Windows10標準の展開機能でZIP形式の圧縮ファイルを展開しようとすると、「圧縮フォルダーの展開ウィザードを完了できません」や「展開を完了できません」のエラーが出て展開できないケースがあります。
エラーメッセージには「圧縮フォルダーが空です」等と表示されますが、実際にはフォルダの状態が正常でも同様のエラーが出る場合があります。
本記事では、Windows10のPCでZIPファイルの展開時に「圧縮フォルダーの展開ウィザードを完了できません」のエラーが出る時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: 圧縮ファイルを別のフォルダに移動してから展開する
ZIPファイルの保存場所、または展開先に問題があることが原因で、「展開を完了できません。展開先ファイルを作成できませんでした。」のエラーが発生するケースが考えられます。
上記の問題を解決するには、ZIPファイルを「デスクトップ」や「ドキュメント」等の別のフォルダに移動してから、展開を行なってみてください。
ZIPファイルの場所を移動してもエラーが解決しない場合は、展開時に「参照」をクリックして展開先のフォルダを変更してください。
対処2: 圧縮ファイルを再ダウンロードする
ZIPファイルを移動しても「圧縮フォルダーの展開ウィザードを完了できません」エラーが発生する場合は、圧縮ファイルが破損していることが考えられます。
特にZIPファイルのファイルサイズが異常に小さい場合は、ファイルが破損している恐れがあります。ファイルサイズは、ファイルを右クリックし、「プロパティ」を選択すると確認できます。
ZIPフファイルの破損が考えられる場合は、ZIPファイルを配布しているサイトからファイルを再度ダウンロードして展開を試してください。
対処3: 圧縮ファイルのファイル名を変更する
ZIPファイルの名前が極端に長いと展開に失敗して、「圧縮フォルダーの展開ウィザードを完了できません」のエラーが発生することがあります。
そのため、圧縮ファイルの名前が長い場合は、「test.zip」などの短いファイル名に変更してから展開を実行してみてください。
圧縮ファイル名を変更するには、ファイルのアイコンを右クリックして「名前の変更」を選択します。
対処4: Tempフォルダをクリーンアップする
Windowsで圧縮ファイルを展開する際は、Windowsの一時ファイルを保存するTempフォルダを使って展開処理を行います。
このTempフォルダに問題が起きていることが原因で、「圧縮フォルダーの展開ウィザードを完了できません」のエラーが発生することがあります。
そのため、以下の手順でTempフォルダをクリーンアップしてエラーが解決しないか確認してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- ウィンドウが表示されたら、名前欄に半角で「%temp%」と入力して「OK」をクリックします。
- Tempフォルダが表示されます。フォルダ内のファイルをドラッグで全て選択した状態で右クリックし「削除」を選択します。
- ファイルが多い場合は、「Ctrl + A」キーを同時に押して全選択してください。
- 「管理者の権限が必要です」と表示されたら、「すべての項目にこれを実行する」にチェックを入れてから「続行」を選択してください。
- ファイルの削除が完了するまでしばらく待ちます。
- 「ファイルを開いているので操作を完了できません」と表示される場合は、「すべての項目にこれを実行する」にチェックを入れてから「スキップ」を選んでください。
- 一部のファイルは削除できずにTempフォルダに残ることがありますが、無理に削除する必要はありません。
Tempフォルダ内のファイルが削除できたら、再びZIPファイルの展開を実行してエラーが発生しないか確認してください。
対処5: パソコンをセーフモードで起動する
バックグラウンドで起動しているサードパーティ製のアプリケーションの機能が干渉して、ZIPファイルの展開時に「圧縮フォルダーの展開ウィザードを完了できません」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、PCをセーフモードで起動した状態でZIPファイルを展開できないか確認してください。セーフモードで起動するには、以下の手順で操作を行なってください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウが表示されたら、「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「回復」をクリックして、右ペインで「PCの起動をカスタマイズする」の下にある「今すぐ再起動する」ボタンをクリックしてください。
- ブルーの画面が表示されたら、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」と進み、「再起動」をクリックします。
- オプション画面が表示されたら、キーボードの「5キー(またはF5)」を入力します。
- しばらく待つとパソコンがセーフモードで起動します。
セーフモードでPCを起動できたら、ZIPファイルを右クリックして「全て展開」を選択し、正常に展開できるか確認してください。
セーフモードを解除するには、「Windowsマーク」→「再起動」を選択して再起動すると通常モードに戻ります。
対処6: 他の展開ツールを使う
圧縮ファイルによってはWindows標準の展開機能では正常に展開できず、「圧縮フォルダーの展開ウィザードを完了できません」のエラーが発生することがあります。
そのため、ここまでの方法で展開エラーが解決しない場合は、サードパーティ製の展開ソフトを使用することで正常に展開できる可能性があります。
サードパーティ製のフリーの展開ソフトでは、7-ZipやWinRAR、Explzhなどが有名です。展開ソフトの公式ページにアクセスして、ソフトウェアをダウンロードしインストールを行なってください。
ソフトウェアをインストールできたら、初期設定を行なってZIPファイルの展開を試してください。
対処7: ドライブのエラーチェックを行う
PCのハードディスクのファイルシステムが破損していることが原因で、「圧縮フォルダーの展開ウィザードを完了できません」のエラーが出て圧縮ファイルを展開できないケースが少なからず考えられます。
特に他のPCで同じZIPファイルが正常に展開できる場合は、ファイルシステムの破損が考えられます。
そのため、ドライブのエラーチェックを実行して、ファイルシステムを修復できないか試してみてください。エラーチェックを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を選択します。
- エクスプローラーが起動したら、ウィンドウ左側の一覧から「PC」をクリックして選択します。
- 左側に一覧が表示されない場合は、ウィンドウ上部の「表示」タブを開き、「ナビゲーションウィンドウ」にチェックを入れてください。
- 「デバイスとドライブ」の項目を展開して、「ローカルディスク(C:)」を右クリックし「プロパティ」を選択します。
- 「ツール」タブをクリックして開きます。
- 「エラーチェック」の中にある「チェック」ボタンをクリックします。
- チェックが開始します。「このドライブをスキャンする必要はありません」と表示された場合は、「ドライブのスキャン」をクリックしてください。
- 完了するまでしばらく待ちます。エラーが検出された場合はその場で自動的に修正されます。
エラーチェックを実行してファイルシステムを修復できたら、再度ZIPファイルを展開してエラーが解決したか確認してください。