Windows10/11のPCでアプリケーションを起動しようとすると、MSVCP110.dllが見つからないエラーが発生して起動できないトラブルが発生することがあります。
このエラーが発生する原因としては、Visual Studio Visual C++パッケージがインストールされていないことが考えられます。
本記事では、Windows10/11でMSVCP110.dllが見つからないエラーが出る時の対処法について詳しく解説します。
この記事の内容
対処1: Visual Studio 2012パッケージをインストールする
MSVCP110.dllは、Visual Studio 2012 Visual C++ 再頒布可能パッケージに含まれるライブラリファイルです。
そのため、MSVCP110.dllを含んだVisual Studio 2012再頒布可能パッケージをインストールすることでエラーが解決する可能性が高いです。
Visual Studio 2012パッケージをインストールしてエラーを解決するには、以下の手順で操作してください。
- 『Visual Studio 2012 更新プログラム 4 の Visual C++ 再頒布可能パッケージ』のページにアクセスします。
- 「ダウンロード」をクリックします。
- Windowsが64ビットの場合は「vcredist_x64.exe」、32ビットの場合は「vcredist_x86.exe」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
- Windowsのビット数は、「Windowsマーク」→「設定」→「システム」→「詳細情報(またはバージョン情報)」の順にクリックし、「デバイスの使用」の「システムの種類」の項目で確認できます。
- ダウンロードしたパッケージのインストーラーを右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- 案内に従ってパッケージのインストールを完了します。
上記の手順でVisual Studio 2012パッケージをインストールできたら、エラーが出たアプリケーションが正常に起動するようになったか確認してください。
対処2: アプリケーションを再インストールする
起動しようとしているアプリケーションに不具合があることが原因で、MSVCP110.dllが見つからないエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、エラーが発生するアプリケーションをアンインストールして、最新バージョンをインストールすることでエラーが解決する可能性があります。アプリケーションを再インストールするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で「エラーが発生するアプリ」を選択して「アンインストール」をクリックします。
- Windows11の場合は、「エラーが発生するアプリ」の「3点アイコン」をクリックして「アンインストール」を選択してください。
- ウィザードが表示されたら案内に従ってアンインストールを完了します。
- アプリケーションの公式サイトにアクセスして、アプリケーションの最新バージョンのインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーファイルを実行して、案内に従ってインストールを完了します。
アプリケーションを再インストールできたら、MSVCP110.dllエラーが発生せずに正常に起動できるようになったか確認してください。
対処3: ゴミ箱からDLLを復元する
システムフォルダからMSVCP110.dllを誤って削除していることが原因で、MSVCP110.dllが見つからないエラーが発生しているケースが考えられます。
そのため、ゴミ箱にMSVCP110.dllのファイルが存在する場合は、復元することでエラーが解決する可能性があります。ゴミ箱からMSVCP110.dllを復元するには、以下の手順で操作します。
- デスクトップから「ゴミ箱」を開いきます。
- デスクトップにゴミ箱が存在しない場合は、エクスプローラーを開いて左のメニューから「ゴミ箱」を選択して開いてください。
- ゴミ箱内のファイルの一覧から「MSVCP110.dll」を探して右クリックして「元の場所へ戻す」を選択します。
- MSVCP110.dllが見つからない場合は、ゴミ箱にファイルが残っていないため別の対処方法を試してください。
ゴミ箱からMSVCP110.dllを復元できたら、エラーが出ていたアプリケーションが正常に起動するようになったか確認してください。
対処4: Volume Shadow Copyのスタートアップ設定を変更する
Volume Shadow Copyサービスのスタートアップ設定が原因で、MSVCP110.dllが見つからないエラーが発生することを一部のユーザーが報告しています。
そのため、Volume Shadow Copyサービスのスタートアップ設定を変更することで、エラーが解決する可能性があります。Volume Shadow Copyのスタートアップ設定を変更するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「services.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- サービスウィンドウが表示されたら、サービス一覧から「Volume Shadow Copy」をダブルクリックします。
- 「スタートアップの種類」が「手動」になっている場合は「自動」に変更します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
- PCを再起動して設定を反映します。
Volume Shadow Copyのスタートアップ設定を変更してPCを再起動できたら、MSVCP110.dllが見つからないエラーが発生しなくなったことを確認してください。
対処5: MSVCP110.dllを手動でコピーする
同じアプリケーションを正常に起動できるPCからMSVCP110.dllを手動でコピーすることで、MSVCP110.dllが見つからないエラーを解決することもできます。
別のPCからMSVCP110.dllを手動でコピーする場合は、以下の手順で操作してください。
- 正常なPCでエクスプローラーを起動して次のフォルダを開きます。
- C:\Windows\System32
- C:\Windows\SysWOW64
- フォルダ内のMSVCP110.dllを右クリックして「コピー」を選択します。
- USBメモリなどの外部ストレージにライブラリファイルをペーストします。
- 「System32」には32ビットのMSVCP110.dll、SysWOW64には64ビットのMSVCP110.dllが保存されています。
- Windowsが32ビットの場合は「SysWOW64」のフォルダは存在しません。
- それぞれのフォルダにMSVCP110.dllがある場合は、コピー時にMSVCP110.dllを上書きしないようフォルダ分けなどを行なってください。
- USBメモリなどの外部ストレージを問題の起きているPCに接続します。
- 問題の起きているPCで同じフォルダを開いて、MSVCP110.dllをドラッグして置換します。
- コピー元のPCと同じ場所に同じMSVCP110.dllをコピーして下さい。
MSVCP110.dllを手動でコピーできたら、エラーが発生していたアプリケーションが正常に起動できるようになったか確認してください。
対処6: WindowsUpdateを実行する
Windowsのシステムのバージョンが古く不具合があることが原因で、MSVCP110.dllが見つからないエラーが発生するケースが少なからず考えられます。
そのため、WindowsUpdateを実行してシステムを最新の状態にすることで、エラーが解決する可能性があります。WindowsUpdateを実行するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」→「Windows Update」をクリックします。
- Windows11の場合は、左ペインの「Windows Update」をクリックします。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- 新しい更新プログラムが見つかった場合は、自動でインストールされます。
- 「再起動」や「ダウンロード」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。
- インストールが完了したら、Windowsが最新の状態になったことを確認します。
Windowsを最新バージョンにアップデートできたら、MSVCP110.dllのエラーが発生しなくなったことを確認してください。
対処7: システムを復元する
以前は正常に起動できていたアプリケーションに突然MSVCP110.dllのエラーが発生するようになった場合は、システムの復元を実行すると問題が解決する可能性があります。
システムの復元は作成したファイルなどが削除されることはありませんが、システムとアプリケーションが復元した日付の状態に戻る点に注意してください。
システムの復元を実行する手順については、以下のページを参考にしてください。
システムの復元を実行してエラーが発生する以前の状態に戻せたら、アプリケーションのMSVCP110.dllエラーが発生しなくなったことを確認してください。