原因で、「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが出ることがあります。
そのため、フォントキャッシュを一旦削除してエラーが解消されるか試してください。フォントキャッシュを削除するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」をクリックして、「Windows管理ツール」→「サービス」の順に開きます。
- 「サービス」ウィンドウに表示された一覧から「Windows Font Cache Service」を右クリック→「停止」を選択してサービスを停止します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 以下のパスを入力して「OK」をクリックします。
%localappdata%
- 「Local」フォルダが開きます。フォルダ内の全ての「フォントキャッシュ(.DATファイル)」を右クリックして「削除」します。
- フォントキャッシュのファイル名は、FontCache-System.datなど環境により異なります。
- 再度「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択し、以下のパスを入力して「OK」をクリックします。
%windir%\system32
- 「FNTCACHE.DAT」を右クリックして「削除」を選択します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を起動して、以下のディレクトリを開きます。
C:\Windows\ServiceProfiles\LocalService\AppData\Local\FontCache
- FontCacheフォルダ内の全てのファイルを選択して右クリックで「削除」します。
- 「サービス」ウィンドウに戻って「Windows Font Cache Service」を右クリックして「開始」を選択します。
以上で、Windowsのフォントキャッシュを削除することができます。「Windows Font Cache Service」が開始できたら、エラーが発生しなくなったか確認してください。
対処3: レジストリを修復する
レジストリキーが欠損していたり、キーの値に問題があることが原因で、「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが出ることがあります。
そのため、問題のあるレジストリを手動で修復することでエラーが解決する可能性があります。レジストリを修復するには、次のいずれかの方法で行います。
方法1: レジストリエディタで手動で修復する
レジストリエディタから問題のあるレジストリを手動で修復する場合は、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「名前」欄に「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
- レジストリエディターが起動したら、ウィンドウ左のツリーを次の順に展開して、「Svchost」キーを選択します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Svchost
- ウィンドウ右側で、「netsvcs」の項目を探してダブルクリックします。
- 「値のデータ」の内容に「gpsvc」の行があるか確認して、無い場合は1番下の行に「gpsvc」と入力して「OK」をクリックしてください。
- 既に「gpsvc」の行がある場合は、何も操作せずに「キャンセル」をクリックします。
- 続いて左側のツリーを次の順に展開して「netsvcs」キーを選択します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Svchost\netsvcs
- 環境によっては「netsvcs」キーがない場合があります。「netsvcs」キーがない場合は、次の手順でキーを作成してください。
- 「Svchost」フォルダを右クリックして、「新規」→「キー」を選択します。
- 「Svchost」フォルダの下に「新しいキー」が作成されるので、「新しいキー」の名前を「netsvcs」に変更します。
- キーの名前を変更する前に確定してしまった場合は、「新しいキー」を右クリックして「名前の変更」を選択すれば再編集できるようになります。
- 環境によっては「netsvcs」キーがない場合があります。「netsvcs」キーがない場合は、次の手順でキーを作成してください。
- 「ファイル」→「エクスポート」の順にクリックして、レジストリのバックアップを保存しておきます。
- 注意: レジストリの書き換え操作を誤ると別のシステムトラブルの原因になります。必ずバックアップを取ってください。
- 「netsvcs」キーを選択した状態で、ウィンドウ右側に以下の4つの値が存在していることを確認します。
- AuthenticationCapabilities
- CoInitializeSecurityAllowInteractiveUsers
- CoInitializeSecurityAllowLowBox
- CoInitializeSecurityParam
- 不足している値がある場合は、左側のツリーで「netsvcs」キーを右クリックして、「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択します。
- 画面右側に「新しい値」が追加されるので、「新しい値」の名前を「不足している値の名前」に変更します。
- 作成した値をダブルクリックします。「16進数」にチェックを入れ、「値のデータ」に次の値を入力して「OK」をクリックします。
- AuthenticationCapabilities: 3020
- CoInitializeSecurityAllowInteractiveUsers: 1
- CoInitializeSecurityAllowLowBox: 1
- CoInitializeSecurityParam: 1
- 不足している値がある場合は、同じ手順で上記の値を全て追加します。
- 全ての値が追加できたらレジストリエディタを終了して、パソコンを再起動します。
レジストリキーの値が変更できたら場合は、再起動後に「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが解決したか確認してください。
レジストリの変更後にシステムに問題が起きた場合は、保存したレジストリのバックアップをダブルクリックして設定を復元してください。
方法2: レジストリクリーナーアプリで修復する
レジストリを手動で変更することに抵抗がある場合は、サードパーティのレジストリクリーナーアプリを使ってレジストリの問題を修復することもできます。
無料のレジストリクリーナー「CCleaner」を使用してレジストリを修復する場合は、次の手順で操作します。
- 『CCleaner公式のダウンロードページ』からインストーラーをダウンロードしてインストールします。
- CCleanerの詳しいインストール手順については、『Windows10 – CCleanerのインストール方法・できない時の対処』を参考にしてください。
- CCleanerを起動して、左ペインで「レジストリ」をクリックします。
- 英語表記になっている場合は、「Options」→「Settings」→「Language」を「Japanese」に変更してください。
