タスクマネージャーの「スタートアップ」タブを確認すると、いつの間にか「Program」という名前の不審なアプリが登録されていることがあります。
「無効にする」ボタンをクリックしてスタートアップを無効化すればアプリは起動しなくなりますが、名前はスタートアップリストに残り続けるため削除したい方も多いと思います。
本記事では、Windows10でタスクマネージャーのスタートアップにProgramが表示される原因と対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
スタートアップにProgramが表示される原因
タスクマネージャーのスタートアップタブに表示される「Program」は、主にアプリケーションの不具合によって発生します。具体的には、アプリケーションの不具合として次の2つの原因が考えられます。
- 原因1: 存在していないプログラム/アプリケーションがスタートアップに登録されている
- アプリをアンインストールする際に、スタートアップの登録が削除されないままアプリ本体のみが削除されると、不明なプログラム(Program)がスタートアップに残り続けます。
- 原因2: アプリケーションのインストールやアップデート、アンインストール時にスタートアップの登録に失敗している
- 例えば「Program Files」フォルダにあるアプリをスタートアップに登録する場合は、本来半角スペースを正しく認識させるためにパスをダブルクオーテーションで囲わなくてはいけません。しかし、ダブルクオーテーションが抜けてしまうと「Program Files」というフォルダが、半角スペース前の「Program」までしか認識されなくなり、スタートアップに「Program」というプログラムとして登録されてしまうことがあります。
いずれもアプリケーションの不具合が原因であるため、問題が発生した場合は手動で修正するか、アプリケーションの再インストールなどを試しください。
Programの実体ファイルを調べる
タスクマネージャーのProgramの問題を対処するには、まずProgramの実体ファイルを調べてください。
実体ファイルを確認するには、タスクマネージャーのスタートアップタブでプログラムのコマンドラインを表示してください。具体的な確認手順は、次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択して起動します。
- 「Ctrl+Shift+Esc」のショートカットキーからでも起動できます。
- 「スタートアップ」タブを開きます。
- スタートアップのアプリケーション一覧で、上部に表示されている「名前」の部分を右クリックし「コマンドライン」の項目にチェックを入れます。
- 一覧の右側に登録されているアプリのコマンドラインの列が表示されるようになります。
- 「Program」のコマンドラインの列で、ファイルの場所やプログラム名から原因のアプリケーションを判断してください。
以上の手順で、スタートアップに登録されている「Program」の原因のアプリケーションを調べることができます。
原因のアプリケーションが判明したら、次に紹介する対処方法でProgramの問題が解決しないか試してみてください。
対処1: 最新版のアプリケーションを再インストール/再アンインストールする
アプリケーションのインストールやアップデート処理に一時的な不具合があった場合は、問題が修正された最新版のアプリケーションを再インストールすることで、Programの問題を解決できる可能性があります。
また、アンインストール処理の不具合でProgramが表示されている場合も、アプリケーションのインストール後に再度アンインストールすることで問題が解決できる場合があります。
そのため、次の手順で問題の起きているアプリケーションの再インストールを行なってください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧に「問題の起きているアプリケーション」がある場合は選択します。
- 一覧にアプリケーションがない場合は、手順5に進みます。
- 「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- ウィザードが起動したら、案内に従ってアンインストールを実行します。
- アプリケーションの公式ページにアクセスして、最新のインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードしたインスーラーを実行して、通常の手順でインストールを行います。
- アプリケーションが不要な場合は、再インストール後に同じ手順でもう一度アンインストールしてください。
最新のアプリケーションを再インストール、もしくは再度アンインストールできたら、タスクマネージャーのProgramの表示が解決したか確認してください。
最新版のアプリケーションを再インストールしても問題が解決しない場合は、次の対処に進んでください。
対処2: スタートアップの登録を手動で削除する
Programの問題が起きているアプリケーションが不要で、再アンインストールを行なっても問題が解決しない場合は、手動でスタートップの登録を削除する必要があります。
タスクマネージャーでは、スタートアップを無効化することはできますが、登録されている情報を削除することはできません。
そのため、スタートアップのリストからProgramの表示を削除するには、レジストリを編集する必要があります。レジストリを編集してスタートアップの登録を削除するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「名前」欄に「regedit」と入力し、「OK」をクリックします。
- レジストリエディターが開いたら、上部メニューの「ファイル」→「エクスポート」を選択します。
- 範囲のオプションを「すべて」に変更して、レジストリのバックアップを「保存」しておきます。
- レジストリエディタの左のキーツリーを展開して次のキーを開きます。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- 上部のアドレスバーにパスを貼り付けて開くこともできます。
- 「Run」キーを選択したら、ウィンドウ右の値の一覧を確認します。「データ」の列を参考に、削除したい「Program」アプリに対応する名前の値を探します。
- 「Run」キーに問題のアプリの登録がない場合は、次のキーも確認してみてください。以下は、すべてスタートアップアプリを管理するレジストリキーです。
