プレゼンテーションや会議で、プロジェクターを使ってパソコンの画面を投影する場面は多いと思います。
しかし、プロジェクターとパソコンを映像ケーブルで接続しても、画面が信号なしのまま映らないケースがあります。画面が映らない原因として故障も考えられますが、映像ケーブル、PC側の設定、プロジェクター側の設定に原因があることが多いです。
本記事では、パソコンの画面がプロジェクターに映らない時の対処法について詳しく紹介します。対処内容は、Windows10/Macを想定しています。
解決できる可能性が高い対処方法から順に紹介するのでプロジェクターが投影できない際は参考にしてください。
この記事の内容
対処1: 映像ケーブルを再接続する
映像ケーブルの端子が緩んでいることが原因で、プロジェクターに映像が映らないケースが考えられます。
そのため、まずは映像ケーブルを取り外して再度しっかり奥まで接続してみてください。映像ケーブルは、PC・プロジェクター両方の接続を確認してください。
映像ケーブルの接続に問題がない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処2: PCの映像出力設定を変更する
PC側の映像出力設定が外部出力しない設定になっていることが原因で、プロジェクターに映像が映らないケースが考えられます。
そのため、PC側の映像出力設定を確認して、問題がある場合は変更してください。具体的な手順は以下の通りです。
- Windowsの場合:
- 「Windows + P」キーを押して映像出力設定を表示します。
- 「複製」「拡張」「セカンドスクリーンのみ」のいずれかを選択します。
- 複製: PC画面とプロジェクターで同じ内容を表示する
- 拡張: PC画面から必要なウィンドウのみをプロジェクターに移動させて投影する
- セカンドスクリーンのみ: PC画面を使用せずにプロジェクターのみですべての操作を行う
- Macの場合:
- 「Appleマーク」をクリックし、「システム環境設定」を選択します。
- 「ディスプレイ」をクリックします。
- 「Option」キーを押しながら、「ディスプレイを検出」をクリックします。
- プロジェクターに画面を複製したい場合は、「配置」タブを開いて「ディスプレイをミラーリング」にチェックを入れます。
- または、「Command + F1」キーを入力することでも同様に操作ができます。Touch Barを搭載している場合は、「Command + 輝度を下げる」キーを入力してください。
Windowsの場合は、「PC画面のみ」を選択するとプロジェクターに画面が投影されない点に注意してください。
PCの映像出力設定を変更できたら、プロジェクターにPCの画面が正常に投影されたか確認してください。
対処3: プロジェクターのレンズカバーを開ける
一部のプロジェクターにはレンズカバーが搭載されており、カバーが閉じていることが原因で、画面が映らないケースがあります。
基本的な確認事項ですが、プロジェクターのレンズカバーが完全に開いているか確認してください。
対処4: プロジェクターのスタンバイモードを解除する
多くのプロジェクターは、一定時間使用していないと自動的にスタンバイモードに移行します。プロジェクターがスタンバイモードになっていると、PCの画面は投影されません。
そのため、プロジェクターのスタンバイモードを解除して映像が映らないか確認してください。
スタンバイモードを解除するには、プロジェクター本体、またはリモコンの「電源」ボタンを1回押してください。
対処5: プロジェクターの入力ソースを確認する
プロジェクターの入力ソースが映像ケーブル(HDMI/DP/VGA/DVI等)と異なっていることが原因で、PCの画面が映らないケースが考えられます。
そのため、プロジェクターの入力ソースを切り替えて映像が映らないか確認してください。入力ソースは、プロジェクター本体、もしくはリモコンの「入力検出(Source)」ボタンを押して切り替れる場合が多いです。
映像ケーブルと入力ソースが一致しているのに映像が映らない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処6: PCとプロジェクターを再起動する
ここまでの方法を試してもプロジェクターが映らない場合は、PCとプロジェクターの認識に問題が起きていることが考えられます。
そのため、PCとプロジェクターを一度再起動することで問題が解決する可能性があります。PCとプロジェクターを再起動する場合は、以下の手順で行ってください。