- 「問題をスキャン」をクリックして、レジストリをスキャンします。
- 問題のあるレジストリが一覧で表示されます。「問題を解決」をクリックします。
- バックアップの作成についての確認ダイアログが表示されるので「はい」をクリックします。
- 問題のあるレジストリが自動的に修復されます。レジストリの問題がなくなったらCCleanerを終了します。
レジストリクリーナーを実行してレジストリが修復できたら、PCを再起動してエラーが解決したか確認してください。
対処4: 高速スタートアップを無効化する
Windowsの高速スタートアップ機能が原因で、「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが発生するケースがあります。
そのため、高速スタートアップ機能を無効化することでエラーが解決できる可能性があります。高速スタートアップ機能を無効化するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「システム」を選択します。
- 「システム」をクリックします。「電源とスリープ」→「電源の追加設定」と進みます。
- 「電源プランの選択またはカスタマイズ」画面が表示されたら、左上にある「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックします。
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外します。
- 「変更の保存」ボタンをクリックして設定を保存します。
高速スタートアップを無効化できたら、PCを再起動してエラーが解決したか確認してください。
対処5: ユーザーアカウント制御を無効化する
「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが解決しない場合は、ユーザーアカウント制御(UAC)を無効にすることで、エラーメッセージを非表示にすることもできます。
ただし、ユーザーアカウント制御を無効にすると管理者権限での実行が必要な操作であっても通知が届かなくなる点に注意してください。セキュリティリスクが僅かに高まるため、一時的な応急処置として行なってください。
ユーザーアカウント制御を無効にするには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「UserAccountControlSettings」と入力して「OK」をクリックします。
- スライダーを一番下の「通知しない」まで下げます。
- 「OK」をクリックしてユーザーアカウント制御が出たら「はい」をクリックします。
ユーザーアカウント制御を無効にできたら、エラーが表示されなくなったことを確認してください。
対処6: セーフモードで起動する
スタートアップに登録されている特定のアプリケーションが原因で、「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが発生するケースがあります。
そのため、パソコンをセーフモードで起動して、エラーが発生するか調べてみてください。PCをセーフモードで起動する手順については、以下のページを参考にしてください。
セーフモードでエラーが発生しない場合は、スタートアップに登録されているアプリケーションが原因として考えられます。
そのため、次の手順でエラーの原因として疑われるアプリケーションのスタートアップを無効化してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 左ペインで「スタートアップ」を選択します。
- 右ペインにスタートアップに登録されているアプリケーション一覧が表示されます。
- 「原因として疑われるアプリケーション」のスイッチを「オフ」に変更してください。
- 原因のアプリケーションが不明な場合は、スタートアップが不要なアプリケーションを全て無効化してください。
- PCを再起動してスタートアップの設定を反映します。
PCが再起動したら、「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが解決したか確認してください。
対処7: Windowsイベントログファイルを削除する
Windowsのイベントログファイルが破損していることが原因で、「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが発生するケースがあります。
そのため、イベントログファイルを一旦削除することで、エラーが解消する可能性があります。Windowsのイベントログを削除するには、次の手順で操作してください。
- パソコンをセーフモードで起動します。
- セーフモードの手順は、『セーフモード(セーフブート)の起動・解除方法 – Windows10/11』のページを参照してください。
- パソコンがセーフモードで起動したら「Windowsマーク」をクリックし、アプリ一覧から「Windows管理ツール」フォルダ→「サービス」を選択します。
- 「サービス」ウィンドウが開きます。中央のリストから「Windows Event Log」の項目を右クリックして「停止」を選択します。
- 「Windows Event Log」サービスが停止したことを確認したら「サービス」ウィンドウを閉じます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「名前」欄に以下のパスを入力して「OK」をクリックします。
C:\windows\system32\winevt\Logs
- 保存されているイベントログファイルが表示されます。必要に応じて「Logs」フォルダの中身すべてを別の場所にコピーしてバックアップを作成してください。
- イベントログの解析をしないのであれば、バックアップは作成する必要はありません。
- 「Logs」フォルダの中にあるすべてのファイルを右クリックして「削除」します。
- 削除の際に「このファイルを削除するには管理者の権限が必要です」というメッセージが出た場合は、「すべての項目にこれを実行する」にチェックを入れて「続行」を選択してください。
- イベントログのファイルを全て削除できたら、パソコンを再起動します。
パソコンを再起動できたら、「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが出なくなったか確認してください。
対処8: 不要な周辺機器を取り外す
PCに接続している一部の周辺機器が原因で、「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが発生することが稀にあります。
特にヘッドホンやイヤホンをPCに接続すると同様のエラーが出ることが、Microsoftコミュニティに報告されています。
そのため、PCに接続している不要な周辺機器を取り外した状態で再起動して、エラーが発生するか確認してみてください。
対処9: システムを復元する
WindowsUpdateやアプリケーションのアップデートの直後に「Windowsサービスに接続できませんでした」のエラーが発生するようになった場合は、システムの復元を実行することを検討してください。
システムの復元を実行することで、PCをエラーが出る前の状態に復元することができます。システムを復元する具体的な手順については、次のページを参考にしてください。
システムの復元を実行してエラーが解決した場合は、アップデートに問題があることが考えられます。そのため、さらに新しいアップデートが提供されるまでアップデートを行わないようにしてください。