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- 「Run」キーに問題のアプリの登録がない場合は、次のキーも確認してみてください。以下は、すべてスタートアップアプリを管理するレジストリキーです。
- アプリと一致する値が見つかったら、右クリックして「削除」を選択します。
- 続いて次のキーを確認して、同様にアプリと一致する値がある場合は右クリックして「削除」してください。
- HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\StartupApproved\Run
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\StartupApproved\Run
- 削除が完了したらレジストリエディタを閉じます。
- 最後にスタートアップフォルダ内を確認します。「Windows」ボタンを右クリック→「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 名前欄に「shell:startup」と入力して「OK」をクリックします。
- スタートアップフォルダが表示されます。問題の起きているアプリのショートカットが残っている場合は、右クリックして「削除」します。
- パソコンを再起動して、レジストリとスタートアップフォルダの設定を反映します。
PCが再起動できたら、タスクマネージャーのスタートアップに「Program」が表示されなくなったことを確認してください。
再起動後にWindowsの動作に問題が起きた場合は、バックアップしたレジストリファイルをダブルクリックして設定を復元してください。
対処3: スタートアップのファイルパスの登録を修正する
使用しているアプリケーションのスタートアップの登録情報に問題がある場合は、Programの問題を手動で修正することもできます。
そのため、アプリケーションの再インストールで問題が修正されない場合は、手動での修正を試みてください。
具体的には、スタートアップのレジストリキーに設定されているパスの値をプログラムの正しいパスに変更します。手動で修正する手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「名前」欄に「regedit」と入力し、「OK」をクリックします。
- レジストリエディターが開いたら、上部メニューの「ファイル」→「エクスポート」を選択します。
- 範囲のオプションを「すべて」に変更して、レジストリのバックアップを「保存」しておきます。
- レジストリエディタの左のキーツリーを展開して次のキーを開きます。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- 「Run」キーを選択した状態で、右ペインの一覧で「Program」アプリに対応する名前の値をダブルクリックします。
- 「文字列の編集」ウィンドウが表示されます。「値のデータ」を正しいパスに修正して「OK」をクリックします。
- 不正な例: 以下のような不正なパスが設定されている場合は修正が必要です。
- パスに半角スペースを含むのに、ダブルクオーテーションがない
C:\Program Files\Realtek\Audio\HDA\RAVCpl64.exe -s
- ダブルクオーテーションはあるが、位置が間違っている
"C:\Program" Files\Realtek\Audio\HDA\RAVCpl64.exe -s
- 参照するフォルダが間違っている
"C:\Program Files(x86)\Realtek\Audio\HDA\RAVCpl64.exe" -s
- パスに半角スペースを含むのに、ダブルクオーテーションがない
- 正しい例: 不正なパスが設定されている場合は、「値のデータ」を以下のように修正します。
"C:\Program Files\Realtek\Audio\HDA\RAVCpl64.exe" -s
- 不正な例: 以下のような不正なパスが設定されている場合は修正が必要です。
- 修正が完了したらレジストリエディターを終了し、パソコンを再起動してください。
パソコンが再起動できたら、タスクマネージャーのスタートアップを開いて、Programの表示が解決したか確認してください。
対処4: Autorunsユーティリティを使用して削除する
レジストリの編集が難しい場合は、Micrsoft Sysinternalsで配布されているAutorunsユーティリティを使用してProgramのスタートアップ登録を削除することができます。
Autorunsユーティリティを使用してProgramの問題を解決するには、次の手順で操作します。
- 『Autoruns for Windows - Windows Sysinternals』のページにアクセスして、「Download Autoruns and Autorunsc」のリンクをクリックします。
- ダウンロードした「Autoruns.zip」を右クリックして「すべて展開」を選択します。
- 展開ウィザードが起動するので、展開先を指定して「展開」をクリックします。
- 展開したフォルダ内の「Autoruns64.exe」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- Windowsが32bitの場合は、「Autoruns.exe」を起動してください。
- ライセンスの確認が表示されたら「Agree」をクリックします。
- 「Everything」タブを開いていることを確認して、「Filter:」のテキストボックスに「問題のアプリケーションの名前」を入力して検索します。
- 一覧から「アプリケーションに関連するキー」が見つかったら、全てのキーのチェックを外してください。
- PCを再起動して設定を反映します。
対処5: スタートアップ設定を無効化する
Programの表示が気にならない場合は、登録されているProgramのスタートアップ設定を無効化しておけばWindowsの動作に問題は起きません。
この方法でタスクマネージャーに表示されるProgramの問題を解決することはできませんが、PC起動時にProgramが実行されないように設定できます。
Programのスタートアップを無効化するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択して起動します。
- 「スタートアップ」タブを開きます。
- アプリケーション一覧で、「Program」を右クリックして「無効化」を選択します。
以上の設定で、次回の起動以降はProgramが実行されないようになります。ただし、Programの表示は消えないため、表示を消したい場合は他の対処を試してください。
解決しました!ありがとうございます!