- PCとプロジェクターの映像ケーブルを取り外します。
- PCとプロジェクターをシャットダウンします。
- 10秒程度待ってから、PCとプロジェクターの電源を入れ直します。
- PCとプロジェクターが起動したら、映像ケーブルを接続します。
再起動後に映像ケーブルを接続したら、プロジェクターにPCの画面が映るようになったか確認してください。
対処7: 別の映像ケーブルを使用する
使用してる映像ケーブル(HDMI/DP/VGA/DVI等)が断線していたり、相性に問題があることが原因で、プロジェクターにPCの画面が映らないケースが考えられます。
そのため、ここまでの方法で改善しない場合は、別の映像ケーブルを使用してみてください。また、PCとプロジェクターに複数の映像端子が搭載されている場合は、別の映像端子を使用して映像が映らないか確認してださい。
別の映像ケーブル、または別の映像端子でプロジェクターが映る場合は、使用している映像ケーブルに問題があると判断できます。映像ケーブルに問題がある場合は、新しいケーブルに交換することを検討してください。
対処8: グラフィックドライバーをアップデートする
グラフィックドライバーに不具合があることが原因で、プロジェクターに画面が映らないケースが考えられます。
そのため、グラフィックドライバーを最新バージョンにアップデートして問題が解決しないか確認してください。グラフィックドライバーをアップデートする手順は、以下の通りです。
- Windowsの場合:
- グラフィックボードのメーカーのドライバダウンロードページにアクセスします。
- 使用しているグラフィックボードの型番で検索し、最新版のドライバーファイルをダウンロードします。
- 使用しているグラフィックボードの型番が不明な場合は、『PCのスペック(性能)や構成を確認する方法 – Windows10【メモリ/CPU/グラボ】』にページを参考にしてください。
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックして展開し、フォルダ内の実行ファイルをダブルクリックします。
- インストールウィザードにしたがってグラフィックドライバーをインストールします。
- NVIDIAの場合は、インストールのオプションで「カスタムインストール」→「クリーンインストール」を選択します。
- グラフィックボードのメーカーのドライバダウンロードページにアクセスします。
- Macの場合:
- 「Appleマーク」をクリックし、「このMacについて」を選択します。
- 「ソフトウェア・アップデート」をクリックします。
- 新しいアップデートが提供されている場合は、「ダウンロードしてインストール」をタップします。
- アップデートがダウンロードされたら、「今すぐインストール」をクリックします。
以上の手順でグラフィックドライバーをアップデートできます。再度プロジェクターとPCの映像ケーブルを再接続して、正常に画面が映るようになったか確認してください。
対処9: 時間を置いてからプロジェクタの電源を投入する
長期間プロジェクターを使用した後で突然映らなくなった場合は、プロジェクターの発熱が原因として考えられます。
プロジェクターには過熱を防ぐ安全装置が動作しており、高温になると自動的に動作が停止します。
そのため、プロジェクターの表面を触って熱い場合は、電源ケーブルを抜いて冷却が完了するまでしばらく時間を置いてください。
冷却が完了したら、電源ケーブルを再度接続して映像が映るか確認してください。急いでプロジェクターを使用する必要がある場合は、別のプロジェクターを使用することをおすすめします。
対処10: プロジェクターランプ/本体を交換する
ここまでの全ての方法を試してもプロジェクターにPCの画面が映らない場合は、ランプユニット、もしくは本体が故障していることが考えられます。
そのため、別のPCや再生機器を接続して、プロジェクターに映像が映るか確認してください。別のデバイスを接続しても映像が映らない場合は、プロジェクターの故障が疑われます。
特にプロジェクターのランプユニットは使用時間に限度があり、限度を超えると破裂したり不点灯状態になることがあります。
そのため、ランプユニットが正常に点灯しているか状態を確認してください。ランプユニットに問題がある場合は、メーカーに交換を依頼してください。
ただし、ランプユニットの交換は数万円の費用がかかるケースもあるため、金額によっては新しいプロジェクターに交換することも検討してください。